Memory of purple   作:優しい傭兵

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希視点・・・・・・である






あ、あけましておめでとうございます(今更)



希から見た神とつく神社

今日は柴垣君に生徒会の事についての説明をする日・・・だったんやけど、穂乃果ちゃんの提案で神田明神に行く事になった。

まあ、ウチも神田明神でのバイトがあるから別にいやではない。

 

神田明神に付いたらウチは早速着替えに向かった。神社で働くから巫女服に身を包ませる。けど毎回思うのはこの巫女服に着替えると胸が苦しくなるんよねぇ・・・。お腹と腰の部分を帯で結ぶんやけど・・・なんだか苦しい。特に胸が・・・。

今度神主さんに言ってサイズ変えてもらおう。しかも巫女服って下着を着たままだから色が透けないか心配・・・。あ、別に自分の胸が他の子よりほんの少し大きいからって自惚れてる訳やないよ?!本当やで!?

 

 

着替えも終わってみんなの場所に戻ると、柴垣君が皆に何か言われて凄い焦っている姿が見えた。近付く時になんか鈍感・・・?とか金髪がどうとかって聞こえたけど・・・。

やっぱり柴垣君エリチの髪色とかに疑問は抱かなかったんやね。分からなくも無いけどね。音ノ木坂って髪色の校則については凄くルーズやから。皆個性豊かな髪やからええと思うけど。

 

 

「何を話してるん?」

 

 

話に混ざろうと会話の話に入ると、柴垣君が凄いウチの事を見つめてきた。

 

(なんやろ・・・ウチの巫女服に違和感でもあるんかな・・・?)

 

 

 

けど、柴垣君はウチの思っていた言葉とは全く的違いの言葉を発した。

 

 

 

 

「・・・・・・綺麗だ・・・」

『え!?』

「え・・・?」

 

柴垣君がウチの事を綺麗だと言ってくれた瞬間、顔が熱くなるのを感じた。ちょっとだけ・・・ちょっとだけやけどドキッとしてしまった。もう・・・不意打ちは反則やよ?

 

「あ!す、すまんつい口にだしてしまった!」

「あ、いや別に大丈夫やで!?そ・・・そっか・・・、ウチ綺麗・・・なんやね・・・?」

「お、おう。その綺麗な髪もあの時と全然変わってないな・・・。綺麗なままだ」

「そう・・・なんやね・・・あ、ありがとう・・・」

 

 

そ、そっか・・・。ウチは昔にも髪の色を褒めてくれた時があったんだ・・・。けど、いくらなんでも面と向かって言ってくるのは卑怯だ。さっきよりも顔が熱くなってきてる。ウチは中学時代どんな子だったんだろ?記憶が無いから思い出したくても思い出せない・・・。

ん?柴垣君もなんだか顔が熱くなってるようだけどちょっとだけニヤニヤしてる。変な事考えてるんやないやろうね・・・。

 

「大和。褒めるのはいいけどそのへんで。希の顔が凄い事になってるから」

「す、すまん・・・」

「べ、別にええんやで?じゃ、じゃあ!ウチこの辺掃除しながら話聞いてるからみんなで何かお話ししてて!!」

 

 

そういい残してその場から離れた。あれ以上あの場所にいたら顔がどんどん赤くなってしまう・・・。

 

 

今日のお仕事は境内の掃き掃除とお守りなどの補充。あとは本殿の拭き掃除。

 

 

彼らとの会話も聞きたいので今日は少し気合を入れて仕事をこなそう。

 

 

 

 

+++

 

 

 

 

 

 

本殿での拭き掃除、お守りの補充を粗方終え、最後の仕事である境内の掃き掃除をしよう。

箒を手にし、落ち葉などが溜まっている場所を掃除しているとき、柴垣君たちの会話が少しだけ聞こえた。

 

