魔法使い「聖杯を嫁にしたんだが冷た過ぎて辛い」 作:シフシフ
ん、遅くないかって?ははは、私は初投稿なので遅いも何も……皆さんがこの小説を読むのはこれが初めてですよ!
いつものように一日クオリティ。
正直読んでて「あぁん?ホイホイチャーハン?」って感じでした。蟹になりたいね。
「うわー、ここが魔法使いの家かぁ。なんて言うか、流石だね。物理法則完全無視だ」
「ねー。この前来た時はよく見れなかったから、でも見てみると凄いなぁ。ピラミッドみたい」
「まぁ彼もファラオとして数えられてたりするからね」
「へー」
ダヴィンチと立香は呑気に会話をしながら魔法使いの特異点へとやって来た。警戒は無く、自然な歩みだ。
だからこそ、魔法使いも攻撃をしなかった。決してダヴィンチが想像の遥か上を行く美人だったから攻撃の手が緩んだとかでは無いのだ。
「!」
先程までは何も無かったそこに魔法使いが現れた。トリックでもマジックでも無い。本当にそこにポンと現れたのだ。それは何時でも殺せるのだというアピールに他ならず、同時にダヴィンチ達がそれに対して身構え無かったのは信頼の証だろう。
「……変わらないね。魔法使い」
「お前は驚く程に変わったな、レオナルド」
「……あちゃー、バレてたか。どうやって知ったんだ?驚かせるつもりだったのに」
「知り得たのだから仕方あるまい。それより、何の用だ」
ダヴィンチが限界まで『美しい女性の微笑み』を浮かべ話しかければ、全くそれに反応することなく魔法使いは答える。その事実にダヴィンチは一瞬硬直するも、話しを止めてはならないと繋げてゆく。
「なぁに、招待状を送ろうと思ってね。まずは下見ってやつさ」
「…………」
「もしかして……邪魔だったかい?」
「あぁ、
「おっと!それはすまないね。まぁほら昔馴染みの友人が来たんだ。お茶でも……」
「友人?……ストーカーの間違いだろう」
「……」
「ダヴィンチちゃん?」
ストーカー。それは所謂清姫である(説明終了)。
というのはさておき、現モナ・リザことレオナルドは生前、魔法使いに接触していた。彼の知恵を求めたのだ。
結果としてヘリコプターなどの着想を得るも、設計するだけに留まった。
とても、そう、とても言いづらいことなのだが……レオナルドは惚れたのだ。……他ならぬ魔法使いに。
ホモォとか思った人は美術館に行くとモナ・リザが目で追ってくるから気を付けること。
惚れたと言ってもその知識に、知性にである。
天才である自分ですら並び立てないとなれば、まさしく深淵。その限りなく底深い場所に位置しているのだと。
あらゆる手段で質問などを重ね、自白剤を盛ったりして努力したレオナルドだったが、終ぞ魔法使いの口を割ることはできなかった。軽く話を聞いて貰えた程度。行き詰まった研究のヒントをもらった程度だ。
結果、レオナルドが最後の手段として考えついたのが……ハニートラップである(大正解)。
しかし、レオナルドは天才だった。要するに一般的な人間と考え方が違いすぎた。
当時のレオナルドはこう考えたのだ。
「あ、これワシが最高の美人になればワンチャンあるんじゃね?」
と。
どうしてそうなったとか、結果として失敗に終わってるじゃん、とか思ったそこの貴方。スマホを1度再起動するとホーム画像がモナ・リザに変わっているかもしれない。気を付けて。
「ストーカーとは失礼じゃないかい?それより、私は魔法使いの家が見てみたいなぁー」
「うわ、ダヴィンチちゃん目が反復横跳びしてるよ」
静かにしたまえ、立香ちゃん。ダヴィンチが冷や汗を垂らしながら立香を止める。立香も素直に従い、2人してチラリと魔法使いの反応を伺えば……額に手を当て深いため息をついていた。
