「よし。行こうか。」
「あ、ちょっと待って。」
行こうとする皆を引き止める。
「先生。一つ聞いてもいいですか?」
「お?なんだ?俺と話したいってか!もう皆スタンプ集めにいったのに俺と話したいとは物好きだな!」
空から降りてきた先生に声をかける。
「シンさん。早く探しにいかなくてもいいんですか?」
「うん。少しだけ待ってて。」
確かにこれは時間を無駄にする行為だ。
もし違っていたら自分から写真をばらまいてしまうが…
「先生。校内と言っていましたがそれは学校内という意味ですか?それとも学校の敷地内?」
「敷地内だな。裏山なんかも入るから早く行った方がいいぞ?」
ちなみここ、メリア学園はすごく広い。
今いるグラウンドだけでも端から端が見えないくらい広いのだが、学校の裏には大きな山もあるのだ。
なにやら自然と触れあうのも大事!ということらしい。
「ということは…このグラウンドも敷地内ですよね?」
「ふっ…ああ。そうだな。」
先生がニヤッと笑う。
「ならですよ…」
ニヤッと笑い返す。
「先生…スタンプ持ってません?」
「えっ…」
仲間達が唖然としていた。
そんななか言葉を発したのは…
「で、でもシンさん。先生は進行役もしてるんですよ?忙しいのに持っているわけないじゃないですか。」
ティアだった。その言葉に反応して
「そ、そうだよね。さすがに忙しいし…」
「でもこれで写真はゲットしたも同然じゃない?」
「やったぜ!シンちゃんの寝巻き&寝起き写真…」
くそ…やっぱり持っていないのだろうか。直感で動くべきじゃなかった…
「ははははは!長いこと司会をやっているが俺に話しかけてきたのはお前が初めてだ!
ははは…さすがだな。若いが洞察力がいい!良い魔術師になりそうだ!」
先生が笑いだした。洞察力というか…運任せの直感なのだが
「はぁ…笑わせてもらった。ではお答えしよう。確かに私はスタンプを持っている。」
「よし!」
危なかった!持ってなかったらヤバかったな…
「じゃあ条件は何ですか?見つけたご褒美に簡単にして欲しいなぁ…なんて」
できるわけないだろうな…と思いながら聞いてみる。
「うーん…今までこんなことなかったからな…どうするかな…」
先生悩み中。早くしてくれ。
「よし!決めた!」
「やっとですか!何です?」
数分待たされたがやっと決まったらしい。
「
先生が再び浮かび上がり、俺たちの頭上で静止した。
「ここまで人を浮かび上がらせる。それが条件だ!」
おお。人を飛ばせと…どうやって?
「ちょっと集合。」
「なんですか?」
「どうすれば良いと思う?」
「うーん…土台を作って持ち上げるというのは?大地属性の人はたくさんいますし。」
「なるほど。」
「それは飛んでないからダメだ!」
先生から待ったが入る。
「うーん…じゃあさ、単純にストームで飛ばすというのは?」
「そうですね。それしかないと思います。」
「賛成!」
「よし。やろう!」
皆賛成してくれた。じゃあ…
「えっと…リーシャちゃん…だっけ?」
まだ学校生活一週間。名前を覚えきれていないのだがあっているだろうか…
「は、はい!なんでしょう?」
チームの中で一番小柄な女の子が返事してくれた。どうやらあっていたらしい。
「飛んでみない?」
「ふぇっ?えと…はい。お役にたてるなら頑張ります!」
おお。まだ生まれて6.7年だろうに…すごく礼儀正しい子だ。
「ストーム使える子はどのくらいいる?」
「あ、はい!私風属性です!」
ティアが手を上げた。
「うん。他は?」
しーん…
「…え?まじで。?一人?」
「みたいですね。皆最初は自分の属性の初級魔法から練習しますから。風属性は私一人のようです。」
うわぁ…まじかよ…
「どうする?諦めるか?無理そうなら他のやつ探しにいくのも一つの手だぞ?」
「いえ!やります!」
せっかく見つけたのだ。絶対にクリアしてみせる!
