魔法使い「聖杯を嫁にしたんだが冷た過ぎて辛い」 作:シフシフ
シフシフ「初投稿です」
魔法使い「聖杯使って童貞捨てるぜ!」
嫁聖杯「今起こったことを説明するぞ。聖杯戦争の勝者の願いを叶えて世界を滅ぼそうと思っていたら嫁になっていた。しかも世界破滅アタックを防がれた。何を言っているかわからないかもしれないが、私も何が起きたのか分からなかった。願いだとか、万能だとか、そんなちゃちゃなもんじゃだんじてない。もっと恐ろしい片鱗をこれから味わいそうだだ……」
という訳で、2話、初投稿になります。
主人公視点しか無いです。あと、テスト期間の合間に作ってたので、色々物足りないかと。
生暖かい目で舐め回すように見たあと、コメントに「フッ(失笑)」やっちまって下さい。
◻
家。それは最も落ち着く空間であり、何処よりも安全で安心できると感じさせる空間である必要がある。
と、俺こと魔法使いは思うのだ。
しかし、我が家にはとても大きな問題がある。
それは……
「……なにもない」
そう、何も無いのである。安心も信頼もないのだ。
外観で「わぁ……!」ってなってたのに……すまない。有るとすれば隅っこの方に山積みになった木箱位のものだ。
「これから増やせばいい」
ポジティブに行こう。愛の巣は相談しながら作ればいいんだ。
「っ!……!」
む?抱っこしている聖杯ちゃんが身動ぎしている。なんだ、降りたいのか?だが地面は埃だらけ、歩けば足の裏が真っ黒になる。それは可哀想だし少し待ってほしいな。
ふむ、綺麗にする魔法……俺の持っているドラクエ呪文は攻撃系ばかりだからな。うーむ、バギの威力を下げて使えばいいだろうか?
「暴れるな。───バギ」
「!」
小さな竜巻が形成され、部屋を走り回る。結構な風が吹き、窓や扉が全て開く。そこから大量の埃が吹き飛んでいった。
……ビクってなったよな?可愛い愛でたい。
よし、綺麗になったな。それにしても、めっちゃギュッって襟に捕まって来てるんだけど、何これ天使?天使だよな?もう天使で決定。
「……降りるのでは無かったか?」
「っ!……うるさい」
ああぁ!降りてしまった……何てことを言ってしまったんだ俺は……これだからコミュ障は……
「ひぅっ!…………」
ん?……縮こまっているな。さらには震えている。
お、こっち見た。
ふむ……?
「っ〜〜!」
俺の事を睨んでいる……?めちゃくちゃ可愛いが、何が言いたいんだ?寒いのか?それは解るが……あ、裸足だから床冷たいとかそう言う?……仕方ないなぁ聖杯ちゃんはぁ(デレデレ)ほら、抱っこしてあげるよと手を差し伸べる。
「いやだ。はやくふくをよこせ」
「断る」
「!?」
「……すまないが、君の大きさに合う服はない。使っていない俺のローブで我慢しろ」
流石に今のはキモイな。本心がでてしまった。抱っこなんてさせてくれなさそうだから、仕方ない。
裸を見ていたい気持ちは強いが、ローブを渡すことにする。隅に積まれた木箱の中から使っていないローブを取り出し、聖杯ちゃんに投げる。
投げてから気が付いたが手渡しした方が「あっ」「あ、ご、ごめん」みたいな手と手が触れ合うハプニングが起こったかも知れない……これからは気をつけよう。
「…………ぶかぶか」
「……我慢しろ」
ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!カワイイんじゃぁあ!!
ぶかぶかとか言いながら腕を片方ずつ上げるの最高か!?
いやぁ、ローブっていいっすね!胸見えそう。なるほど、これが着エロか……。だが、子供なんだよなぁ。最早子供にすら発情しかけている童貞だが、それでも踏ん切りは付かん。いや、踏ん切りだとか何とか言ってる時点でブレーキが故障していることは分かっているんだが……。
それにしても、俺は口が悪いな……。嘗められないようにと数百年この口調だったからもう染み付いてしまったか。というか、足が冷たいと言う問題を解決出来なかったな。まぁ、何も無いんだ仕方ない。しかし靴下すらないとは……む、裸ローブ+靴下だと?……エロいのか分からん。
「さて、足りないものは魔術協会に……と思ったが」
魔術協会に家具の依頼をしようか、などと考えていると、突然魔力の反応を捉える。地下の使っていない物置に続く扉を進んですぐの位置だ。こちらの声も届くだろう。
「─────誰だ、出て来い。さもなくば相応の報いを受けることになるぞ?」
全く、空き巣か?なら災難にも程があるな。探したとして、木箱の中には俺の私物しか……まさか俺の
ん?なんか掴まれた?
