IS―地這い鴉の答え   作:ゲバラ

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 ゲバラ、再起動します。

 では、言語表現から。この回では、
〈〉――ロシア語
『』――通信


Mission00

現代の延長線上、いつかの未来。

世界は限界に達していた。

 

人口爆発による食糧、およびエネルギー資源の絶対的な不足。

近視眼的な開発により無制限に拡大する極地。

 

二極化した享楽と貧困は、救いようのない諦めと憎しみを生み出し続け、

国民国家政府は、徐々に、だが確実にその統治能力を失っていた。

 

頻発するテロと暴動により、多くの都市が廃墟と化す一方で、秩序の崩壊により重要度を増した軍隊は、より高度に機械化され、幾つかの企業が、強力な軍産複合体を形成、その影響力をかつてないほどに拡大させていった。

 

 

 そんな時代にヴィクトル・グラズノフは生まれた。

 

 テロリズムが、更なるテロリズムと暴動を生み出す時代は、

ヴィクトル少年が戦争を生活の糧を得ることに関して安定的な結果を期待出来る経済活動だと判断するに易かった。

 

 

 かくして、彼は戦争生活者となる道を選ぶ。

恐らく、彼が生まれてから17年目の事だった。

 

 ――――“ミグラント”、新規に起業するならそれが良い。

ヴィクトル青年が生まれた北の地は他の国家より“領土”と呼ばれる地域が広く、

あちこちに単身で飛び回れるミグラントは引く手数多(あまた)の職業だ、と、

彼は唯一知る軍事企業、“テクノクラート”の就職担当社員に言われた。

更には、我が社の支援を受ける気は無いか、とも言われる。

彼は戦争のいろはを邦国(ほうこく)ロシアのテクノクラートから学んだ。

 

ヴィクトルは僻地から僻地へと大型ヘリで飛び回り、

保存性の高い人工肉(昔は肉を干して、保存性を高めたたらしい)を取引する事に始まった。

 

 

 扱う商品が食料品や消耗品から大小の兵器に、兵器から己の戦力へと移り、

一端(いっぱし)のミグラントとして頭角を現し始めた頃、青年となったヴィクトルはある男との出会いを果たす。

 

 〈こちらミグラント、グラズノフです。高速戦闘ヘリによる戦闘支援を開始します〉

『そうか、吾輩だけでは正直不安だったのだ。存分に働いてくれ』

多発するテロに対応すべく、速度と装甲を兼ね備えた汎用機動兵器、アーマード・コア(AC)の操縦者、“レイヴン”が戦場にいた。

 レイヴンは勿論、四年の経験を積んだヴィクトルも戦闘のプロだった。

協同して敵に当たる。

『新手か、ミグラント。戦闘機の様だが』

〈俺が引きつけます〉

ヘリが戦闘機に太刀打ち出来る筈が無い。だが、彼には策があった。

戦闘機は一機。案の定後ろにつかれ、ミサイルを放たれる。

 

〈――ッ!!〉

ミサイルが直撃する時、彼は自作した改造操縦桿を操作する。

瞬間、ヘリ下部に付いたブースターが前方に強烈な火を吐いた、

ヘリが少し浮きながら真下を向き、急減速する。

ヴィクトルはヘリによる疑似コブラ機動を見せたのだ。

彼は更にトリガーを引き、機関砲を斉射、目の前を飛ぶミサイルを爆破する。

 

戦闘機は爆発の中に突っ込んだ。

速度が落ちた戦闘機に、下方からロケットが襲う。

『ハラショ-!!』

名も知れぬレイブンの放ったロケットだった。

 

 『これで全てか……君、名は何と言う』

〈俺は、ヴィクトル・グラズノフです〉

『そうか、吾輩はボリスビッチ。AC・バガモールのパイロットである』

 

 

 程無くして、ヴィクトル青年はテクノクラートのレイヴン、ボリスビッチの推薦によって新しきレイヴンの一員となる。

 

 




 ISはまだまだ出て来ないでしょう。
オリジナルキャラクターは四人だけ(にするつもり)
時間軸はAC4の三十数年前から十年少し前です。まだ国家解体戦争も始まってない……

 一人目の主人公、ヴィクトル・グラズノフの生い立ち編、パート1でした。
先行して作った彼の生い立ち(の箇条書き)を四行分消化しました。
次の回から残りの24行を消化します。IS編はその後からです。
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