機動戦士ガンダム虹の軌跡   作:シルヴァ・バレト

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宇宙世紀008507.31。その日、公国軍残党殲滅組織、ティターンズがサイド1・30バンチに毒ガスを注入し住民を虐殺。

この事件を後に「30バンチ事件」と呼ぶ。第00特務試験MS隊のフユミネとムゲン以外がその作戦に参加。

一方ムゲンは、フユミネと共に第00特務試験MS隊を離れ、遠征をしていた。

ムゲンたちが戻り、その話を聞いた時、ムゲンが取る行動とは……。


グリプス戦役編
始動:0087


 宇宙世紀0085.07.31 30バンチ事件。公国軍残党殲滅組織、ティターンズがサイド1・30バンチに毒ガスを注入し住民を虐殺。

 

 俺はこの作戦に参加することはなかったが、考えただけでも寒気…いや、吐き気を覚えた。

 

 これは………今連邦がやっていることは間違いなく……。

 

 

 

 ザビ家に支配されたジオン公国がやっていたことと同じことだ。

 

 

 

 俺は……だからやってしまった。

 

 

 

 燃え盛る戦艦。そこら中に横たわる機体たち。

 

 そして、格納庫奥で悲鳴が聞こえる……。

 

 

 

 俺は……その手で仲間を……斬った。

 

 

 

[お、おま……え……]

 

「……悪いな……道夜……」

 

[うらぎる……のか……]

 

「裏切る…?違う。俺は……自分の意思に従っただけだ…!」

 

[……意志だと……?]

 

「お前は見たはずだ。知らないとはいえ、無抵抗な人々が……もがき…苦しんで死ぬ様を…」

 

[くっ……!]

 

「……俺たちは……何度繰り返せば気が済む…?」

 

「俺たちは、何度…あの嫌な夢を見なければならない!?」

 

「答えてみろよ!道夜!!!」

 

[……俺は…………くっ!!!]

 

「……俺は……もう、軍を辞める」

 

「どのみち、連邦からはお尋ね者だろう……なにせ……」

 

「第00特務試験MS隊を俺は…………」

 

 

 

 

 

「殺してしまったのだから……」

 

 

 

 

 遡り、5時間前。

 

 俺は、遠征の後、久々に戦艦グロリアスへと帰還した。

 

 30バンチ事件の話を聞いたのは、その時だった。

 

 作戦の内容を問い詰めた時、ファングは渋々口を開き、真実を全員に語った。

 

 そして、誰もがそれに驚愕した。

 

 

 

「何故…!何故だ!ファング!!!」

 

 彼の胸ぐらをつかみ睨みつける。

 

「くっ…!ムゲン…!!!」

 

「何故……知っていながら……毒ガスを…!!!!」

 

「……すまない…」

 

「すまない…だと!?それで許されることなわけないだろ!!!」

 

「くっ!!だが、俺にだって…!断ることのできない理由があったんだ!!!」

 

「なに…!?」

 

「家を……家族を人質に取られちゃ……どうしようもないじゃないか……」

 

「……くそっ!!!」

 

 俺は艦橋を飛び出した。

 

 

 

「……畜生!!!」

 

 壁を力強く殴りつける。その痛みさえも、感じなかった。それだけ……辛かった。

 

 ティターンズがサイド1にやったことはどう考えても虐殺だ。

 

 それを知っていながら……。それが許せなかった。

 

「ムゲン……?」

 

 振り向くと、彼女がいた。俺は、息を整えたあと、彼女に言葉を返した。

 

「……リナか……どうした?」

 

「…サイド1のことだけどさ……あれは…」

 

「仕方ないで済むのか!?」

 

 彼女の言葉を遮り、俺は叫んだ。

 

「……仕方ないで…済むはずないよね……」

 

「…当たり前だろ…!?あれだけの人が……!何千、何万という人が…一瞬で命を奪われたんだぞ!?」

 

「……そう、だね…」

 

「でも……」

 

「…?」

 

「でも、だったら……ムゲンは家族と別れてもいいの!?」

 

「………!」

 

「家族と…家を……失うことは…もう……嫌だよ……」

 

 リナはその場で泣き崩れた。俺は彼女の肩に手を置き、言う。

 

「……そうかもしれないな……。だけど……俺はそれでも……」

 

「家族のために、多くを犠牲にできる理由には…出来ないと思う…」

 

「………」

 

「皆の事が嫌いなわけじゃない。ただ、その理由だったら、人を虐殺出来るわけじゃないよ…」

 

 しばらくの沈黙の後、彼女は静かに口を開いた。

 

「………ムゲンは……どうするの…?」

 

「……何が…?」

 

「これから……」

 

「……」

 

 再び沈黙。俺は……たとえ家族であっても………。

 

「わからない…。俺は…この怒りをどこへぶつければいい……」

 

「……ムゲン…」

 

「俺は実際に【()()()】を見たわけじゃない。だが、それでも……」

 

「俺にとって…サイド2は……故郷だったんだ…!」

 

「本当の家族と……一緒に過ごした……俺の家だったんだ…!!」

 

「……」

 

 俺は拳を強く握った。歯を食いしばり、話をつづけた。

 

