いや~スッキリした。
では、どうぞ!
創真side
「なんと…………たった2週間で…………」
めっちゃくちゃでかくなった、と言いたいのだろう。E組の森から木材や廃材を持ってきて、倒れそうな母屋ごと補強したのだ。
「この子達、ずっと飛び回ってましたよ。本物の職人さんみたいに」
職員の方が松方さんにそう話してくれた。そして、2階へ。2階は2部屋に別れてる。
「ここは…………図書室か。広いな」
「時間と資材が限られてたので、単純な構造にしました」
設計士の千葉が解説を加える。本は矢田さん達が近所を訪ねて要らない物をもらってきたのだ。そしてもう一方の部屋は室内遊戯場だ。床にはマットを敷いて、安全性抜群。
「これ全部、2週間でやったのか!?」
「はい。驚きました?」
僕の言葉に松方さんはふん、と笑い、
「この程度、わしがあと10年若ければ余裕で出来るわい。それで、他にもあるのか?」
「はい、最後は職員室兼ガレージへ」
「ガレージ…………?」
磯貝の言葉に松方は少し訝しげな表情を浮かべる。階段を降りて、1階のガレージには、あの事故で壊れた自転車が進化した、3輪自転車があった。
「大量に搭載出来るようにした。ついでに電動アシストも。さらにこの自転車の魅力は、遊戯場の回転遊具で遊ぶことで、走行分の大半は賄える」
イトナの解説を松方は半分上の空で聞いていた。そして、みんなの方を振り返ると──────────
「お前ら…………上手く出来すぎとる!!」
────────誉めてくれた。
「なんか出来すぎて逆に気持ち悪い!それに、このベルについてるの、わしの入れ歯じゃろ!?」
「再利用しました」
「そんな気遣いいらんし!」
そもそも、と松方さんは一端切る。
「ここで1番重要なのは子供達と心を通わせてるかどうかじゃ。それが出来なかったら、働きぶりは認められん」
「なるほど。それは確かにごもっとも………」
ホリーがうんうんと首肯く。
「ですが、それもちゃんと出来てると思いますよ。多分そろそろ………」
「渚ー!!」
さくら姐さん、学校からご帰宅。
その手にはテスト用紙が。
「クラスの中で2番だったぞ~!」
「おーすごい!よくやったね~」
「えへへ………」
渚とさくらが楽しそうに話しているのを見て、松方はフッと笑った。
「どうしました松方さん?」
「フン…………文句の1つも言えずに悔しいだけじゃ」
その言葉に氷室も同じく笑みを浮かべる。
「………元より、お前らの秘密など興味ない。さっさと学校に戻らんか。大事な仕事があるんじゃろ?」
「「「………はい!」」」
こうして、2週間の特別授業は幕を閉じた。
ただ、その日は………………………………定期テスト前日だった。
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翌日
「さて…………準備は出来てる?碧海さん」
「ばっちりだよ~」
「それは上々」
そして───────
「始め!」
監督の先生の声が響いた。
結果は惨敗。
2週間も勉強してなかったら、こうなるのは当然。E組の大半はトップ 50から弾き出された。結果が返されたその日の放課後、渚、杉野、岡島はとぼとぼと帰路を歩く。
「拍子抜けだったなぁ」
「前回のはまぐれだったようだね~」
わざわざからかう為に待ち伏せしていた、浅野を除く五栄傑の嫌みの報酬。返す言葉もなく、小山と榊原が追撃を掛ける。
「返す言葉もねぇか………ギシシシ」
「この学校は成績が全て。下の者が上の者へ発言する権利はないからね」
黙りこむ渚達にさらに追撃しようとしたその時だった。
「下の者が上の者へ発言する権利はない…………ね」
「じゃあ、俺達にはあんたらはなにも言えないわけだ」
そこに颯爽と現れたのは、碧海とカルマだった。
ちなみに
浅野 学秀 493点 学年1位
月城 碧海 492点 学年2位
赤羽 業 492点 学年2位
学年2位の碧海が口を開く。
「あんたらまだ気付かないの?今回あんたらの為に皆は手加減したんだよ?これ以上トップとられたら可愛そうだからって」
「なんだと…………!」
「それにさ、さっき下の者が上の者へ発言する権利はない、って言ってたよね?じゃ、上の者は下の者へ発言しても良いんだよね?じゃ、創真君、何か言いたいことある?」
すると、渚達がいる方から足音が聞こえてきた。振り向くと、創真が近づいてきた。そして、テストの答案を見せる。
国語 100点
数学 100点
英語 100点
理科 100点
社会 100点
計 500点 真の第1位
真の、と言うのは理事長特製の為にランキングに載ってないからなのだ。創真はごほん、と咳き込み口を開いた。さて、五栄傑ファンの人はムカつくいじりタイムだ。
「いや~2週間も勉強してないのに、あんたら僕に勝てない。あ、そっか。君達の方が馬鹿だからか」
「なっ…………いい加減にしたまえ!E組の分際で!」
榊原の発言に、創真はニヤリと笑う。
「おや?さっき、下の者は上の者へ発言する権利はないんだろ。黙って聞いてろ、下の者が」
「くっ……………!!」
「まったく、五栄傑と名乗っておきながら、1度も僕に勝ててない。もう、五栄傑じゃなくて、五栄傑(雑魚)って名乗ったら?ね、浅野君」
「……………………」
「無反応か…………ま、いいや。でも、次は皆も容赦しない。確か、同じテストを受けるのは次の2学期期末で最後。そこで決着をつけよう。ちなみに、次は僕も皆と同じテストを受けるよ。恐らく、3度も僕に満点を取られるのは嫌だろうから、理事長はとんでもない問題を作らせるだろうね。恥を掻きたくなきゃ、今からでも勉強しておくんだね」
「ちっ…………上等だ。お前の天下もこれまでだからな、創真!」
「頑張って終わらせてね~。あースッキリした」
そう言って創真は他の皆にも声をかけ、歩き出した。そして、それらの会話を見ていた奴等がいた。
「ヌルフフフフ………カルマ君もちゃんと失敗を活かせたようですねぇ。失敗も挫折も成長の源。また、今回の出来事は皆を強くする…………所でホリー君。碧海さんまでもが高得点なのは何故ですかねぇ?」
「どーせ分かってるでしょ?毎日夜遅くまで創真に教わってたんだよ」
「偉いやつだ」
デュオも褒める。
「にしても………創真も相変わらずの毒舌だな。ま、聞いててスッキリしたぜ」
キバットの言葉に3人は苦笑いした。
「迷惑掛けてすみませんでした、烏間先生、氷室先生」
「いえいえ。それで、何か学べましたか?」
氷室の質問に渚が答える。
「今まで身に付けた力は自分達の為に使っていました。けど…………その力は他人の為にも使えるんだって、思いました。暗殺力を身に付ければ、地球を救える。学力を身に付ければ、誰かを助けれる」
その言葉に、創真と碧海とカルマは照れ臭そうに目を反らす。
「もう下手な使い方しないっす、多分」
「これから色々気を付けるよ」
「なるほどな。よく分かった。だが、今の君達では訓練は再開できないな。何せこの有り様だ」
烏間は股が破れたジャージを取り出す。結構ボロボロだ。
「高度な訓練に、学校のジャージでは耐えきれない。それに、君達の安全も守れない」
烏間の言葉を氷室が引き継ぐ。
「そこで、皆さんにプレゼントです。今の皆さんなら、この力を上手く使えるでしょう」
氷室がダンボール箱を開け、未知の衣服を取り出す。
「その名も、『超体操着』。この地球上で最強の体操服です…………………!!」
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