剣?魔法?いやいや時代は運でしょ!   作:高崎瑞希

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十六話  オリエンテーリング後

「終わったな…」

 

オリエンテーリングが終わった。

もちろん俺たちCクラスは他のクラスと大きく差をつけて優勝。

 

「楽しかったですね。」

「シンに勝てなかった…」

 

まだ言ってるよ。

 

「次は…魔法祭ですか。」

 

ビクッ!ルゥの肩が跳ねる。

 

「そう!魔法祭!私の手が火を吹くわ!」

 

本当に火が出るから笑えないな。ところで…

 

「魔法祭って…なに?」

「シンさん知らないんですか?どうしてこの学校に入ったんです?」

 

いや…お父さんに勧められたからだけど…

 

「シン!負けないからね!」

「いや、だから…魔法祭ってなに?」

「魔法祭はですね…」

 

ティアが話し出そうとしたそのとき。

 

「ちょっといいか?」

「え?」

 

横から声をかけられた。

俺たちよりも背が高い。おそらく上級生だろう。

しかし一番目を引いたのは…

 

「黒だ…」

 

黒髪だった。しかもツインテ。これは『萌え』というやつか

この世界で黒髪は初めて見た。なんか親近感わくな…

 

「シン」

「え?はい。オレですか?」

 

俺に用事のようだ。何だろう…

 

「一緒に来てくれ。」

「あ、はい。」

 

くるっと回り歩き出した。俺たちもあとに続く。

 

「ああ。すまない。およびなのはシンだけだ。」

「え、あ、そうですか。じゃあ先に戻っててよ。」

「はい。後で魔法祭についてゆっくり話しましょうね。」

「さっさと戻ってきなさいよ。」

「うん。」

「こっちだ。」

 

二人とわかれる。どこにつれていかれるのだろうか…

 

 

 

 

「あの…まだですか?」

「もう少しだ。」

 

大分歩いた。もう裏山に入っている。さっきまでオリエンテーリングで歩いていたから足が…

 

「連れてきました。」

「ご苦労ですわ。」

 

金髪の女性ともう一人黒髪の女性がいた。

 

「えっと…なにか用ですか?」

「貴方…ずいぶんと人気のようね。」

 

あぁ…別に望んでなった訳じゃないんだけどな…

 

「貴方もミス・メリアになりたいんですの?」

「は?」

 

なんの話だろう。

 

「このアーニャ・エストリア様に勝てると思っているのですか?」

 

横の黒髪の人が言葉を発した。

ん?エストリア?どこかで聞いたような…

 

「自己紹介が遅れましたわね。私はアーニャ・エストリア。貴方がたぶらかしたアルティア・エストリアの姉ですわ。」

「あっ!」

 

そうだ。ティアの名前だ。思い出した。けど…

 

「たぶらかしたって…何?」

「だってそうでしょう。少し見ない間に口を開くと『シンさんシンさん』と言うようになっていて…」

「いや、オレ関係な…」

「だからお仕置きです。私のティアをあんなにして…」

 

うわ…シスコンこじらせてるやつですか…

 

「それに…貴方を放置しておくとミス・メリアになれると調子に乗りそうですし。」

「だから…ミス・メリアってなに…」

「抜刀!」

「「はい!」」

「は?」

 

横の黒髪の二人がどこからか茶色い刀を出してきた。

 

「え…え?」

「ファイア!」

 

ボッ! 火が出る。そして刀で…刺した!

 

「な、何してるの…?」

「いざ…勝負!」

 

刀の刃の部分に火がまとわりつく。

 

「それって…火龍の剣(ファイア・ソード)?」

「に見えるだろ?私は大地属性だ。」

 

ステータス画面を確認する。確かに大地属性だ。

 

「なんで…」

 

火龍の剣(ファイア・ソード)は火属性の中級魔法だ。

大地属性の彼女が使えるはずがない。

 

「魔剣士を知らないのか?」

 

ま、魔剣士?

 

「刀に魔法を宿して戦う剣士のことだ。そんなことも知らないとは…」

 

なんかバカにされた。でも今のうちに…

 

風の(ウイング)…」

「させないよ?ウォール!」

 

前方を除いた三方向に壁が出現する。

 

「悪いな。恨みはないが…少し痛い目にあってくれ。」

「くっ…」

 

さすがは大地属性。壁が厚い。これは…壊せそうにないな…

 

「はぁっ!」

 

刀が迫る。

 

帰らなきゃ…俺は…ティア達と魔法祭について話す約束をしたんだ…!

 

 

 

「な、何!?」

 

 

 

次も…ルゥに負けるわけにはいかない。だから…怪我をする訳にはいかない…!

戻るんだ…あの部屋へ…帰るんだ…!!

 

 

 

視界が歪む。体から力が抜ける。地面が迫る。

 

 

 

「あ、貴方…何しようとしているの!?」

 

 

 

何か言っている…よく聞こえないが…

 

 

 

 

俺は意識を失った。

 

 

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