結城創真の暗殺教室   作:音速のノッブ

29 / 201
今回は修学旅行の代休の話です。


今回の話は僕が実際に体験したことを色々変えて
書きました。

気に入ってもらえるかは人それぞれだと思いますが、気に入ってくれたら嬉しいな……。


それではどうぞ!


第22話 休日の時間

修学旅行の代休日、創真はマシンシリーズ製作に使う工具を買いに来ていた。全ての買い物を終えて、何処かで一息つこうかと思っていた矢先、氷室からメールが来た。

 

 

その内容がこちら。

 

 

『ヘルプミー。5階のゲームセンターにいます』

 

 

何かヤバイことに巻き込まれたんじゃ、と言う不安がよぎり、創真はデパート内を爆走し、たった3分で1階から5階のゲームセンターへとやってきた。

 

 

「氷室さん、どうしたんです!?」

 

 

「大変でございます、創真様。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

UFOキャッチャーが、まったく以て出来ません」

 

 

「………………………へ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

==============

創真side

 

 

「……………なるほどね。そう言う事ですか」

 

 

事情を聞いて大体納得した。さて、読者の諸君にも訳を説明しようか。今日、氷室さんは、彼の親戚の子─────確か小3の男子──────────と共にデパートに来ていた。遊んだりする約束をしていたとか。

 

 

そして、ゲーセンにてその親戚の子が、クレーンゲームの商品が欲しいと言い出し、氷室さんがチャレンジしたのだが、見事撃沈。しかし、ゲーマー魂を刺激させられたのか、お金を全て注ぎ込んだのだが、全部撃沈と言う結果に終わったらしい。

 

 

「ちなみに、氷室さん。どれくらい注ぎ込んだんです?」

 

 

「そうですね…………確か3000円です。このクレーンゲーム、1回200円なので15回やりましたが、ダメでしたね。ゲームする前にも色々使ったので、財布がすっからかんです………………はぁ」

 

 

「途中で僕も、もういいよーって言ったんだけど、いえ、あと1回位で取れる気がします、とか言って全然聞かなかったんだよねー」

 

 

「そりゃあ、子供の前ではかっこ良いとこ見せたくないですからね……………まぁ、結果的にかっこ悪いとこ見せちゃいましたがねー」

 

 

子供のように拗ねてる氷室さんは、中々レアだ。

 

 

「ちなみに、どれ欲しかったの?」

 

 

「これだよ」

 

 

彼が指差したのは、プラモデルの入っているUFOキャッチャーだった。

 

 

「よーし、なら僕が氷室さんの敵討ちをしよう!」

 

 

「ヘッ、良いとこを取られるのが大人の定めってもんなんですねー」

 

 

………………氷室さん、キャラが。あなた、キャラが変わってますよ。

 

 

「じ、じゃあ………………行きますよ」

 

 

そう断って、200円を入れる。そして操作ボタンをカチカチと押して、アームを動かしていく。

 

 

「その景品、普通に掴んでも無理ですよ。重いので、すぐに落ちますんでー」

 

 

「って、思うでしょ氷室さん?」

 

 

「はい?」

 

 

僕の返しが予想外だったのか、怪訝な表情を浮かべる氷室さん。

 

 

「しかしですねぇ……………こういうのは計算してやるんですよ。景品の重心や、アームの形状等々を、ね!」

 

 

位置を決め、決定ボタンを押す。クレーンはスッと降りていき、アームは景品をがっちり掴んだ。そのまま持ち上げていく。

 

 

「いや、まぁね。ここまでは私も行ったんですよ。ですがね、持ち上げられたのもほんの数秒だけでして。ほら、そろそろ落ち」

 

 

「あ、ゲットしたー!」

 

 

「なんですとぉ!?」

 

 

親戚の子の声に変な声をあげる氷室さん。中々レアだ。

 

 

「ありがとう、創真さん!」

 

 

「別にこの程度、どうってことないよ」

 

 

「………………………………」

 

 

「ひ、氷室さん!そう落ち込むことないですって!今度コツとか教えますから、リベンジしましょ!ね?」

 

 

「………………今日はやけ酒です」

 

 

思っている以上に気にしていたようだ。

 

 

「さ、さて。そろそろ帰りましょ?」

 

 

「そうだねー!よーし、帰ったら組立て始めよっと!」

 

 

「て言うか、このクレーンゲームって悪徳系なんじゃないですかね?何か細工をして取りづらくしてるとか…………」

 

 

「そう言うことは言わなくて良いんです!そんな根拠もない噂を立てたら我々は間違いなく出禁になります!行きますよ!」

 

 

現に店員に睨まれてたし、2人と共に早々と退散するのであった………………このとき、僕らの方を注目している奴等がいたことに気付かずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

================

帰路を歩く3人の前後には誰もいず、静かだった。

 

 

「フンフン、フンフフーン~♪」

 

 

鼻歌を歌う親戚の子。相当ご機嫌だ。対称的に氷室はムスッとつまらなさそうな表情を浮かべていた。

 

 

「氷室さん、まだ気にしてるんです?」

 

 

「してません」

 

 

「してますよね?」

 

 

「……………してません」

 

 

「やっぱりしてますね。その反応ではバレバレです」

 

 

「ムゥ……………………」

 

 

氷室はそっぽを向く。創真はやれやれ、と苦笑いを浮かべる。

 

 

と、その時だった。

 

 

「はい、ちょっとストーップ!!」

 

 

