東方異心伝   作:glaci

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この小説を見ていただきありがとうございます。まだ書き始めで、小説のこともほとんどわからないのですが友人からのアシストなどを受けて作成しました。元は、自分の頭の中で考えたストーリーがパンパンになってきたのでWordとかで書いていたところ友人にそのことを知られ「小説を書け!」と言われたので書きました。何話か作ろうと思います。何かおかしな点があったら是非教えてほしいです。


序章 記憶を残した「誰か」を探して
第一話 始まりは突然に


気が付いたら僕はそこにいた。

突然目の当たりにした景色は、一瞬にして風の音と驚きによってかき消された。

「うわああああああ!」

驚いた僕はこの状況を打破すべく急いで自分の持ち物を調べた。

「何か、何かないの!?急げ!」

腰につけていたポシェットを探ると何かを触った感触が走る。

「なにこれ!?か、カード!?」

僕はそのカードに視線を向けた。すると、カードよりも手前に光の文字が見えた。

「え、光の文字!?どうすればいいの!?」

しかし、僕はそれを読む暇もなく、読み流してしまい、目に飛び込んできたのは『飛ぶ』ということと『記憶』ということのみだった。

「飛ぶ?記憶?飛べるなら何でもいい!お願い!何か起こって!」

景色がひっくり返って見えた。本当に突然何も知らずにこのまま・・・。

「ぎゃああああ!」

と思った瞬間だった。体に走った感覚は、痛みではなくふわりという痛みには程遠い感覚だった。そして、またも驚きを覚えた。自分の体が浮いていたんだから。

「浮いてる?助かったの?」

まだ慣れていないせいか不器用に飛んでいく。

「おっと、どうやって飛べば・・・」

もちろん浮いた記憶など一度もない。だが、それは頭の痛みと同時に違和感へと変わった。

「いたっ!あれ?このカード見たことあるし、浮いたこともあったような・・・気がする?」

なぜだろう、さっきまでの自分がおかしく思えてきた。このカードを使ったのが初めてなわけがない。

「う~ん、記憶がいまいち思い出せないなー」

しかし、このカードについてまだ思い出せそうで思い出せない何かがある。けれど、思い出せることはまだある。ここが『幻想郷』という場所だという事だ

 

理解しきれていない。まだすべてを。記憶を掘り起こそうとしたが何も思い出せない。

「持ち物から何か思い出せないかな?うわっ!」

また、目の前に光の文字が現れた。今度はもっと長い文章で。

「なんだこれ?記憶データ?」

僕はそれを読み始めた。

「データファイル01 製作者:不明 名前:六重 雪華(むがさね せつか) 性別:女 種族:人妖 

身長:165cm 運動神経:やや高め 学力:平均的 特技:弓 能力:感情操作(怒り・悲しみ) 保存能力:記憶・飛翔 関係者:データ破損または削除  性格:温厚・データ破損または削除 その他:記憶はこのカードに記憶しなくてはいけない・能力は戦闘データにより取得・・・か、なんだろこれ?」

長く細かく誰かが見ていたかのような情報が見えてきた。

「これって、僕の事?僕は『雪華』というのか!なんとなく記憶がこみ上げてくる気がする!」

自分という存在についてようやく理解し始めた、そんな感覚だった。

「自分の事はよくわかったけど・・・破損とか削除?何を消しちゃったんだろ?これを書いたのは誰なんだろ?僕のことを良く知ってる人かな?」

そんな時、ある考えが浮かんだ。

「そうだ!これを書いた人がいるなら僕を知っている人がいる!だったらその人を探せばいい!人通りの多いところを探そう!」

僕は人通りの多い所を不器用に飛びながら探した。少々ふらついたりするが、目的地を探すのには十分だった。

探索開始から数分が立ったその時、突然目の前に何かが自分の方に猛スピードで突っ込んできた。

「いたっ!」

目の前が真っ暗になった。頭で音が反響する。体が重力に任せて落ちていくのを感じる。

「いたた・・・何が起きたんだろう・・・」

目を覚ますとそこにはぶつかった張本人と思われる『人』がいた。頭が痛い。相当なスピードでぶつかったことは痛みで分かった。数秒後その『人』がばっと起き上がった。その時彼女の背中に見えたのは黒い翼だった。どうやら彼女は『人』ではなく『妖怪』と、とらえた方がよさそうだ。

「いやー、またやってしまいましたねー」

彼女は少し笑いながら呟いた。

「あのー、あなたは妖怪なんですか?」

「どっちかっていうと、鴉天狗なんですけどね」

天狗。聞いたときは少し驚いた。イメージとなんとなく違う気がしたからだ。

「えっと、ぶつかってしまったのはあなたでしょうか?」

「えっ、まあ、はい」

「すみませんでした」

と、丁寧な口調でこちらに謝罪をしてくれた。

「何かお詫びとかをさせていただけないでしょうか」

「じゃあ、人のいるところに案内していただけませんか」

人妖なので見た目が心配だったが、天狗が普通にいる場所だ。大丈夫だろう。

僕と天狗の妖怪は、同時に空へ飛び出した。

「申し遅れました。私の名前は射命丸 文。幻想郷で知らない人などいないと思っていたのですが・・・」

「あ、えっと僕の名前は六重 雪華です」

「あなたあまりこの辺りでは見かけない顔ですね。どこから来たんですか?」

「それが、僕自身にもあまりよくわからないんです」

僕は、ここまでで起きたことを詳しく話した。

「あなたカード一枚だけで空を飛んでいるんですか?それどんな仕組みなんですか・・・」

「このカードについて分かることはとても少なくて、記憶を保存できる位しかわからないんです」

「さっきの話を聞くと、なぜここにいたのかすらも・・・」

「はい。分かりません。ところで、あなたは何をしていたんですか?」

「ネタ探しです!こう見えても新聞記者なので!」

新聞記者。この世界のあらゆることを知っていてもおかしくはないと思ったが、さっきから僕のことを知らなそうなので自分について聞くのをやめた。

「お、もう見えてきましたね」

「あれが・・・?」

「人里という場所です」

そうこうしている内に『人里』という場所に到着した。

「じゃあ私はこれで、妖怪とか巫女には気をつけてくださいね」

そう言い残してどこかへ行ってしまった。

「巫女?」

気にはなったが今は目的を達成することにした。

まずは、人里を適当に歩いてみることにした。にぎやかな声と建ち並ぶ店や家。思い当たるものは何もない。声をかけられることもない。数時間が立ち、のどが渇いたので、近くにあったラムネ屋に入ることにした。しかし、入ったのはいいもののお金が無いことに気づく。

「しまった!」

思わず声が出てしまった。焦っている内にもう辺りが赤く染まってきている。すると大通りの方で不穏な空気が流れ出し、悲鳴が聞こえてきた。様子をうかがいに外へ出てみるとそこには暴走している妖怪がいた。

「なにあれ!」

その妖怪はこちらに目を向けるとものすごいスピードで襲い掛かってきた。

「きゃああ!来ないで!」

内心とても怖がっていた。身の危険が迫っていた。しかし、手を打つすべもなく、地面に勢いよく押し倒される。

「いたっ!」

頭を打ったせいで意識がもうろうとする。もうろうとした景色の中見えたのは、白と黒の『魔法使い』の格好をした少女だった。

「ま・・ほう・・つかい?」

そこで、僕の意識は途絶えてしまった。

 

 

      

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