「だから……これ以上同じ悲劇を繰り返させないために……連邦で戦ってきたはずなのに…!」

 

「…俺たちのような……苦しみを背負う子供たちを……作らないために……戦っていたのに…!!!」

 

「くそっ!!!くそっ!!!くそっ!!!!あぁぁぁあああぁ!!!!!」

 

 叫びながら壁を何度も殴りつける。

 

「ム、ムゲン…!!怪我しちゃうから!!やめて…!」

 

 俺の腕を彼女は掴む。彼女は、泣いていた。

 

「………ごめん…リナ…」

 

「ううん。ムゲンは…正しいよ…」

 

「……」

 

「私もそう思う。きっと、また誰かが悲鳴を上げて、憎しみにとらわれる」

 

「……」

 

「そして、争いあう。…争いは消えずに、また新しい憎しみを呼ぶ…」

 

「…そうだ」

 

「でも……ね…」

 

「…?」

 

「だからこそ……。苦しくて、憎い。それを救ってくれたのは、ここのみんなだよ。【家族】だよ…」

 

「だから……私は……虐殺が仕方ないとは言えないけど…。ファングさんの気持ちもわかるの」

 

「……俺だって…、それは分かってる…。わかってるが…それでも…!」

 

 俺は……どんなに家族が大切でも……。やはり、納得がいかなかった。

 

「……リナ、俺はどうすればいい…?」

 

「………()()()()()()()()()()()()

 

「…?」

 

「でしょ?」

 

 彼女はそう言っていつもの笑顔を見せた。

 

「……俺にしか…できないこと…」

 

「私は…。私には、やるべきことがある。あなたにも、やるべきことがある」

 

 彼女は、俺の肩に手を置く。

 

「…なんて言うのかな…。理想とか、そんな大きいモノじゃなく…。そう、使()()……かな」

 

「……使命…」

 

「私は、私の使命を果たさなければならないの」

 

 その言葉にあの時の【(イーサン)】を見た。

 

「リナの…使命…?」

 

「…もう誰も…事故で、人を死なせたりはしない…。もちろん、ここのみんなも、あなたも……」

 

「だから、一つだけ言わせて」

 

「な、なんだ…?」

 

「……あなただけでも、ティターンズを抜けて」

 

「なっ!何言ってるんだ!俺は……!」

 

「でも、悩んでいるんでしょ?」

 

「……」

 

「悩むなんて、らしくないよ?ムゲンは、ムゲンだもの。自分が正しいと思ったこと成す。それが結果的に悪いことになっても……」

 

「そんなムゲンだからこそ、私は好きになったんだよ」

 

「……リナ…」

 

「結局は、あなた次第。変えるのも、変えられるのもあなただけだよ」

 

「……そう、だな…」

 

「………私、待ってる……いや……違うね…」

 

「私も……後から絶対行くから。先に行って待ってて…。そして、ティターンズを倒して……」

 

「リナ…」

 

「家族を失うことも怖い。でも、それ以上に……あなたが【代わる】ことが怖い…」

 

「代わる…?俺が……」

 

「うん。あなたは、あなたであってほしい……。だけど、私は信じてる」

 

「リナ……」

 

「だって、信じることも、【家族】の役目だもんね?」

 

 リナは静かに微笑んだ。その笑顔は、いつも俺に道を示してくれていた。

 

 なら……。

 

「……ああ。………わかったよ」

 

「……リナ」

 

「うん?」

 

「……ありがとな。……励ましてくれて……。それに……」

 

「俺を……その……愛してくれて…さ…」

 

 少しだけ恥ずかしさがあったが、これは本当の素直な気持ち。

 

「ど、どうしたの?急に……」

 

「いいや。何でもない。それじゃ、後は俺が決める番だ……」

 

 小さくつぶやき、俺はリナの元を去った。

 

 

 

 俺はそのあと、食堂へ行った。飲み物を飲んで少し気分を変えようと思った。

 

「……ふぅ…」

 

 コーヒーを口に入れると、少しだけ気分が晴れる。

 

「あ、ムゲン隊長」

 

 目をやると、オペレーター達が集まり、話をしていた。どうやら声をかけてくれたのはマーフィーのようだ。

 

「……どうした?全員が集まって」

 

「いえ、さっきの作戦について……艦長に申し出ようかと思って…」

 

「…申し出る…何をだ…?」

 

「サイド1の大量虐殺……だよね?マーフィー…」

 

「ええ。毒ガスを使った……。まさにサイド2の悲劇のように…」

 

「……」

 

「私は納得がいきません。彼らもそう思っています」

 

「…そうか…」

 

「ぼ、僕は……」

 

 アイザック…。たしか第四小隊のオペレーター。

 

「僕は許せない…!無抵抗な…市民を殺すことは……軍人のやることじゃない…!」

 

「アイザック…」

 

「どうして……。どうして…………あんなことを…!!」

 

「ムゲン隊長」

 

「なんだ?」

 

「ムゲン隊長は、どうなさるおつもりですか?」

 

「…どう…っていうと?」

 

「いえ……何でもないです」

 

「……」

 

 作戦に納得がいかないとしても……戦うことしかできない…。軍人というのは……本当に力がない…。

 

