最近新しい女友達が出来た。
彼女の名前はセリーヌ。……猫だ。
フィーは小さい頃から動物には好かれる質で、何が言いたいのかも、何となくは理解する事が出来た。
だが、セリーヌはそんなもんじゃ無い。まるで人の言葉を話しているみたいに、言っていることがわかるのだ!
どうやらワタシには、人以外の動物と話せる才能があるらしい。
今日もミルクを持って、学生寮の屋根に登り、セリーヌとの会話を楽しむ。
「だからさぁ…、何となくラウラが、ワタシを避けてるような気がするんだよね?」
「あんた、何かしたんじゃないの?人間は気付かない間に他人を傷つけてるっていうし?」
「うーん……、でも心当たりが全然無いんだよね。元々そこまで仲が良かったって、訳でも無いんだけど…」
フィーは瓶から直接、セリーヌは愛用の皿でミルクを味わう。
ラウラはいつも毅然としていて、いや、し過ぎていて、誰とでもすぐに打ち解け合うというタイプでは無い。
フィー自身も、人付き合いが得意という訳ではなく、どちらかと言えば社交性には欠けるタイプかも知れない。
加えて例の特別実習も、サラの(悪意ある)班分けのせいで、一緒に行動した事がない。
なので、お互いを知り合う時間が今まで作れなかったのだ。
だが、大元の原因は、そんな事では無い様な気がする。
「……ヤッパリあれかな?」
「あれ?」
「うん、ワタシがここに来る前に猟兵だったって事…」
先月の実習の際。とある事件がきっかけで、ワタシが猟兵団に所属していた事が、周知の事実となってしまった。
その後も、皆今までと変わらずに接してくれているが、ラウラだけは距離を置いて接してくる様になった気がする。
ラウラの実家は、帝国でも指折りの武門の名家らしい。
幼い頃から、剣術は勿論、礼儀所作、言葉使い、果てには友人との接し方まで厳しく躾られていたとしても、不思議ではない。
対してワタシは、幼い頃から粗野な野郎共に囲まれて育ち、サバイバル術や銃器の手入れ、相手の裏を掻く術などしか学んで来なかった。
言葉使いなど、相手に伝わりさえすれば何でも良いと思っている。
言うなれば、ラウラは血統書付きの猟犬で、ワタシは雑種の野良猫といったところか?
犬と猫……。そりゃ、仲良くなれる筈無いな…。
一人で勝手に納得する。
「はぁ……」
打つ手なしか。
「……あたしには人間の事は良く解んないけどさ、思いきって一度ぶつかり合ってみたらどう?」
セリーヌが提案する。
「ぶつかり合う?……どうやって?」
「……河原で決闘とかどう?二人とも戦闘が特技なんだし、ケンカした後は仲良くなるって言うじゃない?」
腕を組み合わせ、少し考えるフィー。
「ラウラと決闘するの?……やだよ、そんなどっかの番長同士みたいなの。どうせだったら女の子っぽいやり方で仲良くなりたい」
「まぁ、そうよね……」
この約1月後、フィーとラウラは夜の公園で仕合う事になるのだが。
「あっ、ヤバい!委員長とアリサに勉強教えてもらうんだった」
「そういえばテストがあるって言ってたわね?……ねぇ、何で人間は、わざわざ全てに順位を付けたがるの?苦手な所は互いに補いあって、得意な事だけ頑張った方が効率良いじゃない?」
「……さぁ?でも、負けたくないって思うのは大事な事だと思う」
「負けるって……、誰に?」
「えーと……、自分に、かな?」
「……どういう事?」
「……さぁ?」
猫と子猫は互いに首を捻る。
あっ、こんな事してる場合じゃないや。
「じゃ、またね、セリーヌ」
「頑張って来なさい」
猫の座談会は終了である。
学院の図書館に向かうと、テーブル席の一角にエマとアリサ、それにラウラの姿があった。
Ⅶ組の女子勢揃いである。
「あっ、フィーちゃん。こっちですよ!」
「遅いわよフィー!しっかり叩き込んであげるから、隣に座りなさい!」
アリサは意外と怒りっぽい、そのくせ面倒見が良い。
怒りたいから、構ってくるのか?と思う程だ。
第一印象では良家のお嬢様だと思ったが、どうやらワタシの勘はハズレていたらしい。
アリサの隣の席に座る、というか強制的に座らされる。
ワタシとアリサ、エマとラウラ、といった席順だ。
「ふむ?……フィーも来るとは聞いていなかったが?」
ラウラがやや躊躇いがちにエマに尋ねる。
「あれ、そうでした?でも、大丈夫ですよね?」
「むぅ、まぁ、その、そうだな、問題は、無い」
若干ラウラの歯切れが悪い気がした。
……。
何だろう?今まで感じた事の無いモノが胸に広がった。
「今日はフィーの為に、導力学の基本的な参考書を用意したわ。アリサ先生がみっちり教えてあげるから覚悟しときなさい?」
アリサが空気を察してか、無理に明るく接してくれる。
……気持ちはありがたいが、みっちりは止めて欲しい。
その後、各々の勉強が進む。
ラウラは、帝国史の資料を黙々と読み進めている。
委員長は、飛空挺の推進力と空気力学の関係、というかなり分厚い本を読み進めている。
……というか、そんなの試験範囲にあったっけ???
