機動戦士ガンダム虹の軌跡   作:シルヴァ・バレト

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宇宙世紀0089 グリプス戦役を生き残った第00特務試験MS隊。

なんて、堅苦しい事はやめようじゃあないか諸君!!

今回はゆるーくネタでいこうぜ!

ある日リナが部屋へ戻ると起きていた凶悪な事件とは!?

この話はキャラクター崩壊が激しいので、そういうのが苦手な方は読まないことをお勧めします。(割と真面目に……。


外伝:迷探偵!?リナちゃん

 宇宙世紀0089の………いつだったかな?

 

 私は楽しみにしていたおやつの【ドーナツ】を食べようと思い、ルンルン気分で部屋に戻る。

 

 

 

「ふんふ~ん♪」

 

 鼻歌とか混じって歌ったりしながら、冷蔵庫を開くと、そこに待っているのは

 

 

 私の愛した、そう!一口食べれば幸せ気分♪のドーナツが………。

 

 

 

 無かった。

 

「無い……」

 

 無いのだ。一度冷蔵庫を閉め、一息ついた後再び冷蔵庫を確認するも。

 

 

「無い……」

 

 そう。無いのだ。その欠片一つも。

 

 ドーナツは、冷蔵庫に甘いに香りだけを残して本体はどこへやら。

 

 まったくもって謎である。

 

 どうしてドーナツがなくなったのか。昨日の晩御飯なんだったけとか。

 

 頭の中でお星様が回っている。

 

「ハッ……!」

 

 こんなことをしている場合ではない。

 

 今すぐにでも犯人を見つけて【()()()()()()()】を我が手に戻さなければ……。

 

「でも、誰が……?」

 

 少し考えた後、私は食堂に部隊の全員を集めることにした。

 

 

 

「……それで、どうしたんだよ?リナ…」

 

 ムゲンが眉をひそめながらこちらを見つめる。

 

 全員を見渡して、私は叫ぶ。

 

「みんな聞いて。私の部屋のドーナツが……。無くなってたの!」

 

「……そうか」

 

 道夜さんが呆れながら言葉を返す。

 

 呆れられようが関係ない。私にとっては一大事。これを食べなければ世界が崩壊してしまう…ってほどではないけども。

 

「だから、一人ずつ聞き込みしようかと思って」

 

「そ、それで…俺まで集められたと?」

 

 ファングさんは資料を片手に流石に唖然としている。

 

「俺は甘いものが好きではないと言っているんだがな…」

 

 フユミネさんは静かに言い放つ。

 

 でも、ここで退いたら女が廃るってもんですよ!

 

「いい!?みんなに一人ずつ聞いてくからね!!!」

 

「…リナ、別にそこまでする必要は…」

 

「あるね!私にとっては大事なことなの!!!」

 

「………」

 

 ムゲンは流石に言葉も出ない。

 

 ……待って?言葉も出ない……?

 

 しかも、聞き込みをさせないようにするのは……。

 

 もしかして、ムゲンが………?

 

「ど、どうしたー?リナー?」

 

 ムゲンが私の前で手を振る。

 

 私はその手を掴んで言う。

 

「な、なんだ!?」

 

「ムゲーン!!」

 

「は、はい!!」

 

「あなたから!!」

 

「…お、俺まで…?」

 

「当たり前でしょ」

 

 

 

 第一の被疑者。ムゲン・クロスフォード。

 

 私と一番近い関係で、アウロラの父親。

 

 そして部屋はいつも散らかっている。「余計なことを言うな!!!」

 

 

「さて、ムゲン」

 

「はい……」

 

「あなた、私のドーナツ食べた?」

 

「いやだから…食べてないって」

 

「理由は?」

 

「り、理由!?そんなのあるわけないだろ!?」

 

「うぅむ……。こんな難解な事件だとは…」

 

「難解も何も、俺は食べてないんだが」

 

「でもそれも嘘かもしれないじゃん!」

 

「いやいや。俺はさっきまで機体の整備を手伝ってたし、リナとも会っただろう?」

 

「うーん…。確かに…」

 

「それに、アウロラの面倒も見てたんだよ」

 

「あ、ほんと?ありがと!」

 

 私は素直にお礼を言った。……うん?なんでお礼を…?って!!今はそういうことをしてる場合じゃない!!