 

 

 廊下を歩いていると、何か考え事をしているフユミネを見つける。

 

「……フユミネ…」

 

「ムゲンか。どうした?」

 

「……何か考えていたようだが、どうしたんだ?」

 

「…ああ。…毒ガス作戦のことを。……少しだけな」

 

 フユミネは、俺と共に遠征へ出かけていて、実際に作戦には参加していなかった。

 

 だが、その話を聞いたとき、それなりに考えさせられることがあったのだろう。

 

「…」

 

「……俺は元々傭兵だ。だから、場所がどうなろうと関係はない」

 

「…」

 

「だが、今は部隊にいる。部隊長の意見を…俺は尊重する」

 

「フユミネ…!」

 

「お前がそういう態度をとるのは知っていた。だが、ここは軍だ」

 

「軍は上の命令に従わなければならない」

 

「……」

 

「俺は……ファングの意志に従うことにした。それだけだ…。じゃあな」

 

 彼は静かに歩いて行った。

 

 俺たちは軍人かもしれない…。命令を聞くのも確かにそうかもしれない…。だが、それでも……軍人である前に…俺たちは人間なのに…。

 

 

 

 格納庫へと、足を向け、自らの機体へ。そして、静かに機体を見上げる。

 

「……」

 

 改装されたピクシーは、ただ静かにその時を待っているようだった。

 

 大型の鞘に納められた一振りの刀。そして、バックパック右と右腰にラッチされたダガー…。

 

 そして、篭手に取り付けられたナイフ…。どれもが主を待つ…。それが、どのような【()】を浴びようとも。

 

 主の命がままに…。妖精は……眼前に在るものを(ほふ)る。

 

 

 

 俺は………。

 

 

『………ムゲンは……どうするの…?』

 

 

 俺は……。

 

 

『ムゲン隊長は、どうなさるおつもりですか?』

 

 

 俺は…。

 

 

『軍は上の命令に従わなければならない』

 

 

 そうだとしても……。

 

 

『僕は許せない…!無抵抗な…市民を殺すことは……軍人のやることじゃない…!』

 

 

 許せない。こんな死に方が許されるわけない……。

 

 

『苦しくて、憎い。それを救ってくれたのは、ここのみんなだよ。【家族】だよ…』

 

 

 そうだ。だが、それでも……。

 

 

『結局は、あなた次第。変えるのも、変えられるのもあなただけだよ』

 

 

 俺は………俺が成すべきことを成す。たとえそれが、誰かを傷つける行為だとしても、俺は――――――

 

 

 

 俺は機体に乗り込み、システムを起動させる。

 

 ナイフを持ち、カタパルトハッチを強引に切り裂く。

 

 爆音に気づき、誰もが格納庫へと…。

 

 俺は無線を開き静かに口を開く。

 

「………俺は…ムゲン・クロスフォード」

 

「俺は今日、ここを出ていく……」

 

「…俺の意志で。………俺の成すべき事のために……」

 

「…もう……会うことはないと思う…。皆、元気で―――――」

 

 俺はハッチを蹴破り、外へと飛び出す。

 

 

 

 すぐさま俺の周りを()()が囲む。

 

[ムゲン!帰ってこい!!]

 

「ファング!!!俺は……悲劇を繰り返させたくない!!だから……俺は…!!」

 

 ナイフを持ち、ファングへと斬りかかる。

 

 それを彼は正面から受け止める。

 

[お前の気持ちは分かる…!だから…!]

 

「違う!俺たちは未来を変えなければならない!!託された人々のためにも…!!」

 

[なら…家族を捨ててもいいと!?]

 

「そうだ……!変えるには…いつだって犠牲が必要なんだ…。それが、俺が【()()】を捨てるだけ済むのなら!!」

 

 ファングを蹴り飛ばし、宙返り。間合いを取る。

 

[ぐっ…!ムゲン…!!!]

 

[ファング!手を貸す…!第三小隊、前へ!]

 

「道夜か……!!」

 

 ジムスナイパーが射撃をしながら突っ込んでくる。

 

 俺はナイフで弾丸を切り、受け止める。

 

「ユーリ!!下がれ!!」

 

[嫌です!ムゲンさん、あなたが敵になるというのなら…!容赦しません!!!]

 

 彼女から必死に怒りを抑える声。

 

「それでも…!!」

 

 ユーリを吹き飛ばし、ナイフで左腕を両断する。

 

[あぁっ!!ムゲン………!!この…わからずや!!!]

 

「何とでも言ってくれ……。俺は…それでも…俺の意志で…。悲劇を繰り返させはしない!」

 

[…そこだ!]

 

 左側からの殺気。それをナイフを投げつけ、回避し、一気に接近。ダガーを引き抜き、切り裂く。

 

 それをビームサーベルが受け止める。

 

「フユミネ…!!」

 

[なんとなく……予想はついていた]

 

「何っ!」

 

[止めはしない。だが、【家族】を傷つけてただで済むと思うなよ]

 

「……すまん。フユミネ!!」

 

 左からの薙ぎ払いを屈んで回避し、反撃に右腕を切り落とした。

 

[くっ!!]

