IS―地這い鴉の答え   作:ゲバラ

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 どうも、ゲバラです。
先ずは、感想を頂いた“Tindaros”さんへ感謝の意を


 幕間です。今回はMission03の続き・補足ですね。


Mission04-Another01

 IS学園、1125号室。

「さて、箒嬢」

「呼び捨てて良い」

「では箒、ニホンについて教えて欲しい」

「あ、あぁ。だが急にどうしたのだ?」

「あれを見てな」

ヴィクトルは箒のバッグに刺さっている木刀を示す。

「昔、日本人の仲間がいたんだ」

 ……“いた”?

「いた、とはどういう事だ?」

「……寡黙な男だった」

「! す、すまない」

「気にしなくていい、覚悟の上の戦死だっただろう」

〚…………〛

「何も言わない男でな、(しま)いには気で会話する様になった」

だが、

「奴は……奴の剣は、愚直だがどこまでも真っ直ぐで、穢れが無かった」

「そうか……」

 ……ん? (篠ノ之神社)にそんな者が居た様な……

「なぁ、ヴィクトル。その男の名を、教えてくれないか」

「真改だ」

〚!?〛

「なにかあるのか」

「いや、なんでもない……」

 ……まさか、そんな筈は。だが……

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 IS学園、1126号室。

〚なぁー、一夏ー、お前煙草大丈夫な人?〛

〚? なんでそんな事聞くんだ?〛

〚あー、まぁ、その、分かるだろ? ほら〛

アレックスは懐の“箱”を示す。

〚な!? バッ、アレックス! ばれたら退学じゃ済まないぞ!〛

〚ア? 何言ってんだ?〛

〚何って……お前未成年の喫煙は――〛

〚アァ、それね〛

先ずはだ、

〚何時から俺が未成年だと錯覚しているんだ?〛

 ……肉体年齢不詳なだけだけどな

〚え!? まじかよ……。

 まぁ、だったら、俺は何も言わないけどさ、部屋が煙草臭いのは不味いんじゃないか?〛

〚そりゃそうだな。じゃ、ちょっと抜け出してくるわ〛

〚おぉ……あれ? ここ(IS学園)って構内喫煙だったような……〛

 

 

 夜の(とばり)が下りたIS学園。

学園寮から近くの暗い外に小さな明かりが灯る。

「お?」

〈む? お前か〉

「隣、いいか」

ヴィクトルは座っているベンチの端に動く。

「構わん」

「わりぃな。火、あるか?」

ヴィクトルは、無言で火のついた煙草を手に取り、アレックスに差し出す。

アレックスは取り出した物を(くわ)えたまま、火を継いだ。

「ありがと」

〈………………〉

「………………」

〈………………〉

「なぁ」

「なんだ」

「そろそろ、声掛けてやれよ」

「知らん、必要無いな」

〚ったく、箒ちゃん……だったか?〛

物陰から、どこかばつの悪い様子で箒が出て来た。

 〚法律には反していないぜ、俺達は正確に言うと、年齢不詳なんでな〛

「……尚の事良くないと思うんだが」

「なぜ来た?」

「少し……注意しようと思っただけだ」

「それだけか? であれば何故隠れた?」

「それは……」

「それも俺が来た時、君は明らかに隠れた、変だよな?」

「お前達が何者か、気になったんだ、すまない」

「我々はそうたいそうな者ではない、

 何か掴もうとしたところで何もないぞ。織斑先生、貴方も」

「そのようだな」

箒とは別の所から、千冬が来た。

「校内で喫煙とは、度胸があるな」

「傭兵っつーのは得てして強靭な精神力がつくものだぜ、先生?」

「お前についても言っているんだ、ストレイド」

まぁ、

「確かに、お前ら二人を大きな罪には問えん、書類にも年齢不詳と記載されている。

 よって、構内は全面禁煙だ、と言う位しかない」

「うぇっ、喫煙所も無いのかよ」

「日本では極度な禁煙化の気運(きうん)が強くてな。“分煙”なんてのも流行ったが、

 今では煙草を探すのさえ困難だ。先進各国も違いはあれ、同じだと思うが?」

「少なくとも、私の職場(カラード)では違ったな」

あちらの世界に嗜好品などはほとんどなく、

あったのは保存性の良さで嗜好品外となった酒と、

恩賜(おんし)として生き残った煙草しか無かった。

煙草は嗜好品の筆頭だったのだ。

「郷に入っては郷に従え。と、言うところだが、この時間、この場なら見逃そう」

「夜間のみの喫煙所って事か、ニコチンは足りるからいいけどよ。

 にしてもヴィクトル、お前のそれ銘はなんだ? 知らねえ匂いだ」

KAZBEK OVAL(カズベック・オーバル)だ」

「あ? 分からんな」

「だろうな。暖かいと少し不味いんだが……あぁそう言えば、箒」

よりネイティブな発音の会話が始まり、目がグルグルし始めた箒がどうにか反応する。

「何だ?」

「日本には“キセル”と呼ばれる物があるらしいな、部屋でそれについても教えて欲しい」

「部屋……お前ら同じ部屋? てか、先ず日本語を学べよ」

「あっ……」

「ともかく、じきに消灯時間だ。そこに関しては容赦せんぞ」

「それも一興だが、退かせて貰おう」

 ……ど、どんな会話だ!?

箒が理解するにはまだ早い。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 真っ黒に、戦場は焼きつくされた。

『お疲れ様、回収地点で待機して下さい』

これを作りだした一機のACが、“緑色の笑み”が焦土に(たたず)む。

『相変わらずね、あんたの力って』

「それをお金儲けに使っているのは誰でしょうね?」

『そう言われちゃうと、何も言えないわねぇ……』

 「ねぇ、ロザリィさん」

『ん? 何かな?』

「あの企業……と言うと違うけど、“あれ”が進出してから、

 だんだん機体の速度が速くなってない?」

『あぁ、“財団”って奴?』

『確かに、私達と同じ“所”の方に憶えはありませんし、

 ですが、この開発スピードはACの設計に手慣れているとしか……』

「取り敢えず、帰りたいんだけど、フラン?」

『え? えぇ、間もなく回収地点上空です』

“彼女”はまた、別の戦場へ飛ぶ。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 篠ノ之神社、境内、早朝。

一人の男が木刀を振るう、その太刀筋は澱みが一切なく、真剣を彷彿させる。

〚――――ッ!〛

静と動、二つが彼によって調和を得る。

〚――――疾ッッ!〛

振りぬかれた後に、“無”が訪れる。

 

 〚真改さん、朝食の時間ですよ〛

〚……応……〛

彼の一日が始まる。

 

 〚へぇ、男性IS操縦者が三人だって、凄いな〛

篠ノ之神社が持つ篠ノ之道場が門下の子弟が新聞を読んでいた。

〚真改さん、知ってるかい、一夏君は解るけど、後は知らないな。

 “アレックス・ストレイド”と“ヴィクトル・グラズノフ”だってさ〛

〚!?〛

〚? どうしたんだい〛

〚……貸せ……〛

 ……真改さんが、“応”以外を言ったぞ!?

真改は食い入るように新聞の写真を見入る。

〚…………出掛ける〛

〚ゑ!? 急に、それもどこにだい!? おい、ちょっと!――〛

彼は旅立つ、かつての盟友の影を探して。

 

 




 第一回Anotherです。
要はこの回が無くとも、話は理解できるよ、って回です。

また、Anotherについては、大枠の説明を省いています。
この第一回はレイヴンとリンクスでないと良く分からないと思います、御了承を。
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