宇宙世紀0087.05.11
エゥーゴ、地球連邦軍のジャブロー基地を攻撃。しかし内部はすでにもぬけの殻であり、連邦軍が自ら仕掛けた2基の時限核爆弾によって自爆。
エゥーゴの襲撃部隊は脱出するも、アマゾンの森林が破壊され、地表の生態系は大きなダメージを被る。カラバと合流。
道夜は、エゥーゴ襲撃部隊の一員として地上へ向かった。
一方、俺たちは、宇宙での
「………。暇だなぁ……」
哨戒任務は、一人1時間のローテーションで行われる。
そして、今は俺が哨戒しているわけなのだが……。いかんせん、暇である。
……なんか…雑誌でも持ってくればよかったかな…。
「………」
ふと思い出し、【彼女】が残したテープを裏返して再生してみる。
「…………」
すると、音楽が流れだした。
『あなたを本当に愛してよかったの?
私は一人。ただ一人で……』
【彼女】の声だった。涙が出そうになる……。
『人は愛せというけれど
それを叶えるのは難しい
でも人は愛するために生きている』
俺はただ静かに歌を聞いた。
【彼女】は昔から歌を歌うのが好きだった。
戦いがないときは、俺によく聞かせてくれたものだ。
気が付けば、俺の顔は、涙で濡れていた。
涙は宙へ浮かび、俺はただそれを見つめて……。
1時間経ち、サラミスへと帰還する。
「交代だな?ムゲン」
「ああ。………あと頼んだ」
クロノードと軽く会話した後、俺は格納庫を後にした。
「………」
そのあとは自室でただ、天井を見つめ、ぼーっとしていた。
急にノックが響く。
「……はい」
扉が開く。フィアさんだった。
「……ムゲン。ちょっといいか?」
「…ええ。どうぞ」
彼女は、俺の
「なんです?」
「用って言うのは……あれだ。さっき、寂しそうな顔をしていたからな。どうしたのかと思ってな」
「……すいません」
「な、なんで謝るんだ…?」
「………」
なんだか、急に悲しくなってきた。苦しい……。
「ふぅ……。まったく……。おいで」
彼女は両手を広げ、俺に優しく言った。
「………でも…」
「遠慮するな。私達はもう、姉弟のようなものだろう?」
「………!」
その言葉で、俺の中で、留めていた気持ちが溢れ出した。
「うぅ……。ぐずっ……!うあぁああ…!!!」
彼女は優しく俺を包み込む。そして、背中を撫でる。
「いい子だ。いっぱい泣いていい。泣くことは、人を強くする。だから、いっぱい……泣きなさい」
「うう……。うぁあああああ!!!!寂しい……!みんなと……家族と会いたい……!!」
耐えられなかった。彼らが家族と認めてくれていても…。俺はそれでも……俺にとっては……比べられない存在だから。
「……会える。大丈夫だ。きっと会える」
「……うぅっ…!!!」
「辛かったな。苦しかったな…。一人でずっと耐えたもんな…」
「……うん…!うん…!!」
「よく頑張った。ムゲン、お前は素直でいい子だ……」
「……」
「だから、【家族】と会うことを諦めるな。……お前が願えば、それは叶うのだから」
「……ぐすっ……うぅ…!」
「……まったく…。
「人は……お互いに辛さを分かち合って、生きていけるのだから…」
「……おれ……。ティターンズに……【大切】な人がいる……」
「……そうか。それで……?」
彼女は表情一つ変えず、言葉を返した。
「……彼女は……。リナは………会いに行くって……何年かかっても……って…。うぅ…!!!」
「そうか、そうか……。寂しかったんだな……」
「寂しい…。苦しい……。でも、彼女のためにも、ここのみんなのためにも頑張らなければならないから…」
