魔法使い「聖杯を嫁にしたんだが冷た過ぎて辛い」   作:シフシフ

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初投稿かなーwやっぱw

えっ、遅くなった理由……?大体全部サブカルクソ雑魚ムカデ人間委員長が悪い。あとずっとアリアンロッド+モンハン+ブラッドボーンやってしました^^*(聞いてないw)

そしてその間、1日100文字くらいの超☆スローペースで執筆しておりました(嘘)
嘘です(自白)。今日、朝起きて仕上げました。

そして!なんとぉお!初投稿にして!初挿絵!
誰も描いてくれないからシフシフ頑張って描きました。でもね、色よく見えないから色塗りはしていないのです。


【挿絵表示】

うーん、挿絵のやり方合ってるかな?まぁこんな感じの外見だと想像しております。ほら、これだけやればみんな描いてくれるのでは?チラッチラ。

はい、すみません。反省します。次はもっと早く初投稿するんだ……。










魔法使い「前回の嫁視点!!」

「───────ふわあぁ〜?……ううぅ……」

 

 私は目を覚まし、上体を起こす。

 起こした拍子に身体を包み込んでいた暖かな毛布等から体が出てしまい、途端に襲い来る冷気に震え上がる。

 

「さ、さむい……」

 

 急いで掛け布団を掴み、体を倒す。再びの楽園だ。しかし、そんな楽園に奴はやってきた。

 

 ────ぐぅうう……!

 

 空腹だ。

 

 堪えられないほどでは無く、けれど「お腹が減っているよ」と頻りに私に訴えかけてくる。

 

 無視は出来ない程度に空腹なのだ。

 

「……しかたない……でるか」

 

 自らの決意を言葉に出して身体に言い聞かせる。私は布団から出るのだ!……出るのだ!(布団の中)

 

 布団から出られない……まぁどうせショウが食事を持ってくるだろう。その時に起きればいいんだ。

 

 

 ……。

 

 …………。

 

 ………………。

 

 

 来ないな、来ない。

 

 もう堪えられない……お腹がペコペコだ。

 

 空腹が私にその存在を訴える度、私の脳裏にはショウの作った麦粥が浮かぶ。

 私が人生で初めて食べた料理。暖かくて、口に含むとふわりと甘みが広がる。噛むと言う行為が殆ど必要ない位に柔らかく、すんなりと喉を通り抜ける。

 

 身体も栄養を求めていたのか、あの時は夢中で食べてしまった。若干、癇に障る。

 だが今もまさにあの味を求めているのだ。食べると不思議と安心出来る味……ほかの料理を知識以外で知らない為、この表現が正確なのかはわからないがな。

 

「きのうののこりがあるかも……」

 

 私は残り物を期待して下に降りる事にした。

 モゾモゾとベッドから這い出し、廊下へと繋がる扉に手を掛け名残惜しいベッドに視線を戻す……化粧台の鏡に私が映りこんだ。

 

「うわ、ぼさぼさだ」

 

 腰の辺りまで伸びる黒い髪がいろんな方向に跳ね回っている。自由な髪だな、全く。

 とはいえ、こんな姿をショウに見られては不味い。奴に気に入られる事でしか“私”と言う個は生きられない。

 例えどのような組織に身を預けようと奴には敵わないだろう。

 

 化粧台に置かれている櫛を使い、髪を梳く。

 自分の姿をしっかりと見るのは初めてだ。

 

 ……色白の肌を黒い髪が縁取り、赤黒い瞳が爛々と輝いて見える。

 私は聖杯だ。そしてアンリマユだ。

 

 ……ショウは聖杯に嫁を願った。

 アンリマユに汚染された聖杯を嫁に、と。

 

 聖杯は願いを叶える。もしショウが理想の嫁をイメージしたのなら、その姿のままに私は誕生したのだろう。

 

 だとしたら、この姿はショウにとっての理想の嫁なのだろうか?

 

  否。そんなはずはない。

 

「はぁ──────」

 

 どうにか体が大人になる前に気に入られる必要がある。

 ショウ、子供は好きだろうか?もしもそうなら子供らしさを前面に押し出し情けをかけさせるべきだが……子供が嫌いならそれは悪手だ。

 

 うーむ、どんな人が好きなのか、子供は好きか、そんな質問をしておくべきだった。

 

 ……しかしあの時はまだまだ混乱の最中だった。いや、だからこそあのタイミングで質問を受け付けたのだろうな。余計な詮索をされにくい。そして今では前に質問は受け付けたから、と逃げられる場合も考えられる。

 

「むむむ」

 

