魔法少女リリカルなのは 赤龍の行く末 作:田中さん二郎
あ。いっそのこと、全部赤龍帝シリーズにしてしまうなんてのもありだな。
まあ、そんな話はそこら辺に捨て置いて第6話「迷い」です。楽しんでいってください。
気がつけば、部屋に立っていた。部屋を見渡していると物の配置が違っているのでよく見たら他の物も自分の部屋と少し物の配置が違っている。そんな所に、僕は若干の違和感を感じた。
「こんな所に立っているのもなんだし、部屋を出ようか。」
そう思い至った僕は、若干の違和感を胸に秘めてドアノブに手を掛け、ドアを開けた。部屋の外に出てみると、若干だったはずの違和感が膨れ上がったので思わず後ずさってしまった。どうしてなんだろう。階段の物の配置などは変わっていなかったはずなのに膨れ上がった違和感は。そう疑問に思ってしまった僕は部屋の外に出て違和感の元を探す足を止めることが出来なかった。
「どうやら、違和感の元は階段の下にあるようだな。」
すべての部屋を調べた僕は、違和感の元は階段の下。つまり一番下の階、地下一階にあることが分かった。無いはずの地下一階に対し、僕は途轍もない違和感を感じた。階段の前に立ち、暗い階段の先を見ると、全身から冷や汗が出て、呼吸が荒くなってくる。まるで僕という存在が、この先にある物を見てはいけないと言っているようだった。
「だけど、そんなに拒否反応を起こされるとこの先にある物に対しての違和感がどんな物か知りたくなっちゃうじゃないか。」
そう、愚かな考えに至った僕は階段の下の地下一階に降りていった。
地下一階は岩のレンガに覆われていた。石のレンガ、石レンガには所々苔が生えていて不気味さを醸し出していた。その先にあるのは一本道だったのでそのまま歩いていった。歩いて行くと、ドアが一枚あった。ここで行き止まりなのだろうか。
「この先が違和感の元がある所なのか。」
ドアの前に立ち、ドアノブに手を掛け思い切ってドアを開けた。
ドアを開けた先にあったのは、一脚の椅子と薄そうな布団のベッドとそして。
「僕なのか?此奴が僕なのか?」
血まみれで立っている僕の姿だった。もう一人の僕の腕は龍の鱗で覆われていて。
信じられなかった。信じたくなかった。僕の使っている力がこんなにも恐ろしいモノなんて。
足元でモゾッと何かが動いたので反射的に見てしまった。その動いた物は、紛れもなくもう一人の僕に腹を貫かれた親の姿だった。そして貫かれた腹から出た血の臭いは部屋の中に充満していて僕の所にまでやってきた。
「うわあああああぁぁぁ!」
僕は叫び声を上げてしまった。いや、上げずには居られなかった。腹を貫かれて瀕死の状態の親なんて見たくなかった。しかも、僕に貫かれた姿なんて...!
僕の目の前は急に暗転した。
「っは!」
目が覚めた。朝だ。朝の日差しが眩しく入って来るそよ風が、汗まみれの僕に当たりとても涼しく感じる。
「何だったんだあの夢は。」
僕は先程の夢の内容を思い出していた。龍の鱗を腕に纏った僕と、腹にそれで貫かれた親。
僕が使っていた力というのはあんなにも、恐ろしいモノだったなんて。どうして僕はあの時あんな力を望んだんだ!
あの力を望んだお陰で僕は今、生きることが出来ている。けれど、それは正しい事だったのか?
「宗谷、いつまでも降りてこないから心配したわよ。って、どうしたのその血の気のない顔!?」
そうやって考えているといつまでも僕が降りてこないのか、お母さんが心配して、僕の部屋まで入って来た。
「お母さん...。ちょっとね。」
「今日は学校を休みなさい。お母さん達が居ない間に体調が悪化しても大変だから。」
そう言って、お母さん達は学校に連絡を入れて仕事に行ってしまった。
僕はベッドの上で寝っ転がっていたが、寝てしまうとまたあの恐ろしい夢を見てしまいそうで僕は、寝れずにいた。
夕方になっても僕は何もする気がなく、ずっとベッドの上で寝っ転がっていた。
何もする気がなく部屋の天井をずっと見ていると家のチャイムが鳴り響いた。何も音がない家の中では広く響き、余計に孤独さを感じた。僕はベッドから起き上がり、部屋を出、階段を降り、2回目の鳴り響くチャイムの音を聞きながら、ドアの前まで歩いて行った。
「...どちら様ですか?」
チェーンをドアに掛け少しだけドアを開けた僕にチャイムを鳴らした人であろう、少女が喋りかけてきた。
「宗谷くんのお友達の高町なのはですけれどって!?宗谷くんその顔どうしたの?!」
「まぁ、ちょっとな。どうする、上がるか?」
「うん。じゃあ、そうする。」
そう言われドアのチェーンを外した僕は、高町を家に迎えた。自分の部屋に入り座った僕達は話し始めた。
「すまないな。今日は体調が悪くてジュエルシードを集める事はできなさそうだ。」
「体調が悪そうなことはそのお顔を見て分かるから大丈夫。今日はユーノ君と一緒に探すよ。」