「じゃあ…」
リーシャちゃんを二人ではさみこむ。
「よし。いくよ!」
「はい!」
「「ストーム!」」
二人で魔法を唱える。
ぶわっ!風が巻き起こる。
「きゃっ!」
巻き起こり…リーシャちゃんのスカートを持ち上げてしまった。
かわいいパン…じゃない!
「ご、ごめん!しっかり押さえておいてね。」
「うぅ…は、はい…」
涙目だ。本当にごめん。
「それにしても…」
全然持ち上がる気配がない。
「うーん…」
一度魔法を止めて考え直す。
「どうした?リタイアか?」
「待っててください!」
イラッときたので先生に怒鳴り返す。
「お、おぅ…」
どうしようか。圧倒的に魔力も人手も足りない。
ん?魔力?
「先生。道具は使っても良いんですか?」
「怒鳴らなくても…え?なに?なんか言った?」
「道具の使用はOKですか!」
「ああ。寮や教室から持ってこなければOKだ。この辺にあるものを使ってお題をクリアするのもオリエンテーリングの醍醐味だな!」
「じゃあ…」
自分の手をじっと見つめる。
すると…懐かしのステータス画面が浮かび上がってきた。
神
力 40 魔力 88
体力 62 運 99999
属性 変質
おお。色々と成長してる。でも今必要なのはここじゃない。
「えっと…」
スライドしてさらに下を見る。
バックを具現化
バックを霊体化
中身を確認
これだ。中身を確認して…
「あった!まーりんのつえー!(ドラ○もん風)」
「なっ…転移!?」
皆が驚いている。あ、そうか。ステータス画面見えないから突然杖が現れたように見えるのか。まぁそんなことはどうでもいい。
「よし。もう一回いくよ!ストーム!」
「え…あ、ス、ストーム!」
ぶわぁっ!
さっきとは比べ物にならない程の風が…いや、台風が巻き起こる。
「きゃぁぁ!」
バサバサと制服をたなびかせているリーシャの足が…地面から離れた!
「よし!いけぇ!」
「いやぁぁぁぁぁ!!!」
「うぉっ!」
先生も巻き込まれそうになって離れていく。
リーシャちゃんは…飛んで飛んで飛んで…あれ?飛びすぎじゃない?
大体10メートルくらい飛んでしまっている。
「あああああ!!!」
落ちてきた!やばっ…先生は…どっかいってるし…
「くっ…ストーム!」
ぶわっ!風を作り出し、空中で受け止める。
「良かった…」
魔力を調節してゆっくり下ろす。そのまま抱き抱えた。
「ごめんね。大丈夫?」
「ふぁ!?だ、大丈夫ですぅ…」
あぁ…泣きそう。本当にごめん。やりすぎた。
「リーシャずるい!」
「私も!私もしてほしい!」
「え?」
あの高さまで飛ばしてほしいのだろうか。俺は絶対に嫌だな。高いところ苦手だし。
「シ、シンさん!私も!」
ティアもか。好きだねぇ…
「だっこしてください!」
………ん?なんのことだ?
まてまて。いったん状況を整理しよう。
俺はリーシャを高く飛ばしてしまった。
だから風で受け止め、ふらつくと危ないから抱き抱えた。
そしてリーシャをお姫様だっこナウ…
「うわっ!ごめん!」
あわてて下ろす。
「あ…」
ちょっと残念そう。でもずっとしているわけにもいかない。
「私も!」
「俺も!」
「くそ…どうしよう…」
あ、そうだ。
「じゃあこうしよう。俺たちが一番に戻ってこれたら皆にしてあげる。どう?」
うーん…と考え始める。じゃあこの間に…
「せんせーい!スタンプください!」
離れていた先生にスタンプを貰いにいく。
戻ってくると…
「何してるんですか!早くいきますよ!」
皆がいつも以上にやる気だった。これなら写真をばらまかれなくても良さそうだ
「よし。いくぞ!」
「「「おー!!!」」」
俺たちは残り3つのスタンプを集めに走り出した。