果たして勝負の行方は?
気に入ってもらえたら嬉しいです!
創真side
『同じ小技ならば野球部の方が格段に上!楽々セーフだ!これがバントという物だ!』
そう来ますか……我々がやったことで、見本を見せてやるということか。普通なら観客たちは納得しないだろうが。あっという間に満塁だ。
『ここで、バッターは進藤だ!これで決まるか!?』
大改造され、集中力が増しているのが目に見える。どうすれば…………待てよ。そういえばカルマがアレに文句言ったときに一蹴されたよな……ならば僕が考えていることも……良いよな?僕は殺監督がいると思われる方向へ手招きをした。
間もなく殺監督が来た。
「殺監督、僕に作戦があります」
「にゅ?どのような作戦でしょう?」
「カルマ君と磯貝君を呼んでください」
「ヌルフフフ、先生あなたが何を思い付いたか分かりましたよ。先生も言おうと思っていたので。分かりました、二人を呼んできます。あ、それとタイムを審判に伝えておいてくださいね」
「あ、それは私がやっときます」
氷室さんが走っていった。
「なんか思い付いた顔をしてるね?」
呼ばれたカルマ君がにやっと笑いながら来た。
「カルマ君、さっきの挑発を生かしてやる。もう分かるよね?」
「………あ~なるほどね。磯貝、行くよ」
「え?あ、ああ」
2人は足を前に進めた。もうお分かり頂けただろうが…
『こ、この前進守備は!?』
僕は氷室が持ってきたメガホンを口に当てた。
「先程あなた方がやったときに審判は何も言わなかった!だから僕らも同じことをさせてもらいますよ?
文句ありませんよね、理事長?」
「ご自由にどうぞ」
言いましたね……?
「2人とも……もっとだよ」
カルマと磯貝君はさらに前へ出た。
『な!?この距離では確実にバットが当たるぞ!?
「…………は?」
この距離では集中力など冷めるに決まっている。
「進藤君。構わずバットを振りなさい。打撃妨害を取られるのはE組だからね」
その言葉に進藤は驚いた。下手すれば事故に成りかねないのに、理事長はそれを止めずに振れと言うのだから、当然だろう。
(くそ!なめやがって!)
杉野君が第一球を投げた。進藤はひびらすように大きく振ったが、ほとんど動かず2人は余裕で避けた。当然だ。2人の度胸や動体視力はE組内ではトップクラス。下手すればバンドより容易い。
「ダメだよ~?次はさ、殺す気で振らないと」
進藤の体が震えているのをベンチからも確認できた。
────────さぁ、杉野君。これで決めろ。
杉野君が第2球を投げた。
「う、うわぁ!?」
ガン!
『腰が引けたスイングだ!球は大きく跳ねる!』
跳ねた球をカルマ君は鮮やかにキャッチした。
「渚君!」
カルマ君がパスしたボールは捕手の渚君のグローブに収まった。
「三塁ランナーアウト!」
「渚!三塁へ回せ!」
磯貝君が指示を出す。二塁ランナー、慌てて走り出したが間に合わない。
「二塁ランナーアウト!」
「木村、次は一塁へ!焦んなくて良いぞ!」
投げたボールはバウンドしながらも一塁の菅谷君のグローブに収まった。
「と、トリプルプレー……スリーアウト……」
審判が掠れ声でそう告げた。
『試合終了!E組が勝ってしまったァァ!』
良いじゃん。別に勝ったって。確率的にはあり得るんだから。観客たちは結果に不服そうに文句を言いながら教室へ戻っていった。
いやー、何とか逃げ切れた。それにしてもトリプルプレーなんて始めて見たな。
「おや?ヒーローインタビューはないのですかね?」
「これはプロ野球の試合じゃないんですよ、氷室さん………………」
「じゃ、皆お疲れ~」
片付けも終わり、帰ろうとすると
「創真君!今日打ち上げやるんだけど来ない?」
倉橋さんから打ち上げの誘いを受けた。
「別に良いけど……どこでやるんです?」
「う~ん……」
「そうだ!創真の家って広いんだよね?そこならもってこいの場所でしょ?」
……………………………へ?
「まって、中村さん!僕の家知ってるの!?」
「ん?前に氷室さんに教えてもらったんだよ。もし君が休んだときに渡すものを届けられるようにね。そのマンション広いの知ってるよ」
「氷室さん…………悪気はないのだろうけど、余計な事を………」
「というわけで創真の家で打ち上げやろう!」
勝手に決められたんだが。
「まぁ良いや……………じゃあ、17時頃に来て」
そう伝えて僕は先に帰路に着いた。
「あ……そう言えばあいつも明日から来るから……紹介もついでにやるか……」
次回、打ち上げだ!
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