結城創真の暗殺教室   作:音速のノッブ

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遅れてすみません!


急いだので間違ってるかもしれませんが、どうぞ!


第140話 理事長の時間

翌日

 

 

「さて、皆さんはE組を抜ける資格を手に入れた訳ですが…………抜けたい人はいますか?」

 

 

「いないでしょ。ここからが本番だからね、この教室は」

 

 

そう言うと創真はマカロフ似のBB弾銃の引き金を引くが、殺せんせーには当たらない。

 

 

「所で先生よ。折角全員トップ50入ったんだし、なんか褒美やっても良いんじゃねぇか?」

 

 

「キバット君に言われずとも、考えてありますよ。では、先生の最大級の弱点を教えるとしましょうか」

 

 

「あっさりそういうヤバそうなの教えるんだな…………その弱点はどんなもので?」

 

 

「それはですね…………」

 

 

殺せんせーが言い掛けたその時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドォン!!

 

 

「「「!?」」」

 

 

突然、教室を大きな揺れが襲う。創真が教室の窓から覗くと……………顔が引きつったまま固まった。

 

 

そして、呆然と呟く。

 

 

「校舎が半分消えてる……………」

 

 

皆も窓から覗くと……………確かに、校舎がショベルカーによって半分壊されていた。

 

 

「退出の準備をしてください」

 

 

声がした方を向くと、そこには理事長がいた。

 

 

「今朝の理事会で、この校舎を取り壊すことを決めました。君達は来年開校する新校舎に移って貰います」

 

 

「新校舎?嫌な予感しかしないですね」

 

 

「脱出防止システムを搭載した監獄のような環境………………私の教育の理想です」

 

 

「理事長。ハッキリと言わせて貰いますが、あなたの思考はパンクしてますね。色々ありすぎて」

 

 

「私はいつも通りですよ、氷室先生?……………ああ、それと殺せんせー」

 

 

「にゅ?」

 

 

理事長は懐から紙を取りだし、殺せんせーに見せる。その瞬間……………殺せんせーの表情が青ざめた。

 

 

「もう、私の教育にあなたは不要です」

 

 

その紙には、解雇通知と書いてあった。

 

 

「ですが、勘違いなさらぬように。私は…………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あなたを殺しに来たのです」

 

 

「へー……………………何を企んでるのか知りませんが、すんなり行ける相手じゃないんですよ?」

 

 

創真の言葉に、謎の笑みを浮かべて返す理事長。そして、重機を使う作業員に、一旦解体を中止するように伝え、校舎に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理事長は机の上に用意した問題集を置いた。

 

 

「殺せんせー。首になりたくない、そして校舎を破壊されたくないなら、私とギャンブルをしてください」

 

 

外に出された生徒達は、この時点で理事長が何をしたいのかまだ分からなかった。

 

 

「ルールはこうです。私が作らせたこの5つのグレネード…………4つは対先生用BB弾入りで、1つは対人用です。レバーが上がると爆発するタイプのこれらを問題集の適当なページに挟みます」

 

 

「………………で、そのページの問題を解けと?」

 

 

「正解だ創真君。ページの右上の問題を1題解いてください。ただし、解けるまでは動いてはいけません。順番は殺せんせーが4つ先に解き、私が最後のを解く………こんなところです」

 

 

(なるほど。なかなか勝算が高い…………ように見える。首をちらつかせて、あからさまに優位な暗殺を仕掛ける…………………か)

 

 

創真が内心でそう分析するなか、理事長は殺せんせーに問い掛ける。

 

 

「殺せんせー、やりますか?」

 

 

「………勿論やりましょう」

 

 

殺せんせーの声が少し震えていた。動揺でもしてるのか、触手も震えてる。

 

 

それをにこやかに見守る理事長。

 

 

緊張している殺せんせーが問題集を開いた。透明化中のホリーも問題集をチラッと見る。数学………………平面図形計算だった。

 

 

(……………ん?おい、殺せんせー!?早く答えろよ!爆発するぞ!!)

 

 

ホリーの心の声もむなしく、殺せんせーは何故か頭を抱えるばかり。

 

 

そしてついに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バァァンッ!!