私と柴垣君の出会いは小学校2年生の時代。ウチの両親、特に父親は転勤族。全国の至るところの職を転々としていた。父親が転勤するたびにウチと母親は暮らしていたその場所を離れ、慣れない土地、慣れない近所関係を何度も体験している。

父親はずっと私に謝ってきた。

『ごめんな希。俺の転勤のせいでずっと迷惑をかけて・・・』

記憶を失う前からずっとこの言葉を言っているそうだ。けど、今の私の状態ではなんとも言えない。私にはそんな記憶が一切ないのだから。

記憶を失った私に両親は一生懸命に今までの私の生活を教えてくれた。高校に入るまではこんな事をしていた。中学校時代は部活は入らずに勉強を頑張っていた。けど転勤が続いたおかげで毎回勉強についていくのが大変だった、など色々と話してくれた。

 

そして高校は毎度転勤で迷惑をかけるわけにも行かないので、私は親と別れて東京で一人暮らしをする事になった。東京は私の小学校時代から暮らしていた場所だから、暮らすのには不都合は無いだろうとの事だ。

別に1人暮らしに困る事は無かった。

何かをする時に使う『手続き記憶』と料理、洗濯、掃除の使い方を覚えている『意味記憶』は頭に残っていたお陰か、家事に支障はなかった。

 

 

 

「ウチと柴垣君は・・・そんな昔から・・・」

 

 

しかも私と別れた時に約束までしてくれていた。

私に絶対会いにくるって約束をしてくれているのに私の頭にはその記憶・・・いや、思い出さえ消えてしまっている。

なんだか、罪悪感が沸いてくる。その頃の私も、それを言われて嬉しかったはずなのに・・・かなり印象的な思い出なのになくしてしまっている。

 

 

 

 

 

神様はいつになったら私の記憶を返してくれるのだろう。

 

 

 

 

 

+++

 

 

 

 

大方の掃除が終わり、掃除用棚に箒を返そうとしていた時、絵馬の前に柴垣君がいた。

盗み見でちょっと趣味が悪いが今は許してもらいたい。

 

 

1つ1つ見ながら歩いていた柴垣君だったが途中で足を止めた。

なんで?と考え少し近付くと、1つの絵馬を眺めていた。それは何を隠そう私が神田明神で始めて書いた絵馬が飾られている場所だった。

私は神様にお願いした。無くなった記憶を返してくださいと。それを見られてしまった。なんだか恥ずかしい気持ちもあるが、悲しい感情の方が勝っていた。過去の私を大事にしてくれた柴垣君は一体どんな気持ちで絵馬を見ているのだろうか。傍から見ると、拳を強く握り締めているのが見える。

 

 

 

 

「柴垣君」

「あ、希・・・。悪い、見ちまった」

「ううん、気にせんといて。いずれ見られるとは思っていたから」

 

嘘。できるなら誰にも、特に柴垣君には見られたくなかった。

こんな事しても帰ってこないことくらい自分が一番よくわかっている。けどこうでもしなきゃ他に記憶が蘇る手掛かりが無い。最終的に神頼みになってしまったのが情けない。

 

 

 

「記憶が戻る傾向はあるか?」

「ううん。今は全然かな・・・」

「そっか。まあ焦っても何にもならないから地道に思い出していくしかないな」

「そう・・・やね」

 

 

 

今でもよく分かっていない。このまま探し続けたら見つかるのだろうか。それ以前に私は記憶を取り戻したいと思っているのか、分かっていない。エリチに出会って、穂乃果ちゃん、ことりちゃん、海未ちゃんにも出会って一緒に過ごしている今が大好き。そして柴垣君と出会った・・・いや、再会したと言った方が正しいかもしれない。

まだそんなに時間は過ぎていない。けどこのほんの少しの時間でも私は大好き。

 

 

(今まで・・・・・・ちゃんとした友達なんて殆どいなか・・・・・・あれ?)

