結城 創真の暗殺教室   作:音速のノッブ

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さてさて、今日はミニクイズがあります!


後書きに問題があるので、よろしければ考えてみてください!


第53話 生き物の時間

AM 7:00

 

 

現在、創真は氷室の運転するフェラーリで、学校に向かっていた。

 

 

「いやー、楽しみですね昆虫採取。昔を思い出しますよ~」

 

 

楽しそうに云う氷室。なお、彼はトランクに昆虫採取に必要な道具一式を積んでいる。実際、今回の昆虫採取に1番ワクワクしているのは、氷室かもしれない。

 

 

「E組の山は自然が豊かですから、結構レアな昆虫もいるかもしれませんね」

 

 

「そう言えばそうですね。ヘラクレスオオカブトとかいたりして………………」

 

 

「いや………………流石にそこまでのはないとは思いますけど………」

 

 

「いたら面白いんですがね…………あぁ、そう言えば」

 

 

氷室は何かを思い出したかのように切り出した。

 

 

「先日、お父様からテストの結果を電話で聞かれたので、オール満点と答えておきました」

 

 

「あぁ、そうですか………」

 

 

「そしたらご褒美と称してまた、車をくれるそうです」

 

 

「いや、もう良いんですけど」

 

 

きっぱりと即答する創真。

 

 

「なーんで車ばかりを送りつけて来るんだ……………今度はどんなのが来るんです?」

 

 

「中東の方から船で送られるそうです。3日後、横浜港に送られてくるそうで、取りに行ってくれとの事で。ちなみに、超高級の品だそうで」

 

 

「中東の超高級な車……………………いや、まさか…………ね」

 

 

創真は何か思い当たる節があるようだ。

 

 

「今回に限っては、もし僕の予想した物なら、それは嬉しいかもしれませんねぇ……」

 

 

「………………ほう。そして、それはどのような?」

 

 

「それは明日までのお楽しみです………フフッ」

 

 

間もなく、学校の近辺の駐車場に着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おは~、創真君!」

 

 

「おはよう、陽菜乃」

 

 

「じゃあ、行こう!」

 

 

創真は倉橋の手に引っ張られるようにして、足を進めた。

 

 

「あ、いたいた!」

 

 

トラップ周辺には、クワガタとかカブト虫やらがたくさんいた。

 

 

「おー沢山掛かってるね。この罠は作ったの?」

 

 

「手作りだよ。あと同じのを20個位、昨日の夜に仕掛けておいたんだ~」

 

 

「そうなんだ……………言ってくれれば手伝ったのにぃ」

 

 

「アハハ、じゃあ次からはよろしくね!」

 

 

そんな会話をしながら、倉橋は虫かごに虫を入れていく。

 

 

「……………ムッ。人の気配がしますね」

 

 

氷室が突然そんな事を言い出した。

 

 

「あ、確かに誰かの声がする」

 

 

倉橋も賛同し、気になった一行が声のする方へ行くと……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ、渚君達じゃん。みんな昆虫採取?」

 

 

渚、杉野、前原の3名がいた。

 

 

「よう、創真に倉橋に氷室さん!」

 

 

「と言うか、前原君もこういうのに興味あるんですね」

 

 

「ふふーん。大物をゲットしてネットオークションで売って、夏の島リゾートの時にビーチのお姉ちゃんを口説くのに使うぜ!」

 

 

「……精々頑張れ」

 

 

呆れ口調で創真は呟いた。

 

 

「で、どんなのを捕まえたいと思ってるの?」

 

 

「そうだな……オオクワガタとか結構な値段じゃね?」

 

 

「……前原君。オオクワガタは人工繁殖が進み、値段が暴落しました。君達が生まれた頃はそこそこの値段だったんですがね」

 

 

氷室の解説に前原はショックを受けた。

 

 

「そ、そうなんですか……?お姉ちゃん=オオクワガタの値段かと思ってました……」

 

 

「今ではナンパの方が高いですね…………別に私はしませんが」

 

 

(((それは皆分かってますよ、氷室さん……)))

 

 

全員一致で、心の中でツッコミを入れた。

 

 

