とある魔術と科学の情報操作《インフォメーション・オペレート》 作:新名樺太守
ご拝読ありがとうございました!
前回のアレは、何処からが夢で、何処からが現実か。という明白な境界線は線引きしないことにしておく。
「なるほどな。謎の
「そう。不明瞭な依頼だけど、ギャラは悪くないし、やる事は単純でしょ」
「まぁな」
「じゃ、チーム決めるわよ」
後から考えると、これがフラグだったのだろう。いや、というよりは、この依頼を受けてしまったこと自体が不幸の始まりだったのかもしれない。・・・まぁ尤も、こうなることがこの世界の真理なのかもしれないが。
今回の依頼内容は、2つの施設の同時防衛戦だ。何やら今まで20近くあった同系統の実験研究施設が、この2つを残し、壊滅させられたらしい。それで焦った研究者共は学園都市上層部に掛け合って、隆盛たち暗部組織の『アイテム』へと依頼がまわってきたらしい。らしいというのは、『アイテム』と依頼人との間に仲介人が入っているため肝心な部分以外はぼかされたりするのである。
ところで、そのチーム分けの結果がどうなったかというと、施設Aにはフレンダが、施設Bには最愛と隆盛が、遊撃隊としてキャンピングカー待機に麦野と理后という風になった。
「此処ですね」
「だな」
隆盛と最愛は施設B、正式名称Sプロセッサ社脳神経応用分析所に着いていた・・・
そんなことは兎も角、今回の防衛施設であるSプロセッサ社脳神経応用分析所の所長らしき人物との顔合わせをしていた。
「君たちが私達が要請した『アイテム』かね?」
「超そうなりますね」
「それよりも施設の説明をお願いします。でないとどのような作戦が一番効率の良いか検討の仕様がありませんから」
「はい。ではこの施設の内部構造は―――」
それからはある程度の施設内部の構造や非常口、それから此処の施設の
ピッ!ザ、ザザー
『もしもし久遠さん。超聞こえてますか?』
別れて数分後、最愛は仕事用の無線機を使って隆盛と連絡を取っていた。
「最愛か。どうした?何か問題でも起こったか!?」
その作戦が始まってすぐの連絡に神経を尖らせる隆盛。
『いえ、特には超なにも起こってないんですが』
「あ・・・そう」
なら無線使うなよ。ちょっと心配したじゃねーか。と、思う隆盛である。
『・・・ちょっと超冷たくないですか?』
「いや別に。っつーか、何故に
『あ、それはですね。この前見た映画で、戦闘中に無線機で超愛を囁きながら死んでいく超バカップルの映画を見ましてね』
「それ、只の死亡フラグじゃねーか?」
流石は最愛の見たC級映画だ。
「それでどうなったんだ、それ」
『えぇモチロン超死にましたよ?』
「死んだんかい!」
それはそうだろう。此処、非常識な人間の
『それはもう超ベタベタな感じの終わり方でしたね』
「うん。大方の予想はついたから皆まで言うなよ?」
『そう言えば次回作は、死んだ主人公の超彼女が敵軍に復讐に行くんでしたっけ?単騎突撃で―――』
「(もう何も言うまい・・・)」
ちなみに
『―――で、ですね。って久遠さん?超聞いてますか!?』
「ん?あぁわり。音声遮断してた」
『それ超嘘ですよね。今、超普通に反応してましたし』
「・・・・・・それはさておき」
『超話を逸らしました!?』
カツン・・・
無線の中で足音が反響する音が聞こえた。
「最愛!」
『えぇ。麦野の読みは超当たっていたようですね』
それを進言したのはオレなんだけどな。と、心の内で呟く隆盛。それと同時に、無線の中で『ガンッ!』という何かが強くぶつかった音が聞こえた。無線の中からは最愛の声が聞こえてくる。
『先程、ここの所長っぽい人に聞きましたが、データ類の移送が完了するまでは、ここへの立ち入りは超禁止とのことでした。襲撃者は単独犯であると推測されていましたが、一方の襲撃が超陽動である可能性を捨てるべきではない。防衛組はもう一方の施設襲撃の報を受けても対処は遊撃隊(麦野たち)に任せて自陣を超堅守すること』
___座標(***,***,***)に
隆盛は、襲撃があったと見られる最愛の元へ
隆盛は襲撃があったと見られるSプロセッサ社脳神経応用分析所の地下にある
「大丈夫か?最愛」
「はい。久遠さん」
この返事を聞いて某オカルト番組を思い出したのは隆盛だけだっただろうか。ここは天下の先進科学の塊、学園都市である筈なのに。
「んじゃ
「はい」
と最愛が返事したそのときだった。
ガゴンッッ!!
