剣?魔法?いやいや時代は運でしょ!   作:高崎瑞希

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十話  ついに楽しい学校生活が…は?

「どうする?」

 

俺は…

 

「いえ、せっかくですけど遠慮しておきます。」

「む。そうか?」

「はい。魔力を増やすことも必要だとわかってはいます。

でも…オレは友達と一緒に頑張りたいです。

一緒に魔法を極めていきたいです。

だから…飛び級はありがたい提案なのですが…すいません。」

 

せっかく友達ができたんだ。これから前世ではできなかった楽しい学校生活を送れそうなのにそれを蹴るのはいやだ。

 

「ふぉっふぉっふぉっ。青春じゃな。何かあったらワシのところに来るといい。助けになるぞ。」

「はい。ありがとうございます。」

 

「失礼しました。」

 

学園長室を出る。

 

「ふぅ…緊張した…」

 

まさか飛び級を提案されるとは。

でも…新しい目標ができた。

無属性を極める。誰にも使えない魔法。使えるようになってやる!

 

「よし。教室に戻ろう。」

 

 

 

 

 

 

「だから…」

 

声が聞こえる。うわぁ…これ入ったらシーンとするやつだ…

学校に遅刻したときの空気になるやつだよ…

 

「でも…ボーッと立っているわけにもいかないし…行くか!」

 

覚悟を決める。いざ、決戦の地へ…!

 

 

 

「おかえり。今これからについて話してたの。座って。」

「え?あ、はい。」

 

思ったより普通に迎えられた。良かった…シーンとしなくて…

 

「何の話だったのですか?」

 

ティアに尋ねられる。

 

「えっと…なんでもないよ。ちょっと魔法について話しただけ。」

 

飛び級のことは話さない方がいいだろう。

それに無属性については…

 

『無属性はまだ謎が多い。今話した魔法についてはこの学園でも上位のものしか知らないのじゃ。

あまり他の者に話すでないぞ。使おうとして失敗されたらかなわんからな。』

 

と学園長に言われた。俺なら良いのかとは思ったが…興味はあったので黙って聞いていた。

 

「そうですか。怒られたわけではないのですね。良かった…」

「心配してくれてありがとう。大丈夫だよ。」

「わ、私は心配してなかったけど…」

「うん。ルゥもありがと。」

「なっ…だから…」

「そこー!静かにしてねー!」

「うっ…はーい…」

 

先生に怒られた。

 

「続きを…どこまで話したっけ?」

「授業についてだよ!先生忘れないで!」

「あ、そっか。ごめんね。」 

 

教室が笑いに包まれる。あぁ…学校って感じがする…

 

「授業は座学と実践の二種類。

座学はみんな一緒にこの教室で私が教えます。

実践は属性ごとにわかれます。

ちなみに私は水だよ。水の子はよろしくね!」

「俺なんだろ…」

「私も知らないよ。」

「僕は火!このまえパパが教えてくれたから。」

 

教室がざわつく。自分の属性を知らない子もいるみたいだ。

俺はお父さんが教えてくれたけど…教えない家もあるのだろうか。

 

「あの…先生。」

「はい。なんですか?シンさん。」

「それ無属性はありますか?」

「え?」

 

きょとんとしている。あれ?俺変なこと聞いた…?

 

「無属性はないですけど…どうしてですか?」

「ああ、いや、ないならいいんです。忘れてください。」

「そうですか。では今から…」

 

あ!そうだ!

 

「せ、先生!もう一ついいですか!」

「へっ…は、はい。なんですか?」

「変質はどうなりますか?」

 

今では変質はとても珍しいと言っていた。ほとんどいない属性でも教えてくれるんだろうか。

 

「へ…変質?シンさんの属性は変質なの?」

「はい。」

 

やはり珍しいらしい。

 

「えっと…どうなるんでしょう…」

「えぇ…」

 

担任なのに…確認しておいて欲しかった。

するとそんな俺の気持ちを感じたのか…

 

「ちょ、ちょっと待っててね!今!今確認してくるから!」

 

パタパタと走って教室を出ていく。かわいいな。

パタパタ…と足音が遠ざかって…あれ?近づいてくる。

 

「ねぇ!」

 

戻ってきた。なんだろう…

 

「そこに聖水があるから!シンさん!」

「へ?あ、はい。」

「皆の属性教えてあげて!」

「は!?ちょっと…」

 

行ってしまった…普通そんな大切なことただの新入生に頼むか…?

 

「あ…えっと…それじゃあ自分の属性がわからない人は前に出てきてくださーい…」

「「「はーい!」」」

 

おお…これが先生の気持ちか…ちょっと気持ちいいな…

 

 

 

一人ずつ器に入れた聖水を渡す。

ちなみに本来は魔力を注いだら反応するらしい。

魔力は赤ちゃんの頃自然と制御できるようになるらしいが…

俺はこの世界に来ていきなりだったから制御できずに爆発させてしまったみたいだ。

ごめんお父さん…ビックリさせて…今はもう大丈夫だから!

 

「これは…大地だね。そっちは…火だ。」

 

一人ずつ教えていく。クラスのほとんどの子が教えてーと寄ってくる。

皆知らないのか…

 

「あの…どうでしょうか。」

「え?えっと…この反応は…」

 

ティアも聞きにきた。そういえば知らないって言ってたね。

 

「風…だね。」

「まぁ。ありがとうございます。」

「シン!私は!?私は!?」

「ルゥは…あれ?ルゥ?」

 

お前は魔法使ってなかったか?

 

「私の属性は?」

「いや、知ってるでしょ…」

 

ちなみに反応は火。まぁそうだろうな。

 

「知らないから聞いてるんでしょ。」

「でもファイア使ってたじゃん。」

「あれは初級魔法だから…誰でも使えるじゃない。」

「あれ?そういえばそうだね…」

 

ということは俺の勘違いだったか…でも…

 

「自分の属性知らないのに初級魔法は使えるって…どういう教育されてんだよ。」

「し、知らないわよ!」

 

おーおー。怒っちゃって… 

 

「火だよ。」

「そ、そう…ありがと。」

 

教えてあげた。いじるとかわいいんだけど…やりすぎると泣きそうになるからね。

 

「皆わかった?」

 

お。俺に全部丸投げした先生が帰ってきた。

 

「シンさんは全部だって。」

「は?」

 

今なんて?

 

「だから全部。全属性の実践を体験しなさいって学園長が」

「えっと…それはどうやって?オレの体一つしかないんですけど…」

 

一時間ごとに違う属性を習うのだろうか。さすがにそれだと周りからすごく遅れそうだが…

 

「課題だって。」

「え?」

「課題。一時間にそれぞれの属性の課題をクリアすること。一つクリアして先生のOKを貰ったら次の属性の場所に移動してまた次の課題を行う。

『4つクリアし続けることができたら進級させてやろう。』

学園長からの伝言です。」

「いやいや…無理でしょ。」

「それと…『頑張れよ!少女!ワシの夢を叶えてくれ!』と言われていました。」

「なっ…」

 

あの…クソジジイがぁ!

 

 

こうして地獄の授業が始まってしまった…

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