結城 創真の暗殺教室   作:音速のノッブ

26 / 201
あと二、三話で修学旅行編は終わりです。
気に入ってくれたら嬉しいです。

それではどうぞ!


第19話 修学旅行の時間 4時間目

創真side

 

 

「そんなに驚いた?」

 

 

「まぁ少しは……」

 

 

そうこの店は僕のお婆ちゃんの店だ。まぁ正確に言えばお婆ちゃんとお爺ちゃんのお店だが、お婆ちゃんが店主なので名目上はお婆ちゃんの店だ。

 

 

「皆は注文何にする?」

 

 

「せっかく京都に来たんだからにしん蕎麦食べてみたい!」

 

 

岡野さんの意見に皆賛成した。

 

 

「と、言うわけでお婆ちゃん、にしん蕎麦8人前頼むわ」

 

 

「はいはい」

 

 

蕎麦ができるまでの間、暫く雑談していた。

 

 

「このお店っていつからやってるの?」

 

 

倉橋さんが質問してきた。

 

 

「15年前からかな?僕結構引っ越しが多くてね……全国を転々としてたから京都にも居たんだけど1ヶ月位だけだからあんまり食べる機会なかったから久しぶりだな」

 

 

「へ~。でも創真君、寂しくなかったの?だってお友だち出来てもすぐ引っ越しちゃったんでしょ?」

 

 

「まぁ、そうだが……でも今でも彼等と交流あるよ。

LI〇Eで繋がってますから。でも改めて見ると全国に友達たくさんいるんだよな……確か兵庫に居たときにクラスメートに言ったら、『創真ネットワーク』って名付けられた」

 

 

まぁ補足するならミニネットワーク的なものだ。

 

 

「はい、お待ちどうさま」

 

 

暫くしてみんなの前ににしん蕎麦が出された。

 

 

「「「いただきます!」」」

 

 

にしん蕎麦について軽く説明しておこう。

 

 

にしん蕎麦とはかけそばの上に身抜きにしんの甘露煮を載せたもの。汁は関西風の薄い色で鰹節、薄口醤油と昆布を使った上品なだし汁だ。僕は脂っこいものよりもこの蕎麦のようにあっさりしているものが好きだ。

 

 

 

「創真君?」

 

 

「あ、またボーッとしてたわ…………美味しい?」

 

 

「これ凄くおいしいね!」

 

 

「この蕎麦今まで食った蕎麦のなかで1番良いかも!」

 

 

良かった、好評のようだ。

 

 

「う~む。この薄くてさっぱりしているだし汁。そしてこの麺のちょうど良い硬さ。そしてこのにしんの美味しさ。これはとんでもなく美味な蕎麦ですね」

 

 

誰だ食レポしてる青年は……………いや、あの人、知っている。

 

 

「…………氷室さん。いつから居たんです?」

 

 

「おや?皆さんが来る前からいましたよ?」

 

 

「え。そうなんですか…………?全然気付かなかった」

 

 

皆も首を縦に降って同意する。

 

 

「すいません、追加で天丼を1つお願いします!」

 

 

「はいはい、ちょっと待ってねー」

 

 

でもって、意外と大食い……………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

===================

 

20分後、一班の班員+氷室は店を出た。

 

 

「いやー、うまかったな!創真の婆ちゃんが作る蕎麦は」

 

 

前原がとても満足そうな表情で云った。

 

 

「でしょ?マジでやみつきになる程美味しいんだよね~。あと、どうでも良いけど氷室さん、意外なほどめっちゃ食べてましたね」

 

 

そう言いながら創真が氷室の方を向く。

 

 

「………………あらら?」

 

 

先程までいた筈の氷室の姿が何処にもなかった。

 

 

「あれ、氷室さんは?」

 

 

「さっきまでいたのに……………」

 

 

その時、創真のスマホがブルッと震えた。見ると、氷室からのメッセージが入っていた。創真はスマホをタップして、内容を見る。

 

 

「氷室さん、何だって?」

 

 

木村が尋ねると、フッと笑みを浮かべた創真は云った。

 

 

「食い過ぎで腹を壊したから、コンビニのトイレに行ってるから、先に行っててくれだとさ」

 

 

読んだ直後、彼等の視界には走り去るフェラーリの姿を捉えた。食い過ぎが仇となったようだ。

 

 

「何やってるんだよ氷室さん……………」

 

 

「あんなに食べるから………………」

 

 

「まー、ドンマイって事でこの話題はおしまい!さぁ、早くしないとバスに乗り遅れるよ?」

 

 

創真に言われ、皆は時計を見る。

 

 

「ヤッベ、確かにあと 3分じゃん!走るぞ!」

 

 

「あーあ、食後に走るのは疲れるなぁ…………」

 

 

「早く行くわよ!」

 

 

1班の皆はバス停へと向けて走り出したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待っててくださいよ、茅野さんに神崎さん!」

 

 

氷室はフェラーリのアクセルを大きく踏み込んだ。




次回は氷室さんの視点がメインです。
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それではまた次回お会いしましょう!

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