碧海さんが暴走します笑。
あーヤバイヤバイ……………では、どうぞ!
創真side
「お邪魔しまーす。まぁ、これからはただいまって言うのかな」
その通りだ。ご存じだろうが、色々あって、しょうがなく、僕の家に住ませることになった。
「うわ、凄い広いね!うちより広いかも」
「そーですか。てかさ、まだ正式に許可出てないよ。うちの親から」
「もー大丈夫だって!創真君がこんなに優しいんだから、親も優しいって」
「さぁ………………」
取り敢えず電話。呼び出し音が数回なったあと、通話開始の画面が表示された。
『よぉ、創真。お前から電話なんて珍しいな。どうかしたのか?』
この声は父さんか。それにしても母さんの声もたまには聞きたいんだが。
「あのー、母さんとかいる?」
『今はショッピング中でいない。爆買いするんだろうよ………金が飛ぶわ。まっ、めっちゃ稼いでるから良いんだけどねー!!』
「自慢はええねん。で、本題に入るけどさ……………あのね……………」
「…………ふーん。人助けで、家に入れたのか。その………碧海さんを」
父さんは暫く黙っていた。
「まぁ、別に良いぞ、それくらい」
「あ、マジ?」
「そりゃ、女には優しくしとかないとな。創真、覚えておけよ。女に優しくすると、良いことしかないぞ」
「…………貴重なアドバイスどうも。それとさぁ、あの社長の電話番号とか知らない?」
『いや、知らねぇな。まー調べりゃ分かるだろうけど。何でだ?』
「いやね、勝手に話を進められた腹いせに、イタ電でもやってやろうかと思ってね」
『なんつー、程度の低い嫌がらせだよ……………まぁ、良いけど』
流石は父さん。やはり、話が分かるじゃないか。
「じゃ、分かったらメールで送ってくれる?」
『OKだ。じゃーな』
通話は終わった。
「よーし、とりまOKらしい」
「良かった~。断られたらどうしようかと」
「後は、電話番号が分かれば………………」
「そんなにイタ電でもしたいか……………」
デュオが少々呆れ気味だ。だが、まぁ良い。するとそこへ、独り車で帰っていた氷室さんが漸く帰宅した。
「いやはや、疲れましたね……………あぁ、それと創真様。メール、見ました?」
「め、メール?」
「茅野さんから来てましたよ」
確認してみると、確かに茅野さんからメールがいつの間にか入っていた。
『突然だけど、明日の午前10時に学校に来て!その時にエプロンとバンダナを持参で!』
「エプロンとバンダナ………………料理系?料理系の暗殺か?」
「恐らく、そうでしょうね。何やら面白そうな予感がします。私も持っていくとしましょうかね」
「何を試みようとしてるんだかね。料理系のは既に殺ったけど、駄目だったんですよねー」
「新種の、じゃないですかね?兎に角、明日が楽しみです。それでは、おやすみなさい」
氷室さんは隣に帰っていった。
「あ!そう言えば…………」
「どうしたの碧海ちゃん。急に大声出して」
ホリーが尋ねると、碧海さんは訳を話した。
「寝るとき用の服とかないし、どうしようかなって」
何だ、そんなことか。
「あぁ、それは心配いらないよ」
「え、裸で寝ろと?」
「違いますッ!!ここには、自称魔法使いのホリー君がいるんだから、どうとでもなるよ」
「自称じゃないんだけど……………まぁ、良いや。サイズに合うのをちゃちゃっと30秒で作って見せようじゃないか!」
ホリーは『コネクト』を使って、材料を取り出し、目にも留まらぬ速さで手を動かし始める。
「す、凄い…………」
「恐らく、マッハ3で作ってる」
デュオの補足に、碧海さんはさらに驚く。
「ま、マッハ 3!?人外じゃん…………」
「まぁ、人じゃないしな」
「しゃあ、出来たぞ!ほれ」
ご丁寧にも袋詰めされた箱をホリーは渡す。
「おーほんとに30秒で出来た!ありがとう、ホリー君!」
「良いってことよ!そんじゃ、碧海ちゃんは先にお風呂入ってくれば?そしたら、僕が美女の残り湯を堪能できる…………………」
「セクハラ同然の発言すんな!」
====================
30分後
「あースッキリ。お風呂は気持ちいいね~」
碧海が髪をかわかして、リビングに戻ると、創真の姿はなかった。
「あれ?創真君は?」
「今、暇だからって天体観察してるよ」
ババ抜きをしているホリーが答える。
「……………チッ、またジョーカーか………何度目だ……」
ジョーカーを引いたデュオは舌打ちをする。
「でさ、私どこで寝ろとか言ってなかった?」
