結城創真の暗殺教室   作:音速のノッブ

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さぁ、最終兵器を見せつけようか………………。


第165話 始動の時間

あれからもう、6日も経過し、ついにレーザー発射日となってしまった。

 

 

「おい、創真。もうレーザー発射日だぞ」

 

 

「分かってるよ。流石に、そろそろ限界か……………僕らの手で無理矢理でも皆を解放させるか?いや、それで皆に何かあったら不味いな………………」

 

 

作業も昨日で全て終わり、皆の脱出の知らせを4人は懸命に待つ。

 

 

「てか、あいつら脱出出来るのか?」

 

 

デュオは創真に訊ねてみた。

 

 

「僕の予想では、烏間先生が何か手を打ってくれると思ってたんだけど…………………」

 

 

創真は時計を見る。時刻は8時を指していた。

 

 

「どうせあと4時間したらレーザーが発射されて、全てが終わる。このままじゃ、殺せんせーに会えずに終わってしまう。きっと、あいつらも殺せんせーに会いたいと思っている筈だ……………」

 

 

「創真…………………」

 

 

珍しく苦悩する創真を、ホリーが心配そうに見つめる。何か言わねば、とデュオが思ったその時だった。

 

 

通信機から声がした。

 

 

『…………………そこにいるんじゃないのか、創真君』

 

 

「「「「!!」」」」

 

 

全員が置いてあった通信機に駆け寄る。

 

 

「その声はもしや…………………烏間先生ですよね!」

 

 

『あぁ、そうだ。それにしても、やはり檻を出ていたか』

 

 

「えぇ、まぁ」

 

 

『今、他の者にはバレないようにこっそりと連絡している。創真君、他の皆がたった今脱出した』

 

 

「え、それほんとですか!?」

 

 

創真が確認しようとしたとき、創真のスマホに着信が入った。自分の父親からだ。創真の代わりにホリーが出る。

 

 

『喜べ創真!他の生徒らが脱出したぞ!1人も欠けずにな!』

 

 

「創真!やっぱり、全員脱出したのは本当みたい!」

 

 

ホリーが創真に向かって叫ぶ。それを聞いた当の創真はニヤリと笑った。

 

 

「烏間先生。皆の脱走を手助けしたのは、あなたですか?」

 

 

『策を考えたのは俺だが、実際に動いてくれたのはイリーナだ』

 

 

「なるほど。ビッチ先生にも感謝しないとね。いや、まずは烏間先生、本当にありがとうございます」

 

 

『礼は良い。それより創真君。君も皆と合流するんだ』

 

 

「分かりました……………あぁ、そうだ烏間先生」

 

 

『何だ?』

 

 

「烏間先生も後で校舎に来てください。大切な先生ですから」

 

 

『………!!あぁ、分かった。君たちの健闘を祈っている』

 

 

そして、通信機は沈黙した。

 

 

「よっし、じゃあ3分で準備して出るぞ!」

 

 

「「「おう!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きっかり3分後、フル装備の彼等の姿があった。

 

 

「よーし、では今から皆と合流しよう」

 

 

「よっしゃあ!キバって行くぜ!」

 

 

キバットが高らかに宣言する。すると、また通信機から声が聞こえてきた。今度は別の声だった。

 

 

『聞こえるか!E組の生徒が脱走した!君達はそこの奴等に気付かれぬようにそこを出て、包囲の方の応援に付け!』

 

 

すると、創真はニヤリと笑みを浮かべて通信機を手に取る。

 

 

「いえ、残念ですが包囲の応援には行けそうにありませんね。何せ、2人とも檻に入れられてますから」

 

 

『!!まさか、貴様ら……………自力で脱出したのか!?』

 

 

「ええ、知らないとは思いますが、もう捕まった即日に出てました。あなた方は僕がずーっと、大人しく檻にいると思ってたでしょ?僕らの方が1枚上手だったようですね」

 

 

『くそっ……………伝令!至急、特殊警備case004を発動!あの4人を逃が』

 

 

創真は飽きたのか、通信機は思いっきり踏みつけて破壊した。

 

 

「よーし、行こうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

創真らが外に出ると、既に回りは大量の自衛隊員に囲まれていた。それだけではなく、上空には軍用のヘリコプターが5台ほど飛んでおり、ライトで創真を照らしている。

 

 

『動くな!それ以上、動けば発砲する!我々は、射殺の許可をも貰っている!スナイパーも配置され、見ての通りお前は袋の鼠だ!諦めて、投降しろ!』

 

 

隊長らしき男がそう言うと、回りの自衛隊員らは銃を創真に向ける。

 

 

「おやおや、大した配備じゃないか。だが、この程度はホリー君に頼るまでもない」

 

 

創真は懐からカードを取りだし、何かを唱える。

 

 

「『月下獣、半人半虎』」

 

 

その瞬間、創真の手と足が虎の物になり──────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………………あれ?」

 

 

──────何も起きなかった。

 

 

「おい、ホリー君?」

 

 

「あれれ、おかしいぞー?」

 