「…ああ。頑張ることは大切だ。だが、たまには休むことも必要だ。戦士にも休息は必要なのさ。そうだろう?」
「……うぅっ…!!」
「これがお前の休憩なら、私はいつまでだってお前を優しく撫でよう。優しく抱きしめよう…。これは……私にしかできない事、だからな」
「……ぐずっ…!うぁあああああ!!!!!!」
それから、しばらくの間、俺は彼女の胸を借り、泣いた。
そして……。気が付けば、俺はゆっくりと……静かに眠りについた。
艦を襲う
「……」
体を起こすと、彼女は俺に優しく微笑み、言った。
「もう……休憩は終わりか?」
「……そんな事言ってる場合じゃないです」
「…そうか。それじゃあ、行くか」
彼女は、一足先に部屋を後にした。
続くように、俺も部屋を出て、格納庫へ。
格納庫では、ピクシーがただ静かに佇んでいた。
見たところ、右腕はなんとか直せてはいるものの、あまり無茶はできなさそうだった。
機体に乗り込み、システムを起動。
「出撃準備完了。ムゲン・クロスフォード、出る!!」
戦場へと出ると、既に数機の敵がカカサたちと戦闘している。
「カカサ…!今……―――っ!?」
横方向からの射撃。それを何とか回避。どうやら、俺の相手をしてくれる奴がいるみたいだ。
ブースターの残影と共に、一直線に突っ込んでくる機体。ガンダム……。
素早く左手でダガーを引き抜いて、サーベルを受け止める。
[見つけたぞ……。サムライ!!]
「……俺はサムライじゃない!!」
[すぐにその刀を使わせてやる……!!]
ガンダムは宙返りしながらビームライフルを発射。
回避しつつ、間合いを詰める。
右手にナイフを持ち、縦に回転しながら斬りかかる。
[美しい……!僕がこんな気持ちになるなんて……。ぁあ……!素晴らしい…!!]
「逃がすか…!!」
右手のナイフを投げつけ、それを追い越すが如く一気に敵へと迫る。
敵の正面へ。素早くダガーを右手で引き抜き、
それを敵はサーベルで受け止められる。今だ……!!
スモークバルカンをガンダムの頭部へ発射。着弾を見越し、ダガーを納刀。
左手で鞘に手を当て構える。
[!!]
「……そこだ」
鞘の赤い部分を触る。刀が機械音を立て、火花を散らしながら射出される。
それを素早くつかみ、撃ちだされた速度のまま煙ごと相手を切り裂いた。その時間、たったの2秒。
しかし、妙だ……。手ごたえどころか……。
[美しい動きだ。サムライ……。だが…僕には効かない]
「なっ………!!!」
煙が去れば、そこにあったのは、形勢逆転の形。
敵は、正面から振りぬいた刀ではなく、その持っている腕を掴んでいた。
しかし、刀の勢いは止まらず、右手首がおかしな方向へと曲がってしまっている。
[おや、これはすまない。君の大事な腕を【
「くっ…!!」
離れようとも離れられない。
[素晴らしいよ、君は……。僕は、君に惚れてしまった……]
「な、なに言ってるんだ……」
恐怖しかなかった。あんな速さを対応できるなんて……。
[ふふふ。君は、僕が殺してあげる。右の手首が痛いだろう……?]
敵は掴んだ逆の手で、ピクシーの右腕を切り落とした。
「くっ!」
しかし、それでなんとか間合いを取ろうとしたが…。
[駄目だよ。逃げちゃ]
一気に間合いを詰められ、逃げられない。……これは…悪い夢なのか…!?
「な、なんなんだ……お前は…!?」
[僕かい…?フフフ……。僕はゼロ。ゼロ・オブリビオン]
[君にあの時腕を斬られてから、君に惚れてしまったのさ……]
寒気がした。勝てる気がしない……。
[ほら、君の刀、そこに落ちているよ?拾いなよ?もう一度、あの攻撃を見せてくれ…!フフ……アハハハ!!]
