機動戦士ガンダム虹の軌跡   作:シルヴァ・バレト

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01:第00特務試験MS隊

 あの一件の後、たまたま居合わせた民間人と共に、俺はサイド2を離れ、地球で暮らしていた。

 

 月日が流れて、宇宙世紀0079 2月。地球連邦軍に対して宣戦布告したジオン軍は、地球にまで軍を伸ばし、ミノフスキー粒子散布内でも戦闘が可能なモビルスーツを投入し

 

 連邦軍を圧倒していたが、なれない地域にジオンの兵士は疲弊(ひへい)し、少しずつだが連邦軍も勝利を収めていった。

 

 宇宙世紀0079年7月、連邦軍初となるモビルスーツであるRX-77ガンキャノンとRX-78-1プロトタイプガンダムが完成。

 

 その後、プロトタイプガンダムに代わる新型機、RX-78-2ガンダムの完成を以ってRX-79計画を実行、先行量産型の製作を開始した。

 

 宇宙世紀0079年10月、連邦軍各地の工場でRGM-79ジムの本格的量産を開始、連邦軍は本格的な反撃を始めた。

 

 そんな話をテレビで聞き、俺はモビルスーツ(MS)のパイロットとして、連邦軍に志願する事にした。

 

「よし!パイロット志願のものはこっちに来るんだ!!!」

 

 大柄な連邦軍の士官が叫ぶ。

 

 俺は言われたとおり並んだ。

 

「今から配属先と所属する部隊を言うから、番号をいわれた者は前に来るように」

 

 俺は自分の番号を確認する、番号は161番だった。

 

「次だ!161番!!!来い!」

 

 士官が俺の番号を呼ぶ、俺は言われたとおり、士官の前に立った。

 

「えー、ムゲン・クロスフォードだな。お前は北アメリカにあるニューヤーク基地の防衛だ。そして所属の部隊だが、第00特務試験MS隊(だい00とくむしけんモビルスーツたい)に配属することになった」

 

 俺は頷き、配属書を頂いた後、彼に深くお辞儀をすると、彼が少し引いていたのは何故だろう。

 

 

 

 

 

 そして後日、俺は配属されたニューヤーク基地に着いた。

 

「お前が新人だな!!」

 

 そう言って、目の前に赤毛の少年が立ちふさがる。

 

 見たところ、14才くらいの少年だろうか。

 

「そうだけど…あなたは…?」

 

 と、聞き返してみた。

 

「俺はファングって言うんだ!よろしくな!」

 

 ファングと名乗る少年は、笑顔で答えてくれた。

 

「俺は、ムゲン・クロスフォードです、よろしく」

 

 そう言って、自分の名前を言った。そして、ファングは頷いた後

 

「じゃあ、部隊員に紹介するから、ついてきてくれ!」

 

 そう言って、部隊の人たちが休む憩いの場所、兵営に歩いていく。俺は、周りの景色に後ろ髪を引かれながらも、ファングの後を追った。

 

「新人のムゲンだ、仲良くしてあげてくれ」

 

 そう言って紹介してくれるファング。

 

「よろしくお願いします」

 

 俺は皆に深くお辞儀をした。

 

「また弄りがいのある人が入ってきましたね」

 

 そう言って部隊員の一人が呟く。

 

「…どうでもいいな…」

 

「…えっと…」

 

 少し冷たい反応に俺が戸惑っていると、ファングがこちらを向いて言う。

 

「じゃあ、ムゲン。とりあえずお前にはシミュレーターで戦闘を行ってもらう」

 

 そんな唐突な言葉を聞いて、俺は少し驚いた。

 

「まぁ、そんなに驚かなくてもいい、ただお前用に機体をチューンしたいって、整備兵が言っていてな」

 

 理解が追いつかないが、とりあえず頷きながら言った。

 

「そうなんですか…分かりました」

 

 連れて行かれた場所に、コックピットを再現したシミュレーターが置いてあった。

 

「これに座って、これで機体を動かすんだ、いいな?」

 

 俺は頷き、イスに腰をかけた後画面に目をやる。

 

 両親を殺した仇である、ジオンのモビルスーツがあった。あれは、ジオン軍のザクと呼ばれた機体だっただろうか…。

 

 カラーリングは緑色で、普通の人間からすれば見ているだけで恐怖しそうだった。

 

 だがしかし、それと共に自然と怒りがこみ上げてくる。当然…なのだろうか…。

 