「はぁ……帰れ」
そう言って魔法使いが踵を返す。
だが帰れと言われて帰る女達ではない。
「待ってください!」
「そうだ。待ちたまえ魔法使い。言いたいことが幾つもあるんだ」
□
はぇ〜、すっごい美人。
マジモンのモナ・リザとは思わなんだ。だが、男だ。
ありがとうシェイクスピア、ありがとうアンデルセン。お前達がいなければ俺は確実にストーカーの魔の手に落ちていた。
にしても聞きたいこととはなんだろうか。
正直な話、美人二人に呼び止められ、しかもカルデア来ない?みたいに誘われるのってアレだな、よからぬお店の勧誘みたいだよな。
「……なんだ」
「君は、こうなる事が
……ん?こうなる事ってなんだ。
……あぁ、もしや人理焼却の事か?だとしたら知らなかったぞ。旅行した記念くらいの感覚で作ってたからな。
「あぁ……」
あ、不味い。思わず納得の声を出してしまった。
「なら、それを活用して人理修復を成し遂げた立香ちゃんを褒めるべきなんじゃないかな?」
ん?先に俺に対してありがとうございますって言うんじゃないの?まぁ、別に気にしないけども。
「ダヴィンチちゃんダヴィンチちゃん、先に御礼の方がいいよね?「あ、あぁそうだったね」……えっと、ありがとうございます。お陰でたくさんのピンチを乗り越えられたし、本当に助かりました!」
「…………気にするな」
あ、ちょっと待てこの子いい子すぎる。罪悪感が湧いてくるんですけど。
ごめん何も知らずに祠乱立させてごめん。
「……話を戻そう。貴方は立香ちゃんに人理修復を託した。人理焼却が起きることを知っていたから、解決しやすいように準備を整えていたんだろう?」
あー、そうか。俺は影の立役者ポジなのか。これ以上の嘘はまずいな。何れボロが出るし、嘘をつきまくる夫なんて嫌だよな!!
「何を勘違いしているか知らないが、俺とて何が起き誰が解決するかなど知りようがなかった。俺が知れるのならば千里眼を持つ賢者共が理解していよう」
「でも、君は動いた」
……うむ。レオナルドのやつ面倒いな!昔からだが。凄いしつこく聞いて来るからな。
本当に気まぐれに適当に作ってただけだしなぁ。マユの手前ちょっとカッコつけたくて「ほう、役に立ったか」みたいな事言っちゃったが……内心では「あ、使ったんだ。というか、使えんだ。よかったな。誰が管理してたんだろ」みたいな感じだったぞ。
「……いや、動いて等いない。俺はただ
ぼかすしかない。昔の俺は割と原作知識があったが、今の俺はほぼ忘れている。マシュマロおっぱいを見て初めてカルデアという単語を思い出し、そこから藤丸立香の情報を断片的に思い出しただけなのだ。
人理が修復された以上、ホームズがいるのも分かっているが。
「お前達にとって祠が便利であった、それだけの話。アレらは所詮、気まぐれに建てたに過ぎない」
「それでも、私達は助かりました。あれが無かったら間に合わなかったから!」
うぅ……立香ちゃん結構押し強いな……しかも全部本心からの言葉っぽい。いやわからんけど。
あぁ……だが絶対に家には入れない。これだけは譲らん。マユちゃんを見せるわけには行かないのだ……!!
俺はそう決心を固め、話の流れなどぶった切ってでも2人を追い返そうと決意した。
その時だ。
「────────うわ、そとにいた。か、かくれないと!」
「「「!?」」」
ファァァア!?マユちゃん!?どうして外出てきちゃったノォ!?
やべぇよ...やべぇよ...どうする!?どうしよう!?
人生二回目の精神的ピンチだよ!!
