だが!推しがいればなんてことは無い!
では、後半いきましょうか。
電車に揺られること1時間少し。ビルだのタワーだのと言っていた景色とは一変して緑が多い地域に入った。
俺たちが温泉に行くのもその緑の多い場所にある温泉。露天風呂に入りながら森林浴も味わえるという一石二鳥が売りな銭湯。
あとは女性に人気。美肌効果など腰痛にだの肩こりにだのなんでもござれな温泉でもあるといわれている。
だからなのか女性陣が目を輝かせているのは…。
ちなみに男性陣はこの一泊二日でのプチ旅行での枕投げが楽しみなのかさっきから肩をブンブン回している。総当たり戦。もちろん俺も容赦はしないつもりだ。
女性陣は女性陣でこの旅行での雑談に花を咲かせているからそっとしておこう。男どもは男らしく馬鹿みたいに騒ぐのがお似合いだ。
「そういえば…」
温泉に向かって歩いているときに絵里が口を開いた。
「部屋割りとか決めているのかしら?」
「それはウチが決めてるよ」
「いつのまに!?」
「とは言っても男性陣と女性陣に別けただけやねんけどね」
「そりゃそうよ。こんな化け物どもと一緒になんか寝たくないわ」
「「「誰が化け物だ!!」」」
「確かにそうね。一人は身長が190を超える大男。一人は運動神経抜群のバスケットマン。そして最後は期待の柔道男。護衛人としては頼りになるけど一緒に寝るのは少しねぇ…」
「なに?俺たちは化け物と思われてるの?」
「心外だ」
「偏見だー!」
「「「けど褒められて少し嬉しいです」」」
「こいつら単純にもほどがあるわね」
「存外あほですね」
アホのレッテルを張られました。
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「お待ちしておりました。ご予約されておりました東條様ですね。お待ちしておりました」
団欒を挟みながら歩いているとお目当ての銭湯に到着。見た目は勿論完全に旅館。ザ・和風。そして仄かに匂う畳の香り。玄関も広く解放感あふれる構造。
「洋風もいいけどやっぱり日本の和風はいいわねぇ」
「あ、そっか。絵里はロシアのクォーターだったな」
「和風こそまさに日本の雰囲気が出るから好きなのよ」
「エリチ紅茶も好きやけど日本のお茶も好きやもんね」
「和菓子も好きよ」
「穂乃果の家の和菓子大好きなのよね絵里って」
「今度買ってきてやるぞ絵里」
「おい彼氏落ち着け」
「二箱…いや、三箱は」
「おさえろ翔輝!」
「はいさ!!」
「てめえらやめろ!俺に和菓子を買いに行かせろぉ!」
「そんなことしたらアレするぞ!」
「アレってなんだぁ!?」
「貴方達静かにしないと木っ端微塵にするわよ」
『すいませんでした…』
なんだろう…金髪ポンコツ最強無敵女帝とてもこわい。
「男性方々はこちらへ、女子の方々はこちらにございます」
「よぉし。大和君ら、絶対ウチらの部屋来たらあかんで」
「なんで?」
「もし着替えてたらどうするんですか兄さん」
「あ……」
「私たちがそっちの部屋に行くのはOK」
「もし私や希、にこや桜ちゃんの着替えを見たら…」
「み…見たら…?」
あまりの気迫にごくっと生唾を飲み込んでしまうほど今の絵里の顔は般若にそっくりだった。
「隆也は半殺し、大和は希と一週間口を利くのは禁止、翔輝は海未に報告ね」
「すいません絶対しないです!」
「そんなの俺が耐えられない!」
「やめて!海未だけはやめてくれ!!」
「なら気を付けるようにね。少ししたらお風呂行くために呼びに来るから静かにしてるのよ」
「大和君後でね」
「ほかの人たちに迷惑かけるんじゃないわよ」
「兄さん。では後ほど」
全員そう言い残して自分たちの部屋に入っていった。しかもカチッと鍵も掛けて。
顔を合わせた俺たちは絵里を怒らせたらどうなるか身をもって分かったので急いで部屋に逃げ込んだ。
