魔法少女リリカルなのは 赤龍の行く末 作:田中さん二郎
それでは、第三話!
ジュエルシードとはいったい何なのか。主人公がユーノ・スクライアに出会う話です。楽しんでください。
僕がよく分からない奇っ怪なものと出会ったのは、他でもないこの日の夜だったと記憶している。
僕は家に帰ってから疲れた体で階段を登り、鞄を置いて制服も着替えないでベッドに倒れ込んで寝てしまった。
そして夜。突然頭の中に拡声器が風の音を拾って大きくした様な、嫌な音が響いた。
思わず耳を塞いだ。
「っっ!」
そして、波長が合ったかのように声が響いた。
『この声が聴こえている人は、どうか、僕を助けてください。』
この声は。今日、下校途中に聴こえた声。そして、そこにはフェレットがいた。ならこの声もあのフェレットのものなのか?ならば、場所はあそこの動物病院しかない!
僕は、反射的に部屋を飛び出した。あのフェレットが助けを求めているということは、何か危険な状態にあるということ。何で動物が喋れるかは分からないけれど、助けを求められたんだから助けに行かなくちゃならない!
僕がそこに行く途中、高町と出会った。
「高町も、なのか?」
「佐藤くん、もなの?」
「とりあえず、あのフェレットのいる動物病院に行かなくちゃならないな。」
「そうだね。」
そう会話をして、動物病院に走っていった。
動物病院は無惨な姿になっていた。
「誰がこんな事を。」
「ひどいの。」
近くにフェレットが倒れていたから、抱き抱えてこう言った。
「おい、大丈夫か!?」
「それよりも、あの思念体を!」
思念体?何のことだ?僕は分からないまま、周りを見た。こちらへ走ってくる高町。所々抉れている地面。そして、真っ黒い球体のモノが居た。
「アレが、思念体なのか?」
アレが。あんなモノが、思念体なのか?思念体と言っても、いったい何の思いでこんな危ないモノができるんだ?
「危ない!」
フェレットがそう叫んだ瞬間、黒いモノが跳んできた。速い!これじゃあ、死んでしまう!運良く着地地点がそれて、目の前に落ちた。その時の衝撃で後ろに転けたが、アレも衝撃で動けないようだ。
「今のうちに、逃げるぞ!高町!」
「う、うん!」
僕は高町の手を取り住宅街の方に走り出した。
「はぁ、はぁ。これくらい逃げれば、大丈夫だろう。」
住宅街のブロック壁に身を隠しながらそう言った。
「どうやって、アレから逃げるんだ?」
「どうか。僕を手伝ってください。」
「いいけど、なにをするの?」
「貴方達どちらかに、これを持って僕が言う呪文を言って思念体と戦って欲しいんです。お礼はしますから!」
そう言って首に掛けてあるヒモから、宝石を口にくわえて外し、こちらに見せてきた。
「別に僕は動物から物を取るほど腐って無いさ。で、その宝石を持って呪文を言えばいいのか?」
「はい。」
そして宝石を手に取ろうとした瞬間、思念体が近くに来た。
「...呪文を唱えるのは高町に任せる。僕は君が呪文を唱えれるように囮になってくる。じゃあ、あとは頼んだ!」
そう言って僕は、身を隠すのを辞め前に出た。怖い。あの速さでぶつかって来るのだと思うと怖くて足が震える。けれど、ギリギリ避けられない速さじゃない。感覚を研ぎ澄まして、時間を稼ぐんだ。
...来る!僕は思いっきり右の方に跳んだ。飛んでいる途中、そう遠くなかったのか、風圧で僕は飛ばされて床に叩きつけられた。背中に衝撃が走る。痛い。僕は痛みを堪え、高町の方を見た。丁度あちらも呪文を唱え終わったようだ。高町の服が光に包まれ制服とメタリックが混ざり合った感じになっていた。
そして光の壁や、ビームを出したあと、どこかに行ってしまった。後は高町が何とかしてくれるだろう。痛む体を起こし、僕は家に歩いていった。
家に帰った時、親に怒られた。「こんな夜遅くまで、制服を着て何処を歩いていたんだ。」と。あのフェレットはどうしたのか。それだけが気掛かりだった。
次の日、昨日ぶつけた背中が痛んで学校に行けなかった。それでも親は仕事なので家で安静にしてろと、僕の背中に湿布を貼って行った。
午後になり、ベッドでずっと寝ていると家のチャイムがなった。誰だろうと痛む背中を摩りながらでた。
「どちら様ですか。」
「あ、あのう。高町なのはです。佐藤宗谷くんはいらっしゃいますか。」
「高町か。どうしたんだ。」
「宗谷くん。えっと、昨日のことについてユーノくんが話したいって。」
「ユーノ君って誰のことかは、分からないけれど、とにかく入ってくれないか。」
「お邪魔します。」
「どうも。ユーノ・スクライアです。」
「昨日のフェレットか。で、昨日の思念体ってヤツについて教えてくれるの?」
「はい。思念体と言うのは、ロストロギアのジュエルシードが暴走したものなんです。」
「ロストロギアっていったいなんだい?」
話を聞く限り、ロストロギアってのは地球を含めてのこの宇宙間で一部分に発達し過ぎた星が、今の技術では到底追い付けない物を作り、そのまま星は滅んでしまったが、その物は残っていた物のことを言うのだという。そしてジュエルシードは、生物の願いを宝石に込められた膨大な量の魔力というもので、叶える願望器だと言う。そしてそれを見つけたユーノ・スクライアは輸送船での輸送途中に船が壊れて地球にジュエルシードが落ちてきたと。
「そうか。アレは生物の願いを叶えた結果の姿...。利己的に生物としての本能を叶えた結果の姿。知能を持っている人。いや人ですら扱えない人智を超えたもの...なのか。」
「そういう事なんです。あのままジュエルシードを放っておいたらいずれ危険になってしまう。だから、僕が見つけた責任者として集めなければならないんだ...!」
ユーノは両手を強く握り、膝に置きながらそう言った。
「そうか。僕も手伝えるものなら手伝おう。」
「それは本当かい!」
「あぁ。」
そうとなったら、早く背中の痛みを無くさないとな。
僕はユーノの喜んでいる姿を余所に独りごちた。
楽しんでいただけたでしょうか。いやぁ。主人公が魔法少年にさせ無いようにするのに苦労しました。そして、主人公に無理やり合わせに行くというね。主人公の覚醒はもうちょい先ですね。あぁ、早く覚醒させてバトルを書きたい!
誤字脱字が御座いましたら伝えてくれるととても嬉しいです。
11/28 加筆修正しました。