 ……私が生き残る為にはショウにとっての“大切なもの”になるほか無い。それにあたり、生活の掌握は必須とも言えるだろう。命に関係する重要な役割を私が独占できるなら生存率は鰻登りの筈。

 

 少しづつでいい、ショウの生活の領域を削り私の領域を広げることが出来れば……私はショウにとっての“大切なもの”になれる筈だ。

 逆に、なる事が出来なければ私は死ぬ。

 

 あの「モシャス」と言う恐ろしい魔法で私を即座にアーチャーに変えなかったのは訳があるはず。

 考えられるものとしては──

 

 1、私が聖杯である事。

 聖杯としての機能をフルで活用する為に生かしている。と言う仮説。これはほぼ確定しているとは思う。ショウは天の衣も手に入れていた。

 ただ、大聖杯を確保しなくては使い続ける事は出来ない。その為、いつか奪いに行く事になる筈だ。

 そして私が聖杯であるため、あのモシャスを使いアーチャーにする事を先送りにしているのだろう。

 

 2、モシャスにはデメリットが存在する説。

 私に使用されたモシャスと、マネキンに使用されたモシャスでは大きな差があった。

 マネキンを魔王の使いに変える際、マネキンの表面がぶくぶくと膨れ上がり膨張、縮小を繰り返しながら変化した。明らかにやばい。……恐らくだが完全な形の魔王の使いが誕生した。

 しかし私はというと、アーチャーに変化させられたものの……ぶくぶくと変化する事は無かったし、能力も得ていない。

 

 そこを考えるとモシャスで完全な形に変化させる場合、肉体的なダメージが大きいのかもしれない。

 また、魔王の使いが4本腕だったし何らかの部分が増えると代償も大きくなる……のかも。

 

 ──────ぐううぅぅぅううう……!

 

 ………………空腹の訴えが過激になってきた。

 

「ごはんは、まだなのか……!」

 

 やはり、昨日の残りを探すか自分で作るかしか無いようだな!

 まず目指すべきはキッチンだ。……キッチンだから、えっと何処だ?

 

 お腹を押さえながら扉を開けて、廊下を見渡す。誰も居ない。

 

「……………………ま、まおうのつかい、いない?」

 

 足音も気配も何も無い。ショウは何処だ?

 わからない以上、進むしかない。寒さに身を震わせ、空腹に喘ぎながらも階段を下る。足の裏が冷たくなってきた。

 

 

 

 そこから数分。怯えながら進んだ為か酷く時間がかかったが、どうにかキッチンに到着する事が出来た。

 私が期待した麦粥の残りは無く、綺麗に洗われた小さな鍋が置かれていた。

 

 

 ……1人だ。

 

 私は気が付いた。

 

 1人なのだ。いま、私はショウに見られてもいない。……微かな自由を手に入れている!

 空腹にこそ苛まれているが、少なくとも自由なのだ。確実に扉や窓には結界などが張られているだろうが、それらに触れさえしなければ……家の中ならば私は自由なのだ。

 

 ふふふ、魔王の使いも居ないのだし、家の中を探索し尽くそう。地理を制さなければ勝てるものにも勝てん。生活の掌握という目標の為にもな!

 

 

 

 

 

 〜少女探検中〜

 

 

 

 ……お腹、減った……もう、無理ぃ……。

 

 ……食材はあった。しかしだ、調理するための道具はどこだ?というか、どれをどう使えばいいんだ?さすがに、そんな知識は聖杯の知識には入っていない。

 

 となれば……簡単に火を使い炙るなどして調理する必要がある。だが……どうやって火を付ければいい?ここにある突起を捻ればいいのか?

 

 ……?

 

 

 …………つかないな。むむ、なにか透明なモヤが……ガスか。つまりあとは火を近付ければいいんだな。ふむふむ。火をつける道具なんて何処にあるんだ……。

 

 お?押し込めるぞこれ。押し込むとー、お?押し込みながら回すとカチッと言う音がする。ふむふむ。何度かやってみよう……。んー、つかない。音的に火打石みたいなものだと思うのだが……勢いが足りないのか?

 

「えい!」カチッ

 

 ボォン!

 

「ぴゃぁあっ!?」

 

 ぅあぁ!?なななな、何事だ!?な、なぜ爆発した!?……はっ!ガスが何度も漏れていたからかっ!

 あ、危なかった……恐ろしいなこれは。

 

 しかしどうにか火をつける事には成功したぞ……くっくっく。これで私の腹も満たせるな!

 

 えーっと……フライパン?というものがあったぞ。値札付けっぱなしじゃないか……おかげでわかったが。

 これにお肉をのせて焼く。ふっ、簡単だな。

 

 じゅー、じゅーと焼く訳だが。……いい匂いでお腹が余計に……。

 

 も、もういいかな?いいよな?よし食べよう!