 

「止まれない…もう引き下がれない…!」

 

 胸が苦しくなった。こうしなければならなかったのか…?本当に…。

 

 

「……くっ…。うぅ…!」

 

 苦しい。自らの手で…仲間を…家族を……そして最愛の人を…斬らねばならなかった…。

 

 

 

[ムゲン…!!!お前…!!!!]

 

「……やはり…お前が立ちふさがるか!!道夜!!!」

 

 刀とビームサイズがぶつかり合う。

 

「くっ!!」

 

[……よくも家族を…!……お前を許すわけにはいかない!!]

 

「…俺は……戦わなければならないんだ!!もう、迷うわけにはいかない!!」

 

 互いに間合いをとる。俺は刀を投げ出し、殴りにかかる。

 

 すると道夜もそれに合わせ殴りに来る。

 

 互いの拳がぶつかり合う。

 

「道夜!!!」

 

[お前は……お前だけは…!!]

 

「……俺が憎いか!」

 

 蹴りと蹴りがぶつかり合う。宙返りのあと、再び拳が交わる。

 

[憎い!!裏切ってまでする必要があるのか!?]

 

「誰かが変えなければならない……!人の革新が現れるまで、地球も、人類も()ちはしない!!」

 

[それは…お前でなくてはならなかったのか!?]

 

「…誰かが背負って生きる。…それなら…俺が…」

 

[それは違う!]

 

「…!」

 

[背負うなら皆で背負えばよかったんだ!]

 

「……そうかもしれない…。だが…もう戻れない!あの時にも!お前たちの所へも!!」

 

 道夜を蹴り飛ばす。すかさず受け身を取った彼は、再び突っ込んでくる。

 

 俺もスラスターを起動し、道夜へ殴り掛かる。

 

 

 

「道夜ぁああああああああ!!!!!」

 

 

 

[ムゲェェェエンっ!!!]

 

 

 

 互いの拳が、メインカメラに打ち込まれる。

 

 衝撃で機体が吹っ飛ぶ。

 

「くっ…!!!」

 

 なんとか態勢を立て直す。しかし、道夜はうまく立ち直れなかった。

 

「……もう…終わらせよう」

 

 俺はダガーを引き抜き、地面に伏した道夜の機体へと近づく。

 

[お、おま……え……]

 

「……悪いな……道夜……」

 

[うらぎる……のか……]

 

「裏切り…?違う。俺は……自分の意志に従っただけだ…!」

 

[……意志だと……?]

 

「お前は見たはずだ。知らないとはいえ、無抵抗な人々が……もがき…苦しんで死ぬ様を…」

 

[くっ……!]

 

「……俺たちは……何度繰り返せば気が済む…?」

 

「俺たちは、何度…あの嫌な夢を見なければならない!?」

 

「答えてみろよ!道夜!!!」

 

[……俺は…………くっ!!!]

 

「……俺は……もう、軍を辞める」

 

「どのみち、連邦からはお尋ね者だろう……なにせ……」

 

「第00特務試験MS隊を俺は殺してしまったのだから……」

 

[一人で……ティターンズと戦うのか…?]

 

「…………黙ってみているわけにはいかない」

 

[だったら…俺たちも…]

 

「それが出来る立場じゃないことは分かっているだろう…?」

 

[くっ…!]

 

「俺たちはティターンズの軍人。軍では…上の命令は絶対。だから…その【()()】から抜けることで自由に戦える…。ティターンズと戦える…」

 

「だからこそ、俺は……この部隊を抜ける。これは、俺にしかできない事だ……」

 

[それが……許される……わけ……]

 

「無い……。それは分かりきっている……。だが、もう戻れない」

 

 俺はダガーを構える。

 

[くっ……!ムゲン…!]

 

「……元気でな…相棒……。リナを…頼む…」

 

[やめろ…!やめ……]

 

 言い切る前に、彼の機体の頭部を切り落とした。

 

 

 

 ……機体を動かしながら泣いていた。男なのに、声を上げて…。

 

 ふと、機内を見ると、小さなカセットテープを見つける。

 

 誰がこんなものを…。恐る恐る、俺はテープを再生した。

 

 

 

[……ムゲン]

 

 リナだった。きっと、俺が機体に乗る前に仕込んでおいたのだろう。

 

[これを聞いているってことは……ティターンズを抜けたってことだよね…?]

 

[……私は、ムゲンに選択を強引に押し付けてしまったのかもしれない…]

 

[それを…許してほしいの]

 

[……でもね、聞いて。私は、これはあなたにしかできない事だと思ったから、言った]

 

[私は、私にしかできない仕事があるから。まだ抜けるのには時間がかかる…。みんなを置いてはあなたの所へはいけない]

 

[きっと、これから、つらいことがあると思うけど、それでも、諦めないで]

 

[ティターンズを倒せなくてもいい。……あなたが生きていてさえくれれば]

 

[……きっと、このことがバレたら……もう会えないかもしれないけど……]

 

[ああ、だからって、今すぐ戻ろうなんて思わないで]

 

[私のためにあなたが死ぬことを、私も、ほかの皆も……願ってない]

 

[ムゲン。きっと、きっと会いに行く。今度はもう待たないよ。私があなたに会いに行く。たとえ、何年掛かろうとも…!]

