魔法使い「聖杯を嫁にしたんだが冷た過ぎて辛い」   作:シフシフ

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初投稿です。
え?何故初投稿なのかって?
そりゃあ、童貞だからでは?

こんなものを投稿したところで僕の童貞は消えない。だから僕はね初心(ウブ)を忘れずに初投稿を続けるんだ。う”っ(投稿)



魔法使い「お友達でお願いします。お友達。あとついでにマユたんの友達になれ」

「─────えっ?」

 

 戸惑い、困惑の声が上がる。

 それを言ったのは立香か、マシュか……はたまた()()()()()()()()()ダヴィンチか。

 

 ソレは魔法使いすら予想だにしなかった(単純に忘れてた)別れ。

 突然の悲劇。

 

 天才の死。

 

 笑い声と悲鳴が響く。

 ダヴィンチを助けたい……だが、もう脱出せねばならない。

 それに、もしかしたら魔法使いが助けてくれるかも知れない。

 

「さぁ、行くんだ。大丈夫、私は天才だぜ?あの時だって……大丈夫だっただろう?」

 

 引き抜かれた手、大量の血を吹き出しながら立香とマシュを安心させるため笑う。

 あの時とは違う。確かに死ぬ瞬間を立香達は見た。

 

「さぁ!早く、行くんだ!」

「そんな……!そんな……!!」

「マシュ!!」

 

 極少数の英雄達が乗る英雄船は出航した。潜るは虚数。目的は救済。手段は……世界を壊すこと。

 

 多数の世界を犠牲に、自分の世界だけを、救え。

 

 

 

 

 

 

「…………かひゅ……っ、やっちゃった、なぁ……」

 

 ダヴィンチは身体が光へと変わって行くのを呆然と眺め独りごちる。言峰神父は既にこの場には居ない。

 

「魔法使い……助けて、くれるかな……むり、だよなぁ」

 

 1人だ。1人で凍っていくカルデアに残されている。凍りついていくという事は、それを止めていた魔法使いが既に居ないということ。

 徐々に霜に覆われていく壁に寄りかかり……そのままゆっくりと座り込んだ。

 

 死んでしまうかも。

 それすら予見して、策は残した。もう1人の小さなダヴィンチが、彼らを導いてくれるだろう。

 

「私の役目は……終わったんだね……」

「さて、どうだろうな」

「!」

 

 達観と諦観。希望を託し、霊格を砕かれた身体は抜け殻と大差ない。そう思っての言葉は感情の起伏を感じさせない低く冷たい声に遮られた。

 

「……約束を果たしに来た」

「…………“命だけは助けてやる”……だった、かな。……ありがとう、魔法使い。貴方の、お陰で多くの、命が救われた」

「………」

 

 ダヴィンチが壁に寄りかかったままに、顔を上げ魔法使いを見やる。魔法使いは相も変わらず無表情で……でも何処か寂しさを感じさせた。

 数多の英雄達も、この顔を見てきたのだろうか。そう思うと、やはり長生きなんてろくなことは無いんだなと思わせた。

 

「……そう、命だけだ。私たちサーヴァントは、昔に死んでいる、からね。君の約束は、果たされた」

 

 ダヴィンチは微笑む。

 だが、その目には僅かに嫉妬の炎が揺らいでいた。

 

 

☆ダヴィンチside

 

 あれは私の上位互換だ。

 魔法使いはいつも、私が閃いた革命的な発明にそっと()()()を示した。

 

 こうした方が良いぞ。この方が良いだろう。

 

 唖然とした。驚愕した。自身の作品がより高みに至る事に歓喜した。

 けれど、それは最初の頃だけだ。それ以降は違った。必死になって魔法使いを越えようと発明品を生み出す度に、設計図を描く度に()()が加えられた。

 

 魔術師として遥か高みに存在する男、それが魔法使いではなかったのか。科学者としても、天才である私を凌駕するのか。

 

 私は嫉妬した。憧れた。尊敬した。

 

 それらが綯い交ぜになって、気が付けば好きになっていた。いわゆる師弟の関係だろうか。一方的に懐いていた。

 恥ずかしくて、情けなくて……けどこの男なら仕方ないよな。と自分を納得させた。

 

 全く、変な話だ。

 私なんかではなくて、魔法使いが立香ちゃん達といるべきだったんだ。そうすれば何もかもうまくいったのに。

 

 …………この醜い感情はひた隠しにすべき物だ。英雄を好く魔法使いの為にも、高潔で無くてはならない。

 すこしでもよく見られたかった。劣等感がそうさせるのだろう。

 

「────君が、彼女達について行ってくれれば良かったのに」

 