その笑い声に、恐怖を覚えてしまった。プライドとかそういう問題ではない……。
俺は刀を拾い、なんとか構えなおす。
正直、精神的にはもう……限界なのだが…。
手が震える。怖い……。
「はぁ………!はぁ………!!」
脳とは別に、体が勝手に恐怖している。
俺は、再び闘志を奮い立たせ、斬りこみに行く。
相手の動きが読めない以上、相手をかく乱して動くしかない。
スモークバルカンを放つ。それは敵に着弾。続けて、別の方向からナイフを投げつける。
さらに別の位置からサブマシンガンを撃ち込み、そして、刀で斬りこむ。
が………。
「……っ…!」
[うぅん。素敵だ……。フフフ……。その動きだよ……美しい…]
彼は、左腕を軽々と掴んでいた。まるで、俺の動きをその目で見ているかのように……。
「………な、なんなんだよ…!お前は……!!」
[フフフ……。君の恐怖に怯えた顔…。見なくても分かるくらい伝わってくる…。そのガンダムも怯えているしね…?]
ピクシーが……怯えている……?
[さぁ。これでおわりにしよっか?]
彼は不敵に笑いながら、ピクシーを投げ飛ばした。
「うぁああああ!!!」
[…………君は素敵だった。だから、僕も君を綺麗に消すことを努力するよ……フフフ…]
[さぁ。踊れ!ファンネル!!!]
叫ぶと、何かが奴から射出された。それを肉眼で確認しきれなかったが、おそらくは…6以上の【
突然。どこからかビームが俺をめがけて飛んでくる。
それを回避。しかし、それを見越したかのように、もう一射が回避した先に射撃される。
それが右肩に被弾。衝撃で吹き飛ばされる。その時、パイロットスーツが裂け、右腕に傷が付く。
それに合わせて、さらに一射。左から。当然回避しきれるわけもなく…。
左肩をビームが撃ち抜く。ピクシーから
「くっ…!!!」
[フフフ……。血で染まる君も……素敵だ]
まだ………。負けられない……。死ねない…。
けれども声も、戦う力も既に俺には残されてはいなかった。
[せめて、僕の手で終わりにしてあげるよ……。寂しくないだろう?]
「あ………ぁ…………。ひ………!」
[言わなくても分かる。怖いんだね?大丈夫、一緒にいてあげるよ……フフフ……]
もう、何もかも考えられなかった。死に………こんなに怯えたことはなかった。
敵は近づき、サーベルを構えた。
怪我した右腕を抑えながら、ただ怯えていた。
怖い……。怖い怖い怖い怖い……。
サーベルで突き刺そうとした瞬間だった。
[ムゲン!無事か!!!]
クロノードの声……。前を見ると、白いザクがガンダムと
「………あ………ぁ……」
[ぐぅ…!こいつ…!!]
[僕と彼の邪魔をしないでくれないかな!?邪魔だよ、君は……!!]
ビームがクロノードを襲う。
しかし、クロノードはやめない。
右足。左肩が破壊。それでも…。
[ここで……こいつを……ムゲンをやらせるわけには…いかないんだぁあああ!!!]
サーベルで勢いよく敵を吹き飛ばす。
ただ、宙を浮く俺を、彼は掴み、後退する。
恐怖から……。引き離されていく………。
[逃がさない……。君も僕の手で…!!]
恐怖はそれでも止まらない。俺たちを追い詰めていく。
[くそっ!!機体の推力がたりねぇ…!!!!]
「………あ……。く………ろ……」
声が出ない。出せないんだ……。
[死なせない!お前も!俺も死なない!絶対に……絶対に……!!]
【何か】が俺たちを囲む。もう…………。
[死ぬわけにはいかないんだぁああああああああああ!!!!!!]
その叫びと共に、【何か】が敵の横で爆発する。
続けてもう一基。さらに立て続けてもう一基。
[何だい?まだいるのかい?]
