魔法使い「聖杯を嫁にしたんだが冷た過ぎて辛い」   作:シフシフ

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初投稿です!
やっぱり初投稿といえば導入部分ですよね!なので日常生活を書きながら、物語が始まりそうな雰囲気を頑張ってみました!投稿するのってドキドキしますね!

誤字脱字とか沢山あると思うので、親切なお兄さんお姉さん、良かったら教えてください!(ショタボ)




魔法使い「家の中には隠しカメラがある。これはタイトルだけの秘密だぞ」

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 慌ただしかったカルデアでの出来事が終わった。

 ショウに抱えられ家に帰ってくると、ショウは「忘れ物をしていた」ともう一度カルデアに転移して行った。

 

 私の前には沢山の男女がいる。年齢層は広くはないが、人種は幅広いし、職種も広い。カルデアのメンテナンスをしている人なんかもここに来ていた。

 

 みな一様にショウに感謝の念を抱いているようだ。ふふん。と得意げになってもいられない。

 ショウが出掛けたということは、この家の住人は私だけなのだ。ショウの代わりに彼らにおもてなしをしなくてはならない。

 

「えっ、えっときいてくれ!」

 

 わたしが大きな声を張り上げると、無数の顔がこちらに振り向いた。顔の数の2倍の目が私を見つめている。

 正直とても怖い。ふと自分の手を見れば、空をさまよっていた。…………ショウのローブを掴む癖は無くしたいな。

 

「あれって……」

「あぁ、魔法使い様のところの……」

「かわいいわ……」「隠し子?」「嫁さんだって聞いたぜ」

 

 ジロジロと好奇の眼差しが私を捉える。

 こ、怖くなどない!と自分を奮い立たせ、1歩前に踏み出した。

 

「と!とつぜんのてんいでこまっているとおもう!しんじゃっていきかえらせてもらったひともいるとおもう!」

 

 仮面の男達はとても恐ろしかった。銃と斧を手に、黒ずくめの服装で襲いかかってくるのだ。彼らはそれに襲われた。ショウに守られている訳でもない彼らはとても怖かったと思う。私なんか守られてても怖かったぞ。

 

「こんらんしないでよくきいてくれ!」

 

 そんな彼らに必要なのは安心させること、今は生き残った喜びに打ち震えている彼らも、やがては不安になる。ここは何処だろう、カルデアはどうなったんだろう、ここにいない人はどこに?とな。

 

 とはいえ、私では安心させることは出来ない。

 故に、時間稼ぎをする。不安や疑問に至る前に、さらなる衝撃で持って思考を止めさせるのだ!

 

 それに、お家の紹介って妻っぽいし!

 

「ようこそ!“魔法使いの家”へ!おっとがかえってくるまでに、わたしがあんないしよう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◽︎

 

「で、こうなっていると」

「う、うむ」

 

 俺が家に戻ると、救い出した職員達が物珍しそうに家の中を物色しているではないか。

 もちろん、ものをとったりはされていない。が、やめて欲しいな……。

 

「へぇ……凄いなぁ、ここはどんな魔術で……」

 

 とか、女魔術師が壁掛けに触ろうとしている。結界等を隠すようには施していない為に、多少の心得があるなら簡単に術の核が分かってしまうのだ。

 

「空間を圧縮したり拡張したりしている。「ヒャイッ!?」不用意に触れてくれるな」

 

 そんなわけで触れようとした手を押さえてそう声をかける。なぜか悲鳴を上げられた凹む。

 

「お前達もだ。好奇心で死んだのならそこまでだ。生き返らせることはしないぞ」

「「「「は、はい!」」」」

 

 声を揃えて直立不動となった魔術師達に頷きながら、俺はマユたんのほうに顔を向ける。

 マユたん曰く、あのまま外に放置は可哀想だったから家に入れたのだとか。俺の嫁さんは非常に出来た人物なのだ。可愛すぎて死にそう。その上天使のような優しさまで持っていると来た。

 普段俺にどことなく冷たいのは恥ずかしさからなんだって俺は理解しているからな。

 

「ま、まほうつかいにさらわれたあわれななかまだからな!」

 

 と腕を組んでそっぽを向くマユたん。かわいい。

 

「さらわれた……?」「今はっきり聞こえたぞ……」

「ザワ……ザワザワ……」

 

 おっとぉ?なんだろう、俺の背中に無数の非難の鏃を括りつけた矢がズブズブと突き刺さっているんだが?

