IS―地這い鴉の答え   作:ゲバラ

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 文章表現、今回登場は、
 ……(地の文における)――思考
「」――米国式英語
〔〕――アラビア語
[]――英国式英語
(長いダッシュ)――主視点の転換
左三マス開けの文――依頼、メール



 キング・クリムゾンを連射しています。(=君たちのフロム脳の力を見せて貰おうか!)
事実関係の整理はしなくても次話を読む事に不便は無いでしょう。
多くの人物はACファン用なので、覚える必要は無いかと。


Mission01

 新入りの元ミグラント、テクノクラートの(レイヴン)

ボリスビッチに認められ、戦場の花形であるACパイロットの座をヴィクトル青年は手に入れる。

 

 師譲りのロケットを接射する戦術と、高速ヘリの戦闘で(つちか)った高い姿勢制御能力は、

同社の所属する企業グループ、“イクバールグループ”の軽量機体構想にも影響を与える事となった。

 

順調に実力をつけて行った彼は、遂に一流のレイヴン、伝説の鴉の一人に数えられる程になる。

彼がレイヴンになってから、六年の月日が経過していた。

 

 

 ――六年の間加速し、堆積し続けた破綻(はたん)は、経済そのものの存在を危うくするに至った。

既に実質的な最高権力として機能を確立していた六つの巨大な企業グループ、

 ローゼンタールグループ

 GA(Global Armaments)グループ

 イクバールグループ

 レイレナードグループ

 BFF(Bernard and Felix Foundation)グループ

 インテリオルグループ

は国民国家政府による秩序維持に見切りをつけ、自らによる新しい秩序構築のため、

国家との全面的な戦争を開始した。

 

 国家解体戦争(こっかかいたいせんそう)の勃発である。

 

 

   作戦を説明する

 

   依頼内容は“シング”近くの基地を保有する敵への強襲

   及び敵部隊の殲滅だ

 

   現在、基地周辺は砂嵐に覆われており有視界戦闘は限られる

   十分注意しろ

 

   増援は、別の地域での作戦が終了し次第来るそうだ

 

   ラストレイヴン(最後の鴉)、君の最後の仕事だ

   …………健闘を祈る

 

 

 企業の奇襲による戦争開始からおよそ一カ月、

国家軍は戦争開始時に企業グループが投入した新型AC、“NEXT(ネクスト)”とそのパイロット、“リンクス(山猫)”を前になすすべなく壊滅、

戦争は決着を目前にしている。

 

 レイヴン達の四分の三は国家側につき、ヴィクトルは企業側についた。

企業のレイヴンの一握りはリンクスとなる。彼の師、ボリスビッチはその一人だった。

 

四分の一のレイヴンは数の劣勢により大きく数を減らし、

四分の三のレイヴンはNEXTによって蹂躙(じゅうりん)された。

そうして、彼は最後のオリジナルACパイロット、ラストレイヴンになった。

 

 

 『目的地に到達』

〈了解、これより戦闘を開始する〉

『……御武運を』

彼は航空機から飛び立った。

着地と同時にブーストを全開に、レーダーを確認する。

最早残党にも満たない国家軍の部隊を映し込んでいた。

『来たか』

無線の先の相手は昔、同じミグラントとして働いた、かつての仲間がいた。

『お前には、来て欲しくなかった』

その男は量産型AC、ノーマルと呼ばれる既製品タイプのACに乗っていた。

『なぁ、何で企業に肩入れするんだよ』

〈俺は、腐っていく祖国を見てはいられなかった〉

彼に降伏の意思は無いだろう。

〈――死んでくれ。せめて、腐りきる前に〉

 ノーマルが物理シールドを構えて突撃する。

 ……あれは“敵”だ、俺の“敵”だ

〈……ッ〉

一瞬のタメを作って敵機の中心に回転、素早く背後をとった。

『クッソッ! やっぱ無――』

トリガー、右背面のロケットを命中させる。

〈疾ッ!〉

左腕武装のパイルバンカーが敵機を突き刺した。

『……おかしいよ…………お前も、企業の連中も』

〈――――――〉

鴉は、涙を流していた。

 

 

 ヘリが数機飛んでくる。砂嵐のせいで視認できないがIIFは味方信号を表している。

「こちらレイヴン、戦闘は終了した。繰り返す、戦闘は終了……」

彼は妙に背筋が凍る感覚が――

〔――ッ!? 何のつもりだ!〕

発砲された。確認した限りは味方部隊、

それもイクバールグループの量産AC最高の戦力“バーラット部隊”。

企業の意向と(たが)える筈はない。

『イクバールはイレギュラー(危険因子)を排除すると決定した。

 死ね、イレギュラー』

 ……裏切られたか……!