敵は背を向け、射撃位置を睨みつける。
[まったく。手こずりすぎじゃないですか?ムゲンさん…。いえ、ムゴンさん]
この……声は……。
[全機!目標はガンダムタイプ!家族に傷つけたこと、後悔させてやれ!!]
涙が出そうになった。それだけ、嬉しかった。間違いない……彼らだ。
[何だ……?援軍か……?!]
そうだ。少なくとも……今は……。
[さてと、道夜がいないから自分で足止めないといけないのは少し面倒ですが……やりますか…]
[それなら私が足を止めます。そのうちにユーリさんは支援射撃を。ファング隊長は近距離戦を]
[分かってる。行くぞ!フユミネ、お前もエトワールと共に支援を]
[……引き受けた]
「…………み……ん……」
別方向から、1機。
[敵か……!?ジムタイプ……。あれは……]
見ると、俺の昔乗っていた機体がこちらへと迫ってくる。
[……ザクのパイロットさん。聞こえますか…?]
「……!!」
彼女の声だった。間違いない……。
叫びたい。でも、声が出ない…。
[聞こえている。こちらはエゥーゴ所属、クロノード・グレイス大尉だ。そちらの部隊と、要件を]
[こちらは、ティターンズ所属、
[何……?!こちらは支援など……]
[確か、フィア・アッシュベリー大尉が……]
[フィアが……?]
[……あの]
[何だ?]
[そこにいるガンダムに触れても……?]
[彼は……]
[何かあったんですか……!?機体はともかく、彼に……!]
[……今は戦闘に集中する。すまんが、技術少尉。少し頼まれてくれ]
[何でしょうか……?]
[コイツを、後ろにあるサラミスに……。刀も回収してくれ]
[了解です]
そう言って、彼は戦線へと向かっていく。
[グロリアス。聞こえますか?サラミス艦の座標を送ります。その位置へ移動を]
「………り………な………」
気が緩んだのか、意識が遠のいていく。駄目だ……こんなところで………。
そして、俺は気絶してしまった。
再び目を覚ますと、俺はたぶん、病室にいた。
どれくらい眠っていたのだろうか……。
体をゆっくりと起こそうとしても、体が言うことを聞かない。
「………」
右腕に、温もりを感じる。
そこにいたのは、偽物でもなく、声だけでもない……。彼女がそこにいた。
「………リ……ナ………?」
彼女は目を瞑っていた。静かに……寝息を立てながら。
「……くっ…!!」
起き上がろうとすると、痛みが走った。もどかしい……。
「………ん…?」
「……リナ……」
「あ……。起きたんだ……おはよう」
彼女は優しく微笑んだ。
「ああ……。おはよう…」
「やっと………会えたね…」
彼女は俺の手を強く握った。その手は小さく震えていた。
「……本当に……久しぶりだな…」
彼女に微笑むと、彼女は今にも泣き出しそうな顔をして…。
「うん………。やっと……やっと…会えた」
彼女は涙を零しながら、笑う。
「……心配……かけたな……。悪かった」
「……うっ……うぅ……」
彼女は抱き着いてくる。今は、痛みなんか感じなかった。
俺は彼女の背中を優しく撫でた。
「リナ、よく……来れたな…」
「うんっ!うん……!!」
「俺も会いたかった……。よく来てくれた……」
俺も気づけば泣いていた。嬉しくて、言いたいことがたくさんあって、心がいっぱいになっている。
「わたし……。ちゃんと会いに来たよ。迷わなかった。あなたを信じて…ずっと」
「……ありがとう…リナ」
「うぅっ……!!うわああああん!!!!」
リナは、これでもかというほど声を上げて泣いた。
「あなたと別れるのは覚悟してた……。してたけど……。それでも寂しかったよ……」
「俺も寂しかったさ……。でも……」
「……お前のおかげで、俺は……戦えた」
「……私も、あなたのおかげで戦えた」
「……なら、お互い様だな?リナ」
「そうかもね?ふふっ…」
彼女は笑っていた。あの時とかわらない笑顔を俺に見せてくれた。