 

[だから……それまでの……【お別れ】…。生きて…。ムゲン]

 

 テープはここで途切れた。

 

 

「くっ……ぅう…!リナ…!!!」

 

 涙が止まらない。彼女は、彼女は………。

 

「リナ……!!」

 

 俺は、涙を拭き、前を見る。

 

「ああ。待っているとも……。何年でも。俺を探して、会いに来い…。会えたら……その時は――――――」

 

 その時から、俺は覚悟を決めた。

 

 

 

 それから……1年の間、俺はティターンズの最重要手配犯として追われる日々を送った。

 

 だが、それを苦とは感じなかった。

 

 それよりも……。

 

 彼らを斬ってしまった罪悪感のほうが強かった。

 

 ティターンズを倒すため、毎日のように情報を探った。

 

 30バンチ事件以降、反地球連邦政府運動組織エゥーゴと呼ばれる部隊がさらに活発化しているという情報を得た。

 

 ……やっと…反抗の糸口を見つけた。

 

 しかし、どうにもエゥーゴと接触する方法が思いつかなかった。

 

 

 

 宇宙世紀0086.11.10 その日は、不足した食料と、その他の雑貨を買うために、小さな街へと向かった。

 

「……」

 

 なるべく、民間人であるように振る舞い、さりげなく情報を得ていた時だった。

 

「いやっ!!やめて!!!」

 

 街中で響く悲鳴。

 

 目をやると、ティターンズらしき兵士が、民間人を強引に連れて行こうとしている。

 

「………」

 

「おら!来るんだよ!!!」

 

「嫌!!!離して!!」

 

「貴様ぁ!!抵抗する気か!?」

 

 兵士は、警棒を引き抜き、民間人へ殴り掛かる。

 

「うぅっ!」

 

「おらっ!おらぁ!!」

 

 見ていられなかった。口元を隠すマフラーは、走ると風で飛ばされた。

 

 振り上げた手を掴む。そのまま地面へと投げつけた。

 

「ぐほぁ!!!」

 

「………」

 

「あ……。ありがとうございます!」

 

「………逃げろ」

 

「で、でも……!」

 

「てめぇ……邪魔すんなよ!!」

 

「……それが……連邦のやることかよ」

 

「なんだと!?」

 

 立ち上がった兵士の懐へ潜り込み、そして、腹へ一撃。

 

「うぐっ!!」

 

 たまらず兵士は倒れる。

 

「「「「おおぉー!!」」」

 

 いつの間にか、周りには野次馬が集まって、それこそ一部だけが祭りのような状態だ。

 

「………おい」

 

「て、てめぇ…!」

 

「二度とこの街へ来るな。次は……命がないと思え」

 

 睨みつける。それに怖気づいたのか、兵士は、逃げるように去っていった。

 

「……あの…」

 

 振り返る。するとそこには、先ほど助けた民間人が、俺のマフラーを持って立っていた。

 

「…落とし物です」

 

「…………ああ。ありがとう」

 

 俺はそれを受け取り、素早く口元を隠すようにマフラーを巻いた。

 

「それじゃ、俺はこれで」

 

 背を向け、歩き出そうとしたときだった。

 

 

「お!?おおお!?」

 

 聞いたことのあるうるさい声が街中に響いた。

 

「ねね、君って!ムゲン君だよね!?」

 

 そして、振り返ると……案の定彼だった。カカサ・キヤモイ。

 

「………だとしたら…どうなんだ?」

 

「…探していたよ。君をね」

 

「…何…?」

 

「ティターンズを除隊したって聞いてさ、ずーっと探してたんだけど、いやぁずいぶん時間が掛かったなあ…!」

 

 彼は、前よりも少し髪が伸びただろうか。それ以外はほとんど変わってはいないが…。

 

「……その話は、別の場所でしないか…」

 

「ああ。君を連れていきたいところがある。ついてきて」

 

「……ああ」

 

 こういう時の彼は信じるに値する。普段は……そうでもないのだが…。

 

 

 

 しばらく移動すると、小さな基地へとたどり着く。

 

「……ついた。ここだ」

 

「……ここは…?」

 

「まあ、ついてきなって」

 

 黙って彼の後を追う。そして、テントの中に入る。

 

「やあ。カカサ君。君か」

 

 金髪のサングラスの人物が、彼を呼ぶ。

 

「ああ。クワトロ大尉。紹介する。彼がムゲン・クロスフォード。かつて一年戦争やデラーズ紛争を生き残ったエース」

 

「……ムゲン・クロスフォードだ。……よろしく…」

 

 俺は、少し照れながらお辞儀をした。

 

「なるほど…。ああ、私はエゥーゴのクワトロ・バジーナ大尉だ。よろしく」

 

「は、はい……」

 

 彼とは…どこかで会っただろうか……?なぜか不思議と初めてではない気がする…。

 

「それじゃ、僕っちは外にいるよ。用が終わったら呼んでくれー」

 

 そう言った後カカサは、手を振りながら出て行った。

 

 大尉と二人になる。……確か、さっきエゥーゴといった…。間違いないのなら…これが最初で最後のチャンス…。

 