「あー…でも温泉なんか久しぶりだな」
「サウナ入りたいなサウナ」
「あと牛乳も飲みたいぜ」
「「違いない」」
部屋に入るとそこには布団がみっつほど並べられたあった。ということで適当に一番右が隆也。真ん中が俺。一番左が翔輝となった。
「ん?」
「どうした大和」
「海未にはってどういうことなんだ?さっき言ってた」
「あー…それか」
「え?」
「翔輝の彼女なんだよ海未は」
「………まじか」
「まじだ」
聞いていいような悪いような……。
「あの海未も恋する乙女だったのか」
「おいあのとはなんだあのとは」
「なんかキスだけでうろたえそうな……」
「あの海未だって可愛いんだぞ!甘えたい為に頑張って俺の横に座ったり!一緒に居たい時は服の裾摘まんできたり!膝の上に座ってきたら猫のように甘えてくるような可愛い彼女なんだぞ!!」
「惚気か」
「惚気だな」
「いや待って。なら今回のこの旅行よくお許しが出たな」
「絵里たちがいるから心配はいりません。けど何かあったらねじりミンチです!って言われた…」
「ねじりミンチ…」
海未の最恐の力の片鱗を見た気がする…。
そしてそんな時、隆也が口を開いた。
「それよりお前ら…大事なことを忘れてないか…?」
「へ?」
「何が?」
「ふふふ……ぬんっ!」
着ていた服を脱ぎ捨て浴衣に腕を通す隆也。
「大和。今から俺たちはどこに行く?」
「え?温泉…」
「翔輝。俺たちの性別は?」
「気が狂ったのかよ…。男」
「そうだ。男たちが今から温泉に入る」
何を言い出すんだこいつは…。温泉?男…?何を……。
「「……………あ」」
「ふっ…大和、翔輝気づいたか」
「ほ、本当にやるのか隆也」
「こればれたらまじめな半殺しだぞ!」
「仕方ないだろ……いくら彼女だからって…こういう時しか見れないんだからなぁ……」
(こいつもう彼女に対して末期じゃねえか……)
「大和。お前も本当は見たいだろ…?」
「な、ばれたか……」
「俺の目はごまかせん。そして翔輝。お前はどうする?」
「お、俺はさすがにできるか!彼女がいるのに!!」
「そうは言っているが…その時になったらそんなセリフが言えるのか?」
「ぐっ…」
「大丈夫だ…。ばれなければいいんだ…」
「バレなければな!!!」
「隆也!」
「こいつ…男の中の男だ!!」
そうだ。今から始まるのは温泉。だがこの旅館には『アレ』がない。だからこそ俺たちは『コレ』しか方法がない。男なら絶対に夢見たい桃源郷。憧れの聖地。
「いいか!ミスは許されない!!絶対に任務を遂行するんだ!!」
「ボス!」
「兄貴!!」
「準備はいいか野郎ども!!俺たちの任務……それは……」
全員声を合わせて叫んだ。
『覗きだぁぁぁぁぁぁあああああああ!』(小声)
・
・
・
「男たち何を叫んでるのかしら?」
「嫌な予感がします…」
「ちょっと釘パンチを打ってくるわ」
「エリチストップ!!まず浴衣着て!まだ下着姿やん!」
***
カポーンッ
扉を開ければそこには大量の湯気に囲まれた風呂場が顔を出す。大きな湯舟。小さな湯舟。水風呂。サウナなど多種多様の温泉設備。外を出れば森林に囲まれた露天風呂。
そしてその中に現れた美少女達。
「お背中流しますよ~」
「ありがとう桜。気持ちいいわよ」
「エリチ~。ウチの背中も流して~」
「はいはい」
心行くまで温泉を楽しんでいた。
「あれエリチ?またおっきくなってへん?」
「きゃぁっ!?の、希!?んっ、どこ触って!?」
「ふっふっふ~よいではないか~」
「よかないわよ~!」
「……あのでかいの取れないかしら?」
「願うしかないです」
ちなみに男たちは…。
「一体…向こうで何が起こってるんだ…」
「わからん…だが俺たちにとっちゃ最高なことが起こってるんだ」
「おいやめとけよお前ら」
大和、隆也は男湯と女湯の境目になっている塀のところに聞き耳を立てていた。