「ごめん。もう少しだけ……このままでいさせて……」
「ああ……」
俺は、彼女を強く抱きしめた。
もう……寂しい思いはさせない………絶対に。
気づけば、彼女は再び眠りについていた。
小さく寝息を立て、俺の胸を借りて…。
それがなんだか心地よくて……。
「ムゲンー。調子は……って………。おっと、すまない。お取り込み中だったか」
フィアさんが驚きながら言った。
「あ、いえ……。どうしました…?」
なんとか体を起き上がらせ、何とか座る態勢になる。
「……いや、調子はどうかと思ってな。どうだ?」
「ああ……。まだ、本調子ってわけにはいきません。……俺、どれくらい寝てたんですか……?」
「……そうだな、だいたい1日と半分だ」
「……そうですか……」
「ああ。危なかったんだぞ?パイロットスーツが破れてたから、止血だって大変だったし、お前の精神はやられかけていたりで……」
「迷惑を掛けましたね……」
「というより、私はとても心配していた……。お前の精神が壊れてしまったんじゃないかって……」
「…………俺は……ガンダムと戦って……負けた…」
「いいや。お前はよくやったほうだ。あんな見たことのない兵器に、あれだけで済んだのがまだいいほうだ」
「……そういえば、ガンダムは……!」
「ああ。
「……そうですか…。それで、援軍に来た彼らは今……?」
「ああ。今彼らは、アーガマで、正式に参加するために話をしているよ」
「………」
「どうした?」
「いえ………。あの時の敵と戦った時、負けたことの悔しさなんか微塵も感じなかった……」
「感じたのは……恐怖……。ただそれだけ……」
「なぜか、彼は俺の動きを見切って、それこそオモチャで遊ぶ子供のように……。俺を……」
「……ふむ……。今後は少し気を付けたほうがいいかもしれないな……。まあ、なんにせよだ…」
「……?」
彼女は俺の頭を優しく撫で
「しばらく休んでいろ。この子とも、
「え……」
「ふふふ……。こういう素直な子は弄るに限る……。フフフ……」
笑いが怪しい……。でも、なぜか安心できた。
「……彼女がなんて言うか……」
苦笑しながら返す。
「ふっふっふ……。私はこの手のことに関してはしつこいぞー?それは、お前も分かってるだろうけどな?」
「……クロノードも分かってる気がします……」
「ああ、そうだなぁ……。だが、お前はクロノードよりも素直で純粋だからな。余計に弄りたくなってしまう……。まったく。可愛い弟を持った姉のようだよ……」
「………褒められている気がしないんですけど…」
「いやいや、十分に褒めているさ。んふふふふ……。ふふふ……」
凄い…黒い笑みだ……。
「さて、それじゃ、安静にしてろよ?後でまた会いに来るからな」
「え、ええ……。別に無理してこなくても大丈夫ですからね……?」
「無理じゃない。私がお前を弄りたいだけだ」
「えぇ………」
困ったな……。まったく、面白い人に出会ったもんだ…。
それから、リナが目覚めた後、話をした。
ティターンズで何をしていたか。こっちの生活はどうだったのか。ひどいことされてないのか……とか。
まあ、ほとんどは質問責めだった。
「ふふっ。ムゲンとまたこんなにお話しできるなんて、夢のようだなあ……」
「……俺もリナと話せてうれしいよ」
「それで?さっきの人は…?」
「えっ……?」
「聞いてたんだけど?随分仲が良さそうだったね?」
なんか、凄い嫌な汗が……。
「えっと…………」
「ふふふ……。ムゲンは私がいない間……あの人と……ねえ…?」
「いや、【彼女】は…えっと…!そう!姉弟のような……そんな……感じの……」
「へぇ……?【彼女】……?」
まずい、火に油を注いでしまった。
「私はムゲンの彼女なはずなんだけども……?まさか……」
「いやいやいや!違う!違うから!!【フィアさん】は姉弟みたいに俺を扱ってくれてるだけで……」
「【フィアさん】!?」
「ぐっ……」
な、なんで俺……怒られてるの…?!