 

「ああ。……アウロラ可愛いなぁ……」

 

 ……どことなく変態っぽい感じするんだけど。

 

「ってちがーう!!!」

 

「うおっ!?」

 

 私は机を叩く。…その振動が腕に響いた。

 

「いたた……」

 

「普段やらないことをするからだ……」

 

「うぅー…。って、まだ話は終わってない!!」

 

「まだ何かあるのか?」

 

「アウロラの面倒を見てるからって食べてない証拠にはならないよ!」

 

「……俺が食べた証拠も無いだろ」

 

「うっ……」

 

 そこを言われると困ってしまう。

 

「だったら、俺が買うから、落ち着けよ。な……?」

 

「ダメなの!!!」

 

 私は彼の言葉を遮り怒る。それはもう犬のように吼えた。

 

「えっ…」

 

「あのドーナツは限定品なの!!!」

 

「そうなのか?」

 

「そう!!あれは、自販機で売ってるやつとはわけが違う!!」

 

「……は、はぁ…」

 

「一口食べれば気持ちが()()()()になっちゃうくらい美味しいんだよ!?」

 

「…ルン……ルン……?」

 

「うんうん!!……その様子だと本当に食べてないんだ…?」

 

「当たり前だろ?そんなのあったのにすら気付かないんだから」

 

 ムゲンは少しだけ眉をひそめて言う。

 

「うーん……」

 

「それに、俺はリナといるときの方がどんなお菓子よりも甘い時間だと思ってるんだが…」

 

「えっ……」

 

「な、何言ってるのさ!ムゲンってば!!」

 

 彼を平手で叩く。

 

「グハッ!?な、なんでぇえええ!?」

 

 

 

 第二、第三の被疑者。エトワール・ブランシャールさんとユーリちゃん。

 

 二人とも第三小隊の一員だった人。

 

 しかも、大の甘党二人組み。……これは間違いない。

 

「で、何で私まで被疑者にされているんですか」

 

「ほんとですよリナ。私が何かしましたか?」

 

「私のドーナツ食べたのは二人なの?」

 

「私は食べていませんよ。私は自前でお菓子を作っているので。ドーナツくらいは自分で作って食べます」

 

「私はドーナツはチョコがかかったやつじゃないと食べないんですよねー。だから、答えはNOですね」

 

「うぅむ……また難解な二人だ…」

 

「いえ、ですから、私は自分で…」

 

「だとしても!あのドーナツは食べたらそれこそ感動しちゃうくらい美味しいんだよ!?」

 

「……今、何ていいました?」

 

 エトワールさんが目を輝かせて聞いてくる。

 

「え…、だから、感動するくらい美味しい……」

 

「私も食べてみたいです。それ」

 

「そ、その反応じゃ…」

 

「ええ。私は食べたことがないですね。……どこに売ってます?それ」

 

「うーん。限定品だったから……」

 

「そうですか…」

 

 エトワールさんはとても残念そうに肩を落とした。

 

「ほへー。それで?私はそんなのより、最近出たこっちのエクレアのほうが興味ありますけどねー?」

 

 チラシをフリフリしながら言う。

 

 私はチラシをとって、目を通す。

 

「えっと……」

 

 そこには「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()」と書かれていた。

 

 見るからに美味しそうである。

 

「……ゴクリ」

 

「ね?美味しそうでしょ?」

 

「どれどれ……。おお!これは美味しそうです!!」

 

「でもさー。値段が……ね」

 

 値段を見ると、もう顔も当てられない。それくらいの値段。

 

「うわぁ…。これは流石にキツイかなあ…」

 

 ムゲンに頼んでも、絶対に買ってくれなさそう…。あ、でも意外と色目でも使ったら買ってくれたり……?

 

「今度道夜にでも買ってもらうつもりですよ。あー楽しみー!」

 

 …ユーリちゃんも違うかな。

 

 

 

 第四、第五の被疑者。ファング・クラウドさんとフユミネさん。…ところで、ダイゴってダンゴに似てない?

 

 ファングさんはこの部隊の隊長さん。フユミネさんは傭兵ってことになってるけど…傭兵っぽいところ見たこと無いなあ…。

 

 

「リナ、すまないが俺は今手が離せないから、話を聞くだけでもいいか?」

 

「ええ。大丈夫ですよ」

 

 ファングさんは忙しそうに資料とにらめっこしている。

 

 たしか、先月の損害費や、食費などを上層部に報告するための資料だったかな?

 

「な、なんで俺まで……?」

 

「この流れですし?」

 

「どの流れだよ……」

 

「一応聞きますけど、二人とも私のドーナツは……」

 

「「食べてない」」

 

 二人が同時に言う。

 

「…うぅ…。でも困ったなあ…あれがないと整備が捗らないんですよね…」

 

「我慢して自販機のを買ったらどうだ?最近の軍用ドーナツも中々イケるぞ?」

 

「嫌です!ドーナツといえば手作りに限りますよ!!しかも、あのドーナツは、有名な職人さんが作ったんですから!!」

 

「……ややこしいな」

 

「でもそれだけ美味しいんですよ!」

 

「俺はどれも同じに感じるがな」

 

 ……フユミネさんはたぶん、無いね。

 

「俺は、さっきまでずっと自室で資料と格闘していたよ。まったく。この艦のお菓子の購入数は軍の中でもぶっちぎりなのはなんなんだ!?」

 

 ファングさんが頭を抱える。…この人も無い…かな。

 

 

 

 第六の被疑者。八雲道夜さん。

 

 今は傭兵業をやって稼いでる。

 

 …特に言うことはありません。「……扱い酷くないか?」

 

