魔法使い「聖杯を嫁にしたんだが冷た過ぎて辛い」   作:シフシフ

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初投稿ー、初投稿ー、初投稿が通りますー。進路上の皆様はお洋服を脱いでご自分の横に畳んで積み重ね、社会の窓を開けながら待機してくださいー。右に曲がってマース(開幕下ネタ)

はい、申し訳ありません。初投稿です。

えー、皆様。今回は短めです。制作時間は1時間半!そして、なんと過去に類を見ないほどにシリアスでござます。

シリアス「そマ?今から帰るんやけど」
休み「ふっ、どうやらまだ俺の出る幕ではないようだな」
残業「こいよ、こっちこいよ」
シリアス「や、やめてくれ……殺さないでくれ大佐!」
タイムカード「お前の俺は最後に切られると言ったな……あれは嘘だ」
シリアス「うわああああああぁぁぁぁぁぁあ!」

今回はなんて言うか強引なきがします。……なんでそないな文章なん?舐めとんのかワレェと言われても仕方の無いことでしょう。
でも、それでも!!初投稿だから……!初投稿だから読者ニキのみなさんは寛大な心で許してくださるはず。

もう許せるぞおいって言われたいな(願望)







魔法使い「俺は嘘なんてついていない。俺は悪くねぇ!!」

 

 カルデアに来た私はショウに質問を重ねていた。なにせ英霊たちが犇めいているであろう場所だ。ならば、私の真の姿……この世全ての悪に勘づく者も少なからず居るかもしれない。

バレた所で即座に殺されることは無いとは思う。むしろ、幼気いたいけな少女を守らんと味方になってはくれないだろうか?

 

そんな不安と悪企みを交互に繰り返しながら、私はまたショウに質問を重ねた。

しかし、それに私は後悔することになる。

 

「……なぁ、ショウ。ショウはどんなえいゆうたちとであったんだ?」

 

 特に深い考えもない、話をつなぐための一言。だったと言うのに、ショウの変貌は……ここ数日共にした私で無くてもハッキリと分かるほどに大きかった。

 

「────英雄になど俺は出会わなかった」

 

眉間にシワが寄り、目付きが険しくなった。

 

「持て囃された者、祭り上げられた者、晒された者」

 

冷たい声に熱が篭もり、その怒りの熱を外に放り出そうとしているようにも思える。

あるいは、常に胸に燻る激情という熱を冷やすために、今までショウは無感情を装っていたのかもしれない。

 

「騙された者。そんな者達にしか俺は出会わなかった」

 

『魔法使いは数多の英雄達の物語にその姿を見せ、友好を結び、そして助言や助力を度々行い、友としてその最期を見送った。常に先を歩く者でありながら常に命を見送る者でもある彼は───』

 

私の脳裏に何らかの英雄譚の文章が過ぎる。これは聖杯としての知識だ。

魔法使いという存在は、英霊達が現世で苦労しない為に聖杯より与えられる知識の中にすら含まれている。それを私は思い出したのだろう。

 

思い出した知識を噛み砕き、咀嚼し、さらに思い出そうと苦心している間に、その言葉は小さく吐き出す様に私の耳に届いた。

 

「────結局、誰もが俺を置いて逝く」

「っ!」

 

 心臓が跳ねる。初めて聞いた声だった。余りにも弱々しく、悲しい声。魔法使いという男が見せる初めての弱さ。それに私は思考すら止めて固まった。

何かを言わなければ、そう思う事はできるのに、言葉は喉に突っかかって出てこない。

私を抱きしめる力が強くなる。それは……まるで救いを求める幼子のような必死さを私に伝えてきた。

 

「そんなことは……!!」

 

……そんなことは無いと、言えるだろうか。寿命が無限の生物など存在しない。それこそ、神の様な何らかでなければ。しかし、ショウと神々の相性は最悪だ。短命種としか友好を結べないショウにとって、彼らの死は……彼らが居なくなるというのは耐え難い事だったのかもしれない。

