とある魔術と科学の情報操作《インフォメーション・オペレート》 作:新名樺太守
―――某月某日。
ダァァン!!
とある薄暗い裏道で一発の銃声が轟いた。
「まだ分からねぇのか?」
ダァァン!!
2人組の男は拳銃を突きつけながら問う。
「お前は既に闇への招待状を受け取っちまったんだ」
「そしてそれを捨てることはできねぇ。本当は分かってんだろ?なぁ」
「「
その数日後。隆盛は久しぶりに第18学区風紀委員会本部を訪れていた。それは何故か。何故ならそれは。
「はぁ!?オレが本部長に?」
「引き受けてはくれないか?」
隆盛に
「無理」
「どうしてもなんだが」
「疲れた」
「こんなにも頼んでいるんだが」
「めんどくさい」
「ダメなのか」
「あぁ、Noだ」
隆盛がはっきりとそれを引き受ける意思はないと「No」を突きつけると、本部長様は1つ溜め息をついた。
「はぁ・・・残念だ。実に残念だ」
「・・・?」
「全く持って残念の一言に尽きる。君のような優秀で実力のある
隆盛は、それこそ全く持って身に覚えがない。もちろん暗部組織『アイテム』の構成員としての活動はある程度バレると不味いことはしているつもりだったが、そこでも「殺し」は未だにやってないし、偶にブチギレて暴走することはあっても、大抵の場合は正当防衛だと思い込んでいる。
「つーか、食峰先輩はどうなる」
「しかし、そんな君にも抜け道を用意した」
「話を聞けよ!」
「それが、第18学区風紀委員会本部長という席だ」
完全にスルーされた隆盛。今、彼の頭の中では天使と悪魔が議論を交わしているところである。ぶちのめそうかコイツ、いやいやこの残念頭にそんな価値ないよ・・・と。それにしてもどちらも性質タチが悪い。
「はぁ・・・とりあえずオレの
「あぁそれは、これだ」
「ん?」
そう言って渡されたのは、百数十枚にもなる写真の束だった。
「アイテム、アイテム、いつメン、いつメン、アイテム、御坂、御坂、黒子、最愛、最愛、最愛、佐天、麦野、フレンダ、初春、フレンダ、最愛、黒子、黒子、黒子、黒子、黒子、黒子、黒子、最愛、滝壺、佐天、最愛、最愛、麦野・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
まだまだ続く。
「最愛、最愛、最愛、黒子、最愛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
まだ続く。
「あ、やっと淡希じゃん。あ、操祈も出てきた。黒子、最愛、黒子、最愛、黒子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
続く。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・黒子、最愛、最愛」
終わった。
「んで、これが何」
「君のここ数週間の女性交遊履歴だ」
「って、これを撮ったやつをとっちめろよ!」
「これは問題だ。全学生の見本となるべき風紀委員が一日に何人との関係を持っているんだ」
またスルーされた。
「関係って意味深に言ってんじゃねーよ。只、仲の良い仕事仲間や友達だろ」
「だから君にこの物的証拠を譲渡する条件をやろう。その条件とはズバリ“第18学区風紀委員会本部長”になる」
「いや、結構です」
「そうかそうか!やってくれるのか。良かった良かったー」
またス(以下略
「それじゃこれは約束通り君に譲る。しっかりと燃やすんだ」
「へいへい。んで、オレがこうなったら食峰先輩はどうなんだ?」
「食峰君?あぁ彼ね。彼なら」
死んだよ・・・と。
ヒュゥン!
