結城創真の暗殺教室   作:音速のノッブ

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やっとここまで来た……!


では、どうぞ!


第64話 黒幕の時間

創真side

 

 

突然ですが、皆さんは『キュッ』と言う音が聞こえたら何を連想しますか?ちなみに作者は、洗い立てのお皿を擦ると、キュッ、キュッ、と鳴る………という連想をした。いや、そこはどうでも良くて。僕らも今、キュッと聞こえたのだ。

 

 

その音は何か?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……大分体が動くようになってきた。まだ力半分程度だが」

 

 

正解は、烏間先生が見張りの首をキュッ、と締めた音。

 

 

「力半分で俺らの倍強え……」

 

 

「あの人と氷室さんだけで潜入させた方が良かったんじゃ……」

 

 

木村君と片岡さんがそう言うのも分かる気がする。

 

 

「皆さん!最上階のパソコンに侵入出来ました!見る限り、残りは黒幕だけです」

 

 

律がパソコンのカメラの様子を皆のスマホに映した。

 

 

「あいつ……ウイルスに感染した皆を見てやがる……!」

 

 

隼がスマホを握り潰すんじゃないかと思う位、スマホを握りしめている。

 

 

「………この人、殺し屋の使いかた間違ってません?」

 

 

「氷室さんの言う通りです。本来先生を殺すために雇った殺し屋達ですが、先生がこんな形態になったのを見て、見張りと防衛に回したのでしょう。それでは本来の力は発揮できません」

 

 

なるほど。確かにあの軍人上がりの奴も狙った的は1㎝たりとも外してなかった。カルマの時もそう。日常で後ろから近寄られたら……ジ・エンドだ。

 

 

「烏間先生……どうされました?」

 

 

氷室さんが何処か心配そうな表情で、厳しい顔をしている烏間先生に尋ねる。

 

 

「いや……さぁ、行くぞ。交渉期限が迫ってきた今、何も動きがなければさすがに警戒を強めるだろう。個々に役割りを指示する。まずは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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烏間先生が指示を出す中、渚は寺坂の首に手をピタッと当てた。さっきから寺坂の様子がおかしいのだ。

 

 

「すごい熱………寺坂君、まさかウイルス…んっ!?」

 

 

寺坂は渚の口を押さえた。

 

 

「黙ってろ。俺は体力だけはあるからよ。こんなの平気なんだよ」

 

 

「そんな……」

 

 

「烏間の先公達がガスを浴びちまったのは……俺が前に出すぎたからだ。それに前にもクラスの連中を殺し掛けた事もある。……こんなところで脱落して、足を引っ張るわけにはいかねーんだよ」

 

 

「寺坂君……」

 

 

渚は何も言えなかった。ホリー達もここで初めて寺坂がウイルスに感染していたのを知り、創真にテレパシーで伝えた。創真は自分の後にいる寺坂をチラッと見たが、結局何も言わずに再び前を向くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最上階もガードキーが必要なのだが、それはさっき倒した見張りが持っていた。エレベーターを使うと思って、あまり警戒していなかった証拠だ。烏間がガードキーを使い、ロックを解除した。そして静かにドアを開けた。

 

 

(部屋には遮蔽物が多い。気配を消せば近くまで接近できる。やり方は体育で教えたはずだ)

 

 

烏間のアイコンタクトに、皆は頷く。皆は手と足を同時に出すようにしてゆっくり進み始めた。

 

 

(おお……ナンバ!手と足を一緒に前に出して音を消す歩行法!なるほど。それで最近の暗殺は物音が減っていたのですね。一刻を焦る状況でも、悲観せず、落ち着いて行動する。私の自慢の生徒です。だから、目の前の敵に屈してはなりませんよ)

 

 

殺せんせーが感心しているなか、皆はどんどん部屋の奥に進む。そして、遂にボスの姿がはっきりと見えてきた。

 

 

(男の傍に置いてあるのが起爆のリモコン。そして、あの配線付きのスーツケースの中に治療薬があるのですね……作戦通り、まずは可能な限り近づきますが、もし遠い距離で気づかれたら烏間先生が腕を撃つ予定……)

 

 

流石の氷室も特殊警棒を握る手に力が入る。

 

 

(さーて……絶望の表情を見せて貰おう!)

 

 

創真もいい加減ご立腹の中、皆は襲い掛かろうとする………!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「かゆい」

 

 

思い出したくもないこの声を全員、聞いたことがあった。

 

 

「思い出すとかゆくなる。そのせいか……傷が空気に触れて感覚が鋭敏になってな……」

 

 

その男は何かを創真達に向かって投げた。その何かは、男の傍に置いてあるリモコンと同形のだった。

 

 

「……なるほど。あんたはマッハ20のタコを殺すために準備していた。だから……腕を撃たれても倒れ込んでボタンを押すくらいの数のリモコンを作っていた……だろ?」

 

 

「ククク……流石は結城 創真だ。正解だ」

 

 

「あんたに言われても嬉しくないね」

 

 

創真に続いて、烏間も口を開く。

 

 

「1ヶ月ほど前、俺の同僚が暗殺に使うはずだった費用をごっそり抜き取り、姿を消した。一体どういうつもりだ………………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鷹岡ァァ!!」

 

 

黒幕………いや、鷹岡はゆっくりと振り向き、口を開いた。

 

 

「悪い子達だ。恩師に会うのに裏口から来るとは………仕方ない。夏休みの補修をしてやろう……まずはヘリポートに行こうか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

創真side

 

 