ヴィクトルの脳が回転する。

グループ内の粛清(しゅくせい)とはいえ、

味方の裏切り、戦力の切り捨てを行うのは企業として対面が悪い。

 ……砂嵐の一帯を抜ければどうにかなるか?

 即座に地面に向かってトリガー、ロケットが周辺に粉塵と爆風をまき散らす。

 

〔逃がすな、ここで始末――――!?〕

発言していた一機がパイルを貰い、爆散した。

〔あ、あそこだ! 潰せ!〕

粉塵の中からロケットが飛んだ。

〔くっ……砂嵐から出すな! 追うぞ!〕

 ここより東のシング、及びインドの地域はイクバールの裏庭に等しい。

西へ、西へ。

ロケットの爆発を撒き散らし、粉塵の中で何体ものバーラットにパイルを叩き込む。

 

 

 〈――っは、はぁ……く、っは〉

砂嵐を抜けた、真っ直ぐ西に来たので、アナトリアの近くだろう。

バーラットは追ってこない。

恐らく全員撃破し、肉体損傷も無いが、機体は中破し、このままACで行動するのは危険過ぎる。

 ……もう、テクノクラートには帰れんな

どこかの企業の後ろ立てを得ないと鴉は生きられない、

そんな時代に向かっているのをヴィクトルは国家解体戦争の中で感じ取っていた。

……元レイヴンを雇用していない新興の企業に行ってみるか

「こちらは、レイヴン、俺……私は、ヴィクトル・グラズノフだ――」

一羽の伝説は更に西へ、レイレナードへ向かう……。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

もう一人の主人公の話はここから始まる。

その者の名はアレックス・ストレイド。

ヴィクトル・グラズノフの生きる時代の遥か昔、

テロは多くが未然に防がれ、暴動は一般市民とは関係の無い話だった頃のアメリカ。

 

 空軍整備兵の父親の元に生まれたアレックス少年は、

機械が大好きな青年に成長した。

父親に習って空軍に入隊した彼は、非常に運動神経が良く、戦闘機のパイロットにまでなった。

 

 エリート街道を突き進むアレックス青年には、ひとつの趣味があった。

ゲームである。

 ロボットをテーマにした物が大の好物で、

中でも、アーマード・コアは、彼の心を掴んで離さなかった。

 

 彼の人生最後のミッションでも、

「チィッ、被弾した……もう持ちそうにない」

『ア、アレックスッッ!』

「すまねぇ隊長、後は頼む」

撃墜する機体の中で呟ていた。

「畜生……家でACfAが待っていると言うのに……!」

 こうして彼の人生は終了した。

 

 

 「う……げほっ」

アレックスはベッドの上で覚醒した。

〔――? ――――――? ――――!〕

「アラビア語? ま、待ってくれ俺はアメリカ人だ」

「あら? ラストレイヴン(伝説の鴉)はイクバールグループの人だって聞いてたんだけど」

 ……イクバールグループ? そんな企業はAC4にしかなかったんじゃ?

「ま、先ずここは何処で何時なんだ? 俺は声も出せない重傷だった筈だ」

立つ事は出来ないまでも、声が出せるのは一日二日後では無い。

「えぇ、貴方はアナトリアの近く、貴方の機体の傍らに重傷の状態で発見されたわ。

 えっと、今は~~~47年、コロニーアナトリアよ」

 身に覚えのない年号、そして“コロニーアナトリア”。

彼の脳には一つしか答えが浮かばなかった。

「AC4の世界とか……マジ?」

 アレックス・ストレイドは転送を遂げた。23歳の頃だった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 リンクスNo.29=アーロン・ファーロング、