────ぶふぉ!?な、なんだと……!聖杯ちゃんが俺のローブの端っこを掴んで後ろに隠れたっっっ!
や、やべぇ萌え死ぬ。このままでは相手と相対する前に死ぬ?!これ程まで母性を擽るか、聖杯ちゃん!
「も、申し遅れました。わたくしは、アインツベルンより魔法使い様に贈られました、ホ、ホムンクルスでございます」
「要らん。帰れ」
「で、ですが」
もう俺は聖杯ちゃんの将来に全てを捧げるつもりなのだ。今更下々の世話とかいらない。と言うか、俺と聖杯ちゃんの愛の巣に勝手に入ってくるんじゃない。ゴーレムとかも他の家から贈られてくるが、止めてくれ。可哀想で処理出来ないんだ。
なので押し売り反対!と睨み付ければホムンクルスはしゅんと小さくなった。
「……も、申し訳ありません。先の発言は取り消しいたします」
ん、待てよ?アインツベルンに聖杯ちゃんの洋服貰えば良いんじゃないか?ならついでに送ってあげるか。
にしても、どんな服を……修道服は違う気がする。もっとこう、ザ・女の子みたいな奴がいい(願望)
ゴスロリとかどうっすかねぐへへ。大人になる前に写真撮りまくろう。コレ決定事項な。
「では、わたくしはこれで……」
「待て、ホムンクルス。少しアインツベルンに用が出来た。来い」
何用ですか?と聞いてくるホムンクルスを無視してその手を掴む。2歩ほど俺が前に歩いた為に、聖杯ちゃんがよろめいてあわあわしている。鼻血が出そうだが、問題ない。全速力でホイミを唱えたからな。血が溢れる前に傷は治った。
「あ、あの……」
「フバーハ。ルーラ」
「「?!」」
そう言えば温度に関する呪文もあったなぁ、とフバーハも使う。
さて、アインツベルンの本拠地前まで来た訳だが、居るだろうかあの爺さんは。
「えっ!?」
と驚いているホムンクルスは無視して聖杯ちゃんを見ると、目をぱちくりして周囲をキョロキョロしている。可愛い。いきなり寒くなくなって驚いている様でローブの中を覗き込んだりしていた。……見えちまったぜ、中の宝石がよォ……。
「案内を頼むぞ、ホムンクルス」
「は、はい」
それにしても、と俺は思う。随分と臆病なホムンクルスだな。さっきから吃りすぎだろう。アインツベルンにそういう性格が好きと勘違いされたか?この前のツンデレお嬢様系とか、本当にホムンクルスが可哀想に思えたからやめてあげて欲しい。
俺が怖いのか、顔を真っ青にしながらも懸命に役目を全うするべく「こ、怖くなんかないんだからね!このク、ク、クズ魔法使い!」とか……可哀想だろう?ラリホーで眠らせたあとルーラで送り返してあげたが……殺されたか捨てられたか再利用されたかしたのだろう。
まぁ、俺の家に置いても死ぬだけなのでまだ助かる可能性のあるアインツベルンに送る方がいい筈だ。
「──まほうつかい、ここは?」
ふ、ふぉおおおおおおお!?裾をチョンチョンと引っ張ってからの上目遣い(身長差による意図せぬもの)だとぉおおおおお!?