 

「さて、道夜さん」

 

「……ドーナツだろ?」

 

「!」

 

 その言葉を聞いて私は驚く。

 

「さっきからずーっと言ってただろう。…俺は食べてないぞ」

 

「証拠はあるんですか?」

 

「証拠も何も、お前の部屋にあるなら、俺が入れるわけ無いだろう?」

 

「でもほら、私の部屋を観察しようとか考えた道夜さんが……」

 

「お前は俺を何だと思っているんだ…!?」

 

「そして、あわよくば私を…」

 

「おい、妄想が膨らみすぎだ。これ以上はいけない。俺の印象が壊れる」

 

「あ、すいません」

 

「まったく…。さすがに人妻を取る趣味も、女性を襲う趣味も無い」

 

 ………自分で自分の印象を下げてないですか?

 

「なんにせよ、もう一度部屋を探してみたらどうだ?」

 

「ありませんよ!ちゃんと冷蔵庫にしまったんですから!」

 

「本当か……?」

 

 彼は怪しむような目で私を見た。

 

「ほ、本当です!たぶん……」

 

「……まあ、探してくるといいさ」

 

 

 

 私は再び部屋に戻り、あちこちを調べた。

 

 天井裏、カーペットの下、ベッド。

 

 排水溝。コーヒーカップの中。

 

 タンスの中。

 

 どこにも見当たらない。

 

「うーん………」

 

 必死に考える。

 

「……あっ」

 

 そして、思い出す。ビビッとキターッ!!

 

 そう、ドーナツは自室ではなく、ムゲンたちが建てた新築の自宅のほうの冷蔵庫の中だと。

 

「あったぁああああ!!!みつけたぁあああ!!!ひゃっほーい!!」

 

 私は飛び跳ねながら自宅へと向かった。

 

 

 

 もうすぐ会える。愛しのドーナツ♪

 

 

 心を躍らせながら、自宅の扉を開くと……。

 

 

「うんめぇー!!!こりゃあさいこーだぁっ!!」

 

 ドーナツを頬張るカカサさんがいた。

 

「……」

 

「んぐんぐ。おや?りなっちー!お邪魔してるぜー!!」

 

「それ…は…」

 

「ああこれ?これ、冷蔵庫に入ってたやつなんだけどさー。コレ美味しいねー!!」

 

 なんともいえない怒りがふつふつと湧き上がってくる。

 

「…………カカサさん?」

 

「ひょ?…あっ……!!!」

 

 カカサさんが怯えだす。

 

「ちょ、ちょっとまって……や、やめ…。ハヤマラナイデ…!」

 

「…………許すと思います?」

 

 にっこり微笑む。

 

「こ、こわい……た、たすけてぇええええ!!!」

 

 カカサさんが家から飛び出す。それを追いかけながら叫ぶ。

 

「まてぇええ!!!わたしのドーナツかえせええええ!!!!」

 

「いやぁあああ!たすけてぇええ!!!」

 

 その騒ぎを聞きつけたムゲンたちが走ってくる。

 

「む、むげんくーん!!!たすけてぇえええ!!!ひぇえええ!!」

 

 カカサさんがすがりつく。

 

「………悪い。俺は何も出来ん」

 

「そ、そんなぁ!?…あっ…」

 

 その内に彼に追いつき、彼の服の襟を掴んで引っ張る。

 

 互いに目と目が合う。

 

「……は、はは…。ドウモーリナッチー…」

 

「ええ。こんにちわ。カカサさん…っ!!!」

 

 そして、彼らに背を向け、カカサさんを引っ張って自宅まで連れて行く。

 

「い、いやぁああああ!!むげんくんたすけてぇえええ!!!!しにたくないよぉおおお!?!?」

 

 とか、悲痛な叫びを彼が上げていた。

 

 

 

 それから、4時間、みっちり彼と話をした後、私は外に出る。

 

「はぁ………どーなつ…」

 

 泣きそうになりながら歩き出す。

 

 俯いて歩いていると誰かとぶつかる。

 

「…リナ?」

 

「あ…むげん」

 

「どうした?ドーナツ食べられなかったのか…?」

 

「…うぅ…」

 

「………ほら」

 

 彼は小さい箱を私に手渡す。

 

「え…?」

 

 その箱には見覚えがあった。冷蔵庫に入れたものと同じ…。

 

 え?同じ!?つまり……

 

 

 ドーナツ!?

 

 

 私は急いで箱を開ける。やはり、あのドーナツだった。

 

「…エトワールが必死に探してさ、店まで行って買い占めてきたんだと」

 

「……」

 

「そしたら、ドーナツの情報を教えてくれたリナさんへって渡されたんだ」

 

「……うれしい…!ムゲンより好きになりそう!!」

 

「えっ………」

 

 ムゲンが灰色になって固まる。

 

 まあ、そんなの気にせず、私はドーナツを一口かじった。

 

 

「美味しい!!…しあわせっ♪」

 

 

外伝   完

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