最愛に捉えられていた襲撃者が変なスイッチを押し、最愛がその機械ごとぶっ壊したのは。そしてその大型PCの画面が変わる。
___インストールが完了しました。ミサカネットワークに接続しています。
「(みさか、ねっとわーく?)」
聞き慣れない言葉に上手く脳内変換できない隆盛。
___接続がネットワーク側から中止されました。
___Error.Break_code_No19090.
___WARNING!(警告)
___上位個体20001号のものでないコード.
「(じょうい、こたい?)」
これも聞き慣れない言葉だった。
ビィッッー!!!ビィッッー!!!
異常発生のサイレンが鳴り響く。
「よく分かりませんが、あなたの目論見は超無駄だったようですね。上に超連行します」
最愛が無慈悲に(まぁ襲撃者相手だから当然だが)そう言い放つと、近くで待機していた『アイテム』の下部組織の連中が襲撃者を引っ立てようとしたその時。掴まれた白衣を蜥蜴の尻尾にして拘束から抜け出し、身体の何処かに隠し持っていた拳銃を最愛に突き付けた。逃げられた下部組織構成員はもう一度取り押さえようとするがその前に、
「動かないで」
ピタリと構成員の動きが止まった。襲撃者は言葉を続ける。
「出来ればこんなもの使いたくはなかったわ。今だけ、退いてちょうだい・・・」
銃口が最愛の頭に突きつけられる。
普段ならそんな光景が自分の目の前で行われていたら、脳内回路がプッツン逝って半殺しにするであろう隆盛もまだ動けていない。
「超聞けませんね」
最愛が襲撃者の言葉に反抗する姿勢を見せると、襲撃者は威嚇、牽制の為の引き金を引いた。
タァンッ!
その音(銃声)を聞いたのと同時に、隆盛はやっと動いた。
「な!?」
発砲した襲撃者は驚愕する。
「危ねーなぁ。幾ら最愛に銃撃は効かないとはいえ、やっぱオレの大切なモンを撃たれんのは見たくねぇ」
何故なら恐らく
「久遠さん///」
その場で場違いな反応を見せている通称、乙女チックモードの絹旗最愛を除き、この場の空気は絶対零度にまで達しそうな勢いで凍えていた。
「な、なぜ」
「あ?あぁ、これはな、最近できるようになった
そんなことは、どうでもいいんだ。と隆盛は続ける。
「それよりもそこに寝かされてる奴に見覚えがあって、尚且つさっき画面に表示された“ミサカ”っつーのにも何となく聞き覚えがあんだけどよ。そこらへん詳しく教えろ。あ、テメーらは最愛連れてさっさとキャンピングカーに戻れ」
「「は、はいぃ!!」」
未だ乙女チックモード。通称、OCM発動中の最愛を連れて退散していく下っ端。その姿が見えなくなると、隆盛が催促する。
「オレは
Sプロセッサ社脳神経応用分析所に現れた襲撃者、布束砥信の話を簡単に纏めるとこうだった。
最初は
しかし今度は学園都市超能力者序列第1位である
「・・・糞くらえな計画だな」
隆盛は静かに決意する。
「(この計画はオレがぶっ壊す!)」
と。
「でもな、公私は分けてるつもりなんだ。てな訳でとりあえず捕まっとけ」
ピッ
「あぁ最愛か?襲撃者、布束砥信は拘束したから、今からそっちに
その他雑務をSプロセッサ社脳神経応用分析所前で待機していた下っ端連中と最愛に押し付けた隆盛は
久遠隆盛は、布束砥信を拘束し、後処理を放棄して御坂美琴と麦野沈利、滝壺理后、フレンダ=セイヴェルンが鉢合わせになって交戦しているであろう施設Aに飛んだ。
その頃、ちょうど上手い具合(何処が上手いのかはさて置き)に入れ違いになった理后とフレンダは、最愛と隆盛に合流するためにSプロセッサ社脳神経応用分析所に向かった。
そして、学園都市の第4位超電磁砲レールガンと第5位
「他のお仲間は?」
先程までいたフレンダと理后のことを指しているのだろう。
「返したわ。アンタとはサシで勝負したいしね」
その言葉に内心「やっぱりバレてたか」と呟く御坂。しかし、
「(タイマンを張ってくれるのはこっちにとっても好都合!)」
御坂はフレンダが残していった人形爆弾を麦野に向かって投げた。
「(はぁーん。なるほど・・・力が落ちている分をフレンダの爆弾でカバーしようってか。でもそれじゃあ・・・)」