わざとじゃない辺りがポイント高いぞぉ!っはッ!正気になれ俺、落ち着け……俺は魔法使い、落ち着くんだ。冷静にかっこよく返すんだ。かっこよさげな顔をするんだ。
「アインツベルンの城だ」
事もなさげに、当然だ、みたいな顔で言う。魔法使いはクールでかっこよくなくてはな。
「そうか、アインツベルンか……」
そう言えばアインツベルンって聖杯作った御三家の一つだったな、確か。……俺も聖杯を作る時に魔力だけ提供したんだったか。マキリは元気だろうか。
むむ、聖杯ちゃんが少し険しい顔になっている。そんな顔も可愛らしい。愛でたい……我慢だ。好感度を稼いでからでないとマイナスに振り切る。
暫く無言で歩く。ホムンクルスがチラチラとこちらを時折見てくるが、気にする必要も無い。股間には来るが。
なんつープロポーションしてるんだよ全く……性処理用とか言われても否定出来ない外見だ。白髪赤目って時点でエロいのに、そこにボンキュッボンだぞ?
……何故俺はホムンクルスで卒業をしなかったのか?なんと言うか、あれだ。儚過ぎて抱くの怖い(童貞)
まぁ、そんなことはどうでもいい。聖杯ちゃんだ。聖杯ちゃんを俺は見るぞ。……周囲をチラチラと見渡す聖杯ちゃん。もしや怖いのだろうか?心做しか、俺のローブを握る力が強くなっているような。
ならば、かっこよく守ってやらねば。夫だからな!
「マヌーサ」と小声で詠唱し、目の前を歩くホムンクルスに幻覚をかける。ついでに「メダパニ」をかけ、記憶を改変する。
「……安心しろ、君は俺が守る」
「は?なにをいって」
ホムンクルスが足を止め、俺は聖杯ちゃんの前に立ちそう言った。聖杯ちゃんが非常に困惑したような顔をしてこちらを見上げる。ナイス身長差。
「そうだな……こうしよう」
「え?」
俺の知っている魔法……呪文にはモシャスという物がある。それを使うと外見や使用するスキルなど、全てを丸パクリ出来るという素晴らしい魔法なのだ。
ちなみに、肉体そのものも変わるためあんな事やこんな事も出来なくはない。が、勇気が無くて出来なかった……(童貞)
「──モシャス」
「!?」
イメージするのは常に最エロの女性。と言いたいが、あんまりエロい姿に変わると童貞的に困るので、知ってる女性にしようと思う。ちなみに、モシャスの制御など余裕で出来る俺からすれば、姿だけをモシャスする事も可能!能力与えたら怖いからな。
という訳でこの間俺が召喚したアーチャーに変わっててもらうか。
「これ、は……?」
「一時的に外見を変えさせてもらった。これならば君が聖杯であると看破される事も無いだろう」
「─────チッ」
いやぁ、いい夫だな俺は。素早く妻の内心に気が付き、その対応も迅速!
ふっ、惚れていいんだぞ?
さて、アインツベルンの城の中を歩いている訳だが……まだかなー。アハト君ー、早く出てきてくれたまえよー。
まったく、産まれたばかりの頃からの知り合いだろうに。生まれた瞬間から爺さんだったが、今も生きてるんだ、ホムンクルスというか、オートマトンというか、凄いな全く。俺が言えたことじゃないが。
「ここで暫くお待ちください」
「あぁ」
お待ちください、か。どうする。聖杯ちゃんと話し合いでもするか?だが、今更なんだが、自業自得なのだが……!
どうしてアーチャーにしてしまったんだ俺は!アーチャー……毒矢……うっ、頭が……!
