魔法使い「聖杯を嫁にしたんだが冷た過ぎて辛い」   作:シフシフ

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新社会人として働き始めたので初投稿です。


疲れるね!


魔法使い「あれから暫く時間がたった(投稿とか)」

 □

 

 

 あれからしばらく時間がたった。

 マユたんの部屋は綺麗になり、家具なども一新された。

 気色の悪い触手がこの場にいたなんて事実はすっかり無くなったのだ。

 

「ショウ! いつまでまたせるきだ!」

 

 下の階から愛らしい声が響いてくる。今日は初めて朝ごはんを1からマユたんにおまかせしてみたのだ。

 マズメシでも構わない。ダークマターでもマユたん補正で神代を超える自信が俺にはある。

 

『今行く』

「びゃあ!?」

 

 ……ぶはっ(吐血)

 ホイミホイミ……テレパシー飛ばしたら飛び上がるの可愛すぎるでしょ死ねるわ。

 落ち着いたのを確かめてから階段を降りる。転移を使うとマユたんがビックリするので今はやらないでおこう。たまにやるからいいのだ。

 

「ショウ……きさま……」

 

 ジト目で睨みつけてくるの可愛い(無敵)

 

「まぁいい。みろ、かんぺきだ!」

「ほぅ」

 

 おぉ、凄い。凄いぞマユたん。

 ジャジャーン! と両手でチャーハンを強調した後、俺の目線がチャーハンに向かったのを確認してから腰に手を当てて胸を張る。ドヤ顔可愛い。

 頑張ったのが伝わってくる。うん。チャーハンはいい選択だ。前に教えたし、完璧なのは目でもわかる。水分をしっかりと飛ばせたようだな。バイキルトとかのバフが無いとまだ中華鍋を使えないが、いずれ筋力が付けば1人でも出来るだろう。素晴らしい。本当に素晴らしいぞ(語彙)食べたい(直球)

 

 だが……

 

「……マユ」

「ふふん。どうした、すごいだろう?」

「あぁ。凄いな。よく頑張った」

「とうぜんだっ! わたしにとってこのていどh」

「だがマユは何を食べるんだ?」

 

 だが、マユたんは俺の席にしかチャーハンを置いていない。

 そう、自分の分の用意を忘れてしまったのだ。一気に作れるのにわざわざレシピ通りに一人分で作ったのだろう。可愛い。

 自慢げに胸を張るの可愛い。褒められると嬉しそうにするの可愛い。

 もう全て可愛いな。結論! 可愛い。

 

「……いぁ、その……えと……」

 

 

 ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙(悶)

 

 ──────────その時、俺の脳裏に電流が走る。

 

「マユ、こっちに来い」

「ぇ? ……な、なぜだ!」

「なに、親睦を深めようと思ってな」

「ふぇ?」

 

 ポカン。としたマユたんをサッと掴みシュッと座る。マユたんは俺の膝の上に座らせる。

 マユたん可愛いhshsゲージがMAXの今の俺ならば息子が有頂天になることも無いはず。それにしっかりとズボンは履いているからマユたんの小さなお尻が俺を刺激することもない筈だ。

 とはいえ、乗せれば重さは感じるし体温も感じる。髪の毛サラサラだし、いい香りだし……あれ? 俺自分で死地に飛び込んでね? 

 

「な、な、な……!」

「……どうした、マユ」

 

 だ、だが! 案ずるな俺。こういう時はさもそれが同然であるように動けば何とかなるものだ。

 だから俺がマユたんにあーんしてチャーハンを食べさせてあげても問題は無いのだ!! 

 

 しかし、待てよ。俺の為に作ってくれたなら先ずは俺が食べるべきでは? 

 

「マユ、食べさせてくれないか?」

「へ!? わたし!?」

「あぁ」

 

 よいしょっと、マユたんをこっちに向ける。マユたんが足を開いて俺の太ももの上にの座る。

 ひょいっとチャーハンを浮かばせてマユたんに渡す。

 

「ふぇええ……わ、わかった」

 

 ……あれ? マユたんがなんか挙動不審だぞ。……手が震えている? 

 あぁ、チャーハン零れそう……

 

「ショ、ショウ……ほっほら! はやくくちをあけろ! どうせたべおわるまではなさないきだろ!」

 

 おやぁ? 真っ赤ですよお顔が。……可愛い(脳死)

 じゃあ頂きますかぁ! あー…………ん。

 

 むぐむぐ……もぐもぐ……

 

「ど、どうだ……?」

 

 うむ。旨い。ふざけられない。今俺は幸運と幸福を噛み締めている。マユたんがいなければ両の眼から涙を流し、鼻の穴から鼻水を溢れさせ、全身から力を抜いて死んだスライムのように溶けだしていただろう。

 あるいは行き過ぎた料理漫画の如く全裸になっていたことは間違いないのだ。しかし、マユたんの前でそのような恥ずかしい姿は晒せない。

 

「旨い。教えた事を完璧にやったな……偉いぞ」

 

 気付けば俺はマユたんの頭をなでなでしていた。

 マユたんが暴れるかも、と思ったが意外な事に暴れなかった。それどころかちょっと頬を染めながら嬉しそうに受け入れているではないか!! 