 

「あ、あれ?くっついちゃった……」

 

 むむむ……むつかしい。

 

「よしとれた。あむっ……なまだ」

 

 まだ焼けてなかったか。あまり美味しくないな。麦粥がいい。

 

 

 

 

 

 

 

 その後も試行錯誤を続けた私だが……キッチンは悲惨な有様となってしまった。

 しかし、どうにか料理を完成させた……!

 

 外見はショウの作り出した麦粥よりも断然良い。味にも期待が持てる。最後に取っておくために味見をせずに我慢してきたのだ。くくく、もう空腹で倒れそうだ。空腹は最高のスパイスだと知識にある。これはもう絶品料理確定だ。

 

 ふふん、ついでにショウの分も料理してやったんだ。偉いな私は。材料が余っていたからついでにな、ついでに。

 途中で楽しくなって作りすぎてしまったが……まぁいいだろう。全て食べられるはず。こんだけ腹ぺこなのだから。

 

「ショウ、まだかな?」

 

 あとはショウを待つだけだ。くっくっく、驚く顔が目に浮かぶな。「なっ、これだけの料理を1人で?」とか「……美味い」とか言うに違いないっ!

 

 そうなれば私の計画も大いに進むというものよ!笑いが堪えられないぞ!

 

 あー、早く帰ってこないかなー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ……ぐすっ……」

 

 ショウが帰ってこないぃいい……!しかも!……しかもぉ!

 

「まずいぃ、たべれない……おいしくない……」

 

 我慢出来なくてつまみ食いしたらびっくりするほど美味しくないっ!!!

 

 うううううぅぅ……ショウはやく帰ってきてくれ〜!空腹で死ぬ……お腹痛い……お腹痛いぃ……。

 

「うぅ……かたづけなきゃ……かえってきちゃう」

 

 そろそろのはずだ……そろそろのはずなのだ。そろそろ帰ってきてくれないと……私は限界だ。そしてこの惨状、どうにかしなくてはならない。

 

 割れた皿、汚れたキッチンを見られたら確実に私の計画は遠のく。ショウが帰ってくるまで待とう!なんて思っていたが、その間に片付けることは出来たはずなのに……頭が回らなかった……料理を見つめながら待つ時間のなんと残酷な事か。

 

 

 しかも!希望打ち砕かれたし!早く帰ってきてくれショウ!

 

「うっ?……あれ、いたくない?」

 

 お腹が減りすぎて痛くなっていたお腹が痛くなくなった。限界を超えたのか?

 いや、そんなことよりも片付けることが優先だ。

 

「うぅー……ひのつけかたはわかったけど……こげちゃう」

「……せんざい、どこ……?これがスポンジで……これは?」

「んー?なににつかうんだ……せんざいいれるの?」

「……しましま、かわいい」

「んー?」

「こうっ!…………たおれた、ちがうか」

 

 むむむ……むむむー!

 くっ……!何に使うんだこのシマシマは。んーん?わからん。

 

 

 私の片付けがほんの少しだけ進んだ時、その声は後ろから響いた。

 

 

「─────────何をしている?」

 

 

 

「っ!?」

 

 耳を打つ冷たい声。低く落ち着く音域であるはずなのに、身体を芯から冷やす感情を含まない声。

 肩を跳ね上げ、喉は引き攣り、壊れた機械のようにギギギと振り返る。

 

「……聞こえなかったか?何を、している?」

 

 私が答えない事が不満だったのか、ショウはもう一度私に問う。

 ……怒っている。私はそう思った。嘘をつく事は出来ない周りの状況的にも、そして何より私の矜持に反する。だからこそ、震える声で真実をありのまま言う。

 

「こ、……これは、その……ごはんをつく、てて」

「そうか……」

 

 だが、言い終わる前にショウは話しを区切り、その視線を私から周辺へと移す。ゆっくりと見渡すような視線に私の心臓は不規則な音を立てて動き出す。

 

 殺されてしまうかも知れない、そんな思考がぐるぐる回る。

 

「後は俺に任せておけ」

「ぇ……?」

 

 ショウはハァと小さくため息をつく。

 失望された?だとしたらその結末は想像に固くない。

 

「俺のいない間によく頑張った。テーブルに着いて待ってくれ、すぐに用意しよう」

 

 ショウはこちらを見ずにそう言う。

 

「……!よ、よういってなに?」

「ん?食事だ。腹が減っているのだろう?」

「う……うむ」

 

 ……全ては予想通り、か?分かりきっていたのか。私がこうすることも、私を1人にするとどうなるかも分かっていたのか?