 そう、思っていたのに。

 私の口からはぽろぽろと、愚痴のような情けない想いが零れだした。

 

「君は私なんかよりも、遥かに凄いんだ。魔法も使えて、科学にも精通してる。私よりも……ね」

 

 これは八つ当たりだ。もう消えてしまうから、消える前に好き勝手言おうという、そんな意地汚い腹積もりなんだ。

 

「だから、私なんかじゃなくて、君だったら……ロマニだって、消えることは……!!」

 

 聞かなくたっていいのに、律儀な人だよ貴方は。そうやって、どんな話しも嫌な顔一つせずに聞いてくれた。君にとってはとうの昔に考え付いていたであろう理論も、哲学も隣に座って聞いてくれた。

 

「君だったら……!いろんな犠牲も止められたっ!何もかも立香ちゃん達に押し付けずに、彼女達の負担も減らせたっ!」

 

 もう、止めてくれよ魔法使い。

 君なら、私を黙らせるなんて簡単な筈だろう?

 君なら、私の声も届いているんだろう?

 

「私じゃ……ダメだったんだよ、魔法使い……」

 

 ……私は、弱かった。メッキが剥がれた気分だ。君を前に覚悟が崩れてしまった。甘えてしまった。

 

「君は……凄いじゃないか……偉大な魔法使い様だろう……?わたしがどんな発明品を見せても、直ぐに改善点を示してくる……君に勝てたのなんて、多分、絵しかない」

 

 あぁいや、絵でも君に勝てた気がしないなぁ……だって、()は君の(アニメ絵)が大衆に人気なんだもんなぁ。どこまで先を見てるんだよ、全く追いつける気がしない。

 

「館で死ぬまでの3年間、一緒にいたのにさ……全然、君の底が見えなかった……」

 

 ……もう私は消える。座に帰るんだ。魔法使いの返事も聞くことなく。……はは、勝手だなぁ。なんだが、本当に女の人になった気分だ。……いや、失礼かな……?じゃあやめておこう。「ベホマ」………………?って、あ、あれ?

 

「ぇ?ま、魔法使い?この光は……?」

 

 あれれぇ?おっかしいぞぉ?魔法使い様よ、貴方は命だけを助けるんじゃなかったのかい?

 どうして霊基が完全修復されているのでしょうか。うわ、服についていた血まで消えている。わぁお、綺麗なダヴィンチちゃんだ。

 

 …………………………ど、どどど、どうしよう!!

 

 ま、不味いぞ不味い不味すぎる!

 もう消えてしまうから、どうせ助からないからと好き勝手に言いまくったがッッ!なんで助けたんだい!?

 

 あわわ、あわわわわわ……!!!

 

 

「─────聞け、レオナルド」

「……!!!」

 

 内心で慌てふためく私の両肩を、魔法使いが掴む。座り込む私に視線を合わせてだ。必然的に顔が近くなる。

 魔法使いの顔は決して絶世の美男子という訳では無い。だが、それでも平均以上だしそもそも纏っている覇気的なものが普通の人とはあばばばば

 

「俺は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「…………そ、それは?」

「単純な話だ。俺とお前では生きた年代も、年月も違う」

 

 そ、それはそうだね?は、はぅ!な、なんだその表情は!若干悔しそうな顔なんて初めて見たんだが!?や、やばい……これがギャップ萌えってやつなのかな!?

 

「恥ずかしい話だが、俺がお前と同じ位の時は()()()()()()()()()

「!」

「何もせず、空を眺め、これから何をするべきなのか漠然と考えていた。考えている、という現状に満足してな」

 

 魔法使いから語られる。私との違い。

 そうか、魔法使いも怠け者だった時期があったのか。それも、私の寿命レベルの長さで。

 

「いつもいつも眠る時になって何かをしなくては、と自分を形だけの戒めで責め、朝日が登ればそんなものは何も無かったかのようにまた空を眺めた」

「……」

「空を眺めて、歩いた。どこに行こうとか、そんな事も考えずまるで亡者のように日々を過ごしていた」

「それが君の、一人分の人生って事かい?」

 

 そうだ。と答える魔法使いの顔は何処か恥じらいを感じさせて、私は少しだけ得意になる。

 きっと、この顔は、この話は()()()()()()()のだと思うと、優越感すら感じてくる。

 

「……人里に辿り着けばナンパしていた」

「え”ッ!?」

「……悪い、見栄を張った。ナンパしようとしたが勇気が無くてできなかった。一人分の人生の間な」

「えぇ……」

 

 魔法使いって見栄はるんだ!というかあれだ、えっ可愛い(ホモ)

 

「……俺はな。お前達からすればずっとずっと、ゆっくりとした時を生きてきた。お前が発明や計画を俺に見せてくる度に感心したよ。()()()()()()()()()()()()とな」

「……………………ぇ」

「1世に呼ばれた時はずっとお前の話をしていた。魔法だなんだ歴史がなんだと聞かれずに話すのは珍しい物だったな」

 

 わわ、わたしが友人……?!あ、ちょま……意識が遠のく……!まて耐えろダヴィンチ!耐えろレオナルド!

