とある魔術と科学の情報操作《インフォメーション・オペレート》   作:新名樺太守

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後悔も反省もしている・・・。

昔、にじファンに投稿していた作品を多少リメイクしております。


反応いただけたら嬉しいです。


001

―――ここは教育機関や研究機関などが多くを占める学園都市。

 

 総人口約230万人の新世代型都市である。その技術力の開きは学園都市内部とその他の外部とでは約20年から30年程もあるとされ、今日の地球科学力の頂点に君臨している。

 

 さらに発達しているのは技術力だけではない。

 この都市の最大の特徴は、特殊な能力を持つ学生。つまりは超能力者を育成している点である。総人口の約8割が学生で構成されており、それと比べると大人の姿は少ない。

 能力者は6つの能力レベルに分けられ、下から無能力者(Level.0)低能力者(Level.1)異能力者(Level.2)強能力者(Level.3)大能力者(Level.4)超能力者(Level.5)となっている。

 生徒たちはそのレベルに見合った学習環境を提供されており、生徒の能力を開花・発展させることに重点を置いている。

 しかし、その内の6割がLevel.0の所謂、無能力者であり、ましてやLevel.5の超能力者など世界でもたったの7人しかいない。

 その世界に7人しかいない超能力者(Level.5)は、ここ学園都市にしかいない。そんな華々しさを誇る学園都市にも光があれば影もある。

 

 そう。

 

 まさに、この様に・・・

 

 

 

 

 

 辺りも夜が更け、俗に草木も眠る丑三つ時とも呼ばれる時間帯。そこに学園都市の裏側があった。

 

「はっ!今回のターゲットはLevel.5っつーからどんな奴かと思いきや、こんなグズだったとはなぁ。こりゃ拍子抜けだ。・・・おい、テメーら。今回の依頼主の研究者共が生け捕りにしてこいっつーコトだったから、あんまりやりすぎてぶっ殺しちまうんじゃねーぞ!?」

 

 ひとりの少年を取り囲んでいる集団のリーダー格のこれまた少年が下品な笑いを浮かべてそう言う。その腕には体をグッタリとさせて気を失っているであろう少女があった。

 

「よくゆーぜ。人質を取った上に大能力者級の能力者10人で取り囲みやがって・・・。仮にもこっちとら風紀委員(ジャッジメント)やってんだ。人命救助を優先するしかねーだろうが」

「あぁ?やっとこさ降参する気になったか?あーつまんね。テメェはもうチッとは抵抗するとかカッコ悪く悪足掻きするとかっつーの知らねぇの?」

 

___既存能力情報書庫(スキルデータバン)内よりNo.3を能力情報導入(スキルデータインストール)

 

「っはぁ~・・・あのさ」

「あん?」

「誰が降参だなんて言ったよ?お前の相手()が第2位だってこと忘れたわけじゃねーだろうな?」

「はぁ?テメェこの状況でナニほざいてやが!?」

 

 る。とでも続けたかったであろうその文を最後まで言い終える間も無く自身の腕にあった重みが急に無くなったことに気がついた。

 

「学園都市の第2位の能力は情報操作(インフォメーションオペレート)。その能力の使い方次第では他の能力も行使可能。云わば万能能力者(ユニバーサルスキラー)だ。そこんとこ忘れてたわけじゃねーだろーな」

 

 そういう少年の腕にはさっきまでは無かった少女が眠っていた。

 

「クソッ!!だが、囲まれてることに変わりはねぇ!!全方位から一斉に攻撃しちまえ!!」

 

___現在、導入(インストール)中の能力情報(スキルデータ)解除(キャンセル)

___自身を中心に半円形の情報障壁(インフォメーションシールド)を展開

 

 それは、少年を優しく包むようにした膜がうっすらと浮かび上がった。しかし、その見た目とは裏腹に物凄い防御力に長けているようでもあった。包囲され全方向からの、しかも種類がバラバラな超能力的攻撃にも耐え続けている。

 その実態は、既に解析済みの超能力を一旦情報化し、そして情報化されたものを全て削除(デリート)されていくという至って単純(シンプル)な構造だ。

 

「クソッ!クソッ!クソッ!!何故だ!?何故当たらねぇ!?」

 

 明らかに動揺し焦りの見えてきたリーダー格の少年は、攻撃の方法を能力の使用から、銃器・・・拳銃の使用に変えていった。それを期に周りの仲間たちも攻撃方法を変えるが、

 

___現在、展開されている情報障壁(インフォメーションシールド)を一部解除(キャンセル)

___そのまま情報反射(インフォメーションリフレクター)を展開

 

 取り囲まれている少年に向かって飛んでくる計10の弾丸は入射角をそのまま逆再生されたかのように戻ってゆく。そして、そのまま銃弾を発射した反動で多少上を向いている各々の拳銃にあたり、取り囲まれている少年に合わされていたすべての銃口が地面に弾かれた。

 それにより、少年を取り囲んでいた集団の殆どが戦意を消失させ、これから受けるであろう一方的な戦闘からの恐怖か、又はそれから来る死というものの恐怖か、恐らくそのいずれかによって腰を抜かしていた。

 

「お前らの敗因はただひとつだ」

 

 さっきまで取り囲まれていた少年は口を開く。

 

「情報操作オレを甘く見ていたこと・・・いや」

 

        勝利宣言という名の、

 

「オレを敵にまわしたことだ」

 

                死亡宣告を・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――大気がじめじめとし、四季的には春と夏のちょうど中間ぐらい。梅雨前線が日本の上空で停滞している時期。所謂、梅雨。

 

 そんな時に学園都市第18学区方面風紀委員会本部にあるとある一室に彼、久遠隆盛はいた。大量のコンビニで買ったであろうスイーツのゴミと一緒に。

 

 

 

ヒュゥン!