 

「なら、座っているといい」

「……」

 

 私はショウの言葉に従い席に着く。ここで抵抗しては命を縮めるだけだからだ。

 

 できるだけショウの視界に入らないように縮こまるが、意味は無いだろうか。

 時折、ショウからの視線を感じる。

 

 っ!

 

 私の作った料理が浮かび……ゴミ箱に飛び込んでゆく。

 ふつふつと怒りが胸のそこから湧いてくる。私がどれだけの時間をかけそれらを用意したか、分かっているのか?……分かっているのだろうな。その上で「食べることが出来ない」から捨てたのだ。

 

 腐れ外道め……人を妻だと呼ぶのなら食らって見せろ……!

 

「俺がいない間、ずっと料理をしていたのか?」

「!」

 

 突如声をかけられまた肩が跳ねる。

 そして理解する。やはりショウは分かってやっている。……これがショウなりの怒り方なのか?巫山戯ている。

 

「…………ぅむ」

「本当か?」

 

 ……追求された。探索していたこともバレている。ショウにとっては予想通りなのだろうが。

 

「たんさく……してた」

「そうか。家の構造は理解出来たか?」

 

 答えた所に間髪入れずに、用意されていたかのようなセリフを入れてくる。

 ……家の構造を理解されることにショウは危機感を覚えていないのか?私の逃走は無いと考えている?それとも、逃げられても即座に連れ戻せる何かがあるのか?

 

「うむ……い、いいのか?」

「……何故それを問う?」

 

 ……喉を鳴らす。唾液を飲み込み、尋ねる。

 

「……わ、わたしがにげてしまう、かもしれない……だろう?

 

 

 

 ───お、おまえからすればわたしが、ちえをつけるのは、いやなのだろう?」

 

 私の言葉に、ショウの腕が止まる。空中に浮かび洗われたり拭かれたりしていた食器も止まる。……まるで時間が止まったかのような、そんな空間。

 

 

 バクバクと大きな音を立てる私の心臓と、チクタクと耳に残る音を残す時計だけが時間の流れを感じさせてくれる。

 それは数分だったのだろうか、それとも数秒?緊張のあまり長く感じる中、やがて口は開かれた。

 

 

 

 

「──俺は(アーチャー)の夫だ。であれば、妻の成長を喜ばない訳がないだろう」

 

 

 

 

「────ッ!」

 

 あぁ……そうだった。そうだったな。

 

「そう、か。……そうだろう……そうだろうな!」

 

 魔法使いが求めたものは私ではなかった。そうだったな。ロビンフッドの為に私を育てていたのだったか。危うく忘れかけるところだった。

 こいつは私の事など少し足りとも大切だなんて思っていないのだ。

 

「きさまがもとめているのは、わたしのからだだろう!?わたしのからだのせいちょうがもくてきなんだろ!!」

「ッ!」

 

 魔法使いの目元が引き攣ったのを私は見逃さなかった。

 なぜ……?いや、考える必要は無い。私に気付かれたから何かが変わるわけでも無いはずだ。

 

「なまえだっておざなりだ!わたしにはなんのかんじょうもいだいていないのだろう!?」

 

 捲し立てる。どうせ殺されるくらいなら、とあらん限りの力を振り絞る。頭を回転させ、知識をかき集める。そして、見つけた。……魔法使いの手口を。

 

「ついにおもいだしたのだ、きさまの“神殺し”のいつわを!」

 

 名を与えるとは、他の事物と区別して言い表すという事だ。今よりも遥か昔、神々が地上に頻繁に降り立っていた時。その時の「名」が持つ力は今とは比べ物にならない。

 

 神は神の名を持つからこそ、神であり超常の力を持つ。人は人の名を持つからこそ人なのだ。神話のような強さを得るのだ。

 

 だが、魔法使いは……その者の名を全て破棄しただの人としての名を与え、殺してきた。肉体も神格も人にされ、名前すらも人にされては最早神ではない。

 

 事実、神としては死亡する。

 

「きさまは───!かみをひとにしてころしてきたのだろう!?わたしもそうやってころすきなのだッ!!」

「……ほう」

 

 奴になんの考えがあるのか、私の名は未だに神の名を残している。だが、肉体は既に人だ。奴はいつでも私を殺すことができる……!

 

 

 

 






時間なくてまともに誤字脱字だとか確認してない所か、読み直しすらしていないと言うね……これは無能。文法とか死んでそう(いつもの)。
しかし、これ以上遅れるのは不味いと思うの。

なので皆さん、誤字脱字報告……お願いします(土下寝)
それと、コメントが来る度に「やべぇな!急がないと!」となるのでコメント送るといいですよ(謎の上から目線)

えるえるのところのイキリトすこすこスコティッシュフォールド。

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