「ふっふっ。効率の悪いトラップだ。君達は狙う相手を間違っているぞ。俺の狙いは100億だ」

 

 

聞こえてきた声の方を向けば、岡島がいた。

 

 

「100億って……もしかして」

 

 

「そうだ。こっち来て見ろ!」

 

 

岡島に連れられて来ると、殺せんせーがエロ本の山に座りながら、エロ本をカブトムシの擬態をしながら読んでいるではないか。

 

 

「よし、掛かっているな。丁度良い。お前らも手伝えよ。エロの力で覚めない夢を見せてやろうぜ」

 

 

─────パーティが致命的にゲスくなった。

 

 

創真が大きなため息をついたのをいざ知らず、岡島は独り続ける。

 

 

「俺も苦労したんだぜ、買えないからな。あいつはエロ本の好みがあるんだ。まぁ、エロ本は夢が詰まってるからな」

 

 

岡島は色んなタイプのエロ本を使って、殺せんせーの反応を確かめていく実験を記録したスマホの画像を見せた。

 

 

「よくもまぁ、ここまでやったもんだね…………呆れを通り越して逆に凄いわ」

 

 

創真に誉められた(?)岡島はフフン、と得意気に鼻を鳴らす。

 

 

「虫取りと一緒さ。長く食い付くようなトラップを作るだろ?俺を蔑む奴はそれで結構だ。だがな……エロは世界を救えるんだよ」

 

 

「(何故だ。何故こいつがかっこよく見えるのだ?目が疲れてるのだろうか……………?)」

 

 

創真は目をごしごし擦ったりするなか、岡島ははさみを取り出す。

 

 

「誰かこの紐を切ってくれ。すると殺せんせーは下にある対先生用のネットに包まれる。そして、俺が飛び出しトドメをさす!」

 

 

「なるほど。油断してる今なら成功するかもしれませんな」

 

 

何となくなのか、はさみを受け取った氷室が感慨深けに呟いた。しかし、本当に殺れるかもしれない。ここにいる全員がそう思い始めたのは事実だった。

 

 

「では、行きますよ…………」

 

 

氷室が紐を切ろうとしたその時、殺せんせーの目がミョーンと伸びた。

 

 

「なんだあれ?」

 

 

「あんなの情報にないぞ!?あれはどんなエロを見つけたときの目だ!?」

 

 

殺せんせーは目にもとまらぬ速さで触手を伸ばし、何かを捕まえた。

 

 

「ミヤマクワガタ……それにこの目!」

 

 

「もしかして白なの、殺せんせー!」

 

 

倉橋が飛び出していってしまった。

 

 

「おや、倉橋さん。ビンゴですよ」

 

 

「あぁ……あと少しだったのに……」

 

 

岡島が無念そうに呟く。すると突然殺せんせーは何かに気付き、顔を手で覆った。

 

 

「どうしたの、殺せんせー?」

 

 

「本の下に罠があるのは分かってましたが、先生好みの本ばかりでつい釣られてしまったのが恥ずかしいのです………」

 

 

「気付かれてたのか………………おや?」

 

 

倉橋が持っているクワガタを創真が何気なく見ると、あることに気がついた。

 

 

「…………そのミヤマクワガタはアルビノ種だね」

 

 

「なんだよそれ」

 

 

「生物で習っただろ?要は変異種だ」

 

 

「目だけが白い、ホワイトアイ。超レアですね。今はミヤマクワガタもそこそこ高く売れますが、ホワイトアイということを加えると…………数十万円はいきますかね?」

 

 

「「「!!」」」

 

 

氷室の解説に男子諸君は目を輝かせた。

 

 

「一度見てみたくて殺せんせーに頼んだの~。ゲスなみんな~これ欲しい人、手ー上げて!」

 

 

「「「欲しい!!」」」

 

 

そのままゲスなみんなは倉橋を追いかけていった。ちなみに創真はその中には加わっていない。

 

 

「皆ゲスいね~」

 

 

「人の事を言えるのか…………?」

 

 

隠れながら見ていたホリーがのほほんと呟き、そしてツッコミを入れるデュオであった。


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