「うおおおおおお!!!」

 

 ビームサーベルを引き抜き、相手に斬りかかる。

 

 すると、自然と敵の弱点と、敵が確実に当たる場所が分かるような気がした。

 

 相手のザクが右に避ける瞬間、ビームサーベルで、右から左へ斬りかかる。

 

 すると、綺麗にザクの体が半分に両断される。

 

「…次!!!」

 

 続けざまにザクがマシンガンを撃って応戦してくる。

 

 マシンガンを盾で受けた後、盾をザクのメインカメラに投げつけた後、ザクを切り裂く。

 

 そして、10分のシミュレーションの結果は、格闘武器での撃破数が30機、射撃武器での撃破数が1()()だった。

 

 その結果を見たファングは言った。

 

「すごいなぁ…!本当に!」

 

「そうなんですか?」

 

 不思議そうに聞き返す俺。

 

「あぁ、すごいよ!!格闘でそれだけ倒すなんて。まあ、射撃は微妙だが、それは今後直せばいいと思う!」

 

 と、凄く感心している。…射撃に関しては少し唖然としていたが。

 

「とりあえず、ムゲンのチューンは格闘特化の機体にチューンしてもらうようにお願いしておくよ」

 

 そう言って、ファングは格納庫に走っていった。

 

「不思議な隊長ですよね」

 

 不意に後ろから声が聞こえたので振り返ると、メガネをかけた少女と、フードを深くかぶっていて分かりにくいが、たぶん少年であろう人物が立っていた。

 

「あなた達は…?」

 

「申し遅れました、私はユーリと言います、そしてこっちの弄り…ゲフンゲフン」

 

「…八雲道夜(やぐもみちや)だ…」

 

 と、二人とも挨拶をしてくれた。

 

「俺は、ムゲン・クロスフォード。よろしく」

 

 俺は二人に手を差し出す。

 

「えぇ、よろしく、ムゴンさん」

 

 そう言って、あえて名前を変え、さらには手も握ってくれなかったユーリ。

 

 一方道夜は…。

 

「…よろしく」

 

 そう言って、素っ気無く手を握り返してくれた。

 

「二人とも、ここに来てどれくらいなんですか?」

 

 素直な気持ちを二人に言った。

 

「だいたい2ヶ月ぐらいですかねぇ…」

 

「俺も同じくらいだ…」

 

 二人はそう答えてくれた。

 

「そうなんですか…ところで、隊長って言うのは…?」

 

「あぁ、この部隊の部隊長はファングさんなんですよ」

 

 そう言って、ユーリが説明してくれた。

 

「そうだったんですか…?!」

 

 ファングさんがあまりにもフレンドリーすぎてタメ口になってしまっていた自分を心の中で少し責める。

 

「だが…ファングさんは別にタメ口でも構わないと思うぞ」

 

 と、俺の心を見透かしたように道夜が言った。

 

「そうですよ、あ、後僕たちに対してもタメ口で構いませんよ、歳も近いことですし」

 

「…わ、分かった…こ、これからよろしくな!二人とも!」

 

 そう言って俺は笑った。

 

 すると二人は頷き笑い返してくれた。

 

「…それにしても、さっきのシミュレーション、凄かったな」

 

 道夜がシミュレーターの結果を見ながら言った。

 

「そうかな…?俺はそうでもないと思うけど…」

 

 どこが凄いのか、俺には分からなかった。意識している暇がないといったほうが正しいだろうか。

 

「俺はただ、ジオンの奴らを見てると無性に腹が立ってくるんだ…理由は分かってはいるんだけどね…」

 

 そう、あの日俺の目の前で母さんも父さんもジオンの奴らに殺された。きっと俺は奴らを死ぬほど恨んでる、ただそれだけなんだと思う。

 

「そんなことがあったんですね…やっぱりジオンは許す事ができないですね」

 

 ユーリは小さく呟いた。

 

「…だからこそ戦争を早く終わらせるんだ…」

 

 と、道夜が言った。

 

 しばらく3人の間に沈黙が続いた。この原因は俺だと思い、先陣を切って言った。

 

「すまない、少し暗い雰囲気にしてしまったな…俺は部屋に戻るよ…」

 

「あ、じゃあムゲンさんの部屋に案内しますよ」

 

「そうか…じゃあ俺も帰るとするか…またな、二人とも」

 

「あぁ…またな」

 

 そう言って俺は道夜と別れを告げた後、ユーリの後を追った。

 

