どうぞ!
パァン!
その銃声の瞬間……………片岡と竹林の超体操着にインクが飛び散った。
「「な………………!?」」
驚きを隠せない2人。変わって千葉と速水は殺れた事への余韻に浸ることなく、次の標的……………創真に照準を合わせる。照準に映る創真は通信機に耳を傾けているように見える。
「……………貰った」
千葉がボソリと呟き、引金を引く。そのままスコープを覗き、着弾を見守る。
「……………!!」
一瞬、スコープ越しに見える創真が自分を笑ったように見えた。創真は体操着につけていたナイフ入れからナイフを取りだし……………弾を弾いた。
「嘘だろ!?そんなのありかよ…………くっ」
千葉は呆然と呟くが、直ぐに切り替えて再び狙おうとするが、既に創真の姿はなかった。
『……………千葉君』
突然、碧海の声がしてきた。
『今すぐそこから離れた方が良い。恐らく君は創真君にマークされている。すぐに創真君の差し金が来るよ』
すると、岡島が通信に割り込む。
『碧海ちゃん、大丈夫だって。俺が回りを見張ってるからさ』
『いいから早く!さっき言っておいた別の狙撃ポイントに…………』
パパパパパパパパパ!
千葉と岡島に弾丸の雨が浴びせられる。
「「!?」」
千葉と岡島の目先には、神崎がいた。
『…………だから言ったのに。殺られたでしょ』
通信機先の碧海がため息をついた。
「千葉君と岡島を殺った?ナイス!」
神崎の報告にそう答え、創真はふぅ、と息をつく。
「にしても、速水さんも千葉君も流石だね…………速水さんも早めに潰しとかなくちゃ」
そう言いながら、創真は森を歩く。現在、創真は単独行動中だった。
「………………ん?」
何かの気配を感じた途端、創真は反射的にその場から飛び退いた。先程まで創真がいた場所にはナイフが突き刺さっていた。
「…………やっぱすげぇな、お前」
刺さったナイフを拾いながら、隼は苦笑いする。
「ここで、お前に良いお知らせだ。神崎はカルマが殺ったぜ」
「ま、お前らの方も菅谷君が殺られたらしいじゃん?」
「まぁ、そうだな。で、次はお前ってわけ」
隼はナイフと銃を構えて言い放つ。
「だが、僕相手にお前だけ?フェアプレイ精神は感心するが、お前1人ならちゃっちゃと片付けてやるわ」
「あぁ、そうかい。だが、1つ走り間違ってるぜ。
俺は最初から一対一のバトルをするなんて言ってないぜ?」
「はい?」
思わず間の抜けた返事をする創真。すると、奥から碧海、木村、岡野の3人が現れた。
「フェアプレイ精神が微塵も感じねぇ…………1人相手に4人掛りとか」
「わりぃな。まぁ、それは全部悪徳司令官のカルマに言ってくれ」
「あんにゃろう………………」
「さぁ、どうする?今なら降伏って選択肢も入れてやるぜ?」
「なめられたもんだ……………だが、この状況で戦っても勝てるか微妙だね………………
なのて、逃げまーす」
そう宣言した瞬間、創真は近くの木に登って、木から木へと渡って逃走を開始した。
「逃げんなよ!!それでも男か!?」
そう突っ込んで、隼らも追撃を開始する。
『磯貝くーん!ちょっと、暫く指揮任せる~!』
「まさか追われてるとか!?なら、応援に行く!」
『まぁ、それは大丈夫。変人4人組は僕で何とかする』
誰が変人だ!!…………そんな声が磯貝の通信機に飛び込んできた。
『やっべ、怒らせちゃった。ま、必要になったら呼ぶからよろしく~』
そう言って通信は切れた。
「頼むぞ創真…………って、俺もそんなことしてる場合じゃないんだが………」
そう呟いて、磯貝はBB弾を装填し、茂みの中に銃口を向ける。現在、磯貝達はE組の闇、狭間からの襲撃を受け、不破と杉野を殺られたのである。創真も創真で大変なのだが、こちらも決して楽ではない。
「あー走るのダルい」
「なら、大人しく殺られやがれ創真!」
木村が銃2つを連射するが、創真の変則的な動きに翻弄され、当たらない。
「あ、多分ここら辺に確か……………陽菜乃、聞こえる?」
『あ、創真君!もしかして助けが必要?』
「うん。陽菜乃がいるところは大体分かってる。僕が君の上を通る。そしたら敵が4人通るから撃ちまくって」
『分かった!任せて創真君!』
倉橋は銃のセーフティーを解除し、創真が通るのを待つ。
(緊張してきた……………!!創真君にいいとこ見せなきゃ!)
間もなく、創真が倉橋の上を通った。そして4人も来た。
パァン、パァン、パァン!
「うぉ、倉橋!?…………そうか、誘導されてたのか…………」
ギリギリで避けた隼が驚きを含めた声をあげる。
「よーし、ついでに陽菜乃ちゃんを殺ってやる!」
岡野が標的を倉橋に切り替える。三対一なった。
「さぁ、いつまで逃げきれるか、創真!」
木村が隼よりも前に出て、連射する。勘にも近い感覚でそれらを避ける創真。起死回生を狙って、何か使えるものを探す。
すると、創真は跳び移るのを止めた。
(なんだ…………諦めたのか?それとも何か企んでるのか?まぁ、良いか)
木村は銃の狙いを定めて、引き金を引いたその時だった。
「せーの………!」
創真はその場でジャンプした。
バキッ!
その衝撃に耐えられず、木の枝は折れる。そして、落ちてく創真の頭上を弾丸が通過していった。
「何!?」
着地した創真は脱兎の如く走り去る。
「くそ…………逃げられた」
生憎、隼と碧海は木の枝に跳び移ってた最中、即ち空中にいた。そのため、咄嗟に下を走る創真を狙えなかった。
「しゃーない。切り換えていこう。で、次はどうする?」
「そうだね……………隼と私で創真君を追おう。木村君は……………あそこにいるひなたちゃんを助けてあげて」
碧海が指差した彷徨を見ると、確かに岡野が茅野にナイフで攻撃されている。
「それにしても、茅野の動きが訓練中とは少し違う。爪を隠していたのか……………」
「そんな所でしょ。さ、行くよ隼」
それぞれは別方向に駆け出した。
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