 

 いままで気配がひとつしかなかったこの空間に突如として現れた存在がいた。

 

「またこんなにも散らかして・・・。これじゃあまるで武装無能力集団(スキルアウト)の溜まり場と大して変わらないじゃありませんの」

「ん?・・・んぁ?・・・・・・あぁなんだ黒子か」

 

 そう、その半ゴミ屋敷化したその部屋にたった今現れたのは、名門常盤台中学の空間移動能力者(テレポーター)である白井黒子であった。

 

「なんだ黒子か・・・じゃありませんの!今日は私達、第177支部と第18学区本部が合同で武装無能力集団(スキルアウト)を摘発するという・・・」

「なんでさ。第一、武装無能力集団(スキルアウト)の摘発って警備員(アンチスキル)の仕事だろ?・・・それに今日は、雨だぜ?」

 

 と言って、室内であるにも関わらず手の平を返し雨を確認するポーズをとる。それに呆れた顔をし、黒子は反論を続ける。

 

「雨天延期なんていう連絡は受けてはおりませんわよ?それに、この前の会議で雨天でも決行すると決めたのは先輩ではなくて?」

 

 完璧に言い返した黒子がここぞとばかりに隆盛に眼力を送る・・・が、

 

「・・・ぐぅ」

 

 寝ていた。いや、正確に言うと寝たフリをして誤魔化そうとしていた。

 

「そういうくだらない子供染みた行動はやめてくださいな。いつまでも寝てないで行きますわよ!」

 

___既存能力情報書庫(スキルデータバンク)内よりNo.3を能力情報導入(スキルデータインストール)

 

 未だ寝たフリをしている隆盛の首根っこを捕まえて空間移動(テレポート)の演算を開始した黒子だったが、

 

「・・・って、あら?」

「オレの首根っこ掴んでナニ固まってんだい?黒子」

 

 そう言った隆盛の顔はニヤニヤと笑っていた。

 

「貴方は一体なにを・・・」

「AIM拡散力場だよ。空間移動能力者(テレポーター)は、他の空間移動能力者(テレポーター)に直接能力を行使することができない。その能力上の性質を利用しただけ。んじゃ、オレを転移(テレポート)できなくなった黒子は放っておいて、目覚ましのチョコレートを・・・」

「フッ・・・フ、フフフフフ・・・・・・」

 

 明らかにおかしな笑いを浮かべている黒子だが、そこそこ高級なチョコレートに舌鼓をしようとしている上機嫌の隆盛の耳には届いていない。その背後に真っ黒でドス黒いオーラを纏った魔の手が差し掛かっていた。

 

「別に貴方など能力を使って連行する必要もありませんわ。黒子が直々に連れていって差し上げますの」

 

 その台詞がその部屋で最後に聞こえた人語であった・・・

 

 

 

 

 

 時間は進み某学区内の某所。

 

 そこにはさっきまではここ最近活動を活発化させてきた武装無能力集団(スキルアウト)の溜まり場とも言うべき施設(アジト)があった場所であった。しかし今は、それがここであった気配を微塵も感じさせないほどに人気がなかった。

 もちろんさっきまでは、摘発後の喧騒があったにはあったのだが、いつもの武装無能力集団(スキルアウト)らしい元気はなかった。

 それもそうだろう。いきなりやってきた能力者である風紀委員(ジャッジメント)建物(アジト)ごと彼らの戦意をぶっ飛ばしてしまったのだから。

 

「全く・・・どうやったらこのような能力者が生まれてくるのでしょうか。黒子は先輩を見ているとたまにそう思うことがありますの」

「どうやってって・・・そりゃあ、男と女が《バキューン!!》して《バキューン!!》して上手くいったら妊娠して」

「別にそういうことは言わなくていいんですの」

 

 目で人を殺せそうな視線を受けた隆盛は、先程建物をぶっ壊した人物と同一人物だとは思えないほどにたじろいでいた。

 

「だけどな、オレの情報操作能力(インフォメーションオペレート)は、まだまだこんなもんじゃないんだ。一応、学園都市からは超能力者(Level.5)だっていう認定は受けてはいるけど、こんなもん情報操作能力(インフォメーションオペレート)にしてはまだ53.27%から56.04%の完成率でしかない。云わば人間の超能力者で情報操作能力(インフォメーションオペレート)を扱える限界点(情報操作能力(インフォメーションオペレート)での完成形(Level.5))まではまだまだ遠い。今はいいトコLevel.3くらいか」