「いい?私というものがありながら、ほかの人にうつつを抜かすなんて…!!!」
「いやだから……」
「ムゲンは私だけ見てればいいのに!!!」
しばらくの沈黙………。リナはやっと自分で言ったことに気が付いた。
「あ………えっ……と……」
「お前……昔よりずいぶん積極的になったな……?」
「え……。あ、ち、違うの!その、これはね?流れっていうかさ……」
「へえ……」
「うぅ………」
リナの顔が真っ赤になる。こういう顔……見たかった。
「わ、わたしはムゲンの事好きだし……。あの人よりわたしはムゲンの事愛してるし!たくさんムゲンのこと知ってるし!!」
顔を真っ赤にさせながら言葉を続けている。
「ああ……。知ってるよ……」
微笑みながら言葉を返す。よかった……。なんとか最悪の事態は………。
「でもなんでかなあ……」
「う、うん……?」
「さっき詰め寄られたとき………ムゲンが
「うっ……」
あ………。これもう駄目だ……。
「ムゲン……?」
「は、はい………?」
その時のリナの笑顔は……あのガンダムより怖かった…。
「話の続き……しよっか?」
「か、勘弁してくれぇ………」
それから俺がどうなったかなんて………。言う必要もないだろう。
32 完
今回登場したキャラと機体です。そしてエゥーゴ加入後の00隊メンバーとその機体です。今回は少し長いですがお付き合いください。
名前:ゼロ・オブリビオン
年齢:19
性別:男
主な搭乗MS:ガンダムMK-0
階級:中尉
説明
ティターンズに所属するパイロットで、検査ではアムロ・レイ以上の能力を持つニュータイプ。
過去に記憶調整を受けており、幼いころの記憶がない。
試作型のガンダムMK-0に搭乗する。
子供とは思えないほどの丁寧な口調。理想は無く、ただ目の前の敵を倒すことに執着する。
過去に、そうして命を失ったパイロットが何人もいたとされている。
機体名 ガンダムMK-0
正式名称 GUNDAM Mk-ZERO
型式番号 RX-178-00
生産形態 試作機
所属 ティターンズ
全高 18.9m
頭頂高 18.5m
本体重量 33.4t
全備重量 54.1t
出力 1,930kW
推力 20,300kg×4
総推力 81,200kg
センサー 11,000m
有効半径
武装 ビームライフル
ビームサーベル
ハイパーバズーカ
試作型ファンネルx12
搭乗者 ゼロ・オブリビオン
機体解説
ゼロ・オブリビオンが駆るガンダムMK-0に、追加でバックパックに試作型の小型ファンネルを12基搭載したファンネル型。
バックパックに追加された、翼の、羽のような部分がファンネルとなり、敵を襲う。
二対の翼に6つずつ搭載されている。
名前:ユーリ(エゥーゴ)
年齢:25
性別:女
主な搭乗MS:サイン:Code スナイパー
階級:少尉
説明
第00特務試験MS隊、第三小隊に所属する、一年戦争および、デラーズ紛争を生き残ったパイロット。
ムゲンがティターンズ所属のガンダムMK-0との交戦中。ファンネルを肉眼で捉え、狙撃した。
その作戦以降、エゥーゴへ本格的に参加。
百式の改良型であるサイン:Code スナイパーに搭乗し、前よりも狙撃の腕に磨きがかかった。
機体名 サイン:code スナイパー
正式名称 Sign Code Sniper
型式番号 RXG-001[Ss]
生産形態 試作機
所属 第00特務試験MS隊、エゥーゴ
全高 17.65m
頭頂高 17.60m
本体重量 32.0t
全備重量 40.7t
出力 1,850kW
推力 18,600kg×4
総推力 74,800kg/ 74,400kg
センサー 18,000m
有効半径