ま、まて……落ち着け。慌てふためいたらそれこそやましいですと言っているような物だ。出来るだけ冷静に、まるで娘に語りかけるような感じで行こう。
「──マユ、何故出てきた。中に居ろと言っただろう」
「わわ!ばれてるじゃないか!」
慌ててる可愛い……じゃなくて。マユちゃんは玄関前で右往左往した後、郵便ポスト(役割は果たしていない)の後ろに隠れた。しかし、足丸出しだ。頭隠して尻隠さず状態だ。
そんなマユちゃんに声をかければ、焦っているのか冷や汗を垂れ流し郵便ポストから顔だけを覗かせる。
「…………魔法、使い……あれ、は?」
「ダヴィンチちゃん?ダヴィンチちゃん?平気!?なんか壊れてない?!」
「いや、いやいや……魔法使いに、子供なんて、ははは、ありえないありえない」
おいレオナルド、どういう事だ。俺が万年童貞で彼女が出来るわけないんだから子供がいるはずないって?ぶっ殺すぞ。
「現実を見るんだダヴィンチちゃん!」
おい立香ちゃん。君も追い打ちをかけるな。
「そ、そうか。そうだ……あれは恋人なんだ……そうに違いない……うぅ、そうに違い、ない……ぐぬぬ」
「はわわ、ダヴィンチちゃんの天才的頭脳がショート寸前だ!是非も無いネ!」
あきらめるな立香ちゃん……そして大正解だよレオナルド!いや、お嫁さんだから違うわ。ハズレだわ、よって死罪はまぬがれぬ。
あ、マユちゃんが好奇心を抑えられずにこっちに走ってきた。可愛すぎるんだけど何コレ。
「な、なぁショ…………まほうつかい」
「?なんだ、マユ」
名前を言いかけて止めた……?なぜだ?……あぁもしかして皆が魔法使いって呼ぶから合わせたのか?ふふふ、気遣いも出来ちゃう自慢の嫁です(惚気)
「えっと……このひとたちは?」
「あ、私はね藤丸立香っていうんだ!宜しくねマユちゃん!」
「うわっ、あ、あぁ……よ、よろしく?」
「あらら……かくれちゃったか」
………………(昇天)
はっ!(堕天)。人見知りか?立香ちゃんから隠れて俺の後ろに周りローブを掴んでぎゅっとしてきた。ひざ裏の辺りをギュッてしてきた。俺はもうしんでしまうのかもしれない。
「怖くないよー、ねぇねぇお父さんについて教えてくれない?」
ふっ、俺のマユちゃんをただの子供だと思って甘く見たな。全然俺の事なんて話さないはず。だって嫌われてると思うし。……思うし……いや!そんな事はねぇ!!だって見ろ!!今俺の膝の裏あたりにギュッてしてる天使を!!
俺は愛されているに違いねぇええ!(やけくそ気味)
「─────まほうつかいはわたしのちちおやではない」
「?」
「────
「「えっ」」
そうそう。そこでロリを誘拐監禁して妻にする宣言をしたクソ野郎だって言う…………言う……?
え(思考停止)
「あー………………そ、そうかー、おっとかー……どういう意味のおっとなんだろー」
「ダヴィンチちゃんが遠い空を見上げ始めたー!?」
…………はぁ。もうなんでもいいや。俺は今、満ち足りている。こんな幸せな気持ち初めて!もう何も怖くない、ロリコンだって言われてもいい。
「おっと、というのはいせいがこんいんをむすぶことでだな」
「ストップ!やめてくれたまえ……私が死ぬ……」
「…………ふっ。わたしのかちのようだな」
「ッッッ!!!…………か、必ず振り向かせてみせるよ……!」
「ざんねんだが、まほうつかいはわたしにメロメロなのだ」
「めっ、メロメロ……!?」
「そうだ。まいにち
「くっ……!!!見損なったよ魔法使いッ……!」
ぁあ、もしもまだ神が地上に残っていたのなら俺の総力を上げて褒め称えるのに……!
あ、マユたんが神かぁ!納得したわぁ……!こんなマユたんの気持ちを引き出してくれたレオナルド達の言うことだ、聞いてやろうじゃないか。
わかったよ、行ってあげるよ仕方ないなぁもう。
「はぁ……俺は家に戻る。それと、カルデアへの招待も確かに受け取った。もてなす必要は無い。好きに見て好きに帰る。以上だ。マユ、行くぞ」
満足気なため息を吐き、俺はマユたんを抱っこして家に歩き出した。
マユたんが「ふん。アーチャー、やくそくはまもれよ」と言っていたようなきがするが、そんな事は無い。アーチャーはもう居ないんだからな。
このまま家に帰ったらランデブーに突入するんだ。ふへへ
ショウside
というわけでまさかのマユデレ。 えっ?アーチャーに何か言われてるって?ははは、アーチャーなんているわけないだろ?
あれはマユたんのデレだったんだよ!
いやぁ、ハッピーエンドですなぁ!このあとはもちろんベッドに寝かせてルパンダイブですわ。んじゃ、行ってくるんでよろしく。
ショウside終了。
その後、緊張しすぎてダイブは愚か部屋に入ることすら出来なかったショウが廊下で凍えているところを君たちは見つけるのだった。
…………続きます。
コメント、誤字脱字報告が私の励みに!
コメントや誤字脱字報告をした方々からはこんなお声が届いています!
AV「コメントをしたら返信が帰ってきて、受験にごうかくした!」
BL「誤字脱字をこっそっと教えたら彼女が出来ました!」
ホモ「彼氏が出来ました!」
ゲイ「ずっと治らなかった不知の病が簡単に治りました!」
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