あっ、本を閉じた。最後まで読み切ったらしい。
天才ボインは健在のようだ。
こちらも導力学の勉強が進む。
アリサは結構教えるのが上手だ、まるで日曜学校に通う子供に教える様に分かりやすく説明してくれる。
……ん?という事はワタシは、その位の学力しか無いと思われているのか?
複雑な気分だ。
「そうそう、そこはそうやって解くの。フィー中々勘が良いじゃない!?教えがいがあるわ!」
「……そ、それほどでも」
……2時間頑張ってようやく誉めてもらった。
アリサ先生、もっとアメを下さい。
「皆さん、少し休憩しませんか?」
エマが時計を見ながら言う。
「そうね、じゃあ飲み物でも買って来ましょうか?」
「アリサさん、図書館は飲食禁止ですよ」
「あっ、そうだったわね。じゃあ、一旦学生会館に移動しましょうか?」
「ふむ、そうだな。私も一区切り付いたところだ、異論は無い」
「ん、意義なし」
フィーも同意する。
「じゃあ行きましょうか?」
各々荷物を纏め、移動を開始した。
「あっ、いけない。サラ教官から用事を頼まれていたんでした……」
図書館を出た所で委員長が言い出す。
「すみませんがちょっと行ってきます。皆さん、後でまた」
委員長が胸をポヨンと揺らせながら走っていった。
周りにいた男子生徒達が、その様子を食い入る様に観察するのは仕方ない事だ。……多分。
「あっ、私もリィンに用事あるんだったわ」
アリサが言い出す。
……えっ?ちょっと待って?
委員長が居なくなって、アリサも居なくなるって事は?
……
……
……!
「ごめん、すぐ戻るからちょっとだけ行って来るわね」
フィーがアリサの手を素早く掴む。
「行かないで!」
「え?何よ、どうしたの?」
「リィンに何の用事なの?」
「昨日、髪留めを1つ無くしちゃったみたいだから探して貰おうかと思って」
そんなもん、自分で探せー!!!
「お茶飲んでからで良いじゃん!!」
「駄目よ!リィンの事だから、その間に変な面倒事、頼まれてそうだもの!」
うう、全く否定できない……。
「リィンは多分、今忙しいと思うよ?」
口から出任せを言ってみる。
「あら、大丈夫よ。夕方からトワ会長の手伝いするけど、それまでは時間あるって、朝言ってたもの」
何でスケジュール抑えてんだー!!
っていうか、それなら朝のうちに頼んどけー!!
「だってアリサが居なくなったら、ほら?」
チラッと横目でラウラを見る。
ラウラもやや落ち着かない様子でこちらを見ていた。だが、ワタシの様に取り乱したりはしない。
この辺が、落ち着きある猟犬と、育ちが悪い野良猫の違いなのか?
「えっ?ああ、そうか……。……良い機会じゃない!二人だけでゆっくり話してみたら?」
イヤイヤイヤ、いきなり二人はハードル高いから!
もうちょっと段階踏んでからだから!
生徒の面倒は最後まで見なきゃ駄目だから!!
「大丈夫よ、すぐ戻るから。じゃあね」
じゃあね、じゃねーよ金髪ボイン!!!