新興エネルギー企業、レイレナードがヴィクトル・グラズノフに与えた新しい名である。

 リンクスになるために重要な要素、

より高速化されたMMI(マン・マシン・インターフェイス)に対応するために必要な適正“AMS(アレゴリー・マニピュレイト・システム)適正”が、彼には備わっていた。

 

 「適正は、上の下と言った所か……伝説のレイヴンで()つこの適正値ならば、

  即戦力としても申し分ないだろう」

「No,1にそう評価して貰えば、怖いもの無しだな」

「真改も良好な適正だ。実験機に搭乗するに問題無い」

「……応……」

「寡黙な男だな、(真改)は」

「私もそう思う。ベルリオーズ、ファーロングの素性はレイレナードの機密だ、

 あまり口外しない方が良いと思うが?」

「理解している、善処しよう」

レイレナードのリンクス達が一堂に会していた。

No.1=ベルリオーズ

No.3=アンジェ

No.11=オービエ

No.12=ザンニ

実験NEXTパイロット=真改

リンクスナンバーはNo.26までが先の戦争における戦績順、

ここまでのリンクスを“オリジナル”と呼称し、

以降のナンバーは登録順である。

うち(レイレナード社)のリンクス事情もこれで一段落だ、祝賀会でもするか?」

「……無用……」

「同じく無用だ」

 

 

 『受け渡しは、いつもと同じだ』

〈いつもすまない、ボリスビッチさん〉

『料金は入っているからな、ただの取引と変わらんよ』

ヴィクトルはボリスビッチを通じて秘密裏に武装の取引を行っていた。

『グラズノフ君、やはりテクノクラートに戻る気は無いかね』

〈………………〉

『こちらの者は君がレイレナードに渡った事を気付いてはいない。

 吾輩としても――』

〈私は……もう後戻り出来ないんだよ、ボリスビッチさん〉

『……そうか。出過ぎた事を言った、すまない』

〈いや、いいんだ…………有難うございます〉

『吾輩は、何時でも待っていよう、失礼する』

通信が切れる。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 第一人者の死去と、盗まれた技術。

教授の娘に救われたあの男、伝説のレイヴンと技術研究用のネクスト。

 

 唯一の商品である技術の専門性を失い、

深刻な経済危機を目前にしたコロニー・アナトリアにとって、

生活の糧としての傭兵は必要不可欠だった。

 

 アナトリアはあの男を利用し、そのために彼女を利用した。

是非も無い。彼にしか、為し得ないのだから。

 

 

   独立計画都市グリフォンを占拠している、武装勢力を排除する

 

   グリフォンはかつて大規模テロにより基幹インフラを失い、廃棄された

   敵は、そこを根城としているに過ぎない

 

   この作戦はアナトリアのリンクス、アレックス・ストレイド、

   君の、企業、とりわけGAに対するプレゼンテーションだ

 

   GAは、グリフォンの復興計画を立ちあげている

   連中へのアピールとしては、最善手だろう

 

   状況は完成している

   後は君次第だ、よろしくたのむ

 

 

 アレックス・ストレイドが奇妙な転送を遂げてから四年が経過した。

 

 この世界は彼の予想通りに、AC4の投射をしたかの如く時代が経過する。

彼は国家解体戦争末期にアナトリアのフィオナ・イェルネフェルトに救われ、

イェルネフェルト教授、フィオナの父親が死去した後、ネクスト技術が流出、

フィオナが救った伝説のレイヴンは、アナトリアの要請により、戦場に舞い戻る。

 

 フィオナが救った男はレイヴンでさえ無い事を除いて、全く同一だった。

 

 

 ……遂に来ちまったか

『アレックス? 大丈夫?』

「コックピットの中にゲルが詰まって無ければ、最高だ」

『AMSが起動すれば、NEXTと同期するから。

 その分なら大丈夫そうね、流石はラストレイヴン、と言うところかしら』

 世界は、レイレナード上層部とテクノクラートの一リンクスを除いて、

アナトリアの傭兵(アレックス・ストレイド)”が例のレイヴンと考えているらしい。

『システム、戦闘状態に移行します。貴方なら出来るわ』

 ネクストは起動した。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 『“伝説の元レイヴン、砂漠の狼、バルバロイを撃破”か。