御坂が起爆のコントロールしている人形爆弾は麦野の前で爆発した。
しかし、それは麦野の展開した
ならばと、御坂は人形爆弾の飛行をもコントロールできるようにした鉄塊入りの人形爆弾を投げつける。それを先程と同じ物だと考えている麦野は、仕掛けてくる前に撃ち落とせば・・・と考え、粒機波形高速砲を撃つが、鉄塊を磁力にて操られている人形はそれを躱す。
「何だ?人形に何か仕込んでる?」
「えぇ。磁力で操れる鉄塊入りよ」
「チッ!メンドクセェ真似を・・・っ」
麦野はそう言いながら、同時に粒機波形高速砲を飛来してくる人形爆弾に向けて撃つ。
「数が少なければ打ち落とせるでしょうけど・・・手が回らないほど数があったらどうかしらね?」
御坂のその発言最中から湧き出てくるように現れた人形爆弾の数は100体近くはあった。それで御坂は半ば勝利を確信した・・・が、
ドボボボボボボボボ・・・・・・
「なっ」
「
麦野の予想していなかった能力の使い方に一瞬緊張の色を伺わせる御坂。
「フレンダのマヌケのせいでひと手間増えちまったが、中坊のアタマじゃ出来てこの程度か」
ドボボボボボボボボ・・・・・・
「まったくなーにが第4位だ。能力研究の応用が生み出す利益が基準なせいでテメェが4位で私が5位?」
未だ続く飛来人形爆弾の爆撃を迎撃する爆音が響く中、麦野は続ける。
「ここでテメェをブチ殺せばそんなの関係ねぇって証明できんのかねェ?」
目視で確認できる人形の数は残り3体。
「オイオイ!お粗末なうえに早漏かよ!最後の最後で萎えさせんじゃ・・・」
ドゴォン!!
3体が爆発した後に、もう1体が姿を現す。
「加害範囲に入られた!盾を作ってもこの機動力では回り込まれる!?クソがッ・・・」
鉄塊を磁力でコントロールしていた御坂の爆弾は麦野の電子阻害により軌道を外される。
「なぁーんてね。忘れたのか?こっちもテメェの電撃に干渉できるってことをよ!ひょっとして『勝った!!』とか思っちゃったかにゃーん?端から勝負はついてたんだよ。
パチンッ!
その場に似合わない軽快なデコピンの音が響いた・・・
ガツン!
鉄塊入りの人形鈍器爆弾と隆盛の右腕の
「何しやがッ「麦野。お前の負けだ」!?」
「な、何でアンタが・・・ここに」
今まで戦っていた両者の共通の知り合いの登場に驚愕する。
「御坂。実験クローンのことは布束砥信から聞いた」
「!?」
「とりあえず此処はぶっ壊して良し」
「オイ!久遠テメェ何言って」
キレる麦野・・・というよりは既にキレている麦野を後ろから羽交い締めにする隆盛。
「お前が全力でやったら自分ごと吹き飛ばしちまう以上、御坂には勝てない。命令だ“帰れ”」
「何でテメェに指図され「“帰れ”麦野」『アイテム』のリーダーは」
「分かったから。はぁ・・・帰るぞ。麦野」
埒があかないと感じたのであろうか、隆盛は麦野を
「あともう1基の方は、後でオレが木っ端微塵にしといてやる。だからお前は用を済ましてさっさと帰って寝ろ」
それがテンパっている御坂には隆盛なりの優しさだとは、まだ気が付かない。
「なん、で?・・・何でアンタがそっち側にいるのよッ!?」
「黒子が心配してんぞ。後輩にあんま心労かけんなよ」
「アンタも邪魔しにきたの!?」
「・・・・・・(ダメだこりゃ)」
全く会話が噛み合っていない2人である。
「はぁ・・・御坂美琴ォ!!」
ビクン!と大きく体が反応した御坂。それと同時に被害妄想の塊と化した言葉も止まった。
「お前は何でも1人で背負いすぎだ。ちっとは先輩を頼ってもいいんじゃねーか?美琴ちゃンよ」
その言葉を残して、その場から消えていった。
―――『アイテム』隠れ家にて。
「久遠。耳が痛い」
「すまん。麦野」
という一コマがあっとか・・・
場所はSプロセッサ社脳神経応用分析所・・・の上空。
そこに連続的に
「どうやら職員は全員消えちまったみたいだな・・・」
さっきまで急ピッチでデータの移転をやっていたSプロセッサ社脳神経応用分析所は、既に人っ子一人いない空き家となっていた。
ヒュゥン!