「何をおっしゃっていますの。貴方がこれ以上強くなられたら黒子が困りますの。貴方の独断専行や職務怠慢を抑えるのが後輩風紀委員(ジャッジメント)である黒子の役目ですから」

 

 隆盛と黒子の関係を説明するには少々時間を遡ることになる。

 

 それは黒子が小学校5年生、隆盛がまだ中学校に上がったばかりのことであった。まだ研修を終えたばかりであった新人風紀委員ジャッジメントの黒子に先輩として御世話係を任されたのが隆盛であった。通常は約3ヶ月間ほど相方パートナーとして活動するのだが、黒子の場合は風紀委員ジャッジメントになった年齢が周りよりも幼かったため約半年間もの間、一緒に風紀委員ジャッジメントの活動を行なっていたのである。

 

「ですから貴方も私の仕事を減らせるように頑張ってくださいな」

「へいへい」

 

 隆盛のテキトーな返事に「全然わかってませんの」と黒子が呟く光景も昔からあまり変わっていない。

 

「ところで、無事作戦も終了したし腹も減ってきたってことでメシ食いに行かね?」

「そうですわね」

「ほら、初春も誘ってさ」

「・・・・・・そうですわね」

 

 いや、少しは変わったのかもしれない。

 

「(ぜぇーったい、財布を空っぽにしてやりますの)」

 

 今、黒子の胸の内に宿るのはちょっとした嫉妬の火・・・なのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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主人公紹介 第一弾

 

 

   久遠隆盛(くどうりゅうせい)(15)

 

所属:長点上機学園附属中等学校3年B組 第18学区本部所属の風紀委員(ジャッジメント)

   第2位 情報操作(インフォメーションオペレート)

 

能力:超能力者 万能能力者(ユニバーサルスキル)

    情報操作(インフォメーションオペレート)Level.5

     情報結合(データリンク)

      空間を点と点で結び、自己領域を設定し、情報操作が自由に効く空間を創る。

     情報制御(インフォメーションコントロール)

      主に情報結合と同時に使う。

     情報消去(データデリート)

      物理的な物を空間から削除する。

     情報反射(インフォメーションリフレクター)

      相手からの物理的な攻撃を反射する。

     情報障壁(インフォメーションシールド)

      一定範囲にバリアを張り、相手の攻撃から身を守ることができる。

     情報連結(フィーリングケーブル)

      特定された個人との五感を共有するためのケーブル。

     情報遮断(インフォメーションシャットアウト)

      不可視遮音フィールドで、その効果範囲内の者は外からは見つけられることがない。

     能力情報複写(スキルデータコピー)

      超能力又は魔術を情報化し、コピーできる。

     能力情報保存(スキルデータセーブ)

      情報化し、コピーした能力を保存し何時でも行使できるようにする。

     能力情報導入(スキルデータインストール)

      コピーした能力を実際に行使する。

     情報爆発(インフォメーションフレア)

      自分を中心に半径10kmの範囲で、ネット回線の繋がっている電子機器を全て破壊できる。

 

補足①:情報結合(データリンク)情報制御(インフォメーションコントロール)によって出来た空間を情報制御空間(インフォメーションコントロールエリア)と言い、通称絶対領域(インビンシンブル・テリトリー)と呼ばれる。

補足②:主な複写能力情報(コピースキルデータ)一覧

    No.1 - 一方通行(アクセラレータ)

         Level.5相当。ベクトル操作系統能力。

    No.2 - 超電磁砲(レールガン)

         Level.5相当。発電系統能力。

    No.3 - 時空転送(テレポーテーション)

         Level.5相当。空間移動系統能力。

    No.4 - 火焔放射(フレアバーナー)

         Level.5相当。発火系統能力。

    No.5 - 浄天神眼(クレヤゴッドアイ)

         Level.5相当。透視系統能力。

    No.6 - 絶対零度(アブソリュートゼロ)

         Level.5相当。氷結系統能力。

    No.7 - 重力掌握(コラプサーエンペラー)

         Level.5相当。重力操作系統能力。

 

説明:学園都市唯一にして最強の情報操作系能力者(インフォメーションオペレーター)。第18学区本部内にある部屋を私物化し、そこで生活をしている。基本的には学校に通っておらず、第7学区第177支部所属の風紀委員(ジャッジメント)白井黒子には「風紀委員(ジャッジメント)内で一番、一般生徒の見本とならない風紀委員(ジャッジメント)」とまで言われている。演算が複雑な上に多様化出来る為か甘いものが好きで、部屋の中はいつもチョコレートやアイスクリーム、ケーキなどといったスイーツのゴミが散乱している。但し、人が入ってくると能力で消滅させる為、さほどその認識は広がってはいないが、空間移動能力者(テレポーター)の大能力者である白井黒子は認知している。周囲の評価は「半自宅警備員」であるが、しかし意外なことに顔は広く、科学サイドの表にも裏にも魔術サイドにも知り合いがいる。

 

 

 

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