 そして、ユーリは俺の部屋まで送ってくれた。なんだかんだいって優しい。

 

「ありがとう、ユーリ、じゃあ、またな」

 

「いえいえ。じゃあ私はこれで」

 

 去っていくユーリの背中を見送った後、俺は自分の部屋に入った。

 

 俺はベッドに寝転んで、少し考え事をしていた。

 

 母さんと父さんが殺されたあの日、ジオンを恨み連邦軍の士官学校に入った事、そして、今日会った人たちの事を思い返していた。

 

 気がつくと、俺は長い間眠りについていた。

 

 ここ数日、まったく眠ることができなかった俺は、かなり長い間眠っていたようだ。

 

 ファングさんの声に俺は気づき、目が覚めた。

 

「起きたか、ムゲン」

 

「…どうしました?ファングさん」

 

 俺はベッドから起き上がった。

 

「出撃の時間だ。先に格納庫に行って待っているからな!」

 

 俺は頷き、ファングさんの後を追った。

 

 格納庫に行くと、既に道夜達が出撃の準備をしていた。

 

「おーい!!ムゲン、こっちだー!」

 

 ファングさんが叫んでいるほうに俺は歩き出した。

 

「こいつがお前の機体、R()G()M()-()7()9()()()だ。どうだ?でかいだろ!そんでカッコいいだろ?」

 

 俺がファングさんの前に来ると同時に、機体の説明をしてくれた。

 

「これが…俺の機体…」

 

 見上げると、青色のボディに肩には連邦軍を象徴するエンブレムと、この小隊のエンブレムが張ってあった。

 

「士官学校で習ったとおりに戦えば、死にはしない。大丈夫だ」

 

 俺は頷き、コックピットに乗る。

 

 初めての実践を前に、俺の心は、少し高鳴っている気がした。

 

「よし、出撃準備いいかー?第00特務試験MS隊、出撃だ!!!」

 

 ファングさんが最初に出撃する。

 

 次に、一人、また一人と出撃していく。

 

「八雲道夜、出撃する!!」

 

 そう叫び、道夜が出撃していく。

 

「では、行きましょうか」

 

 と、言って、ユーリも出撃した。

 

「…ムゲン・クロスフォード、行きます!!!!」

 

 

01 完




今回の登場キャラの説明です。

名前:ファング・クラウド(U.C.0079~0083)

年齢:14~18

性別:男

主な搭乗MS:ガンダム(ロールアウト)「シルバーライト」

階級:少尉

説明

14歳の赤髪の少年で、第00特務試験MS隊の隊長を務めている。

投棄されたコロニーでRX-78[Rollout]を発見した事で連邦軍に入ることになった。

攻撃を避ける事に関しては天才的なセンスを見せるが、被弾コントロール等は他の人間に比べ1つ劣っている。

主に近接距離を得意としており、格闘距離での射撃を行う。

スラスターコントロールを第一に考えている為、予備弾倉すら置いていく程。

エンブレムは「F」の字が狼の様に牙が生え、口を開けている様子になっている。


名前:ユーリ(U.C.0079)

年齢:17

性別:女

主な搭乗MS:ジム・スナイパー、ジムスナイパーネメシスMK-01

階級:曹長

説明

その場のノリで第00特務試験MS隊に入った人物。

援護戦が得意であり、大体の情報はNODATA。

大体の自身に関する情報は上手い具合に撒いて誤魔化す為。

ジオンに対して毛嫌いしている点があったが、ジオンの人間の生きざまを見ることで緩和。

最近は連邦上層部を嫌っている。


名前:八雲 道夜(U.C.0079)

年齢:15

性別:男

主な搭乗MS:AEWFC MK-2

階級:兵長

説明

地球で育ったが、元は宇宙で生まれ、幼い頃に捕虜となった青年。

捕虜ではあったが戦闘力、頑丈さが認められ連邦軍に入隊、前線で戦う。

優しい性格だが、自虐的な思想があり、内に危険さを秘めている。

元捕虜ということもあり周囲からは疎まれているため、

友人と呼ぶことのできる人間は少ない。

本人は「友人に関しては本当に信用できる人が一人だけいればいい」とのこと。

戦う理由は「そこでしか居場所がない」ためであり、戦争が終わったら自決する覚悟をしていた。

だが、戦う中で知り合ったとある人物に影響を受けて、

自虐思想はいくらか緩和された。
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