ちなみに翔輝は冷静になって覗きには参加しなかった。参加したら愛する彼女に何されるかわからないからだ。
「なあエリチ。最近隆也君とはイチャイチャしてるん?」
「ふぇ!?な、なんでそんなこと聞くのよ!」
「だって気になるやん?恋する乙女が今どんな状況なのか」
「私も気になります」
「話してみなさいよ」
「と、とは言っても普通よ?時間あるときに私の家か隆也の家に行ってゴロゴロしたりとかデートしたりとかよ」
「ゴロゴロしたりしながら何してるん?」
「な、なにを…?」
「ほかにあるわよね~?」
「わくわく…」
「その…隆也の胡坐の間に座ってみたりとか…ベットの上で一緒に寝たりとか…」
「「「可愛い!!」」
「へっ!?」
「やっぱり隆也大好きなのね」
「可愛いです絵里さん」
「キュンキュンするわ~」
「あうぅう…」
顔も真っ赤にした絵里が湯舟の中で悶える。
「お前らそんなことしてたのかこのリア充」
「い、いやたまになんだが…」
「こいつら爆発すればいいのにな」
「殴りたい」
「俺も」
「おい待て翔輝お前も彼女持ちだろうが!」
「てめえら俺の敵だ死にさらせぇ!」
「「うおおおおお!?」」
男たちの大乱闘勃発。
「隆也のことは……大好きです…」
「「「おぉ~…」」」
絵里の顔が真っ赤になっているのは温泉のせいなのか恥ずかしいからなのかはご想像にお任せいたします。
「がっはぁ!?」
「隆也が血を吐いて死んだ!?」
「この人でなし!!」
「そ、そういう希はどうなのよ!大和とはどうなのよ!?」
「へっ!?」
「この前一緒にごはん食べに行ってるの知ってるのよ!」
「な、なんでそれを!?」
「桜ちゃんから聞いたわ」
「桜ちゃん?!」
「ごめんなさ~い!」
そして次は希が標的となった。
「と、とは言っても普通やで!?ごはん食べに行ってウチの昔の記憶の話をしたりとか、『今』の私がしらない大和君の話をしたりとかやで!?」
「カップルじゃない!」
「兄さん…彼氏になっていたんですか」
「バカップルかもね」
「や~ま~と~く~ん?」
「な、なんだよ…」
「お前も大概じゃねえかー!」
「がぼぼぼぼぼっ!?」
「その…大和君優しいからついテンション上がっちゃってお話するのが…とても楽しかった…かな。えへへ…」
「げぼぁ!?」
「大和も死んだ!?」
「死ぬな大和!まだ覗きすらしてないんだぞ!」←復活
「そこはしなくていいんだよ!!」
「そういえば海未もこの前翔輝のことで惚気てたわね」
「にこその話聞かせて!」
「私の周りカップルが多すぎる気がしてきました…」
「え?この前翔輝が買ってきてくれた髪留めが可愛いすぎて嬉しいって言っていたのと、初めて翔輝から買っていただいたアクセサリーだから宝物なんですって満面な笑顔で言ってきたわよ」
「ぶるぼぁ!?」
「翔輝もやられた!」
「もうやめてくれぇぇえ!」
完全ノックアウト状態。
「みんな幸せそうね」
「兄さんが幸せそうでなによりです」
「桜からしたらどう?大和は」
「兄さんは自慢の兄さんです。私の兄さんがこんなに大きな存在になっていると知れて私は満足です」
「いいお兄さん持ったね桜ちゃん」
「ほんと、頼もしい兄貴よね」
「兄さんが褒められるのはいい気分ですね」
「桜……」
「いい妹持ったな大和」
「大事にな」
「おうっ…」
「じゃあそろそろ上がりましょうか」
「せやね」
「そろそろ上がらないと逆上せますしね」
「体ポカポカしてるから眠くなりそうね」
「じゃあ俺たちも行くか」
「だな」
「牛乳飲まないと」
「じゃ、行きましょうか。私は早く上がってずっと聞き耳立ててたあの男たちを潰さないといけないから」
「「「っ!!?」」」
通常の三倍のスピードで俺たちは風呂場から部屋に走り出した。
(((バレてた!?)))