 

 

教室に煙が立つ。

 

 

「まずは、1ヒット」

 

 

理事長が不敵な笑みを浮かべながら呟く。殺せんせーはかなりのダメージだった。

 

 

「さ、回復する前に次を解いてください」

 

 

理事長が解雇通知をちらつかせながら促す。

 

 

「フフフフ…………やはりあなたは凄い人だ。流石ですよ、理事長」

 

 

「それはありがとう、創真君」

 

 

「ええ、本当に凄いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分の首を締めてることに気づかない所が」

 

 

「「「!?」」」

 

 

理事長すらも挑発する言葉に、皆は少し驚く。

 

 

「……………ほう?どういうことだい?」

 

 

「見てれば良いじゃないですか?」

 

 

創真に言われて殺せんせーに目を戻すと、丁度問題集を開こうとしてるところだった。

 

 

ピシッ

 

 

そんな音が響いたと思うと、問題集の表紙に答えが書いてある紙が貼られた。

 

 

「はい!開いて解いて閉じましたよ。この問題集、どこにどの問題があるか殆ど覚えてます。数学は長く貸していたので、忘れていました」

 

 

「馬鹿な…………たまたま覚えていたとでも………」

 

 

「日本中の問題集を解いて覚えたんだろ。僕も解いたし。僕がやるんだから教師もそれくらいやるだろ?」

 

 

(((いや、創真!!全国の問題集を解こうと思うのはお前ぐらいしかいねぇよ!!)))

 

 

全員は心の中でごもっともなツッコミを入れる。

 

 

「やはり、氷室先生の言う通り、教え子の敗北で心を乱したようですねぇ」

 

 

そう呟きながら、殺せんせーは残りの問題集をちゃっちゃと片付けていく。

 

 

「安易な暗殺であなたは自分の首を絞めた…………残り1冊…………解きますか?浅野理事長」

 

 

理事長は、殺せんせーの言葉をぼんやりと聞いていた。彼の頭の中では、あのときの『後悔』過っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は良い生徒を育てていた。

 

 

この校舎で塾を始めたときの、第一期生…………彼等は本当に『良い』生徒だった。ずっと、こんな『良い』生徒を世に出していこうと思っていた。

 

 

あの時までは。

 

 

とても元気だった、第一期生の1人がいじめで亡くなった。その時私は悟った。強い生徒を育てなければならなかったのだと。だから、教える私は強さを学びつくし、その強さを生徒に教え続けた。

 

 

強い生徒に育てるために、私は何でもしてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、残ったのは『死』だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………理事長。貴方と言えども、流石に爆弾の挟まった問題集を解けるわけがない。あなたの負けでは?」

 

 

氷室の声に、理事長は現実へ戻された。

 

 

 

「確かに私の負けです……………でもね」

 

 

「…………何をする気ですか?」

 

 

氷室の質問には答えず、理事長は殺せんせーの方を向く。

 

 

「殺せんせー。あなたが地球を滅ぼすなら、それで良いんですよ」

 

 

そう言って、理事長は問題集を開いた。

 

 

バァァンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………………!!」

 

 

────────理事長は死ななかった。

 

 

「なるほど。脱皮を理事長用に残しておいたのか、殺せんせー」

 

 

「創真君の言う通りです。私が勝てば自爆を選ぶと思ってたので」

 

 

「何故私の行動が断言できる?」

 

 

「似た者同士だからです。どこまでも教育に意地っ張りで教育バカ……………テストの間に、あなたにあった出来事を調べました。10年前のあなたの教育理想は私の理想とそっくりでした」

 

 

殺せんせーは続ける。

 

 

「あなたと私の違いはE組があったこと。同じ共遇をしてるから、校内いじめに耐えられる。1人で抱え込まなくてすむ…………このE組を作ったのは理事長、あなたですよ……………もしかして、御忘れなっていましたか?」

 

 

理事長は下を向いて、暫く黙っていた。そして、顔を上げたとき、全てを理解したような顔をしていた。

 

 

「どうやら私もあなたに手入れされてしまったようだ……………E組の取り壊しは中止にします。それと、私もたまに殺りに来ても良いですかね?」

 

 

「いつでもお待ちしていますよ。ヌルフフフフフフ」

 

 

理事長は去り、殺せんせーの首と、校舎の取り壊しはなんとか免れたのであった。




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