「よっと」
隆盛は、母なるコンクリート大地へと舞い戻っていた。
___現在、
___既存
___構成因子にてコイン10枚を構成
___
ドゴォォン!!ドゴォォン!!ドゴォォン!!ドゴォォン!!・・・・・・・・・
30秒もしない間にSプロセッサ社脳神経応用分析所は、だった(過去形)物を何もなかったかのように通り過ぎ、既に更地と化していた。
「さてとこの辺にしとくか」
そう言って、立ち去ろうと更地から体を背けたときである。
「………ミサカは驚愕します」
「・・・・・・」
思わず体を更地の方に向け直してしまった。
「『おはようからおやすみまで「え?ナニするの(笑)」』で、お馴染みのミサカです♪」
「・・・・・・・・・」
何だかもっと濃いキャラがいた。
隆盛は、何度かこれが巫山戯た幻想であることを祈りつつ、見比べたが・・・
「・・・ダメか」
「ナニ(笑)がですか?」
「………」
隆盛はとりあえず一息溜め息をつくと、その場から逃走を図ろうとした。
___現在、
___既存
「させませんよ♪」
むにゅ
「・・・・・・お前らが
「あのですね。ミサカは貴方に絶対能力進化実験に関わってもらいたくないのですよ」
「………」
むにゅぅぅ
「関わるかどうかはオレの意志だ。そしてオレはこのくだらない実験をブッ壊すと決めた。んで?それを聞いたお前はどうすんだ?」
よく喋り何故か胸のある方のミサカは、にこやかに微笑んで・・・
「殺します♪」
零距離電撃を放ってきた。
ビリビリビリ・・・?
___既存
「「って、え?」」
一瞬ビリッとは来たが、大したことない。強いて言うなら
「あぁー!!ミサカはバッテリーを使わないと
「可愛く言っても無駄だっつーの!ってかそれで今回は助かったからいいけど!」
「………ミサカは絶望します」
「合成キメラちゃんに絶望されました!?」
「ちょっと待てお前ら。お前らどう見ても普通の妹達シスターズじゃねーな」
一応、念の為に密着していたミサカから離れて、問いただす。
「はい。ミサカは
「んで、お前は?」
「………ミサカは
何とも言葉が足りないミサカである。
「おい、アミ。お前が説明しろ」
隆盛が
「あ、“あみ”ってミサカの名前ですか?」
「長ったらしいからな。超短縮形だ」
「わぁ///ミサカはアミなのですね♪」
わぁーい!ミサカアミ♪ミサカアミ♪ミサカアミ♪と変な踊りを踊りながらはしゃぎ回る
「どーでもいいから。早く説明してくれ・・・」
「わっかりました♪こちらのミサカは
「わかった。んじゃそいつはキミな」
「やったね☆きみちゃん!ミサカ15217号は今日から“きみ”っていう名前ですよ♪」
「………ミサカはキミです」
イマイチ感情が不明な合成個体キメラドール・ミサカである。
「まーいいや。とりあえずお前たちが普通じゃない上に異常な存在であることは十二分に理解できた。それじゃあな」
そういった時には既にミサカ達には背を向けて手を振っていた。
むにゅぅぅ
「離しませんよぅ!!」
むにゅぅぅぅぅ
強烈に抱きつかれ、歩きづらさがMAXに近くなった隆盛は歩みを止めた。
「ったく、今度は何だよ?」
「ミサカの名前はアミなんですけど」
「知ってるよ。さっきオレがテキトーに付けたばっかだからな。それで?」
「漢字に変換したらどういう文字になるのでしょうか?」
その表情にはクエスチョンマーク以上の☆達が散りばめられている。
「・・・は?」
「ですから!ミサカアミを漢字に変換するとどうなるのですか?とミサカは聞いているのですよ!」
あみ、アミ、編み、網・・・・・・
「御坂亜美でいいんじゃねーの?」
「御坂亜美ですね?ではでは、きみちゃんの方は?」
きみ、キミ、黄み、君・・・・・・・・・
「御坂希美でいいんじゃねぇの?」
「御坂希美ですね?だって♪希美ちゃん?」
「………ミサカはキミです」
分かったのだろうか。そう思いながらも、亜美の方の絡みが面倒になった隆盛はその場から離れようと歩き始めた・・・