  ファーロング。奴、一体何だと思う?』

「“アレックス・ストレイド”……知らないな、少なくとも人ではあろうが……」

『どうだかな、そろそろ時間だ本物の鴉(オリジナルレイヴン)

 鴉殺し(レイヴンキラー)の私に鴉の実力を見せてくれ』

「これより作戦を開始する」

 鴉は二つ目の空を飛翔する。

 

 『レイレナードのNo.29か。BFFのNo.8、王小龍(ワン・シャオロン)

  こちら(BFF)の砕氷タンカーにはVIPが搭乗している。

  ローゼンタール傘下のオーメルサイエンス社がそれを掴んでいたかは疑問だがな、

  失敗は許されん、連携して当たるぞ』

英国式英語は聞き取りにくいが中国語を話されては解せない分、アーロンにとっては有り難い。

「了解」

 

 南極海を、BFFの砕氷タンカーが航行する。

上空を二機のNEXTが飛ぶ。

[来たぞ]

王の発言を契機に戦闘が開始される。

[敵潜水艦浮上、二時方向と――]

言うが早いか、レイレナード製NEXT、アリーヤをベースにした機動戦型機体が目標の攻撃圏内に侵入、

〈疾ッ……〉

左腕のエネルギーブレードを潜水艦の前方から滑るように振り切る。

アーロンは潜水艦を素早く焼き切った

[こちらも終了した…………第二波、来るぞ]

 

 

 〈終わったか……〉

『良い戦いぶりだ、Mr.ファーロング。タンカーに損傷は無い』

「VIPは?」

『問題無い……む?』

王氏に通信が入った様だ。

『おけがはありませんか? わんたーれん』

なぜかオープンチャンネルだった。

 ……? VIPは子供か?

『あぁ、僚機が良く働いてくれた』

『おなまえをうかがっても?』

『待ちなさいリリウム、通信が繋がってはいない……?』

「レイレナード所属、アーロン・ファーロングです、お嬢さん」

『そうですか、アーロンさんにもきけんなところをすくっていただきました。

 かんしゃいたします』

「光栄です」

『すまないな、Mr.ファーロング』

「VIPのお声を聞けた上、感謝されるとは。光栄の限りです」

『そ、そうか。では通信を切断する』

 ……あの娘が、新しいBFFの王女になるのやも知れんな……

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

   作戦を確認します

 

   旧ピースシティエリアで、

   敵最精鋭ネクスト部隊と交戦している、

   味方の救援に向かいます

 

   敵ネクストは……五機。リンクスは多くがナンバー上位ですが、

   特に警戒すべきは、ナンバー1のベルリオーズです

 

   ベルリオーズの戦績は圧倒的です

   オリジナルには珍しい、非常に柔軟な思考の持ち主で

   必要ならば、躊躇(ちゅうちょ)無く他企業の武装を使用し

   確実に勝利する事でそれを認めさせています

 

   複数のネクストを相手にする、極めて危険な任務です

   これまでで、最も過酷な戦闘になる事は間違いありません

 

   以上、作戦の確認を終了します

   死なないで……

 

 

 旧ピースシティエリアに、ローゼンタール標準機をベースにしたネクストが飛翔する。

『戦闘は既に開始されています

 速やかに参戦し、味方機の支援に向かって下さい』

加速する。

『敵機、ベルリオーズ/シュープリス、ザンニ/ラフカット、アンシール/レッドキャップ、

 A.ファーロング/ヴォローナの四機。

 こちらは、レオハルト/ノブリス・オブリージュ、ミド・アウリエル/ナル、貴方の三機。

 数的不利は明らかです。敵を分断、各個撃破してください。

 ……貴方を信じてる。帰ってきて』

『レオハルト、援軍です』

『間に合ったか! よく来てくれた

 ヒラリエスを撃破したが、エンリケ・エルカーノ、パルメットが撃破された。

 すまんが劣勢だ。加勢、頼む』

アレックスは乱戦に突撃する。

『敵増援確認。アナトリアの傭兵だ』

『アナトリア? あぁ……例の時代遅れか』

『侮るな、優秀な戦士だと聞いている

 潰すぞ』

『ボリス・イヴァノーヴィチの恨み、晴らさせて貰うぞ』

『え? 今のはヴォローナ? 彼はレイレナードの筈……』

 戦闘は加速する。

 