 だが残念だったな、俺は攫ったのでは無い。願ったのだ(論破)

 

「ち、ちがっ!さらわれてなんてっ!」

 

 おやおやおやぁ?マユたん、どったの?とっても慌てているね。可愛いよ?

 

「わたしは、その、まほうつかいがきらいだから、わるくいったのだ。おまえたちがわたしの、しゅかんにまどわされるひつようは、ないのだ」

 

 俺を突き刺していた視線達が柔らかくなった。

 マユたんが天使すぎて周りの人達が完全にマユたんの味方なんだが。まぁ俺はその1号なので何も言えんが。

 

「マユ、自分で考え行動するのは良いことだ。俺は怒っていないぞ、そう怯えるな」

「おおおびえてない!さっさとしごとをしろ!このひとたちをかえすんだろ!?」

「ふむ……その口調は少し治す必要がありそうだが……今は仕事をするとしよう」

 

 俺の仕事は一家の大黒柱として当然のこと。つまり、家に沢山やってきたこの客人たちを家に返す事だ。

 

「今からお前達を転移させる。しかし人類史は今、氷結している。お前達をそんな世界に送り出したところで分と持たずに死ぬだろう。故に、方舟を用意した。その“導き手”もだ」

 

 ノアの方舟のような大層なものでは無いが、この俺とマユの世界と同じようなもの、小さな特異点を用意した。

 レオナルドにはそこで皆の面倒を見てもらおうという考えなのだ。ついでに近似特異点(おとなりさん)としての付き合いも始めようという幸せな夫婦には欠かせない要素を補おうということである。

 さらに言えば幼女になったレオナルドにはマユの友人として一緒に遊んでもらったりする予定だ。情操教育というものだ。俺と2人だけでは堅苦しい関係になりそうだしな。天才のレオナルドなら様々な刺激を与えてくれると考えたのだ。エッチぃのとか、難しい話は無しで、子供らしさを教えてやって欲しいと伝えてある。

 

「今からお前達をそこに送り届ける」

 

 皆の顔が引き締まる。中には喉を鳴らしている人もいる。初めての転移では襲われている所をいきなり飛ばされた様なもので、実感も湧かなかっただろうが、今回は予め警告されている為に緊張してきたのだろう。

 ふっ、俺の観察眼は素晴らしいな。

 

「ルーラ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ▪

 

 うぅ……なんという事だ。私の計画ではこのまま彼らを押し留め、二人きりという危険な状況を脱しようと考えていたのに……!

 大勢の前で私の情けない所を言うから頭から抜け落ちてしまっていた……!

 

 また二人っきりか……うぅ。頑張れ私。

 火照った顔をパタパタと手で扇いで冷ます。喉の渇きもあるし、麦茶でも飲もう。

 

「ぇっと、イスもってこなきゃ」

 

 冷蔵庫が大きいせいで麦茶を掴めても出せないのだ。

 ポケット?みたいな枠に入れられているから掴んだ後は一度持ち上げ、斜めに傾けて取り出すのだが……私の身長では掴めても持ち上げられないギリギリの高さだ。

 故に専用の小さな椅子を持ってくる必要がある。絵柄はカエルさんだ。踏み潰されてもぐえっ!とか言って潰れない根性のある奴だ。

 

「んよっ……ととっ!ほっ!!……ふぅ」

 