「そう言えばユーノはどうしたんだ?」
「ユーノ君はお家でお留守番。これから帰って一緒に行くところなの。」
「そうか。あの、もう一人のジュエルシードを集めている少女に気をつけろよ。」
「うん。分かった。宗谷くんも体をおだいじにね。」
帰るための支度をしている高町を見ているとふと、ある事を言い忘れていたのを思い出した。
「高町。」
「どうしたの?宗谷くん。」
「言い忘れていたんだが、今日は来てくれてありがとうな。お陰で少し気が楽になった。」
「どういたしまして。それじゃあ、じゃあね。宗谷くん。」
「あぁ。またな。なのは。」
どうやら、今日は少しゆっくり休めそうだ。僕は名前で呼ばれて驚いているなのはを見てそう思った。
次の日になり、体調が回復した僕は学校に来ていた。
「おはよう宗谷くん。」
学校に来て最初に話し掛けてきたのは、なのはだった。
「なのはか、おはよう。」
「宗谷くん、もう学校に来て大丈夫なの?」
「あぁ。体調は回復したから学校に来た。いつまでも寝て入られないからな。」
「そうなんだ。でも、まだしっかり回復したわけじゃないから気をつけてね。」
「心配してくれてありがとう。今日もジュエルシード、集めるんだろ?」
「うん。」
「分かった。じゃあまた、放課後な。」
そういった具合に話した僕達は各々の教室に戻っていった。
放課後になり、僕はなのはと待ち合わせしてジュエルシードを探しに行った。
「ジュエルシード、全然見つからないね。」
「そんなに簡単に見つかる様ならこんなに苦労してないだろ。」
「宗谷、なかなかに
「そういえば、昨日あの少女に出会ったのか?」
「ううん。出会ってないよ。」
「そうか、なら良かった。」
こういうたわいの無い会話をしていると草むらの中でキラリと光ったのを見つけた。不思議に思い、近づいて草むらをかき分けるとジュエルシードがあった。
「おーい。なのは、ユーノ、ジュエルシードあったぞー。」
「え!本当!」
「それは本当かい、宗谷!」
二人の顔には喜びの表情が見え、こちらに駆け寄ってきた。
「あ、本当だ!」
「じゃあ、早速封印しないとね!レイジングハート、セーットアーップ!」
「ジュエルシードは渡さない!」
なのはがジュエルシードを封印しているのを見ていると、あの時の少女とアルフがやってきた。
「フェイト。あの黒髪のガキんちょの方は危ないよ。」
「分かった、アルフ。気をつける。」
「ユーノ、結界を速く!」
「分かってる!」
ユーノが結界を貼るには僕が時間稼ぎをしなければならない訳だけど...。
「結界は貼らせないよ!」
「させるか!」
「またあの奇妙な力を使う気かい!させないよ!」
あんな力を使ったら周りにいる人達全員を殺してしまいそうで、僕は怖いんだ。だから、あんな力、使えるわけがない。
「僕はあんな力は使わない!」
「そうかい!なら先に倒れな!」
そう言ってアルフは僕に向かって一瞬で走ってきた。噛み砕かれて僕は死ぬのか。
「そんな事はさせない。」
『Round shield』
そう言って、僕の目の前に急に現れた少年は魔法を発生させて走ってきたアルフの事を止めた。
「時空管理局次元艦船アースラ執務官クロノ・ハラオウンだ。管理外世界への無断渡航。そして、第97管理外世界地球の民間人の殺傷未遂で君達を捕縛させてもらう!」
「っ管理局!フェイト!逃げるよ!」
「分かった、アルフ!」
「そう易々と逃がすと思ったか!」
『Arrest bullet』
そう、少年が持っている機械が言った瞬間、周りから青色の球が出てきてアルフと少女に飛んでいった。少女の方は素早く回避したがアルフの方は避けられず当たり、球は形が変わり捕縛するような形になった。
「アルフ!」
「フェイトだけでも逃げて!」
フェイトと呼ばれていた少女は、こちらを睨んで逃げて行った。
「さぁ、アルフと呼ばれていた使い魔と、そこの君達、僕と一緒にアースラに来てもらおうか。」
「分かりました。そこで事情を説明します。」
そう言って僕達は次元艦船アースラに入る事になった。これから、どうなるのかは想像もつかなかった。
はぁーあ、やっと出来た!いやぁ、今回はこの前言っていた文に間を入れてみました。どうですかね、読みやすくなりましたか?感想で教えてくれると嬉しいですね。そして、初登場のクロノくん。初めて魔法を考えて見ました。オリジナル魔法ですね。まぁクロノなら考えていそうですがね。誤字脱字報告してくれると嬉しいです。それでは、また次話で。
用語(また、簡単なものですが。)
Round shield…丸い盾。直訳ですね。物理だと少し破られにくい性質を持っています。
Arrest bullet…捕縛弾。またしても直訳ですね。対象に当たると捕縛するような形に変形するのが特徴です。
12/17修正いたしました。