後ろから大きな声がして、彼等が振り返るとそこにはピアスを付けたチャラい男とその男にピッタリくっつくこれまたチャラい女、多分彼女らしき人物がした。

 

 

「いやーそこの君、さっきは凄かったねー!クレーンゲームで1発でその子供が持ってる景品を取るなんてさー!」

 

 

べらべらと大声で喋る男。創真は、『うわー何か変な奴に絡まれたー』、と内心でため息をつき、氷室は、『んだよ、とっとと要件言えよチャラ男が』と毒づき、親戚の子供は、『ピアス痛くないのかな』と変な心配をした。

 

 

「はぁ、そりゃどーも。じゃ、失礼します」

 

 

「ちょ待てって。要件はこれから言うからさ」

 

 

「………………………?」

 

 

怪訝な表情を浮かべる3人に、男はにこりと笑みを作りながら云った。

 

 

「その景品、俺にくれない?」

 

 

「無理」

 

 

創真が即答で答えた。

 

 

「いや、欲しいなら自分で取れば良いじゃん。何で見知らずの人にあげなきゃいけないわけ?と言うわけで欲しいなら自分で頑張っ」

 

 

創真が言い終わる前に、男の蹴りが飛んできた。しかし、創真は腕でガードした。

 

 

「ったく、ごちゃごちゃうっせーな。黙って渡せば良んだよ。カッコつけてンじゃねーぞ、クソガキ」

 

 

豹変した男。これが本来の性格なのだろう。

 

 

「あーあ、怒らせちゃった。どーなっても知らないよー?ゆーくん、めっちゃ強いからねー?」

 

 

女がニヤニヤ笑いながら創真らに言う。

 

 

「おい、これが最後だ。それ、渡せ」

 

 

男が氷室の陰に隠れている親戚の子が持つ景品を顎で指す。

 

 

「……………はいはい、分かったよ。あげればいんでしょ」

 

 

めんどくさそうに創真は云い、親戚の子に渡すように促す。彼は渋々と言った様子で、創真に渡した。

 

 

「ちなみに聞くけど、これをどうすんの?」

 

 

「あ?んなの、メ〇カリで売るに決まってンだろ。その景品、中々レアだからな。一万は行くぜ」

 

 

「ふーん………………………」

 

 

創真は景品を男の前に差し出し────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、あーげた」

 

 

そう言いながら創真は景品を上にあげて見せた。

 

 

「………………………は?」

 

 

「いや、何を勘違いしてるのかしらないけど、僕はあげるとは言ったけど、君にあげるとは一言も言ってないんですけど?僕は元から上にあげるつもりだったのに、お前が都合の良いように僕がこれをあげるって勘違いしただけだろ。てか、お前転売ヤーだろ。僕、転売反対派なんで、あげませーん」

 

 

「舐めんなよ、ガキが!」

 

 

男はパンチの雨を放つが、創真は余裕で回避する。

 

 

「おやおや、大丈夫かい?全然当たってないけど」

 

 

「うっせぇ!オラァ!」

 

 

「はい、外れ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3分後

 

 

「はぁ……………はぁ…………」

 

 

男は息が絶え絶えになっていた。対して創真は余裕そう。

 

 

「あのー、もう飽きたんで帰って良い?」

 

 

「私も帰ってやけ酒が飲みたいです」

 

 

「調子に………………乗るなァ!!」

 

 

「はぁ。じゃ、正当防衛の時間だ」

 

 

そう宣言した創真は、男の放ったストレートのパンチの勢いを利用して、背負い投げを決める。見事に決まり、男は地面に叩きつけられる。

 

 

「かはっ…………………」

 

 

「残念だったねー。相手が悪かったみたいだよー」

 

 

「ゆーくん、しっかりして!あんた、警察に言うわよ!」

 

 

「あ、良いよ呼んで。こいつが僕に対して暴力振るってるの全部動画取ってあるから、警察の人と一緒に動画の観賞会でもしようじゃないか」

 

 

創真の言葉に、氷室はスマホをちらつかせる。

 

 

「うっ…………………べ、別に良いけど?どうせなにもしてない私には何もないだろうし、何かあるとしたらゆーくんだけだし?」

 

 

「は?お前、俺を見捨てるのかよ!?」

 

 

「弱い男なんて興味ないし」

 

 

「んだと、偏差値30の女が生意気言ってるんじゃねーぞ!」

 

 

「30じゃないし、32だし!てか、あんたも同じようなもんでしょ!」

 

 

2人は創真らを蚊帳の外に喧嘩を始めた。

 

 

「よーし、帰るか」

 

 

「え、良いんですかほっといて」

 

 

「良いんだよ、ほっといて。後は勝手にやってろって感じ。あ、それとこれ返すね」

 

 

創真は景品を親戚の子に渡した。

 

 

「いやー、どうなるかと思ったけど、とりあえず何とかなって良かったわ」

 

 

「てか、あっちが勝手に仲間割れ的なのを始めただけなんですけどね。やれやれ…………」

 

 

氷室が呆れ口調でため息をつく。

 

 

「それにしても、創真さんは強かったですね!」

 

 

「そう?相手が弱すぎただけだよ。何も考えずに来るもんだから、避けやすくてしょうがないね…………にしても、何か無駄な時間を過ごしちゃったなぁ…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、風の噂で、路上でギャーギャー騒いでいた男女が近所からの通報で駆けつけた警察官にお灸を据えられたとか据えられてないとか、そんな話を創真は耳にしたのだった。

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