high school D×D 〜仮面ライダードラグナー〜 作:ドラゴンズネスト
「おー、イッセー、新しい特典が目覚めたんだってな?」
「おー、そうなんだよ。最近やっとイリナとゼノヴィアが駒王町に来てな、これでオレのハーレムももっと豪華になるぜ」
「へへへ……まあ、お前のお蔭で良い物手に入ったからホント感謝してるぜ」
ソファーに座りながら飲み物を勧められつつ一誠の友人の転生者との会話を交わす。
気安い友人同士の会話に聞えるが、周囲の雰囲気が明らかに普通では無い。……窓一つ無い部屋に矢鱈と明かりが強いライトでテーブルとソファーを照らした部屋……極めつけは虚ろな目をした肌も露な格好をした少女達がホステスの様な事をしている時点でまともな場所ではない。
「そいつは売らないで残してるのか?」
「ああ、『ミッテルト』だけしか手に入んなかったからな、カワラーナとレイナーレは殺されちゃっただろ? お前は上手くやったよな……焼き鳥の眷属根こそぎ手に入れたんだって」
「おう。しかも、レイヴィルも手に入ったし、そのお蔭でフェニックスの涙をこっちに大量に卸せるだろ?」
「ああ、お前のお蔭で商品を長持ちさせる事ができるぜ」
他の少女達と同じ格好で鎖付きの首輪をつけた虚ろ目な黒い翼を持った堕天使の少女『ミッテルト』を侍らせながら、男は楽しそうにケラケラと笑っている。
此処は、貴族悪魔に転生した転生者が中心となって複数の転生者の同時経営で運営されている転生者のみしか入店出来ない会員制の店である。四季が襲撃を狙っている場所とは違うが、危険性は此方が圧倒的に上位に位置している。
人間、堕天使、悪魔と様々な種族の少女達が捕えられては、自我を消され様々な形で“商品”として扱われている店だ。
白熱した即席のオークションや、正気の少女達を拷問するショーを行なっている時点でマトモな神経をしている者はいないのだろう。
「今度は手に入れ損ねるなよ、親友」
「分かってるよ。そっちこそ連絡忘れんなよ、原作の動きって奴はお前が一番分かり易いんだからな」
『乾杯』とグラスをぶつけ合って笑う二人の男。転生者と言う存在が生み出した闇の中で、力を持つ者達は愉快にこの世の春を謳歌していた。
「その内、惚れ薬とか用意してやるから、グレイフィアとか、セラフォルーとか、原作の強キャラゲットしたらオレにも貸してくれよ」
『立場上、中々手に入らないからな』等と言っている男に同意する一誠。この店の経営に参加している貴族悪魔に転生した転生者と、一誠に転生した転生者は楽しげに笑う。
「まっ、お前がハーレム作れるようになるべく早く上級悪魔になれる様に協力するから、期待しててくれよ」
「おっ、何か考えてるのか?」
「ああ、上層部の連中の始末と、三人の魔王の地位を奪うんだ」
そう言って邪悪に笑う悪魔の男。勧めている上層部の抹殺計画を笑い話のように一誠へと話していた。
「サーゼクス達は悪魔の駒の問題点とか持ち出して、あとは力技で、な」
「最悪でも、オレは部長達を止めておけば……」
「ああ、セラフォルーはお前が落としてくれれば、こっちの味方だ」
転生者の間で計画されている悪魔側の上層部ののっとり計画。セラフォルーと魔王や上層部の女性の眷属を自分達の戦力に組み込むと言う計画を進めている様子だが、上手く行くかは疑問である。
なお、この時、グレイフィアとセラフォルーの二人は身の危険を感じたと言う。
四季 SIDE
(……ど、どうする……この状況?)
「ん……?」
四季がそんな事を考えていると一人が目を覚ます。
「ふわぁ……。おはよう、四季お兄さん」
「ああ、おはよう……“雫”」
『北山 雫』。四季が潰した悪魔側の人身売買のオークションの商品として誘拐された被害者の一人。魔法使いの家系であり、転生者らしき悪魔に家族を殺された側の人間でもある。
……その貴族悪魔については既に四季によって始末されているので彼女が再び狙われる可能性は低いだろうが、念の為にと警戒して貴族で上級悪魔が二人も居る駒王学園とは別の学校に通っている。
「……で、なんでこんな状況に?」
「みんなで愛情表現?」
「愛情って」
そう言って首をかしげる姿は可愛らしいものがあるのだが、流石にこの状況は色々と拙いものがある。
なんとか抜け出そうとするが、
「うふふふ、逃がさないわよ」
「ちょっ、刀奈姉!?」
『ガシッ』と言う擬音でもつきそうな勢いで刀奈に抱きとめられる。
「私達と一緒に練るのはイヤ?」
逃がさないとばかりに四季の服を捕まえつつ上目遣いで問いかけてくる雫。其処でイヤだと応えたら確実に同性愛者だろう。四季は普通に女の子が好きである。
「そうね、最後まで責任はとってもらうわ」
更に何とかその状況から抜け出そうとする四季に向かって問いかける少女……詩乃が更に強く四季の腕を抱きとめる。
「お、おい……」
「まだ気持ちよく寝てる子も居るんだから、起しちゃ可哀想よ」
「グゥ……それは分かってるけど」
「なら、もう少しこうしててもいいわよね」
ふと、近くに居るシフトカーと視線が合うが、『ごゆっくり』と言う様子で走り去っていった。……ベルトさんにも見捨てられたのだろう。
「……ベルトさん、見てたなら助けてくれれば良いのに……」
『ハハハ、それはすまなかった。彼女達が幸せそうだったのでね』
朝食の用意が出来るまでの間、現ベルトさんの研究施設である、ユーブロン印の研究施設で四季はベルトさんにジト目を向けている。さんな四季に苦笑しながら、本題へと映る。
「それで、これは安全性が確認できたわけか」
『正確に言えば一から作り直したと言うべきかな?』
そう言って手に取るのはベルトさんの前に置かれた『マッハドライバー炎』。元々転生者の特典として作られたものなので、変な機能でもないかと警戒していたが、どうら間違いなく安全らしい。
『それに、念の為に一から製作しておいた。これなら、君も問題なく変身できるだろう』
「助かる」
これでドラグナーの姿を隠して仮面ライダーとして戦えるわけだ。どうもドラグナーの姿でリアス達の前に現れている以上、目の前でドラグナーに変身すれば厄介な事になる。
「じゃ、試してみるか」
『ああ、何時でもいいぞ』
「変身!」
フィンガースナップと同時に四季の手に飛び込むシグナルバイク、そしてそれをベルトへと装填し、彼の姿を白い仮面ライダー、『仮面ライダーマッハ』へと姿を変える。
「なるほど、悪くないな」
『ああ、それならドラグナーに変身せずに戦えるだろう?』