武装 専用ビームライフル
ボックスタイプビームサーベル
サインスナイパーライフル
クレイ・バズーカ
搭乗者 ユーリ
機体解説
ティターンズを脱退し、エゥーゴに加入したユーリ少尉が駆る遠距離型スナイパーMS。
本来のコンセプトは万能型で、どの距離でも戦うことのできる機体なのだが、ユーリたっての希望により、武装を変更。
中距離及び遠距離支援を得意とする。
武装のサインスナイパーライフルは、正式名称:メガ・バズーカ・スナイピングで、戦艦1隻をいともたやすく撃墜することの可能な火力を誇る。
このライフルの特徴は、実弾と、ビームのモードを変えることが可能ということだ。
ビームモードは、基本的に、スナイパーライフルを、戦艦に固定し、ケーブルで戦艦と接続した状態で射撃を行う。
これによって放たれるビームは、それこそ戦艦のメガ粒子砲の5倍の火力を誇る。
そのため、射線付近にいるMSは熱によって溶解してしまったという報告もあるほど。
実弾モードは、自らで携行し、狙撃するスタイルの武装。
しかし、その威力は侮れない。
硬い装甲を難なく突き破り、そして、パイロットの正確無比な狙撃によって繰り出される一撃は、ビーム兵器よりも恐ろしささえ感じる。
ベースの機体は、百式。それを改良、ツインアイと、頭部中央にはレーダーの役目を果たすブレードアンテナが付けられている。
本機は、後のラプラス戦争までユーリの愛機として活躍する。
名前:ファング・クラウド(エゥーゴ)
年齢:22
性別:男
主な搭乗MS:FAシルバーライト
階級:大尉
説明
かつての大戦である一年戦争とデラーズ紛争を生き残ったパイロットで、第00特務試験MS隊の部隊長を務める人物。
一度は敵としてムゲンたちの前に立ちふさがり、戦うが、その時に聞いた、フィアの一言でティターンズを脱退する決意を固めた。
そして、第00特務試験MS隊を、エゥーゴ追撃任務と称してムゲンたちに接近。
ムゲン達が交戦していたガンダムMK-0を撤退させるに至った。
エゥーゴに加入してからも、00隊の部隊長を務め、さらに強化されたFAシルバーライトで戦場を駆ける。
機体名 シルバーライト
正式名称 Silver Light
型式番号 RX-78-2[SLFA]
生産形態 ワンオフ
所属 第00特務試験MS隊、エゥーゴ
全高 18.0m
頭頂高 18.0m
本体重量 33.0t
全備重量 60.0t
出力 1,380kw
推力 24,000kg×2、3,750kg×2[4]
総推力 55,500kg
センサー 11,000m
有効半径
武装 ビームサーベルx2
ビームライフル
クレイバズーカ
ガトリングシールド
搭乗者 ファング・クラウド
機体解説
第00特務試験MS隊の部隊長を務めるファング・クラウド大尉が搭乗する機体。
シルバーライトの装甲を補うため、FAプランを基に再設計された追加装甲を装着している。
それに合わせ、ハイパーバズーカから、クレイバズーカへ。
シールドにはガトリングガンを装着することで、本体の重量は増したものの、戦闘継続力と防御力が向上している。
この機体は、ファングと共に後のラプラス戦争終結まで生き残っている。
名前:フユミネ(エゥーゴ)
年齢:31
性別:男
主な搭乗MS:ジム・コマンド・フルシールド
階級:中尉
説明
MS傭兵をしている男で、第00特務試験MS隊で一年戦争およびデラーズ紛争を生き残っている。
その操縦技術は部隊でも上位の腕を持つ。
エゥーゴに加入した後も、これまでと変わらず、ファングの背を支え、共に戦っている。
機体名 ジム・コマンド・フルシールド
正式名称 GM COMMAND Full shield