だから、私は何かを言わんとした自分の口を噤んだ。

 

怖かったのだ。恐れていたのだ。……ショウの気に障ることを言えば殺されてしまうかもしれなかったから。

 

 

 

でも、また私は間違えた。

 

 

 

「あぁ、そうだ。だから───」

 

 

 

私を抱きしめる力が強くなる。それこそ、痛いほどに。

咎めるようにショウの顔を見て、私はまた固まった。

 

 

──それは決意の篭った悲壮な顔だ。

 

 

──それは無表情の中に垣間見える無限の絶望だ。

 

 

──それは永遠の時間の末に身に染み、魂を犯した爪痕だ。

 

人は人であるために感情を持った。

けれど、感情は時に人に牙をむく。現実の不条理に嬲られ、責められ、力尽きた人間にトドメを指すのは……自分自身の感情だ。

 

私はショウの目的(感情の消滅)を知っていたはずだった。

でも、それは少しだけ、少しだけ希望的観測が入っていたのかもしれない。

 

けれど、この後に続く言葉は予想が出来た。

 

知識でもなく、権能でもなく、単なる……1人の少女として。ショウと過ごした単なる子供として、予想が出来た。

 

出来てしまった。

 

それを自覚してようやく理解した。

 

私が………………何を恐れていたのかを。

 

 

 

「俺は……………………!!

 

 

 

 

 

 

─────(ロビン)で全てを失おう」

 

 

 

「っ!?」

 

 

 

この言葉(私の否定)を聞くのを恐れていたのだ。いつの間にか、私ですら気が付かないうちに私は……ショウに浸っていた。

 

私だけに囁く冷たい声(優しい嘘)を聞いていたかったのだ。

 

私だけを見る冷たい眼差し(濁った水晶体)が心地よかったのだ。

 

それの何がいけない?何が()()?誰からも悪だと断じられ、責任転嫁のための的にされ、悪意の肥溜めだとされてきたのだ!

 

意思がなかった頃の方がましだった。だが、今は得ている。()()に向けられるあらゆる感情は今も尚、私に届いている。

権能を失った今も!受け止め、受け入れる機械ですらなくなった私に、お前は悪い、お前が悪い、自分たちは悪くないと!

 

……なにが、いけない……?

唯一の理解者を得ようと、必死になることの何が悪い?()を見てくれて、()に話しかけてくれる存在に、期待して何が悪い?

 

私の為にと家具を買い、家を変え、魔法や呪文を唱える姿をみて、期待しないなど出来ると思うか?

 

好かれるための努力をプライドと自己嫌悪と戦いながら、ショウに少しづつ心を開いていく自分に現実逃避を重ねて、それでも()()()()()()と思ってなにが駄目なんだ!?

 

…………言ってくれたんだ、ショウは私に……確かに言ったんだ。

そうして思い出すのあの日の事だ。

 

『わたしはしにたくない!だからおまえにしたがった!だが、それもここまでだ。ころしたければころせ。ころされるために“飼い殺し”にされるのはごめんだ!』

 

私は……対等の立場を、初めから求めていた。

 

『“愛”のないおまえなんかに、わたしはっ──────』

 

愛されることを望んでいた。

 

『───そうか……そうだったか』

『うあ!?』

 

 魔力の壁が、まるで私とショウとを隔てる壁に思えて、これ以上離れるものかと懸命に食いついた。

けれど、ショウがその壁を消し去ったんだ。

優しくそっと抱きしめられて、胸に生じた痛みを考えない様に必死になって。

 

『俺がマユを殺す事は無い』

『っ』

『……先に謝罪しよう。マユ、俺は……手を放す事が出来ない。……目的がある。……捨てられなかった物を捨てる為に、マユが必要なんだ。他には何もいらないと、そう考えていた』

 

手放せないと言われて、必要だと言われて、嬉しくて、けど言い訳を口にして、否定されなくて悔しくて。

 