確か召喚した時のセリフが「サーヴァント、アーチャー。貴方が上に立つに相応しいか、確かめさせてもらいます」だったはずだ。弓を構えながらな。
召喚した瞬間からオナ〇ー絶対禁止宣言とは恐れ入った。俺は上に立つに相応しくなんてないんだ、立つのは下だからな。
そんな思いが通じてしまったのか、親の仇を見るかのような目で常に俺を睨んできた。そこからは透明マント的な宝具で常に隠れながら俺を視姦してきた。常日頃だ。
戦闘になった時なんて「宝具の使用許可を!」からの許可なんて出してないのにちらりと振り向いたら「っ、わかりました。ご武運を!」とかなんとか言いながら森を展開、そこからは毒矢のオンパレードだ。避けてなかったら確実に俺に当たっていた。死ぬわ。
と言うよりもマスターを前に立たせるサーヴァントって何なんだ……。セイバーとランサーが同盟を組んで襲いかかってきた時だって俺一人で相手取って近接戦闘だからな。俺の武器、素手だったからな(泣き)
広範囲を吹き飛ばしたかったけど、そんな隙を与えてくれるような相手じゃなかった。だから近接戦闘に甘んじてたんだが、俺にはアーチャーの呟きしっかり聞こえていたんだ。「なるほど、無辜の民達を巻き込まないように範囲攻撃をしていないのですね」とな。
俺のことなんだと思ってたんだ?俺が三騎士の内の2騎に囲まれてる中、他人のことを気遣えると思ってたのか?援護してくれよ……。
まぁ、わかることがあるとすれば、確実にアーチャーは俺を殺そうとしていた。聞こえるようにああいう事を言って俺の行動を制限して殺させようとしてたんだ。なんてやつだ。
聖杯を見つけた時だってめっちゃ見てきたし。なんだかんだ言って絶対に背後から刺して奪うつもりだったぞ。腹いせに童貞卒業しようとしたけど勇気が無くて失敗した。「令呪を持って命じる。抵抗をするな」「重ねて命じる。一切の行動を禁ずる」、こんなふうに令呪を使ったのだが、勇気が足りなかったんだ。これ程までに、俺の魔法使いとしての歴史は深かったのか、と恥ずかしくなった。
そこからはヤケになって童貞卒業したい!けど無機物は嫌なの!ってわけで、童貞卒業に相応しいお嫁さんを願った訳だ。
しかし、現れたのはどうした訳か幼女、世の中ままならないものですな。
「おい、魔法使い。何故私をここに連れてきた?一体何の目的だ」
ひっ、話し掛けてきたか!おのれ、その平坦な声は本当に俺を現実に引き戻すのが得意だな!仕方ない、応戦するしか道は残されて居ないのだ。
それにしても連れてきた目的……?家に一人は可哀想だから連れてきたのだが……?他にはないぞ?
俺は内心で首をひねりながら考えるが特に目的のようなものは無い。むしろ、少し後悔しているレベルだ。
「……」
「…………そうか」
え?あ、無視してしまった……!
違う、違うんだ聖杯ちゃん!決して聖杯ちゃんを無視した訳では無い!アーチャーが怖くて声が出なかったんだ!あんなに長い間ものすごい近くから命を狙われ続けると言う経験が俺にトラウマを植え付けただけなんだ!
あぁ、なんか顎に手を当てて考え込んでる……胸のしたで腕を組むな!エロ過ぎるだろ!くっ、俺の千里眼が捉えて離れてくれない。くそぅ、俺のmysonよ、お前は女ならば誰でもいいのか!
「?」
あ、目が合った。
そうだ、それでいいんだmy千里眼。女の子が目の前にいる時のみ発動するタダのエロ目線だが、相手が自分を見ている時だけは絶対に相手の目を見て離さないのだ。
これは今までの戦闘における慣れ、もしくは癖なわけだが、結構助かっている。
「……何か用か、魔法使い」
「特に要件は無い」
出来れば脱いでくれないか、なんて思ってませんとも。
「では何故私を見ている」
「いや───俺も女々しいと思ってな」
今更アーチャーの裸体見てみたかったな、とか、少しも思ってませんとも。
「そう、か」
「おまたせしました」
おお、やっと来たか。さて、話を……
「申し訳ありませんが、その、アハト様は……腰痛で」
「……」
……腰痛?……腰痛か。……腰痛かぁ?老人として設計されたとして……そんな機能付けるのか?……設計者の意図は分からんが、アハトが仮病である事はわかる。まぁ、アハトが居ようと居なかろうと、ただ洋服貰いに来ただけだなのだから。
「ならば良い」
とは言え、家主に何も言わずに服の交渉はダメだろう。なので、強引に起こしてあげることにする。さぞかし驚くだろうが、まぁ、気付け薬という事で許してもらおう。
掌を真上に向け、魔力を高めていく。
「────元より、
次回予告。
「初投稿!服を求める魔法使いVS怒られると思っているアハト!頑張ってアハト!あなたが負けてしまったらアインツベルンは滅びるわ!次回!アハト、死す!スペルスタンバイ!」
次回は、お嫁さんの勘違いからはじまるかと。場面が同じ場所を書くことになると思われるため、嫌なら飛ばしてもいいんだ……ブラウザバックするんだ……!