型式番号 RGM-79G[Fs]
生産形態 試作機
所属 第00特務試験MS隊、エゥーゴ
全高 21.5m
頭頂高 18.0m
本体重量 43.5t
全備重量 65.3t
出力 1,330kw
推力 7,000kg×2(背部中央)
26,500kg×2(背部外側)
総推力 67,000kg
センサー 8800m
有効半径
武装 ビームライフル・ラッチマシンガン
ビームサーベル
ハイパーバズーカ
シールドx4
Eパックx6
搭乗者 フユミネ
機体解説
フユミネが駆っていたジム・コマンドを改修した形態。
コンセプトは、[圧倒的防御力で少しずつ前線を切り開く持久型MS]
基本として、シールドを両腕に装着している。
通常のジムコマンドのバックパックを改良し、サブアームを2本取り付けてある。
これにより、サブアームにシールドを携行させることで、最大4つのシールドが、機体を防御する。
状況に合わせ、サブアームとシールドをパージすることも可能。
武装も、試作型のビームライフルである、ビームライフル・ラッチマシンガンを装備しており
この武装は、通常のビームライフルの銃身の下に、実弾式のマシンガンを取り付けてある武装で、状況に合わせマシンガンモードとライフルモードに切り替えられる。
本機は、エゥーゴに加入したフユミネが、後のラプラス戦争終結まで乗り続ける機体。
名前:エトワール・ブランシャール(エゥーゴ)
年齢:23
性別:男
主な搭乗MS:ガンキャノンカスタム(特殊兵装型)
階級:准尉
説明
第00特務試験MS隊、第三小隊所属のデラーズ紛争を生き残ったパイロット。
かつてはティターンズに所属していたが、道夜と共に脱退。
傭兵業を営んでいる道夜の手伝いをしながら日々をすごしていた。
現在はエゥーゴに所属して、かつての仲間たちと共にティターンズ打倒を掲げ戦っている。
名前:ジェイク・マディソン(エゥーゴ)
年齢:30
性別:男
階級:少佐
説明
第00特務試験MS隊の旗艦であるグロリアスの艦長。現在はエゥーゴに加入し、ティターンズ打倒を掲げている。
30バンチ事件以来、ティターンズを不審に思っていたため、エゥーゴに参加できたことを心から喜んでいる。
かつて敵であったジオンの兵とも、すぐに打ち解け、今は共通の敵を倒すことを目標としている。
名前:アイザック・ガーランド(エゥーゴ)
年齢:26
性別:男
階級:准尉
説明
第00特務試験MS隊の第四小隊のオペレーターを務める。
ティターンズを脱退し、エゥーゴに加入した現在、かつて敵であったジオンの兵と触れ合う機会に最初は戸惑いを覚えていた。
しかし、一度酒を酌み交わすと、次の日には【仲間】として認識するようになった。
ティターンズにいた頃より、だいぶ気持ちが落ち着いており、前より口数が増えたとか。
名前:マーフィー・コールマン(エゥーゴ)
年齢:28
性別:男
階級:少尉
説明
第00特務試験MS隊の第1小隊のオペレーターおよび、部隊の全オペレーターの指導を行っていた男性。
ティターンズ脱退後は、エゥーゴのオペレーターとして日々奮闘している。
ムゲンとの再会を、リナ・ハートライトの次に喜んだ人物で、また共に戦えることを心から喜んでいる。
名前:リナ・ハートライト(エゥーゴ)
年齢:23
性別:女
階級:技術少尉
説明
かつてティターンズに所属していたが、部隊がティターンズを抜けると共に脱退。
現在はエゥーゴに所属しており、かつてのように第00特務試験MS隊で整備兵を努めている。
ムゲン・クロスフォードとの再会で、暗い性格から打って変わり、前よりも明るくなった。
前よりも大胆な行動をするようになったとかならないとか……。