魔法少女リリカルなのは 赤龍の行く末 作:田中さん二郎
夜遅く、この地域では珍しくないのか雪が降っていた。この日、どこにでも居る夫婦が一つの幸せを手に入れた。それは、赤子である。新たな家族。新たな生命。奇跡にも等しいものが此処に具現化したのだ。その奇跡を手に入れた瞬間、夫婦の顔は幸福のあまり笑顔になった。なっていた。つい、数秒前は。
「産まれました!元気な男の子です!」
赤子を引っ張り出し、だき抱えて夫の宗次郎に見せる看護師。
「よく頑張った!よく頑張ってくれた!ありがとう
赤子を産むために頑張ってくれた、妻に礼を言う男性。
「赤ちゃん。赤ちゃんのお顔をみせて。」
弱っていながらも、赤子の顔を必死に見ようとする女性。
この病室の中での幸福が、雪のベールに包まれて光り輝いている様だった。
「!? 待ってくれ!赤子の心肺が弱ってゆく?!」
「どういう事!?せっかく産まれてくれた子が、死んじゃうなんて、あんまりよ...」
「どうにかならないのか?!」
「最善は尽くします!」
「そこの彼女!その子を渡しなさい。速く!」
赤子の命がかかっている。そう考えていた医者は、心臓マッサージを行おうとしていた。
「えっ、あっ、は、はい!」
しかし、それには追い付くことも出来ずに看護師は焦ってしまう。
「くっ。助かってくれよ。動いてくれ、頼む。」
医者は正確に、そして、丁寧に心臓マッサージをしていた。
そして赤子の中で眠っていた、新たな存在が目を覚ます。
「...ん?この人間は、もう死んでしまうのか?全く。新しい宿主に宿ったばかりでそれは詰まらない。...しょうがない。我が心の臓物の一つを呉れてやる。楽しませろ」
酷く詰まらなく、心底どうでもいい様な顔をしながら赤き龍帝はこれから楽しませてくれよと、口角を上げる。
これは奇跡だ。生きることの出来なかった生命がその因果を変える程の奇跡だ。けれどもこれは、災厄を呼ぶ奇跡だ。龍の奇跡を埋め込まれた彼は戦いの災厄に身を焦がす事になるだろう。
「どういう事だ!?急に心拍数がどんどん上がっていく!」
「奇跡だわ!神様が、私達の子を助けてくださったんだわ」
「ありがとう。ありがとう!神よ。我が子を救ってくれてありがとうございます!」
夫婦は目から涙を流し、我が子を助けてくれた奇跡に感謝している。
「な、なんだ。どういう事だ?こんなものは、医学的にも現実的にもありえない。」
奇跡に遭遇した医者は、信じることが出来ずに疑問に思う。
何処あるかもわからない奇跡に感謝する夫婦を他所に、これからの
これは決して、ピンクの砲撃魔王とか、金髪のえっちぃ子とか、関西弁のおっぱい魔人が主人公の話では無いのである。たぶん。
楽しんで頂けたでしょうか。楽しんで頂けたら幸いです。さて、田中さん二郎の次話にご期待下さい。バイバーい。