「麦野!」
「どうした急に」
隆盛は文字通りの意味で『アイテム』の隠れ家に飛んできた。
「暗部で『学校』や『会員』といった言葉に心当たりはないか!?」
「『学校』?『会員』?・・・あぁ『スクール』と『メンバー』ね」
それを聞くと隆盛は歯ぎしりをした。
「超どうしたんですか?」
最愛もやってくる。
「クソッ!あんときには既にコンタクトされてたっていう訳かよ・・・」
ダンッ!と近くにあったテーブルに拳をぶつける。
「どうしたの?」
フレンダもやってきた。
いつもとは明らかに違う隆盛の態度に一同が疑問を抱いていた。
「なぁ。精神操作系の能力者が拳銃で殺されていた。その能力者は
隆盛の纏う雰囲気オーラが一気に変わったことを察知した『アイテム』メンバーは、隆盛から一歩離れる。
「なァフレンダ。奴らの居場所しらねェか?」
「し、知らない!」
「ちょ、超待ってください!」
「ン?」
今からでも敵スクールとメンバーを潰しに行きそうな勢いの隆盛を止めた最愛。
「『スクール』の
アイツのトコに行ってください・・・と。
―――7月27日。
学園都市の闇を一端を担う暗部組織『アイテム』の構成員である麦野沈利、フレンダ=セイヴェルン、滝壺理后、絹旗最愛、久遠隆盛の5名は普段の仕事を終えて、いつもの如くファミレスに集っていた。
「最愛の言うこと聞いといて良かったぜ。やっぱ、最初の見解の通り、最愛の
隆盛は機嫌がすこぶる良いのである。何故なら、最愛と隆盛の共通の知り合いである黒夜海鳥という人物に会いに行き、その人の能力情報スキルデータを複写コピーした後、直ぐに仕事が入り、その仕事を隆盛の新しく得た能力スキルの実験台として使用し、その実験結果が予想通り、隆盛にとって良い結果が出たからである。
「ありがとな最愛。おかげで求めている所までの道のりが2,3歩近づけたぜ」
「い、いえ///」
ポンポンと最愛の頭を撫でる隆盛。仄かに頬が紅くなる最愛。
「っていうことで、今夜はパァーっと」
パリンッ!!
窓が割れる音が店内に響き、残り少ない店内の客と店員は一斉にそちらの方を向いた。
「何だ?」
ドゴォォン!!
続いて爆風と横になっている火柱のような火炎放射。それと同時に、店内にいる全ての人間が宙に飛び、壁に打ち付けられた。
隆盛は今までの犯人たちの行動で、ある程度の状況は読めていた。
「(最近、風紀委員会上層部で議題にあがってきていた大能力者級の3人組による犯行か。今までの状況を見るに、1人が
「これは、表の事件だ。だから、お前らは手出すんじゃねーぞ。こっからは、
隆盛のそれに納得をしたのかは分からないが、とりあえず何も言わなかった。
「
「はぁ?おめぇナニほざいてやがるんだ」
「テメェの方こそ痛い目見なきゃ分からねーのかよッ!!」
ドゴォン!
隆盛は
「アッヒャッヒャ!!ヴァーカ!ザマァ」
「さてと、邪魔者も居なくなったし、今回も上玉とついでに金を奪って行っか」
「んじゃあ、今回も各々1人までな」
そう言って、3人組は店内にいる人を見渡す。
「「「んじゃ、いっせーので」」」
指を指した先にいたのは・・・
フレンダ、滝壺、そして最愛。
「ギャハハ!お前ロリコンか!」
「てめぇも人のこと言えねぇだろ!」
などと盛り上がっている中、『アイテム』の怒りゲージは既にMAXを突き抜けていた。
「そろそろ殺っちゃう?」
「超殺っちゃいましょうか?」
「ブ・ッ・コ・ロ・か・く・て・い・ね」
「・・・あ、くどうの信号が」
そして、犯人3人が『アイテム』に近づいた時。大きな音を立てて、壁に大きな穴が空いた。
「とりあえず、そいつらオレの連れだから」
「なっ!?」
「テメェ・・・」
隆盛が無傷で現れた。
その様子に犯人たちも戦闘態勢を整えるが、そんなもの障子で銃弾から身を守る程度の意味しか持たない。
___既存
「とりあえずお前らは一先ず先に家(隠れ家)に帰ってろ。ついでに他の客と店員も避難だ」
そう言うと、その場にいた十数人もの人間が一気にその場から消えた。その様子を見て、犯人たちは
だが、そうであるならばあれほどの攻撃を受けて無傷である意味がわからない。
___現在、
___既存
「てめぇらはオレが
ドゴォォォォォォォォォォンン!!!!!!!!!!
ファミレスという建物自体が崩壊した。
「大事な仲間に手ぇ出されてちょっぴりイラついただけの
崩壊した建物の中、全くの無傷で立っている隆盛の姿のBGMには、残念なことに自身を呼び出すためのケータイの着信音が鳴り響いていた・・・