「……さて、ムゲン君」

 

「……な、なんでしょうか」

 

「君を彼に探してもらったのは他でもない。君に用があったからだ」

 

「……俺に…?」

 

「君も、私達を探していたのではないかな?」

 

「……ああ。この一年、ずっとエゥーゴとの接触する機会を探していた」

 

「それなら話が早い。君も、私達と共に戦ってくれないだろうか」

 

「…ええ。そのために……【家族】とも別れたのですから」

 

「……君のことはある程度調べさせてもらった。どうしてティターンズから除隊したのかも…。そして、そこで起きた事件も」

 

「………俺には……罪を償わなければならない。彼らを斬ってでも…やめた……。ティターンズに反抗するために」

 

「だから、今度は俺が彼らをティターンズから救う…。こんなことしか出来ないが…。それでも、それだけでも…俺は…」

 

「ムゲン君」

 

「なんです…?」

 

 彼は俺の肩に手を置いた後、静かに口を開く。

 

「私達エゥーゴは、君のその想いを消したりはしない。無論、私個人としても、な…」

 

「……クワトロ大尉…」

 

「共に戦おう。ティターンズを倒すために」

 

「……はい。よろしく頼みます」

 

 俺はクワトロ大尉と握手した。

 

 

 

 外へ出ると、俺に気づいたカカサが歩み寄ってくる。

 

「で?どうだい?」

 

「……エゥーゴに参加することになった。カカサ、お前もだろう?」

 

「俺は昔っからエゥーゴだけどネー」

 

「……それなら…。よろしく頼む」

 

「ああ。もちろんだヨ」

 

 軽く握手をした後、俺はふと思い出したことを口にした。

 

「…そういえば、クロノードは…?」

 

「ああ、彼かい?彼なら今あそこさ」

 

 カカサは指を空へ指す。

 

「……宇宙(そら)か…」

 

「ああ。地球での役目は終わったことだし、俺たちも宇宙へ上がろうかと思っているよ」

 

「そうか」

 

「そういえば、君に一ついい知らせを教えてあげよう」

 

「……?」

 

 彼はにっこり笑うと、口を開いた。

 

「君の【家族】は無事だよ。もちろん、その場でトドメを刺した君に言う必要はないとは思うけどね?」

 

「…そうか…!それなら……それだけでも救いだよ……」

 

「もしかすると、君は間違った選択をしてしまったのかもしれないねぇ?」

 

「……たとえそうだとしても…今の俺はエゥーゴだ。覚悟はある」

 

「……へえ」

 

「…覚悟があるから戦える…。たとえ、家族が敵になったとしても」

 

「彼らを傷つけてまで、ここに来た…」

 

「うーん。つらい選択だったろうねえ…思想か家族か…。実に哲学的だ」

 

「……俺は思想を取った。でも、これでよかったと思っている」

 

「へえ?どうして?」

 

「確かに、大切な彼らを討つ理由にはならないけど、それでも、俺はもう二度と…。俺たちのような化け物を作り出したくない…」

 

「憎しみにとらわれ争うことを……悲劇を繰り返させるわけにはいかない。だから…」

 

「彼らを斬った、と。なるほどぉ…君は実にバカだなぁ」

 

 少しだけムっとした。だが、考えてみればそうなのかもしれない。

 

「けれど、君のその思想は嫌いじゃない」

 

「カカサ……」

 

「でも一つ覚えておいてほしい」

 

「……?」

 

「時代が変われば、また新たな戦う理由ができる。それに伴って兵器というものが作られる」

 

「…もちろん、それは君のような人間を作られることも意味している」

 

「……」

 

「戦争を消さない限り、その負の連鎖は…断ち切ることはできない……。0()を絶たなければ…1()は繰り返される」

 

「わかっている…。だが、現在や未来を創るのは過去の人間でも、一握りの天才でもない」

 

「俺たち一人ひとり、平凡な人間だ。俺たちは変えていくことができる。それを繰り返させないように努力することはできるはずだ」

 

「うん。そうだ。…それをわかっているなら、俺も君の思想に共感できる」

 

「……カカサ」

 

「俺だって一応君の【家族】…だしねぇ?」

 

「…ふっ……!そうだったな!すっかり忘れてた」

 

「ええ!?そんなバカなぁ!?」

 

 大げさなリアクションを取るカカサ。それがたまらなく可笑しくて…。自然と俺は笑顔になっていた。

 

 それから、俺は宇宙へ出ることになる。その後、エゥーゴの本隊と合流した。

 

 

 

 そして……。

 

 

 

 宇宙世紀0087.03.02エゥーゴ、開発スタッフの家族であるカミーユ・ビダンの協力のもと、サイド7のグリーンノア1より試作MS、RX-178ガンダムMk-Ⅱ3機を強奪。

 

 ティターンズ、人質作戦でエゥーゴから試作機3機を奪い返す。エマ・シーン、人質作戦の反感から、カミーユ・ビダン、フランクリン・ビダンと共にRX-178ガンダムMk-Ⅱにより脱走。

 

(これにより再度RX-178ガンダムMk-Ⅱはエゥーゴの手に)。以後、カミーユ・ビダンはエゥーゴに参加する。

 