「親の寝室で寝ろ、と言ってた」
「えー嫌だな~。あ、そうだ!創真君と一緒に寝ちゃおっかな♪」
「「「え!?」」」
「だって独りとか寂しいし~。今のうちからスタンバイしておこうかな~」
「ま、マジか……………なら隼と一緒に寝た回数とかたくさんありそうだな……」
キバットは少し動揺気味だ。
「小6の時まで一緒だったよ~」
「……良いこと聞いた。今度からかってやろう」
いじりのネタを知ったホリーがニヤリと笑みを浮かべた。
「だがな、碧海さん。流石に今は小6じゃなくて、中3だ。それに男女が同じベットで寝るのは色んな面からして、やめといた方が………って」
デュオの諭しも聞かず、碧海は創真の部屋に入っていった。
「まーまー、デュオ。ちょっと、このまま放置しておこう」
「は…………………?」
ホリーの提案に、デュオは訝しげな表情を浮かべるが、その意図に気づいたキバットはニヤリと笑う。
「良いねぇ、それ。面白い展開が見れそうだぜ。さーさー、続きをやるぜ!」
「やれやれ……………どうなっても知らんぞ」
ちなみに、ババ抜き以外はデュオが一位だったそう。何回やってもババ抜きは最下位のデュオだった。
そこから1時間後。天体観察から戻って、お風呂に直行し、それを済ませて、寝間着の創真がリビングにやってきた。
「いやはや、今日は色々とありすぎて疲れた…………」
すると、リビングにやって来た創真に、皆は一斉に近づく。
「………な、何?」
「創真…………、お前のベットが占拠されてるぞー!」
「はぁ…………………あと、何でハイテンション?」
「え、マジで……………いや、何でよ………」
そこでは碧海がベットで幸せそうに寝息を立てている。
「うーん、デュオ君。詳しく状況を説明してくれたまえ」
「お前と寝るために、事前にスタンバイしたらしい」
デュオが無感情に呟く。
「……………スタンバイしてるとこ悪いけど、一緒に寝ないからな」
「何でだよ!見ろ!無防備に美女が横たわってるんだぞ!これはチャンスだ!ルパンダイブするしかね」
「誰がするか!!」
創真はキバットを蹴飛ばす。キバットは回転しながら吹き飛び、壁に叩きつけられる。
「まーた、そう言う系の展開を期待してたのか?このコウモリは相変わらずだな、ねぇ、ホリー君?」
「ソ、ソーデスネー……」
目力が凄い創真から逃げるように、声で動揺しているホリーは目を逸らしながら答える。
「あー、疲れるな、ほんと。んじゃ、僕は親の寝室で寝るとす………のわぁ!?」
「「!?」」
創真の謎の悲鳴に、ホリーとデュオが一斉に振り向く。
「もう!創真君、なんで入んないの!」
「起きてやがったのか………………いや、当然でしょ!?男女が同じベットで寝るのは、色々と不味いって!」
「だーいじょうぶ。創真君が危惧してるような事はしないよ?ね?」
最後の一言を耳元で囁かれ、創真は顔を若干赤くした。
「だとしても、だとしてもだ!流石に不味い!てか、僕は彼女いるし!陽菜乃に色々と申し訳ない!」
「むー。どーしても?」
「どーしても!」
「なら、しょうがないか……………」
漸く諦めてくれたようで、創真はホッと息をつく。しかし、それは重大な勘違いだった。
「………………なーんてね!」
ホッとしている創真を、碧海は力づくで引っ張る。安心の余り、力を抜いていた創真は成す術もなく、ベットに引きずり込まれた。
「しまったぁ………………おい、離せ! 」
「絶対離さない────────!!」
「キタ──────────!!神展開キタ─────!!」
ホリーは歓喜の声をあげる。そして、わざとらしく時計を見る。
「あ、もう11時だ。創真、明日は学校に行く予定もあるし、こんな所でいつまでもいたら、迷惑だよねー?じゃ、僕らはあっちに行くんでおやすみー!さぁさぁ、デュオ君、お邪魔になるから早く行きましょ行きましょ」
「あ、だが………………」
「いーから、いーから!」
デュオが何かを言おうとするのをホリーは遮り、デュオの背中を押して追い出す。そして、ドアを閉める直前、ホリーは何かを置く。それを見た創真は叫ぶ。
「おい、何去り際に8kカメラの撮影を開始してんだよ!」
「言っておくが創真、このカメラの回りには僕しか解除できない結界が張られてるから、一切触れることは出来ないぜ。ついでに、魔法でお前が朝の7時まで出れないような呪文を掛けておいたからなー!感謝しろよー!!」