その後、絵里の釘パンチが全員に炸裂しました。
***
「うごぉ…まだ腹が痛い」
風呂上がりに自分らの部屋に逃げようと思ったが、見事に絵里に捕まり全員ぶちのめされた俺たち。数十分間ぐらい悶絶した後晩御飯の時間になったから食べたものの全然体力が回復しない。
隆也は絵里にお説教され、翔輝は電話で海未にお説教されている状態。ちなみににこと桜は我関せずでアイドルの話に花を咲かせていた。
「風でも当たるか…ん?」
夜風に当たろうかなと考え外に出ると浴衣に身を包んだ希が立っていた。
「希?」
「あ、大和君」
「希も風当たりに?」
「うん。エリチたちは大変そうやからね」
「……何も言えない」
「まったく大和君らはスケベなんやから。覗きはしなかったとしても女の子らのガールズトークに聞き耳立てて」
「いや…なんというか…すまん」
「ええよ。エリチがいろいろしてくれたから」
「まじであいつ殺す勢いだったからなぁ…」
あいつは怒らせてはならないリストの第一位だな。
「今日、とても楽しかった」
「…そうか」
「昔の私はどうだったかはわからないけど…今の私にとってはとても楽しい一日だった」
「そうか」
「大和君は楽しかった?」
「とてもな。絵里と海未の彼氏に会えたし友達にもなれたしな」
「いい休日やったかな?」
「最高にな」
「よかった。神様がウチにええものくれたな」
「まずこの旅行自体行けると思わなかったしな」
「ウチも楽しかった~。神様に感謝!」
「感謝だな」
確かにこの休日は充実した日になった。しかも高校で友達になったやつらとその彼氏たちとだ。また友達の輪が広がった気がする。神様、希の記憶は早く戻してくれ。そして今回のこの旅を楽しくしてくれたのは感謝するぜ。『この皆』で旅行を楽しめたことにな。
「希」
「んー?」
「ありがとな」
「いいよ今回の旅行のやつは」
「いや、そっちじゃないんだがな…」
「へ?」
「いや、気にするな。そろそろ入ろう。湯冷めで風邪ひいちまうからな」
「ちょ、ちょっと隆也君!?さっきのどういうことなん?お~い!」
さて、また学校と生徒会頑張るとしましょうか。
『おまけ』
隆也と絵里がいる部屋に戻ると二人がキスしてたので写真を大量に撮ってやった。
「やめろぉぉぉ!!」
「やめてぇぇええ!」
カシャカシャカシャカシャカシャッ!
どうも遅くなりました。
論文疲れます本当に…けど東京をエンジョイするためにこれも試練だと考えて頑張りたいと思います。
待ってろよアニメイトゲーマーズとらのあな!!←オタクパワーMAX
あとこれを読んでくれる皆さん、雨風など大丈夫でしょうか?洪水暴風など色々とお気を付けください。自分のように事故しかけないように!
また投稿には時間がかかると思いますので、しばらくお待ちください。
では、今回はここまで!感想・評価お待ちしております。
では……またな!!