 

 ふふふ……息子にルカニルカニ。

 

 さすがにチャーハンを食べて天元突破グレンマランになるのはやばい。

 今天元突破したら清らかな物まで突破しかねない。それはダメだ。危険すぎる。平穏な日常すら突破して豚箱にinだ。

 

「さて、マユ。口を開けろ」

「へっ!? わわ、わたしはじぶんでたべれる!」

 

 っと、唐突に暴れだしたマユたん。そうですか、俺のアーンは嫌ですか。

 だが俺は諦めない。

 

「口を開けるんだ」

「ううっ……スプーンをちかづけたってダメだ」

「あー…………」

「んー!」

 

 口をきゅっと閉めて顔をそむけて必死にスプーンから逃げるマユ。手を使って俺の胸や顔、手なんかを必死に押している。

 

 うん、必死だ。

 

 そんなに嫌かな……ごめん。でも可愛いから許して? ゆるす。ありがとう(自己完結)

 

「食べないのか?」

「わたしは、ひとりでも、たべれる!」

 

 少し息が荒くなって顔も赤い。可愛い。

 

「遠慮は要らないぞ」

「えんりょではない!」

「ほら、あー」

「んー!」

 

 もうやだー! とマユたんが叫ぶまでこの攻防は続いたのだった。

 

 

 

 

 ■

 

「もぐもぐもぐ…………うまい」

「早急に諦めていれば冷めることもなかったろうに」

「うぅ、うるさい」

 

 おのれぇ……ショウのやつ……何が「あーん」だ。私は赤子か! 

 大体なんでショウの為に作ったのに私が食べるんだ。

 可笑しいだろう。

 ……まぁ一人分しか作らなかった私の落ち度だが……

 

 ん? ちょ、ちょっと待って……

 

 記憶が少し巻きもどる。

 

 私はショウに「あーん」して、ショウも私に「あーん」したよな? 

 …………スプーン変えたっけ……? 

 

 は、はわ、はわわ…………

 

 顔が真っ赤に染っていく。私とした事が、かか、間接キスだとぉ! ……うぐぐ。

 

 ショウの奴は満足げにコーヒー飲んでるし! ふざけるなよ! 変態! ハレンチだ! 死んでしまえ! 

 

「────俺の顔になにか付いているのか?」

「っ…………め、はな、くち。いじょうだ」

「顔が赤いぞ? 風邪でも引いたのか?」

「なわけあるか! ばーか! このへんたい!」

「…………変態?」

 

 はて、何かあったかな。そんな雰囲気でショウが腕を組んで考え込む。

 嘘だ、絶対わかってやってたぞ。だって親睦を深めるとか言ってたし! 

 深まるかばーか! 溝が深まっただけだ! 

 

「……あぁ、間接キスか」

「あぁって……」

「悪かった。気分を害したのなら謝ろう」

「……あやまられてもうれしくない」

「ふむ」

 

 もっと他に、間接キスを忘れられるような何かが欲しい。

 ショウを殺せる呪いの魔法とか。

 

「では、こうしよう。マユにこれからひとつの呪文を教える」

「!?」

 

 えっ!? 

 えぇっ!? 

 

 おし、える? 

 

「………………マユ? どうした、固まっているぞ」

「ばかもの! わたしがまほうなんてつかえるわけないだろ!」

「何故怒るのか」

 

 ま、全く。いくら聖杯である私だからって魔法なんか使えるものか。

 使えないぞ絶対に。

 

 使わないし。ショウの魔法とか使いたくもないし? 

 そもそも、払った対価にみあっていない! 

 料理で起きた原因なんだから料理で返せ! 

 

「うるさい! ゆうはんはショウがつくれ!」

「マユがそれでいいなら。……で、何がいい?」

 

 全く……で、夕飯かぁ。

 

 ぽわぽわ〜とイメージ浮かべる。

 

 オムライス、あれはいいものだ。えびフライもいい。カレーもおいしかったし、グラタンもいいな。シチュー! あれもはずせない……

 デザートにはプリン! いや、アイス! ……は、さむいからやめてぇ……えっと……なににしよう、たべたいのがたくさんある……まようー……うーん」

 

「…………声に出てるぞ」

「はっ!?」

「……今の全部でいいんだな?」

「ななな、なし! いまのなし! きかなかったことにしろ! いっぴんでいい!」

「任せておけ」

「まかせられるかー!」

 

 わー!! まずい! 食い意地張ってると思われる!? 

 というか! そんなに食べれるかー!!

 

 





リアルも小説の中身も時間が経っております。

ちょっとだけ砕けた会話が出来るようになってきた2人。

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