 危ない危ない。持ち上げてから下ろすまでが私の細腕では筋力的に厳しいため、細心の注意を払う必要があるのだ。ふふん、一滴も零さない華麗な技だな。

 

 あとはコップを取ってこなければ。

 

「イスをうごかしてー」

 

 これも食器棚の上の方にあるためカエルさんが居なければ届かない。お気に入りのクマさんカップは何処だ……お、あったぞ。本来はホット用なのだが、別に冷たいものを入れてはいけない訳では無い。それに使ったら洗って拭いて戻せばいいのだ。

 容量もコップの方が優れているが、私は一度にそんなに飲めないし、この位がちょうどいい。

 あとは麦茶を入れるだけだな。

 

「いれて〜…………あっ!」

 

 …………す、少し零してしまったがなんの問題も無い。……ぐぬぬ、力が無さすぎる……カップに向けて傾けるだけでも注意しなければならないというのは不便だな……。

 

「あ、あとでふこう」

 

 あ、そうだ。ついでにお菓子も食べよう。疲れたし癒しが必要だとは思わんかね?……そうだろうそうだろう。ロビンは話しがわかるやつだな!

 食器棚の下の段がお菓子入れだ。私たち2人しかこの家では暮らしてないから食器が少ない。

 下のスペースが空いているからそこにお菓子入れを設けたのだ。これは私の案でショウも私の頭を撫でながら頷いていた。

 

「クッキー……マカロン……チョコレート……ま、まよう……」

 

 何か一つじゃないとダメ、なんて制限はないが、今全部食べたら食べたい時に食べれなくなってしまうかも!と手が出しづらい。食べるのは私だけなのだから気にしなくてもいいとは思うのだが……今回のように客人が来た際に菓子の一つも出せないようでは品位が疑われるというもの……やはりいくつか残すべきだろう。

 

「…………く、クッキー!」

 

 マカロンやチョコレートは高級な感じがする!なのでふいに現れた客人ようだ!

 さぁあとはテーブルクロスと零した麦茶を拭く布巾。あとは汚れないようにナプキンだな。

 

 さて!準備は完璧だ!

 

「いただきまー」

「今戻った」

「 …………す?」

 

 おいショウ、お前はなんてタイミングで帰って……帰って……

 

「え、えっとぉ。わ、わたしの名前はリザ!よよ、よろしくね!?」

「よ、よろしく……」

 

 ………………誰だその娘……おいまてショウ。なぜ頭を撫でる?おい娘、なぜ嬉しそうなんだ?

 

「まほうつかい、そのこはだれだ?」

 

 私はジトーっとした目でショウを睨みながらそう尋ねる。すると、ショウは娘の頭に置いていた手を離し、私を見据える。真剣な目だ。

 

「──“導き手”のリザだ」

「…………………………そうか、よろしくな」

「う、うん!よろしく!仲良くしようねっ!」

 

 私は直感的に感じた。コイツとは仲良くなれないだろう、と。

 だってそうだろう?サーヴァントだぞ、しかも、リザなんて英霊で幼女だと?そんな奴は私は知らない!

 

 おのれショウめ……何を考えているんだ?






デュフフwなかなか良い日常生活が書けたのでは?と寝不足のハイテンションで見直し無しの初投稿をぶちまけたでござるwww

コメント、評価も待っているでござるwww(メタボ)


まぁ、こんな感じで家の中は魔法使いが緻密に計算した「と、届かない!」な感じでマユが背伸びしたりする必要がある可愛いを作る空間になっております。
マユからすれば大変極まりないですが、そこは毎度のように魔法使いが「これか?」とか言いながらフォローして点数を稼ぐのでおk。あざとい、さすが魔法使いあざとい。

そしてロリンチちゃん登場。モナ・リザでもロリンチちゃんでもバレそうだったのでリザとして登場するも、サーヴァントなのはバレバレでした。

さぁどうするマユたん!ショウを狙う泥棒猫がやってきたぞ!
そんな感じで次回をお楽しみに!

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