アリサが校舎に向かって去っていく。
フィーとラウラだけが残された。
「む、その……」
ラウラが躊躇いがちに話しかける。
「どうする?私達二人だけというのもなんだし……、また今度にするか?」
そうだ!
また今度、それがいい。
……
……
……でも。
「ん、ラウラが良ければ、ちょっとなら……」
「む?そ、そうか?」
確かに、アリサの言う通り良い機会かも知れない。
いきなり二人きりにされるとは思わなかったが。
「ふむ、……そうだな。では行くとするか?」
「らじゃ」
二人は連れ立って、歩きだした。
学生会館1Fの食堂。
フィーとラウラはテーブルを挟んで向かい合っていた。
フィーはコーヒーを、ラウラは紅茶を飲んでいる。
コーヒーにミルクをたっぷりと注ぐ。
続いて砂糖を一杯。
もう一杯。
もう一杯。
もう……。
……
……
……
……何話せば良いんだ!?!?
気付けば備え付けの砂糖、半分位コーヒーカップにぶち込んでしまっている。
さすがに入れすぎか?
恐る恐る一口啜る。
……美味かった。
対面に座っているラウラも間が持たないらしい。
さっきから、ずっとスプーンで紅茶をかき回している。
……かき回し過ぎだ。ミルクだったら塩を加えてバターになっている。
考えてみれば、同世代の女子と二人きりでお茶をするなど、初めてのことだ。
……勝手が解らない、どうすれば良いのだ?
何か話さないと。でも何を?
……
……
……
いや沈黙よりは、良い筈だ!取り敢えず何か話しかけよう!
「ラウラは……」
「フィーは……」
二人同時に話し掛ける。
「あ、先に……」
「む、先に……」
「……」
「……」
沈黙が続く。
何だこれは!!!!
こんなに、重苦しい空間初めてだ!!
アリサ先生、早く帰って来て下さい!!
「あー、その、フィー?」
「ん?何?」
急にラウラが攻めてきた。
「試験勉強はどうだ?進んでいるか?もし、解らない所があれば、私で良ければ相談に乗るぞ?」
成る程!その手があったか!そう言えば元々試験勉強で集まったんだった!
そうだ、ラウラ先生に勉強を教えて貰おう!そのついでに仲良くなれれば一石二鳥だ!
アリサ先生は……、もういいや。
「じゃあ、ここ教えて欲しいんだけど?」
「む、何処だ?」
さっき、アリサから渡された導力学の参考書を開く。
「むう?導力学か、あまり得意では無いな…」
「えっ?そ、そうなの?」
「帝国史ならさっきまで読んでいたし、得意なのだがな……」
「帝国史ならワタシも大丈夫だよ、この前トマス教官が付きっきりで教えてくれたから……」
「む?そ、そうなのか?」
「ん、ラウラは帝国史以外だと、何が得意科目なの?」
「そうだな……、剣術なら幾らでも教えられるぞ!アルゼイド流とヴァンダール流について詳しく教えようか?」
科目って言ったのに……。
「そ、それはまた今度に……」
「そ、そうか……。残念だ、そなたもきっと気に入ると思うのだが……」
「……」
「……」
アリサ先生!!前言を撤回します!!
今すぐ助けて下さい!!!!!
うう……、何でこんな事に。
エレボニアとカルバードの仲が悪いままなのが解った気がする、人と人が解り合うのがこんなに難しいとは。
「で、では、お互いに自分の勉強をして過ごすとしようか?」
ラウラが提案する。
「ん、……だね、それがいいかも」
フィーも同意する。
フィーは一人で導力学の参考書を進めた。
一心に集中する。
周りの音が耳に入らなくなる。参考書に羅列する文字と記号以外目に入らない。
仮に今、目の前に魔獣が現れても気付かないだろう。
カリカリカリカリ……
ペンを走らせる音だけが響いていた。
「……ごめん、おまたせ。あら?あなた達休憩って言ったのに勉強してたの?」
アリサが戻って来た。だが、フィーは気付かずに参考書と向き合っている。
「どれどれ?……、凄いじゃない!もうほとんど終わりそうね!」
「えっ?」
そこで、ようやくフィーが顔を上げた。
参考書は、もう最後の数ページを残すのみとなっている。この数分で40ページ近くも進めていたようだ。
「ちょっと見せてね、……うん!答えもバッチリよ!」
アリサが嬉しそうな笑顔を見せた。
「これなら、試験も大丈夫そうね。……そうだ!どうせだから、もっと応用的な問題まで教えてあげるわね!」
えっ?