 ティターンズとエゥーゴによる「グリプス戦争」勃発

 

 

 

 一方は家族を縛られた呪縛から解放するため……そして、自らの思想と覚悟のために。

 

 一方は家族と家を守るため……。そして、一人で戦う彼を救うために…。

 

 互いにぶつかる意志。その果てに彼らが見るのは………。

 

 

始動:0087 完




キャラ設定です。

名前:ムゲン・クロスフォード

年齢:23

性別:男

主な搭乗MS:ガンダム・ピクシーエッジプラス

階級:中尉

説明

第00特務試験MS隊に所属していたパイロットで、一年戦争、デラーズ紛争を生き残ったエースパイロットである。

かつてティターンズに所属していたのだが、2年前に起きた30バンチ事件の影響で、ティターンズを除隊。

そして、それと共に、【家族】にも別れを告げた。その後、反地球連邦政府運動組織エゥーゴに参画する。

周りの同志たちにはいつも「俺たちは仲間だ。仲間なら、互いを助け合え。それが人として、軍人として賢いヤツだと思う」と、言って聞かせている。

エゥーゴの隠れたリーダー的存在となり、周囲からの人望を集める程の人物になった。

前よりも仲間を強く意識し、少しお茶目なところを見せたりもする余裕が出てきた。

が、そのお茶目さが、あまりにも突拍子無く出始めるため、周りの人間は毎回の如く唖然としてしまう。

しかし、どことなくそれを憎めず、決まってそのあとは皆が笑顔になるという。それが、彼の天性の才能なのだろうか。


名前:八雲 道夜(ティターンズ)

年齢:23

性別:男

主な搭乗MS:ジム・ストライカー(宇宙戦闘適応型)

階級:中尉

説明

第00特務試験MS隊、第三小隊隊長を務める、一年戦争、デラーズ紛争を生き残ったエースパイロット。

30バンチ事件のあと、ティターンズを怪しんでいるものの、今は静かに任務をこなしている。

一見不愛想で、冷たい印象を持つが、話してみると案外優しく、どんな人物にも丁寧に対応してくれる。

前よりも、戦闘技術および戦場把握力の向上が見られ、彼の小隊は一人の被害もなく生還すると、ティターンズの中でも有名になるほどの腕前をもつ。


名前:ファング・クラウド(ティターンズ)

年齢:22

性別:男

主な搭乗MS:シルバーライト

階級:大尉

説明

かつての大戦である一年戦争とデラーズ紛争を生き残ったパイロットで、第00特務試験MS隊の部隊長を務める人物。

昔よりも気さくで、冗談なども入れて話をしたりと、周囲からの人望も厚い。

30バンチ事件では、部隊の安全の保証を条件に、30バンチへ毒ガスを搬入する仕事を受けさせられ、最後までその任務を全うした。

皮肉にも、この行動の影響で部隊の内部分裂を引き起こしてしまう。

最近はティターンズを脱退する準備をひそかに進めているとか。


名前:フユミネ(ティターンズ)

年齢:31

性別:男

主な搭乗MS:ジム・コマンド

階級:中尉

説明

MS傭兵をしている男で、第00特務試験MS隊で一年戦争およびデラーズ紛争を生き残っている。

その操縦技術は部隊でも上位の腕を持つ。

彼としては、傭兵であるにも関わらず、00隊が自分の家のように感じている。

そのため、部隊長のファングにかなりの信頼を置いており、30バンチ事件の事実を知った後も、彼に付き従った。


名前:ユーリ(ティターンズ)

年齢:25

性別:女

主な搭乗MS:ジム・スナイパーネメシスMK-02

階級:少尉

説明

第00特務試験MS隊、第三小隊に所属する、一年戦争および、デラーズ紛争を生き残ったパイロット。

デラーズ紛争後半では、とある事故により、戦線から退いてはいたものの、利き腕の復活と共に現隊復帰を遂げた。

2年前に起きた30バンチ事件にて、事件を知ってもなお、道夜についていくと決め、ティターンズに残った。

前より大人しくなったものの、お菓子と音楽にご執心なのは変わらない。

最近では、新人の指導を行ってはいるが、毎回指導される側が悲鳴を上げている。そのあとには必ずと言っていいほど彼女の満面の黒い笑みが見れる。


名前:リナ・ハートライト(ティターンズ)

年齢:23

性別:女

階級:技術少尉

説明

第00特務試験MS隊の整備兵で、一年戦争、デラーズ紛争にて、部隊の機体整備に尽力したとされる人物。

30バンチ事件の影響で除隊したムゲン・クロスフォードに関しての話をすると、どんな場所であっても涙を見せるという。

一時期は明るかったが、ムゲン除隊後は、どことなく上の空で、暗い雰囲気が見受けられる。

整備技術は、整備長のトクナガほどではないものの、発想力が豊かなため、新たな武装を開発したりするセンスに磨きがかかっている。

現在は、除隊したくても除隊できない状況にあるため、仕方なくティターンズに所属している。


名前:マーフィー・コールマン(ティターンズ)