 

 

「どうした希?」

「あ、え、その・・・さっき、覚えていないのに・・・今までちゃんとした友達なんて殆どいなかったって事を覚えてて・・・」

「っ!?」

「え・・・なんで?高校に入学して思い出す事なんて全然なかったのに・・どうして今いきなり・・・」

「それって・・・ちょっとずつだけど記憶が戻ってきてるんじゃ・・」

「多分・・・。心のどこかで、過去は忘れたくないって思ってるのかもしれへん」

「今の希はどうなんだ?過去の事思い出したいのか・・・?」

「ウチは・・・」

 

 

 

 

 

今・・・か。私は・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウチは知りたい。自分が一体過去でどんな出来事を体験してきたのか。柴垣君と一緒に過ごした事を知りたい。・・・ウチは・・・自分の記憶を取り戻したい・・・。そして確かめたい・・・」

 

 

 

 

 

 

あの頃の私はどんな人だったのか。自分が自分の事を確かめたいって言うのはなんだか奇妙な話だが、それでもだ。自分の事は自分でもよく分からない。

 

 

 

『だから知りたい』

 

 

 

 

 

 

風が神社を吹き付け、落ちている枯葉を舞い上がり、私達を包み込んだ。

 

 

 

 

 

 

「ウチは・・・いや、私は一体誰なのか(・・・・・・・・)

 

 

 

 

 

「それが、今の希の気持ちなんだな」

「うん」

「そっか。なら、俺はそれに着いて行くぜ」

「柴垣君がウチに?」

「俺はお前の友達だ。友達としてできることをしてやりたい。だから、その自分を探し出す事に、俺も協力させて欲しい」

「本当にいいの?今のウチは柴垣君が知ってるウチじゃないんやよ?それでもいいの?」

 

 

 

私は彼をまだよく知らない。彼も今の私を知らない。言い方を変えたらこれは他人同士の会話、他人を手伝うって言ってくれている。

 

 

どうして?

 

 

 

 

 

「だって俺たち、あの頃からずっと友達だろ?」

 

 

 

友達・・・。友達か・・・。

 

 

 

そっか。ウチは柴垣君と友達だったんだ・・・。

 

 

 

 

「え!?」

「ふぇ・・・?」

「お、おい希どうした!?」

「なに・・・が?」

「俺なにか悪い事したか!?ごめんな!?」

「?」

 

柴垣君が何を言っているのかが分からなかった。けどそれがどういうのか分かった。

私の頬を涙が流れていた。別に悲しかったわけじゃない。記憶を無くしたのにずっと私の事をずっと友達と言ってくれた事が嬉しかった。優しい・・・。いや、彼は優しすぎる。

 

 

 

「うえぇ・・・ごめんねぇ・・」

「な、なんで謝るんだよ!謝るの俺だろ!?」

「ありがとぅ・・・じばがぎぐん」

「あぁ、ほら涙拭けって、な?俺ありがとうって言われるような事してないんだけど・・・」

 

 

 

 

 

ありがとう柴垣君。そしてごめんね。出来る限り待ってて欲しいな。私も頑張るから。

 

また、ちゃんと柴垣君に会いに行くから・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『それまで・・・まっててね』

 

 

 

 

 

 

 

神様、どうか私の記憶が近々帰ってきますように・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、柴垣君の目の前でウチが泣いている姿をみたエリチが、後ろに般若がいるんじゃないかってぐらいの形相で柴垣君を殴り飛ばしていました。




どうも皆さんお待たせいたしました。
なんでテストとか試験とかあるんですかね・・・。試験とかするなら自分だったらレポートの方が良いですぜぇ・・・。あ、でも簡単なら試験でもいいかな。


と、いう事で希視点からのお話でした。ちょっと難しかったですね。これからもちょくちょく他の人達との視点をいれていくと思うのでよろしくお願いします。

お気に入りや感想など本当にありがとうございます!凄く嬉しいです!
これからも感想などお待ちしております!


では・・・・・・またな!
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