「試験範囲とは関係無いけど……。まぁ、知っておいて損はないから!」
い、いや、試験範囲じゃ無いんなら今は良いんだけど?
「大丈夫、大丈夫!私に任せておきなさい!」
……何を?
その後、アリサが特別授業を開始する。
何とかついていくフィー。
アリサの授業を聞きながらフィーは思った。
やっぱり、委員長先生が1番良いな……。
エマ、戻って来ないかな?
もう、アリサ先生は懲り懲りだった。
試験期間が終わり、今日、結果が発表された。
フィーは、何と学年ベスト20位に食い込む成績を残した!導力学はアリサと二人で満点だった!
アリサに感謝するべきか……、それとも自分を褒めてあげるべきか……。
そう言えば最近、寮に新しく管理人さんが来てくれた。
名前はシャロン。
アリサと昔からの知り合いらしく、姉の様な存在らしい。家事全般を完璧にこなすスーパーメイドで、いつも穏やかに笑っている。
但し、その動き一つ一つに隙がなく、何故かこちらが気配を消して近づいても「あら、フィー様。オイタはほどほどに」と、たしなめられてしまう。
何者なのだろう?
まぁ、ご飯作ってくれるし、別にいいか?
そのアリサだが、何と帝国最大の企業、ラインフォルト社の会長の娘だというではないか!
良くも悪くもワタシの直感は正しかったらしい。
その後、実技テストでⅠ組の連中と揉めた後に、週末にある特別実習の班分けと行き先が発表された。
……案の定、ラウラと同じグループだった。
サラならやるだろうなと思ったが、ホントにやりやがった!今更だが、ユーシスとマキアスの気持ちが少し解る……。
どうすれば良い?残された時間は数日しかない。
セリーヌの言う通り、アノール川のほとりに誘い出して決闘でもしてみるか?
イヤイヤ、士官学院生とはいえ、クラスメイトを決闘に誘う女学生が何処にいるのだ?
はぁ、参ったな……。
ワタシとラウラは、別に仲が悪いという訳ではない、むしろ戦闘に関してだけで言えば、抜群に相性は良いだろう。
一撃で相手をぶった切るラウラと、スピードと手数で押し切るワタシ。
これにアーツが得意な委員長かエリオット辺りが加われば、余程の事が無ければ負ける事は無いだろう。
リィンでは駄目だ。すぐ無茶するからフォローに気を取られて、思い通りの戦略が出来なさそうな気がする。
だが、それも普段のコミュニケーションがあればこそだ。
先日の学生会館での事を思い返すと、先は長そうだが……。
取り敢えず、委員長辺りに相談してみるか?
「はぁ…」
実技授業が終わり、ため息を吐き出しながらフィーは教室へと戻って行った。
「うーん、難しいわねー……」
その日の放課後、教室に残って委員長に相談する。
部活が休みという事で、アリサも付き合ってくれた。
「そうですね……。やっぱり、時間をかけてお互いを理解していくしか無いんじゃ?」
「ん、時間があればワタシだってそうするよ。でも今回は……」
「そうね、後3日でお互いを認め合わなきゃならない訳か……」
アリサが腕を組み合わせ、頭を捻る。
「あっ、良いことを思いつきました!」
さすが委員長だ、天才ボインは一味違う。
「昔読んだ青春小説なんですけど。いがみ合う二人の少年が、決闘を通してお互いを認め合い、次第に仲良くなっていくというお話で……」
……えーっと、それは……。
「……委員長、発想が猫と同じ」
「え?ね、猫?」
「うん、猫」
「あう、猫……」
下を向き項垂れるエマ。
本人が落ち込んでいても、その胸は元気一杯にポヨンと揺れていた。
「うーん……、そうだ!女子会なんてどうかしら?」
アリサが提案する。
「ジョシカイ?」
「女の子同士で集まって、お喋りしながらご飯を食べるのよ」
「……え?それって、いつもの食事会じゃ……?」
「ふふふ、ところが違うのよね。女子だけってところがポイントよ。男子がいたら絶対言えない様な事とかも話せるでしょ?」
「例えば?」
「初恋の話とか、今好きな人の話、とか」
「ふむふむ」
「男性の何処に1番惹かれるか、とか」
「ほうほう」
「もし、結婚するならクラスメイトの誰が良いか、とか」
「うんうん」
「もし結婚したら、海の見えるお家に住んで、子供は3人。毎朝行ってらっしゃいのチューは欠かさずしてくれて、週末は旦那さんが手料理を振る舞ってくれて、毎日19時には家に帰って来てくれて、子供が寝た後に二人で少しだけお酒を飲んで、その後は……。みたいな将来はどう?とか」
「……」
どう?って、……知らねーよそんなの。
「エマの胸はいつ頃から大きくなったの?とか」
あっ!それは是非とも教えて欲しい!