年齢:28

性別:男

階級:少尉

説明

第00特務試験MS隊の第1小隊のオペレーターおよび、部隊の全オペレーターの指導を行っている男性。現在は、ティターンズの他部隊のオペレーターにも指導を行っている。

性格は大人しく、いつもどこか悟ったような口調で喋る。だが、前よりも明るい雰囲気に見受けられる。

ムゲンとの出会いにより、仲間を意識し、隊員を信じる事を意識するようになった。

そのため作戦中は、前よりも独断行動がなくなり、「無茶をしないように」と、口癖のように言っていたりする。

30バンチ事件に関して、艦長に物申したものの、却下され、連邦軍という存在に対して少し失望している。

しかし、人柄がいいため、人望は厚い。


名前:アイザック・ガーランド(ティターンズ)

年齢:26

性別:男

階級:准尉

説明

第00特務試験MS隊の第四小隊のオペレーターを務める。

前よりも、少しだけだが女性に対して接することができるようになっている。

30バンチ事件に腹を立てた彼は、艦長に物申すものの、却下され、絶望している。

作戦後は、食堂で酒をチビチビ飲んでいる。


名前:カカサ・キヤモイ(エゥーゴ)

年齢:26

性別:男

主な搭乗MS:プロトタイプザクⅢ(ブラックカラー)

階級:大尉

説明

一年戦争およびデラーズ紛争を生き残ったジオンのエースパイロットだった人物。

前よりもうるささと、情報への要求が増してきていたりするが、そこはご愛敬。

真面目なところも垣間見えるのだが、いつもふざけた物言いをしたりするので、真面目な時は逆に周りから引かれる始末。

ムゲンとは知り合いで、彼をエゥーゴに誘ったのは、彼である。

しかし、部隊では、そのうるささが、戦場前でも止まないため、それを聞いた兵士たちはリラックスできたとかできないとか。

それとなくムードメーカーの役割を担っている。



機体名  ピクシー・エッジプラス
正式名称 PIXY edge plus

型式番号  RX-78-XX〔ed+〕
生産形態  ワンオフ機
所属    第00特務試験MS隊、エゥーゴ
全高    19.2m
頭頂高   18.3m
本体重量  35.5t
全備重量  36.5t
出力    1,440kW
推力    70,500kg
センサー  5,700
有効半径

武装    スモークバルカンx2
      改良型ビームダガーx2
     90mmサブマシンガンx1
      強化型エッジナイフx8
試験型抜刀剣[キジンマルクニシゲ]x1

搭乗者   ムゲン・クロスフォード

機体解説

デラーズフリートとの戦争終結後、破損したピクシーエッジを、修復と共に新たな強化プランで改修した機体。

改修当初、[オーバードライブシステム]を搭載するかどうかで話し合われたが、頭部を一から作り直すことになったため、オーバードライブシステムは搭載されていない。

新たに追加された武装、改良型ビームダガー、強化型エッジナイフ、そして試験型の抜刀剣である[キジンマルクニシゲ]を搭載している。

改良型ビームダガーは、今までのムゲンの戦闘データを基に、より扱いやすく、より無駄を抑え、設計された。

ビームダガーは、前まで、リロード式のEパックシステムだったが、リナ・ハートライトが新たに編み出したシステムである[エネルギーオールカバーチャージシステム]というものを搭載した。

EACCシステムは、ダガーの持ち手の中で元々廃棄されるであろうエネルギーを効率よく回収、回転させ、武器一つでエネルギーを無制限に供給するというシステムである。

そのため、武装の出力を限界まで上げても、リロードをする必要が無くなった。

なお、ダガーの搭載位置は、右腰と、スラスター右側にダガーホルダーを増設して搭載している。

さらに、両篭手に4本ずつラッチされた強化型エッジナイフは、刀身に、ビームコーティングと一時的に斬った機体をショートさせるジャミングコーティングを施した。

本機の最大の特徴である、左腰にラッチされた抜刀剣[キジンマルクニシゲ]は、左手で鞘の赤い部分を触れると鞘の中に搭載されたモーターが動き出し、刀を押し出す仕組みになっている。

このおかげで、押し出される威力のまま刀を振り切ることが出来る。

さらに、この武装の使用はとても厳重で、バイオメトリクスと呼ばれる生体認証を通じて鞘が反応し、動き出すのだが、生体認証を行えるのは1度だけで、実質初めて乗った者しか

この鞘を使用すること、さらには刀を抜くことさえ出来ない。そのため、実質のムゲン専用機である。

(ちなみにリナがこの武装の手入れを出来るのは、元からプログラム自体にリナの生体認証を登録しているからである。)

生体認証をする場所は、機体の左側操舵管を通して反応するようになっている。そのため、左手でしか反応しないのが唯一の欠点だろうか。

さらに、刀身には100%ルナチタニウム合金で出来ており、その切れ味から見て取るように、一年戦争時代で、実質斬れないものは無い。

そして、刀身にビームコーティングを施すことで、ビーム兵器、ヒートホークと鍔競り合っても武装の破損の問題はない。

本機は、第一次ネオ・ジオン抗争までムゲンと共に戦い続けていく。この機体と共に、ムゲンは成長し、強くなっていく。
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