フムフム……………まだ分からない人は…………早く読んでみてください!
人間その物の容姿のホリーとデュオ。今さらだが、彼等は人間ではない。
元死神と聖霊である。そんな彼らは……………《あちら側》に行った人間に会う事が可能なのだ。
わざわざ《あちら側》に行って、誰に会うと言うのか─────────────。
「ねぇ、まだぁ~?」
息をハァハァ、とつくホリー。
「あと5分位だ…………元より、ここに行こうと誘ったお前がこの様でどうする……………」
呆れるデュオに、だってだって!とホリーは続ける。
「いつまでたっても何も見えないじゃん!こんな場所なんて聞いてない!」
「じゃあ、どんな場所だと思ってた?」
「え?麗しき美女がたくさんいて……あとは………」
もうこいつは手術でもしなきゃこの思考は直らない。デュオは何度そう思ったことか。
「お、着いたんじゃねぇか?」
キバットの目線の先には、小さな家がポツンと立ってた。
「やぁっと着いた…………さぁ、行こうか!」
急に元気になったホリー。一気に駆けていく。
「いるよな…………目的地に着くまでぶつくさ言ってた奴が、目的地着くとめっちゃはしゃいでるっての……………俺様、そう言うの何人も見てきたぜ」
そんな様子のホリーを見て、キバットがポツリと呟くのだった。
その家のドアをノックすると、中に入って良いよ、と聞こえたので、お邪魔しますと言って3人は中に入る。玄関を通ってリビングに入ると、そこは余り物が置いてなくて、開放的だった。
するとそこへ…………………
「お待たせ~!余り良いものないけど、どうぞ!」
その人は盆に紅茶をのせて現れた。
「わざわざありがとうございます。そして、初めまして
雪村 あぐり先生」
その女性、雪村先生はデュオ達に座るように促す。
「昨日はすみません。いきなり訪問しても良いかなど一報いれて」
「いやいや、大丈夫だよ!ここにお客さんが来るなんて初めてですから、私もワクワクしてたんだ」
雪村先生の言葉にホッとした3人。そして、それぞれ自己紹介を済ませた。
「所で、3人はどうしてここへ?」
「雪村先生がかつて担任を持ってたE組に僕らは邪魔させて貰ってるんですが………………ちょっとアドバイスを仰ぎたくて。実は…………………」
「……………なるほど。死神さんの過去を皆は知っちゃって、クラスの空気が重くなってる…………と」
雪村先生はフムフム、と首肯く。
「まぁ、でもずっと秘密を隠し続けてる間、死神さんもモヤモヤしてたと思うからある意味良かったのかも…………」
「まぁ、それはある意味正しいかもな…………」
紅茶をストローで飲みながらキバットが静かに呟く。
「俺らは何千年も生きてるんだけど、こういう事は今までになくて、どんな言葉を掛ければ良いのか分からなくてな………………先生だったらどんな言葉を掛ける?」
「うーん……………そうだなぁ…………私だったら………
何も言わない。そっと見守る……………かな?」
この答えは少し意表を付かれたのか、3人は少し驚いた表情を見せた。
「え、でも生徒が悩んでたら普通は先生が導いてあげるもんじゃ…………」
「確かに、ホリー君の言う通り、一般的にはそうするかな?でも、あのE組にいる彼等なら自分達で答えを出せると思う。だから、何も言わずそっと見守るかな………」
「………………話変わりますが、雪村先生はどうして教師になろうと思ったんですか?」
デュオの問い掛けに、雪村先生は少し照れ臭そうに答える。
「そうだなぁ……………単純に先生に憧れてたから…………じゃダメかな?」
「いやいや、全然!にしても何か勿体ないなぁ…………こんないい先生が早く逝っちゃうなんて…………」
ホリーの嘆きに、雪村先生はクスッと笑った。
「ありがとう、ホリー君。そう言えば、あかりは元気にしてる?」
「あかり…………………?あ、茅野の事か。まぁ、色々ありましたが、元気にしてますよ」
「良かったー!唯一そこが心残りだったの。あかりは私がいなくても上手くやっていけるかなー………って」
「妹思いだな」
「当然だよキバット君。姉なんだから、やっぱり気にするよ」
そう言って、雪村先生はニコッと笑う。
「俺らはここら辺で失礼します。色々とありがとうございました」
「え!?もう帰っちゃうの!?滞在時間10分位しかいないよ!?」
「創真が待ってますから。ああ、E組の生徒ですよ、彼も。全国模試で1位を取り続けてるような、反則級の天才です」
「………………あ、そう言えば椚ヶ丘にいたとき、全国模試で1位の座をずっとキープし続けている生徒がいるって聞いたことがある!それが創真君かぁ……………これからも頑張ってって伝えといてくれる?」
「オッケー!任せといてください!」
「お邪魔しました」
「うん!また来てね~!」
「いやー、良い先生だったな」
帰る途中、ホリーが笑いながら云う。
「まぁ俺様、本人の前だから言わなかったが………………インナーがとてつもなくダサかったな」
───────それは否定できないな。
デュオは心の中で呟く。
「ま、取り敢えずどうなるか分からないが、あの教室の最後まで見守るか」
「そうだな。雪村先生の言う通り、俺様達は皆がどうするのかを見守ろうぜ」
「そうだね。さっ、早く帰ろうよ。創真は今頃何してるんだろうなー」
一方その頃、創真は………………
「延長戦?意味わからん。どんだけ留守にする気だよ…………卒業式までには戻る?頼むよ、ほんと。じゃ」
電話を切って、創真は大きなため息をつく。
「一稼ぎ出来そうだから、もうちょっと居るって………………いつまで海外でやる気だよ…………」
こんな感じでした。
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