翌日プレシアからサポート対象の紹介を受けた。一人はフェイト・テスタロッサ。美しい金髪をツインテールにした10歳くらいの美少女だ。後十年もすれば恐ろしく美人になるですあろうことが伺える。だが、目には陰りがあった。もう一人はアルフ。赤毛の長い髪、引き締まった身体、凛々しい顔立ち。頼れるお姉さんといった感じか。だが何より特徴的なのは獣の耳と尻尾が生えていることだった。地球にはいない新しい女性の姿。カズの中で何かが芽生えかけていた。
「和平ミラーだ。カズって読んでくれ」
手を出し握手を求めるも反応はない。それどころかアルフからは蔑むような眼差しを向けられた。なかなかにゾクゾクするじゃぁないか。
「アンタのことはどうも信頼できない気がするよ。裏でコソコソ情報流してそうな匂いだよ。それに、女の勘としてもどうもダメだね」
「アルフ、いきなり失礼だよ。すみません。気に触ったら申し訳ありません。その……これからよろしくお願いします」
フェイトは視線でアルフに挨拶を促す。
「とりあえず、よろしく。でもね、あたしはともかくフェイトを裏切ったら容赦しないよ」
先戻ってると言い残しアルフは立ち去った。
「すみません。カズさんは突然何処からともなく現れた方のでまだ警戒してるんだと思います。この後はどうするのですか?」
「いや、大丈夫だあのような目は慣れているさ。それはお茶のお誘いかい?それなら大歓迎だぁ」
「いえ、協力するなら最低限、お互いの魔法を確認しておきたいので」
一理あった。どのような戦場でも連携が取れない軍よりも連携のある農民のほうが恐ろしいというものだ。そもそもカズは魔法を使用したこともないし、どのような物かもあまり理解していなかった。実際に見る事ができる。これはカズにとっても良い機会であった。
「なーるほど……。確かに連携は大切だ。その為に相手は知らないとと言うことか」
「ええ。外で軽く見せて頂きたいのですが」
「構わない。だが、俺は魔法がない世界から来たものでね。どのような物かもわかっていない」
「そうですね……。昨日の測定では最低限ある事が分かってるので基礎だけ教えます。その結果次第でデバイスとか考えればいいと思います。まずは私からしますので」
そう言い手にした斧を構える。先程までは持っていなかったはずだ。どこから出したのか。
「ちょっといいか?その斧はどこから出したんだ?さっきまで手ぶらだったように見えたが」
「バルディッシュの事ですか?これが私のデバイスで、普段は掌くらいの大きさのアクセサリーなんです」
斧が光に包まれ収縮していく。収縮が終わったらフェイトの掌に三角形の金色に光るアクセサリーが乗っていた。
「普段はこの形で持っています。流石に斧や鎌の形だと問題が色々ありますので。あ、バルディッシュ、挨拶を」
「Yes,ser.」
「喋るだと……。AIがここまで小型化しているのか。それに物理法則を無視した収縮技術、不思議だな。どういう原理なんだ。これを上手く商品に……」
「あの……カズさん?」
「ああ、すまない。ありがとう。さて、では魔法とやらもお願いしていいか」
「はい」
再びバルディッシュを斧状態にする。
「フォトンランサー」
そう告げるとフェイトの周囲に槍が展開され、放たれる。放たれた槍は木偶人形に吸い込まれ、破壊する。
「えっと、このような感じです」
「……凄いな。これに近いことが俺にもできるのか?」
「おそらく。掌に力を溜めて発射するような感じで」
「こうか?」
新たな木偶人形に向けて掌をかざす。中国の気の様なものかと考え、掌から気を発射するような感じで力を込める。徐々に光が集まり始める。
「っ」
力を放つ。鈍い金色の光が放たれる。だが放たれた光は明後日の方向へ飛んでいき、地面に吸い込まれていった。
「……当たらなかったな」
「ですが力強く、まっすぐ飛びました。練習すれば、きっと当たるようになります」
励まされてしまった。だが魔法が使えることの喜びと驚きが強くあった。その次はどのように当てるかと言う思考だった。
「フェイトちゃん、これは指先からでも出せるか?」
「指先ですか?できると思います。ただ、小さく威力も低くなるかもしれません」
「と、言うと?」
「掌と指先では面積が違いますよね?そうすると、どうしても集められる魔力に限りが出てしまうので」
「だが、できるという事か」
指を銃のようにし、先程のように集中させる。だが、今度はよりイメージしやすく銃弾のイメージをし、放つ。指から放たれた光は銃弾のように鋭く飛び、木偶人形に穴を穿つ。着弾を確認し、再び放つ。先程のように木偶人形に穴を穿つ。
「やはりこうでなくてはな」
「その指の形になにかあるんですか?」
「ああ。俺たちは銃で戦っていたんだ。どこの国家にも属さず、あらゆる思想やイデオロギーにとらわれない軍隊としてな」
「そうなんですね。本当は銃で戦ってもらうのがいいでしょうが、銃は手に入れられないので」
「まぁ簡単に手に入るのは一部だけだろうな」
「いえ、そうじゃないんです」
フェイトが簡単に説明してくれた所、銃は小さな子供でも簡単に人を殺めてしまうものであり、危険なものとしての認識が非常に高いということ。そしてかつて戦争で使用され多くの人が死んでいった事から規制が強くなったとのことだ。確かに引き金を引けば簡単に傷つけられる。それに遠くで相手は倒れるため直接手を下す感覚がない。いわばゲーム感覚で倒せてしまう。一人殺せばそこからは抵抗がなくなる。規制されて当然の物である。
「そうだな……。しかしそうするとデバイスはどうしたものか」
「多分ですけれど、見た目を派手にしたり、実銃に見せなければ銃型のデバイスを作れるかもしれません。……お母さんに相談してみます」
フェイトは少し曇りがちに話す。カズは何かある事を気に留めつつ話を続ける。
「では、お願いしよう。ああ、それと出来れば若いお姉さんの声で頼みたいんだが」
「残念ですがインテリジェンスデバイスは作るのが大変だしコストもかかるので……恐らくストレージデバイスになると思います」
「デバイスにも種類があるのか?」
「はい、でもお昼の後にしませんか。そろそろ時間もいい頃合いですから」
日差しは既に午後を回るくらいの高さであった。
大変間が空いてしまいました。
申し訳ありません。
今後も不定期ながら投稿していきたいと思ってますのでお付き合いいただけると嬉しいです。
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