プロローグ 異世界転生…したけどさ…
今日は12月25日。世間ではクリスマスと言われている日だ。
「はぁ…」
まあ俺には関係ないが。
俺は山崎神。神と書いてしんと読む。
親がゲーム好きだから俺にこんな名前を付けやがった。
ちなみに現在ひきニート。
こんな名前のせいで学校ではいじめられ不登校。結果何もせずに18歳になってしまった。
「腹へったな…」
冷蔵庫を開けに行く。しかし…
「何もねぇ…」
冷蔵庫の中は空っぽだった。
「マジかよ…」
ぐぅ~…
「腹へった…どうするかな…」
ぐぅ~…
「我慢…はできないな…買いに行くか…」
着替えをしてドアを開ける。
「うわ…さっむ。」
雪が降っていた。しばらく外出てなかったからな…
「さみー。急いで買いに行こう。」
徒歩30秒。家のすぐ横にコンビニがあるというのは便利だな。
うぃーん。
「いらっしゃいませー!」
「うわぁ…」
コンビニの中はクリスマス一色。店員さえサンタの格好をしている。
さらにいらつくのは…
「なんでコンビニなんかでいちゃついてんだよ…」
腕を組んで楽しそうに話している男女。カップルだろう。
「くそ…なんで他人の誕生日にこんな楽しそうなんだ…」
さっさと買って帰ろう。
「これと…あとは水も買っとくか…」
必要なものをかごに投げ込む。
「お願いします。」
「はい。108円が一点…130円が…」
「このあとどうする?」
「アキの家行こ♥」
「おう。一晩楽しもうぜ。」
なんで真後ろでいちゃつくんだよ!もう一つカウンター空いてるだろ!あっち行け!
「以上で2840円です。」
「あ、はい。」
お金を支払う。袋を持ってコンビニを出る。
「うぜぇ…さっさと帰って限定クエストの続きするか。」
家に向かって歩き出…そうとしたとき。
にゃー…
「あ?」
猫だ。一匹だけ道路の脇で箱の中で丸まっている。
「お前も一人なのか…?」
にゃー。
「そうか…仲間だな。これでも食うか?」
さっき買った弁当を開けて焼き鮭を渡す。
にゃ!
「うわっ!」
顔を引っ掛かれた。いってぇ…
「前が…見えねぇ…」
くそっ…猫め…優しくしてやったのに…
ふらつく。やべぇ…足元が…
ききーっ!
「は?」
体に痛みが走る。急に脚が地面から離れる。
「え?」
何も見えないし体は痛いし…
「ねこぉーーー!!!」
どさっ!
地面に体がつく。さらに痛みが強くなる。
意識が薄れていく…猫に殺されるとか…最悪な人生だったな…
そこで意識が永遠に途切れた。
はずだった。
「はっ!」
意識が覚醒する。
目の前に女の子の顔があった。
「うわっ!」
「あ。目が覚めた?遅い。もっと早く起きてよ。」
女の子が話しかけている。改めて見ると…かわいいな。
「えっと…あの…その…あ、あなたは…?」
自慢じゃないが俺はコミュ症だ。他人と関わることなんて滅多になかった。
「私は女神だよ♪」
「…は?」
「きみの人生…あまりにかわいそうだったから…」
「はぁ…」
「ま、まぁ一度くらいは助けてあげてもいいかな?て思っただけだから!それだけ!」
「はぁ…」
「さっきから『はぁ』しか言ってないじゃん。もっとなんかないの?」
「あ、ありがとうございます。」
「よろしい。」
ふんっ!と無い胸を張っている。
「それで…ここは?」
「ここは天界の一部屋。今からあなたを助けてあげる。」
「はぁ…別に助けてもらわなくてもいいんですが…」
「へぇ?それが魔法が使える世界に転生できるとしても?」
「え?」
ちょっと待ってくれ。異世界転生?今そういったのか?
「て、転生?できるの?」
「うん!それでね…」
「うん!」
テンションが上がってきた。異世界転生と聞いたら上げるしかないでしょ!
「きみの人生には同情するから一つだけ…」
きた!お決まりのチートゲットだ!
「願いを叶えてあげるよ!何がいい?」
やっぱり!どうしようか…やっぱりベタなのは魔力上限アップとか…魔法無詠唱とか…悩むな…
「ひ、一つだけ?」
「うん。あまり待たせるとゼロになるかもよ♥」
「ちょ、ちょっと待って!」
どうしよう…いや。やっぱりこれだ!
「全属性を使えるようにして!」
「へぇ…あなたもそうなんだ。役に立たないのにね。バカばっかり」
「え…ま、待って待って!」
「何さ。叶えてあげるから少し待ってよ。」
「その叶えるのを待って!役に立たないってどういうこと?」
「はぁ…説明してほしい?」
「うん。お願いします。」
「今から送るのは魔法の世界。それは聞いたよね?」
「うん。」
「そこでは全てが運で決まるんだ。」
「はぁ…?」
どういうことだ…?
「何をするにも運が必要ってことだよ。」
「ああ。なるほど。」
運が大切ってことか。
「え?それ皆に言ってる?」
「いや?聞かれてないし。」
「そこ一番大切!言わなきゃいけないとこ!」
この女神最悪だ。必要なことを話してねぇ。
「え?運が大切…ってことは…」
これが一番いいのでは…?
「運の上限解放して凸らせることできる?」
「もちろん。なんで皆それ言わないのか不思議だよねー。」
明らかにこの女神が言っていないからだ。
「じゃあそれが願いってことでOK?」
「うん。」
「わかった。それと転生者皆に与えられる特典なんだけど…」
「へぇ。まだ何がもらえるの?」
「人のステータスを見ることができるよ。ただし転生者同士では見れないからそこんとこ注意してね。」
「なるほど。」
「じゃあ送るよ!」
「あ!待て!」
「は?待て?」
「あ…いや。待ってください。」
「はぁ…何?」
「他に隠してることはない?…ですか?」
「ないない。集中するから黙れ~。」
うっ…これ以上邪魔するとまずそうだ。静かにしとこう。
「開け~…扉!」
「は?」
ごごごごご…
目の前に大きな扉が出現し…開き始めた。
「さぁ。いってらっしゃい!くすくす…」
「よっしゃ!新しい世界へ…!」
一歩を踏み出した。目の前が真っ白になる。
視界が開ける。
「うわっ…すげえ。」
声が漏れる…あれ?
「あー。てすてす…は?」
声がやけに高い。もう声変わりしていたはずだが…
「まさか…あの女神…」
「よんだ?」
目の前にさっきの女神が現れた。
「お前何しやがった!」
声がすごく高い。なんだこの声…
「いやぁw羨ましそうにw私を見てたからw女の子にしてあげたよw喜べwロリだぞw」
「ふっざけんなぁーーーーー!!!!!」
山崎神。18歳。男。ひきニート。
異世界で女の子になりました…これから俺どうなるの!?