そう言って、ゲスの極みホリーはドアをばたんと閉めるのだった。脱出した創真がドアを開けようとするが、ドアはびくともしなかった。窓も同様にだった。
「あんのゲスの極みホリー………明日、覚えとけよ…………………はぁ」
急に疲れが押し寄せ、創真はドアを背に座り込む。
「くそっ……………結局、碧海さんと寝るしかないのか………………」
「そう言う事♪……………と言っても、まさかホリー君がここまでするとは流石に考えてなかったけど」
「あーあ………………てか、明日は学校に用事あるし、早めに寝とかないと疲れも取れないし……………しゃーない、寝よう」
「じゃ、私も一緒に入らせてもらうねー」
「もーご勝手にどうぞ」
半ばやけくそ気味の創真だった。ベットに入ると、碧海が近くに寄ってくる。それすらも追い払う気力もなく、創真は眠りにつくまでぼーっと天井を眺める。
「ねーねー、ドキドキしてる?」
「どーでしょーね」
そう答えると、碧海は創真の胸に頭を乗せる。
「んなっ!?」
「うーん、ドキドキしてないかー。残念だなー」
「今の行動にドキッとしたわ!………………はぁ」
とっとと寝たい……………………そう考えながら、創真は目を閉じるのだった。
『ねぇ、創真君。1つ言って良い?───────────
──────────君が好き』
「んなっ!?……………………あ?」
思いっきり目を開ける創真。そこは無論、自分の部屋兼寝室だった。
「…………………あぁ。夢かぁ……………びっくりしたぁ。ったく、夢だからって告白してきてんじゃないよ」
安心したように大きなため息をつく創真。
「にしても、何か重い…………………はっ!?」
何と、碧海が自分の上に覆い被さっていた。さらに、彼女のそこそこある胸が完全に密着しており、今更のように赤くなる創真。
「………………………………」
何も言わず、碧海を静かにどける創真。そして、8kカメラが置いてあることを認識した。
「回収しに来てない、って事はホリーはまだ寝てるな…………………なら」
時刻が7時を過ぎてる事を確認した創真は、部屋を出てデュオを探す。幸い、直ぐに見つかった。
「あぁ、起きたか創真」
「デュオ、あのカメラをぶっ壊す方法知らない?」
「…………………そう言う事か。あるぞ」
デュオは創真の耳元で囁く。
「お前が前にホリーから貰った、天空の剣があるだろ?」
「あるね」
「アレには特殊な効果があってな。どんな魔法でも無効化する能力があるんだよ」
「そうなの?てことは、あの剣で結界の部分に触れれば、結界は解けるって事?でも、それホリーも知ってるんじゃないの?」
「いや、知らない」
絶対に、とつけ足してデュオが言い切った。
「何でそう言えるの?」
「俺がその効果をこっそり付け足しといたのさ。あったら、便利だろうと思ってな」
「なるほどねぇ。あぁ、確かに便利だ。例えば今回のようなケースで、な」
創真はニヤリと笑った。そして─────────
「データが取れてない!!何でだよ─────────!!」
確認したホリーの大声が響き渡った。
「あ、創真!何故か録画が取れてないんだけど!?」
「へー、そりゃ良かったわ。録画開始ボタンを押しそびれたんじゃないの?」
創真が氷室と共に朝食を作りながら答える。
「そうかも………………あーあ、折角良い機会だったのに」
「あぁ、それと。次にまた撮影を試みようとしたら、君の大好きなおやつが無くなるから」
「なっ!?そ、そりゃ………………不味いな………………分かったよ、不本意だけど」
「素直でよろしい……………フフッ」
無論、ホリーは知るよしもない。結界を解除し、取れていた録画データを創真が削除した事は。
「さて、出来た出来た。そして、今日から5人で食べるんだっけ?」
「お、そう言えばそうだね!そして、丁度来たみたいだね」
ホリーの言う通り、着替えた碧海がリビングにやって来た。
「わぁ、凄く美味しそう!これ、創真君が?」
「氷室さんと一緒にね」
「凄ーい!さっ、早く食べよ!」
「そーだね!僕も早く食べたーい!」
「朝から碧海さんとホリーは元気な事で…………」
そう言いつつも、創真の顔は何処か楽しそうだった。かくして、新たにこの家に住人が加わったのだった。
THE NEXT story 2/19 PM 22:00
碧海さんって…………創真が…………どうですかね…………?
碧海がE組に来るのはもう少し先です!
波乱な展開になりますね。絶対。
次回はプリン!
それでは、月曜日にまたお会いしましょう!