 

「……1世は言った“かつてこの世界にレオナルドほど優れた人物がいただろうか。絵画、彫刻、建築のみならず、レオナルドはこの上なく傑出した哲学者でもあった”とな。お前が死んでから……だいたい20年も後だったか」

 

「俺は1世の言葉に偽りは無いと考えている。俺が数千年掛けてたどり着いた所に、お前は数十年でたどり着いた。…………俺が認めよう、レオナルド・ダ・ヴィンチ。お前は優れている。優秀で偉大で、友人として尊敬に値する偉人だと」

 

「っ──────っ!─────くっぅぅ!!」

「……レオナルド?」

「好きだ魔法使いぃぃ!」

「アストロン」

「!?な、なにぃ!?触れないだとぉ!?おのれぇ抱き着いて既成事実を作ってやろうと思っていたのに!」

「…………はぁ」

 

 …………あぁ、本当にずるいな魔法使いは。ふざけて誤魔化さないともう直視できないじゃあないか。

 胸が暖かい。変な凝りが溶けて無くなったみたいだ。私と魔法使いはお互いに尊敬し合い、認め合っていたと……もはや結婚では?

 

 これは結婚だな。

 

 よし、籍を入れよう」

 

「………………声に出ているぞレオナルド。それと、俺は男と結婚するような趣味はない」

「だいじょーぶさ!なにせ今の私は女だからね!それに、役目も終わった事だし自由の身さ!……それに、私が消えないようにパスも繋いでくれたんだろう?実質婚約では?」

 

 だよね?

 

「はぁ……こういう所だけは尊敬出来んな」

「ガビーン、ダヴィンチショック。しかーし、天才はめげないしょげない泣いたりしない。早速だが君のお家で共同作業と行こうじゃないか」

 

 ふふふふふふふふ、妄想しただけで昇天しそうだがこれはチャンスだ。マユちゃんという最大のライバルが居るがそんな事は関係無い。むしろ手篭めにして2人で魔法使いを落しに向かう計画を立てよう。

 

「……そうだ。お前の役目は終わった。だから、新たな役目を与えようと思う」

「へ?」

「─────レオナルド」

「は、はぃい?!か、顔近い……!!はっこれはキッス!?」

「……子供になれ」

「─────はい?」

 

 え?どゆこと。天才であるダヴィンチちゃんは訝しんだ。

 







今回の勘違い要素。

ダヴィンチ「サーヴァントは生物じゃないから助けてもらえないな」
魔法使い「よーし、全員助けっぞー。おっダヴィンチじゃーんベホマしたろ。……えっ、なんかめっちゃ愚痴言ってる……これ聞いた方がいい雰囲気だな。……やべそろそろ消えそう。ベホマすとこ」
ダヴィンチ「えっ、た、助けてくれた//////」



ダヴィンチ「 魔法使いは超天才!私の上位互換だ!」
魔法使い「いや、俺はそれ思いつくまでに数千年かかってるからね?あと大半は現代の技術で俺が考えた訳では無い」



館で死ぬまでの3年間。
1世「魔法使い様、よろしければこの館使ってください。あとレオナルドは一室使っていいからね」
魔法使い「(レオナルド……?あ、もしかしてレオナルド・ダ・ヴィンチ!?すげぇ!!)あぁ分かった。有難く使わせてもらう」
↓からのレオナルドストーカー化
魔法使い「 お前友達な。友達な!!」
ダヴィンチ「友人だって!?これは実質結婚では!?」
魔法使い「友人って言っておけば満足して踏み込んでこないやろ。あれ?めっちゃ来るやんこわ。まぁマユたんの友達を作るためや。しゃーない。よし、ロリになれ」
ダヴィンチ「え?」




誤字脱字があるかと思いますので、皆様報告してくださると嬉しいです!
それとコメントで毎回吹き出すくらい笑ってるので……こほん。コメントで笑う様が目に浮かんでいるのでぜひコメントをください!腹を抱えて笑いたいと思っております。

初投稿なのでお気に入りとか、評価とかもしてくれると……ちょ、ちょっとしか、嬉しくないんだからね!(雑んでれ

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