鷹岡の思うがまま、僕らはヘリポートへと足を運んだ。

 

 

「遂に頭が完全にいかれましたか?こんなことを躊躇なく実行するなど……」

 

 

氷室さんは言葉がこれ以上出てこなかった。

 

 

「俺は至極まともだぜ?素直に従ってれば、地球は救われたのにな」

 

 

鷹岡は自分の計画を語り始めた。

 

 

茅野さんを捕らえ、拘束した後、殺せんせーを抱えて部屋の対先生用BB弾入りのバスタブに入らせ、その上にセメントを入れて生き埋めにする。殺せんせーが生き残るためには爆発を起こさなければならないが、そうすれば茅野さんはただでは済まない。

 

 

「生徒思いの殺せんせーは……生徒を巻き込んでまで生き残ろうと思わないだろ?素直に溶かされてくれると思ってな」

 

 

聞いているだけで気分の悪くなる……悪魔のような計画だった。

 

 

「許されると思いますか………?こんな事が」

 

 

殺せんせーの声には怒りが含まれていた。

 

 

「これでも人道的さ。お前らのせいで……上からの評価も下り、同僚共からは蔑まれ!屈辱の目線と騙し討ちで突きつけられたナイフが頭の中にちらつく度に、夜も眠れなくてよォ!特に潮田渚!全ての元凶であるお前は絶対に許さねぇ!」

 

 

100%逆恨みだ。背の低い生徒を要求した訳は……渚君を狙ってたのか。

 

 

「つまり渚君はあんたの恨みを晴らすためだけに呼ばれたんだ?その体格差で勝って嬉しいの?俺だったらもう少し楽しませてやるけど?」

 

 

カルマ君も相変わらず挑発する。寺坂も喋るのも辛いはずなのに口を開いた。

 

 

「言っとくけどな……テメーがあの時勝とうが負けようが、俺らテメェの事が大嫌いだからよ」

 

 

「ジャリ共の意見なんて聞いてねぇ!俺の指先1つでお仲間の命が消えるのを忘れんな!チビ、お前だけでヘリポートまで上ってこい!」

 

 

鷹岡はスーツケースを持って先にヘリポートに掛けてある階段を上っていく。

 

 

「渚、ダメ。行ったら……」

 

 

「行きたくないけど……皆の薬を渡してもらわないと。なんとか話を合わせてくるよ」

 

 

茅野さんが止めるが、渚君は止まらなかった。殺せんせーを預け、渚君もヘリポートに上っていった。渚君がヘリポートに上ると、鷹岡は掛けてある階段を外し、落とした。

 

 

「これで誰にも邪魔されねぇ。置いてあるナイフの意味が分かるだろ?この前のリターンマッチだ」

 

 

「待ってください、鷹岡先生。戦いに来た訳じゃ……」

 

 

「まぁそうだな。次は俺に一瞬で負けるだろう」

 

 

癪だが、それは否定できない。

 

 

「だが、まずお前がやるべきことはな……土下座しろ。謝罪だ。不意討ちをしたことに加え、ガキが大人に向かって出ていけ、とか生意気な口き聞いたことをな」

 

 

本当に性格が腐っている。しかし渚君は正座し────

 

 

「僕は……」

 

 

「それが謝罪か!?頭擦り付けて謝んだよ!!」

 

 

渚君は頭擦り付けて喋りだした。

 

 

「僕は実力がないから卑怯な手段を使った挙げ句、出ていけとか生意気な口を聞いてすみませんでした。本当に……ごめんなさい」

 

 

「……………よーし。ちゃんと言えたご褒美に良いことを教えてやろう。あのウイルスに感染した奴が最後どうなるのか。まるでブドウのようだぜ。全身腫れ物だらけ。想像もつかないだろ?だから……見せてやるよ」

 

 

「!!」

 

 

鷹岡はケースを上に投げ、スイッチを取り出した。

 

 

「やめろおおお!」

 

 

烏間の叫びも虚しく、ケースは爆破され、無惨な姿と化した。中の薬は言うまでもなく全て破壊された。

 

 

「あ………あぁ………………」

 

 

今の情けなく、絶望に満ちた声が自分の物とは思えなかった。

 

 

「ハハハハハ!その絶望の顔が見たかったんだよ!最初から薬を渡す気なんてあるわけねぇだろ!友達の顔がブドウのような顔になってくのを夏休みの観察にしたらどうだ!」

 

 

「………………黙れよ」

 

 

“ゾクッ“

 

 

殺気が入り交じった声。その声に烏間達は背筋が凍るような感覚に陥った。その声の主は……創真、自分だった。

 

 

「………あんたは絶対許さない!殺す………………殺してやるよ!」

 

 

「くくく……やってみな。お前がヘリポートに来るにはそこの手すりからジャンプしなくちゃならねぇ。ジャンプした瞬間……」

 

 

鷹岡は胸元から銃を取り出した。

 

 

「お前は撃ち殺してやるよ。空中じゃ避けようがないだろ?」

 

 

「やれるもんならやってみろよ!!ガキをなめんなよ!!」

 

 

「創真様、一旦落ち着いて!」

 

 

氷室と烏間が2人がかりで引き留める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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カチャン

 

 

突然そんな音が皆の耳に入ってきた。鷹岡が音がした方向を振り向くと、渚がナイフを持っていた。そして………

 

 

「ころ………してやる……!!」

 

 

「くくく……そう来るのを楽しみにしていたよ。渚君……」




THE NEXT story 1/25 PM 22:00


『Awakening』
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