 

ホリーは創真の手からカードを取って裏返したり、ペチペチと叩くが、何も起きない。

 

 

「もーいいや。もう一個のを使おっと」

 

 

創真はパチんと指を鳴らす。その瞬間、創真と自衛隊員らの間に金色の光の柱が立つ。それが収まると───────アクティオンゾウカブト型の形をした金色のカブト虫がいた。

 

 

「最終兵器。名付けて、マシンカブト3『Actaeon』」

 

 

創真がその名を呼ぶと、マシンカブト3は内蔵されている銃口から弾丸を高速で連射し、近くにいた自衛隊員らの銃を弾く。弾かれた銃は地面に転がる。

 

 

「あ、あれを撃て!」

 

 

裏返った声を聞いた隊員らは銃をマシンカブトに向けて撃つ。銃弾が命中する直前、マシンカブトは装甲を展開し、青く発光し始める。そして、周囲に青い衝撃波を飛ばしたかと思えば、当たろうとしていた弾丸を止めた。止められた弾丸は地面にパラパラと落ちる。

 

 

「これで終わりじゃない。『オールデリート』発動」

 

 

創真がそう言うと、今度は羽も展開し、全身は緑色に発光する。そして、機械音声が、創真や自衛隊員らの耳元に響いた。

 

 

「『オールデリート』」

 

 

刹那、緑色の衝撃波が辺りを襲った。その瞬間、異変は起きた。

 

 

「じ、銃が……………砂に…………」

 

 

銃が砂と化し、地面にサーッと落ちていく。それだけではなく、自衛隊員らの服も朽ちて剥がれていく。さらに、創真を照らしていたヘリコプターも動きを止め、砂と化していく。乗っている隊員はデュオが黒獣でキャッチして、簀巻きにする。

 

 

そして、10秒も立つ頃には、素っ裸で何も持っていない自衛隊員らと、服を着ている創真らの図が出来上がっていた。大きな風が吹いたかと思えば、その場にいた自衛隊員らは静かに倒れた。気絶させたホリーはふぅ、と手首をぽきぽき鳴らす。

 

 

「いや、スゲー。改めて見るとスゲー……………おい、創真!お前、すげえよ!」

 

 

「いやー、大したことないよホリー。でもね、これ弱点がございまして」

 

 

「どんな?」

 

 

「今の攻撃の有効範囲が100メートルしか無くてですね。あと、1回しか使えない。エネルギー切れを起こす」

 

 

「なーんだ、そんな事か。でも、問題ないでしょ。全員倒したんだし」

 

 

「………………さっき言ってた自衛隊員の人の言うことがほんとなら、多分スナイパーが僕を狙っている気がし」

 

 

「危ない!」

 

 

言い終わるよりも前に、デュオが前に出て、黒獣が吠える。その瞬間、赤い波紋に銃弾がぶつかった。

 

 

「ほら、言った傍から」

 

 

創真は何処からともなくスナイパーライフルを取り出し、スコープを覗く。

 

 

「いたいた、距離は1.3㎞位か……………」

 

 

創真のスコープには、高層ビルの屋上に屈んで狙撃銃を構えている男の姿があった。銃本体を狙うか、と創真が狙いを定めようとした瞬間だった。突然、後ろから狙撃銃を持つ男に襲いかかる男の姿が、スコープを通して創真に映された。

 

 

「お、何か変な男が襲い掛かったぞ!あ、しかもワンパンチでKOさせたよ!」

 

 

ホリーが興奮気味で話す。

 

 

「てか、創真。あの人って………………」

 

 

「あぁ。うちの父さんだ……………」

 

 

創真の父親はスコープを通して見ている創真にサムズアップをした。その直後、彼等の後ろに2台のスポーツカーが止まった。

 

 

「顔を合わせるのは1週間ぶりですね、創真様」

 

 

赤いライカンから氷室が出てきて云った。

 

 

「ほらよ、お届け物だ」

 

 

ランボルギーニから出てきた隼&碧海の父親が創真に箱を投げつける。創真が慌ててキャッチし、地面に置いて中身を見る。そこには、超体操着等の装備が一式揃っていた。

 

 

「ありがとうございます」

 

 

「礼は言葉じゃなくて、金で良い」

 

 

そう言って彼はニヤリと笑う。

 

 

「創真様。他の皆からの伝言です。隣町のこのビルで待ってる、と」

 

 

氷室はスマホの地図を見せる。それを見た創真は、コクりと首肯く。

 

 

「よし、じゃあ行くか。あぁ、それとお2人共、色々とありがとうございました」

 

 

「いえいえ、それほど大した仕事はしてませんよ。ね?」

 

 

「ね?って、………………俺的には色々と大変だったんだがな。おい、隼と碧海に伝えておけ。思う存分、暴れてこいと」

 

 

「ええ、伝えておきますよ。では!」

 

 

そう言って、創真らは飛び去って行った。

 

 

レーザー発射まで、あと180分。




THE NEXT story 5/28 PM 22:00

オール、って言っても全部は消してない笑
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