「いや~中々この世界も悪くないね」
この世界に訪れて数日。創真は中々気に入った模様。
「にしても、君は暗殺者なんだね。そうには見えないが」
最後のはいらねぇよ、とルークは云う。
ちなみに、今はフィーベル、ルミア、リィエルを待っている。ホリー達は朝御飯だとか。彼等と一緒に登校するのが当たり前な感じになっていた。
「創真殿、1つ質問よいか?」
「ん?なんだい、キョウヤ君?」
「お主、何者じゃ?」
キョウヤは鋭い目つきで訊ねる。
「お主が自己紹介の時に見せたあの殺気……………只者ではないのを感じた。まるで、『暗殺者』のような」
「………………………」
「創真殿……………お主は……………」
その言葉は最後まで続かなかった。何故なら首元にナイフが突き付けられていたからだ。殺気も感じさせず、さらに恐るべき速さ。もし、寸土目でなければ殺られていた……………かも知れない。
「そう、君の言う通り僕は元、暗殺者だ。ターゲットはマッハ20のタコ型超生物……………その超生物………………名は殺せんせーは、学校の担任を持っていた。で、生徒兼暗殺者である僕らはその命を狙っていた」
なるほど、と2人は納得する。道理で強い訳だ。
創真はナイフを降ろして続ける。無論、殺す気など最初から微塵もないのは言うまでもない。
「結局、殺せんせーは僕らの手で殺したんだけどね。殺せんせーは超良い先生でさ。君達にも会わせてあげたいもんだねぇ…………」
「…………相当良い先生なんだろうな」
「会ってみたいものじゃな…………殺せんせーとやらに」
すると、そこへ………………
「お待たせ~!」
システィーナ達が漸く来た。
「ま、他の皆には内緒でよろしく~」
「りょーかい」
「御意」
そう言って、3人はフィーベル達の元へ足を進めた。
「ね、寝坊!?」
「う、うん…………グレンからさっき連絡が来て……」
セラがアハハ…………と苦笑いしながら云う。
「ほんと、ダメ講師だな。まさに、ろくでなし魔術講師って奴だな」
キバット、原作のタイトル回収。
「やれやれだ…………暇だから、僕が授業しようか?」
「え、創真君が!?出来るの?」
ルミアが驚きの余り訊ね、勿論!と創真は云う。
「僕は魔術をほぼ完璧に理解した。あっちの世界でも魔術の事ばかり考えてたよ~」
「ほー。じゃ、創真大先生、やってみろよ」
「良いだろう。ルーク君にすべての質問を当ててやる」
「面白れぇ。全部答えてやらァ!」
ルークの闘争心に火がついたその時…………!!
バァン!
銃声。
「動くなよテメーら」
扉の方には、10人程の男が立っていた。
「ッッ!!お前ら、天の智慧研究会の手先か!?」
「ご名答。ここに珍しい異能者がいると聞いた……………そいつを差し出せば何もしねぇ」
異能者………………あぁ、それは私だとルミアは分かる。
異能者とは、悪魔のように嫌われる存在なのだ。
知っている者は数少ないが、ルミアは異能者なのだ。
(私のせいで皆を巻き込むわけには………!!)
ルミアが名乗り出ようとしたその時………!!
「ねぇ、君達~」
それよりも先に口を開いた者がいた。
創真だ。
「何だこのガキ?」
「僕は合理的主義でね。手短に終わらそう。お前がその銃で1発撃って、そしておまえらを僕が隣町までふっ飛ばす。それで良いだろ?」
「何だと!?」
挑発するような言動。銃口が創真に向けられる。
「ダメだよ創真君!君が………!!」
「ルミアちゃん。君が名乗り出る必要はない。いや、出るな」
「!!」
「さぁて、早く撃ってみた前よ。その銃で」
創真は指先で銃をツンツンと、つつく。
すると…………………
「な、何だ…………銃が重い…………!!」
銃口が意思に反して下がっていく。
「くそ……………お前ら!こいつを殺せ!」
「《羅生門…………連門顎》」
そう唱えた瞬間………創真の姿が、襟付きの黒外套に変わる。
そして、外套から黒獣が飛び出す。
「う、うわぁ!?」
一瞬で5人を吹き飛ばし、気絶させる。
しかし、後ろにいた残りの4人が引き金を引く。
が、創真は至って冷静。
「《空間断絶》」
すると、赤い波紋が空中に出現し…………弾が床に落ちた。
「ば、馬鹿な…………何だその技は!?」
「さぁ、何でしょー?《重力操作》」
創真の姿が、ショットコートにベスト、そして黒いロングコートに。特徴的なソフト帽子も忘れていない。
「ち、調子に乗るな!」
頭的な男自らナイフを持って襲い掛かる………!!
「やれやれ…………懲りないと言いますか」
創真はヒョイヒョイと避けて、ため息をつく。
「チィ!ちょこまかと!」
「上に参りまーす」
すると、創真の体が上へ上昇。天井に足をつけた。
「重力操作か……………!?」
「さっき言ったやろ?」
そう言いながら、創真はそこから飛び降りる。
ドォン!!
傍にいたボスや、後ろにいたセラも後ろにバックステップをとる。
「「「!!」」」
そして、驚愕した。
床が抉れているのだ。天井から落ちた衝撃で。
説明すると、重力操作で自分の質量を増やしたのだ。
「さぁ……………重力と戦いてぇ奴はどいつだ!?」
「ッッ!!」
一団は気迫に押され、じりじりと後ろに下がる。
「逃げちゃうのかい?そんな腰抜けなら、興味ないや。じゃ、御二人さん、よろしく~」
「「「へ?」」」
後ろを振り向く暇もなく、男達は意識を奪われた。
気絶させた帳本人達、ノーネームとキョウヤはため息をつく。
「ったく…………お前、わざと手加減してただろ?お前なら全員を倒すくらい楽勝だろ?」
「さてさて、どうでしょう~?」
「お主………………戦いを楽しんどるのか?」
「戦い?キョウヤ君、こんなの戦いとは呼ばない。ただの作業さ。邪魔者を取り除く、ね。さーて、邪魔者は消えたから授業する?」
「「「切り換え早すぎだろ!?」」」
全員から総突っこみを創真は受けた。
「ワリィ、ワリィ。遅れちまった」
そこへグレン先生到着。
「まったく、先生がいない間大変だったんですからね!?」
フィーベルがグレンに喰って掛かる。
「悪かったって。でもまぁ、良く分かんねーけど、無事に解決したなら良いじゃねぇか……………って、何か床抉れてるじゃねぇか!?」
「ホリー、直せる?」
「直したよ」
床はピッカピカの新品に直されていた。
「ねぇ、先生。折角だから、僕が授業しようか?」
「そりゃ、願ったり叶ったりだが…………何教えんだ?」
「折角なんで、この文豪の世界の仕組みを……………これは、魔術と皆は思うでしょ?でもね、僕の世界ではこう呼ぶ。
『異能力』……………と」
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