結城創真の暗殺教室   作:音速のノッブ

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第31話 球技大会の時間

「球技大会……………ねぇ」

 

 

創真がめんどくさそうに云った。そして、置いてあるプログラムを見て口を開く。

 

 

「所でなーんで、E組 がトーナメント表から除名されてる?」

 

 

「先生も同じことを思ってました」

 

 

殺せんせーもうんうん、と首肯く。

 

 

「1チーム余るからさ。その代わり男子は野球部相手、女子はバスケ部相手のエキシビションマッチ…………要は見せ物の試合にでなくちゃならないんだ」

 

 

「いつもの事か………にしても、野球か………………」

 

 

2年程前に、創真が大阪に居たとき、丁度体育の時間は野球をやっていた。その時のあだ名が、『大阪の本塁打王』。又は、『大阪の奪三振王』とも呼ばれた。

 

 

(本塁打は何本打ったかは忘れたが、投球の速さは、最高150㎞位だったかなー…………)

 

 

創真が回想に浸っていると、寺阪グループの3人が立ち上がった。

 

 

「俺ら晒し者とか勘弁だわ。適当にやってくれ」

 

 

「寺坂!…ったく」

 

 

磯貝が止めるも、寺坂、吉田、村松、離脱していった。

 

 

「野球で頼れるのは杉野だけど、何か秘策とかあるのか?」

 

 

「……無理だよ。ほとんどが野球未経験だし……それに強いんだ、うちの野球部。それに今のピッチャーの進藤は俺からエースの座を奪った奴なんだ」

 

 

「……そいつはどれくらいの球速なんだ?」

 

 

創真が尋ねると、杉野は確か…………と呟きながら云った。

 

 

「140㎞位だと思うぜ」

 

 

「はい、勝った。なーんだ、その程度か」

 

 

「「「え」」」

 

 

E組の異端児、創真の声に皆は驚いた。

 

 

「ちなみに、僕は150㎞出せます、多分」

 

 

「150!?おい、それ進藤以上じゃねぇか…………ほんと、何でも出来るな、創真は」

 

 

「まーね。大阪にいたとき、体育の時間で野球やっててさ。そんとき、『本塁打王』とか『奪三振王』とかそんなあだ名だったなー…………あと、野球部の助っ人として、練習試合によく呼ばれた」

 

 

「マジか……………お前、ほんと何でも出来るな」

 

 

前原が感心したように云った。

 

 

「創真。お前からして、野球部に勝てると思うか?ほとんど初心者ばかりのE組に」

 

 

杉野が尋ねると、そうだねー………と云いながら創真は腕を組んだ。皆は次の言葉を待つ。20秒後、創真は口を開いた。

 

 

「勝てなくはない。てか、その前に杉野君!君は勝ちたいか?」

 

 

「…………ああ。俺は勝ちたい。善戦じゃなくて勝ちたい。好きな野球では絶対負けたくない!」

 

 

杉野の言葉に創真はうんうん、と頷いた。

 

 

「よーく分かった。なら、勝っちゃって本校舎の皆さんや野球部をギャフンと言わせてやろう!」

 

 

「「「おー!!」」」

 

 

盛り上がりを見せるE組。男子は完全にやる気スイッチONになった。

 

 

「ヌルフフフフフフ、皆さん気合い十分ですねぇ!では、先生も協力しますよぉ!」

 

 

いつのまにか殺せんせーは野球服に着替えていた。

 

 

「殺せんせー、やる気満々ですね」

 

 

「ヌルフフフフ、一度熱血コーチをやってみたかったので。君達は最近、目的意識を口に出すようになりましたね。そんなみなさんの心意気に答え、殺監督が秘策を伝授しましょう」

 

 

そこへ氷室も入ってきた。

 

 

「では、私も教えましょう……私もスパルタコーチ的なポジションをやってみたいと思っていたに加えて私、野球は超絶得意なので」

 

 

こちらもヤル気満々なのか、何故か竹刀を持っていた。こうして鬼の特訓がスタートした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7日後

 

 

 

『それでは、最後にE組対野球部の余興試合を行います』

 

 

「やっと、かぁ。にしても、野球部も気合い入ってるね」

 

 

創真の視線の先には素振りをしている野球部員の姿があった。

 

 

「実力を見せつける機会だからな。それに俺ら相手ならゴールド勝ちが義務だからな」

 

 

「なるほど。だが、そうはさせないよ」

 

 

創真はニヤリと笑みを浮かべながら云った。そして、両者は整列した。チームの先頭にいる杉野と進藤が話しているのが創真の耳に入ってきた。

 

 

「進学校での部活と勉強の両立が出来るのが選ばれし者だ。杉野、お前はどちらにも選ばれなかった。選らばざれる人間が表舞台に立ってはならない。そいつら共共2度と表を歩けなくしてやるよ」

 

 

叩きのめす気満々の進藤。そう言い残して自分のベンチの方へ戻っていった。

 

 

「渚君、殺監督は?」

 

 

創真が尋ねると、渚はグラウンドの奥の方を指差す。

 

 

「あそこだよ。目立つなって烏間先生に言われてるから」

 

 

「…………あー、いたいた」

 

 

他の生徒らなどにばれぬよう、隠密に潜んでいる殺監督は顔色を三回変えた。

 

 

「なんて言ってんだ?」

 

 

渚がサイン表見て確認する。しかし、それよりも早く創真が云った。

 

 

「殺す気で勝て。でしょ?ま、あいつ等ぐらいには勝てないと、殺せんせーは殺れないだろうからな…………さぁ、勝ってギャフンと言わせてやるよ!」

 

 

「よっし、殺るか!」

 

 

「「「オー!!」」」




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