「絶対教えませんよ!!」
エマが全力で否定する。
「良いじゃない、そのくらい」
「アリサさんだって十分大きいじゃないですか!?」
「あっ?何、その上から発言!幾らエマでも失礼よ!ねぇ、フィー!?」
……イヤ、ワタシに振るオメーの方が失礼だよ。
「ごほん。……まぁ、とにかく。そんな事を話しながら仲良くなりましょう、っていうのが女子会よ。どう?」
軽く咳払いしながらアリサが話を閉める。
「うーん?」
話を聞く限りでは、要するに、普段話せない様な胸の内を全部吐き出して親交を深める、といったコンセプトのものらしい。
成る程、確かにワタシはラウラの事を余りにも知らなさすぎる。……でもそれは、ラウラにも同じ事が言えるのではないか?
まず、お互いをさらけ出さなければ、繋がりを深める事など出来る筈がない。
「うん、良いかもしれない」
「でしょ!?」
アリサがご満悦な顔を向けてきた。
「それじゃあ、段取りを決めましょうか?」
委員長が纏める。
「まず、参加者ですけど。私とアリサさんとフィーちゃんとラウラさんは当然として……」
「あっ、出来ればシャロンも呼んであげて。折角だから、歓迎会みたいなのも一緒にしてあげたいんだけど?」
「良いですね、それ!それじゃあ、シャロンさんの歓迎会という名目で、私からラウラさんに伝えましょう。その方がラウラさんも来やすいでしょうし」
「ん、意義なし」
「サラ教官はどうしますか?」
「んー、来るかどうか解らないけど、一声掛けた方が良いと思う。もし後でバレて、自分だけ誘われて無かったって知られたら……」
3人同時に身震いする。
「……危険ね、絶対に声は掛けるべきだわ」
「そうですね、生徒の女子会に担任教官を誘うというのも変な話ですけど……」
「うん……、サラだからね……」
3人はそれぞれ思った、担任はメアリー教官が良かったな、と。
「それじゃあ、参加者は第3学生寮の女子全員という事で」
「わかったわ。それじゃあ、私はシャロンに声掛けとくわね」
「ん、じゃあワタシはサラに」
「場所は寮の食堂で良いかしら?料理は私とシャロンで用意するわね」
「それじゃあ、私はラウラさんと一緒に簡単な飾り付けを」
「じゃあ、ワタシは飲み物の用意するよ」
「時間は、明日の19時で良いでしょうか?」
「OKよ、男子達には今日の夕食の時にでも、話しを通しておくわね」
「らじゃ。……二人とも、さんくす」
「あら?良いわよお礼なんて。こっちこそ、シャロンの事があるし」
「ふふふ、フィーちゃん。仲間同士で遠慮なんて要りませんよ?」
「……」
仲間か。
そう言えば猟兵団の頃、何かしたりされたりしたからって、その度にお礼なんかしてなかった気がする。
皆「おう」とか「わかった」とか、そんな一言で済ませていた。
ワタシも同じだ。「ん」と「そう」だけで十分だった。
それが、仲間というモノなのか?
……
……
……
良く解らない。
でも、ラウラともそういう関係になりたいと思った。
「それじゃあ、皆さん。宜しくお願いしますね」
「了解よ」
「らじゃ」
それでも子猫は、皆良い仲間だなと思った。
女子会に続く
今回も2部構成です。
次回は15Rギリギリの話になるかも知れません。