『すみません……限界、突破しました』

『味方、ナル、撃破されました』

「オォオ!」

撃つ。

『強い……これは……匹敵するか……』

『ラフカット撃破。

 敵機、残り三機です』

撃ち続ける。

『クソがっ……! 俺のせいかよっ!』

『レッドキャップ撃破

 残り二機です』

 

と、双方動きを緩める。

簒奪(さんだつ)者も伊達では無いらしいな、レイヴン』

ベルリオーズが言った。

簒奪者、座を奪った者、と。

「まさか、知って――」

『知っているさNo.39(アナトリアの傭兵)。貴様が同志達を殺した事位はな』

ファーロングが、AC4に出て来た覚えの無い人物が己を遮った。

『死んでくれ、ヴォローナ()は二羽も要らない』

『今更退けんさ。……我が名に懸けて!』

ヴォローナが右背面兵装を起動する、ロケットだ。

『な、なんだ奴は!? 動きがおかしい……!』

鴉は立体機動を展開する。

アリーヤ持ち前の速度にフルチューンされた旋回性能によって、

それこそ異常を感じる挙動でロケットを発射する。

『くっ……捉えれられん……!?』

ノブリス・オブリ-ジュが爆風を受けた瞬間、

『――ッッ!』

ヴォローナがENブレードを振る、外から内へ、杭を突き刺す様に。

『がぁっ! 無念だ……!』

「レオハルトォ――!」

『敵は一機ではないぞ、アナトリアの傭兵』

「畜生! やってやらぁ!」

AMSが、脳髄が痛い。己の適正は高くは無かった、

過負荷によって自分の限界を超えているのは理解できている。

FCSではなく己の力で両手のライフルとアサルトライフルの弾丸を“置く”、

自己予測偏差(へんさ)射撃だ。

『当ててくるか……!』

 ……例え、鴉の偽物だったとしても!

「アナトリア背負ってるんだよッッ!!」

『なるほど、良い戦士だ……感傷だが、別の形で出会いたかったぞ……』

『シュープリス撃破、あと一機です……!』

「オォォオ!」

迫る凶悪な弾幕を避け、時にはロケットに弾丸を当て(しの)ぎ続ける。

『――!? ――――……』

何を言っているか解らないが、

 ……弾切れか!

「仕上げだ! 覚悟出来てるか!?」

『笑わせるなよ、最後の鴉など……認めん、認めんよ。

 貴様が伝説を(かた)るなど、認められるかぁっ!!』

「んな事知るかぁ!」

ENブレードとマシンガンのみでは火力が足りない。

それでも尚、向かってくるのはプライドなのか、怨念なのか。

どちらにせよ、勝負は決した

 『……敵ネクスト、全て撃破しました。

  無事、終わった……。

  作戦は成功です。お疲れさまでした。

  帰還してください』

 

 

 アレックス・ストレイドがリンクス入りを果たした52年より始まった、

“リンクス戦争”中、最大のNEXT対NEXTの壮絶な戦闘は、幕を下ろした。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 『――――えるか? 誰か生存者はいないのか?』

「……レイ……ナード、……所属、アーロン――」

『ファーロング、だな? 伝説のレイヴンが生きていたか』

「……? 貴、さ……」

『私は――――』

 

 

――――――――マクシミリアン・テルミドール

 

 




 コロニー・アナトリアに残るデータベース

 No.39=アレックス・ストレイド/ブラックバード

国家解体戦争に参加した、元レイヴン
戦争で重傷を負うが、フィオナに救われる
数年後、存亡の危機に陥ったアナトリアのため、ネクストに搭乗し、
再びその身を戦いに投じることとなる


 No.29=アーロン・ファーロング/ヴォローナ

国家解体戦争直後にリンクスとなった男
高い姿勢制御能力を遺憾なく使った高速機動戦闘のスタイルは、
彼の初戦から一切変わらず完成しており、新人リンクスとは思えない



 AC4編、終了です。
撒いた布石は外伝か、回想の形式で消化予定、
ボリスビッチ、一度も触れなかったジョシュア、楽しいレイレナード社、とか。
 王女、リリウム・ウォルコットは、こちらの計算で今は三歳、
勿論漢字は使えませんが丁寧語なのは育ちがいいからか……?
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