『……やはり、からだがもくてきか』

『そうだ。だが、『マユを見た時から、その考えを改めた。今の言葉を聞いて深く悔いた』』

『……どういうことだ?』

 

そんな言葉に胸が高鳴って、顔が赤くなって。それでも恥ずかしいからそれを隠して生意気を言って。

 

『……マユの心が欲しくなった』

『は?やるわけないだろう』

『ふっ、だろうな』

『初めは、殺す気なのだろうなどと言うマユの発言を咎めようと思った……が、どうやら叱られるべきは俺だったようだ』

『怖がらせてしまったな。……すまない。これからは─────』

 

 

 

 

『マユに好かれるため、努力するとしよう』

 

 

 

 

 

 

言って……くれたのに……。

 

なんで、私なんてものを…………願ったんだ……お前は……。

 

どうせ、嘘をつくなら……バレないようにしろ、この不器用が…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

むむ?……マユたん震えてる……?ごめんよ、流石にマユたんで全てを失おうとか宣言されたらそら怖いよね。悪かった!!すまん!

 

しかし、なんというか手から伝わってくる震えの罪悪感が大きすぎて声が出ぬぇ。

 

どうしよう、と思ったらなんですかこの部屋は。《藤丸立香》……?

 

………………JKの部屋?

 

ひゃっほい!とつにゅー!

 

ってまてまてまて……さっきの宣言から即JKの部屋に侵入するのはマユたんからの心情がさらに悪くなる気がするンゴ。というわけでスルー。いやぁしかし、部屋多いけどほぼ空室なんだな、やっぱり規模に対して人員は少ないんだろうな。

 

それにしても、大人しいなマユたん……大丈夫なのか?お腹痛いの?大丈夫?結婚する?

 

「マユ?」

「…………」

「どこか痛いのか?」

 

…………あれ、これ結構まずいやつでは?怒ってるのか?そんなに英霊に会いたかったのか……いないから仕方ない……いや待てよ?立香ちゃんとかに頼めば召喚行けんじゃね?

 

「…………むねが、いたい」

「……そうか。回復の呪文を使ってやろう。ホイミ」

 

ぐへへ、本当はお洋服をぬぎぬぎして視診からの触診からの唾液で治癒をですね……?

まぁしかし、今回は様子も変だし、呪文で念の為やっとこう。でも見た限りだとなんの異常も無いんだけどなー。

 

「気分はどうだ?良くなったか」

「んーん」

「……帰るか?」

「うん……」

「わかった。では家に戻ろう」

 

レオナルドには文句のひとつでも言ってやりたいが、まぁ仕方ないね。マユたん優先だからなこの世界は。どんな事よりもマユたん優先だからな。

俺はマユたんを優先しないやつは許さねぇ。マジ、これマジだからまじで。

 

落ち込んでいるみたいだし、元気になってもらうためにも腕を奮って最高の料理をお作りいたそう!!

 

「ルーラ」

 

 







さぁついに自分の本心に気が付いたマユ!だが勘違いはとまらぬぇ!!そのせいで深まる溝!!ちなみにマユに谷間はないぞ。まな板だよこれ。

そしてそれに気が付かないショウ!痛恨のミス!!ちなみにマユがまな板で谷が無いことは気がついているぞ。


PS
誤字脱字報告、コメント、いつも楽しみに待っております。
コメント返しは勢いとノリとフィーリングだけで返しているため、なにいってだこいつと思われる方も多いかもしれませんが、許してヒヤシンス。
あ、誤字脱字を楽しみに待つのは失礼ですよね、皆様にやらせてしまっている訳ですし。全裸焼き土下座しました(過去形)
しかし、コメントを楽しみにニヤニヤしているのは事実!前回のコメントは本当に笑い転げましたぞ。ああいう発想の文才が欲しいなぁ……。

みなさん、面白いコメントなどがあったらぜひぜひGoodを押してくださいね!せっかくの機能なので沢山使っていきましょう!

誤字脱字、コメントお待ちしております!



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