あんた文豪ストレイドックス読んで、見事にはまっただろ?
その通り!
あ、知らなくても何も問題ないのでご安心を。
それでは楽しんでください!
「………ごめんね。呼び出して。ちょっと話したくて」
すっかり元気になった様子の碧海は笑みを創真に浮かべる。
「それで、用は?あぁ、そう言えば今日退院なんだっけ?」
「うん、そうだよ」
彼女の手には荷物が入っているバックが握られている。
「じゃ、退院おめでと、とでも言っておくか」
「じゃ、ありがと、って言っとこうかな?」
「で、肝心の用は?」
「うん…………ちょっと来てもらいたい所があるんだけど…………良い?」
「……………?」
碧海がどうしても行きたかった場所は、新港サークルウォーク。横浜ベイブリッジや赤レンガ倉庫がよく見えるスポットだ。
「……………なんでここに?」
「ここが………好きだから。ここに良く来てたんだー」
その言葉に創真はニヤリと笑みを浮かべる。
「奇遇だね…………実は僕も」
「………そう言えば、創真君も元は横浜住みだったっけ。確か、隼と一緒の中学にいたんだよね?」
「あー……うん、まぁ」
「?どうしたの?なんか急にテンションが………」
「お嬢ちゃん。創真に前の学校の事は話しちゃダメだぜ」
「肝に命じとけ」
名物中華まんとあんまんを食べていたホリーとデュオがさりげなく碧海に呟く。ちなみにキバットは横浜の美女を観察中。どうでも良いが。
「あ、もしかして嫌な思い出があった?ごめん………」
「いじめられてた」
「え…………?」
碧海が創真の方を見ると、どこか遠くを見つめているように見えた。その視線の先が何処か、碧海には分からない。彼が今見つめているのは、風景ではないのは分かった。そして、憐れみと言うか悲しみが混じっているように碧海には見えた。
「まぁ、大した事はなかったんだけどさ。多分切っ掛けは、僕が来る前までテストでトップだった奴の座を奪ったからかな。どうも、僕の事が気にくわなかったようだ。そんなわけで、前の学校では、当然友達などいませんでした……………あいつ以外は」
「……………………………」
「目の前の人間が自分より優れている時、その時感じる事は主に2つに分かれる。1つは、尊敬の念を抱く……………………2つ目は…………
そいつが憎い…………と思うか」
憎い……………その言葉が、碧海の心に深く刺さった。
「一度そいつに対して憎しみの感情を抱いてしまえば、それを消すのは難しいと思う。僕の場合は、嫉妬が募って憎しみへと変わった奴等が、僕をいじめてきた奴等だ」
「………………………」
「僕がこれまで全国を転々としたなかで出来た友達は結構多い。ほとんどは最初に言った前者の人達だけですね。今思えば、僕は単純にラッキーだったと思ってる。だって、嫉妬とかしてもおかしくはなかっただろうに、それが一切無かったんだから。だからまぁ、僕をいじめてきた奴等も別に間違いじゃない。って言ったら、また少し違うんだけどさ」
創真はため息をついて、続ける。
「だからね、僕は前の学校で人間の本質を見た気がするよ。社会に出たら、そう言う奴等がたくさんいるんだろうな、って。だからまぁ、ある意味奴等からそう言う教訓を教わった気がするよ」
そう言って創真は笑う。
「え、じゃあ……………創真君はそいつらがうざいとか、憎いとか思わないの?君が言うには、何の被害もなかったらしいけどさ、いじめてきたことには変わらないよね?」
「うーん。何て言うかさ、憎むだけ無駄って言うか何て言うか…………………そんな事気にしてもしょうがないって言うか。憎しみに囚われてたら、自分は何も成長できないだろうしな、って感じ。だから、僕の場合はいじめと言うなの理不尽を楽しんじゃった」
「た、楽しんだって………………す、凄いなぁ。私にはそれは無理かも……………でも、そっか。憎しみにずっと囚われてたら、前に進めないよね。良いことを学んだ気がするよ。創真君。最後に1つ質問」
「なに?」
「人は、どういう風な生き方が正解だと思う?………私はやってはいけないことしてしまった。でも、私はここで止まらず、先へと進みたい。その為には、これからどうしていけば良いのか…………」
創真は少し考えてから言う。
「まぁ、僕はまだ人生経験そんなに無いから、参考程度にね。僕的にはその答えはね
『ない』」
碧海の目を真剣に、目を逸らさず創真は言葉を続ける。
「生き方の正解……………それを知りたくて皆は闘っているんだろうね。当然、僕も。そして、あなたも。色んな道を迷って迷って迷いまくって、たった1つの正解への道を探していく」
「………………」
「この世は、醜くも必死にもがく
「即ち、迷い犬って事か……………要は、自分の生き方は自分で探せって事かな?」
「まぁ、そゆこと」
「了解しました、創真先生?」
ふざけたように敬礼する碧海を見て、創真は笑みを浮かべた。
「じゃあ、迎えがそろそろ来ると思うから……………またね」
言ってるそばから氷室のフェラーリの隣に車が止まった。
そこから出てきた人物を、創真は見たことがあった。
「…………………碧海」
「………………お父様」
隼と碧海さんの父親。
しかし、その本性を…………………創真は知っている。
THE NEXT story 2/16 PM 22:00
そう言えば、3月3日に文豪ストレイドックスdeadapple公開ですね!気になる方は是非劇場へ!