さて…と。簡単に状況を説明しよう。
「頑張れよ!ルゥ!」
「もちろんよ!」
と見送ったまでは良かった。
『一試合目を始めます』
始まってすぐに…
「ファイア!アーンド、ウォール!」
ルゥの呪文が炸裂。相手を閉じ込めて圧倒的勝利だ。
どうやら相手の子はまだ魔法が安定していなかったらしい。
自分の属性の初級魔法さえ安定しない子に向かってルゥはなんと大人げないのか…
「勝った!勝ったわよ!シン!見てる!?」
まったくあいつは…
「ティア」
「はい。」
お互い向かい合ってうなずく。そして…
「さて。どんな出し物があるのかなー。」
「そうですね。楽しみです。」
くるっと後ろを向いて歩き出した。
「あれ!?シン!ティア!どこ!?」
なにも聞こえないなー!
「お。迷路?」
「本当ですね。挑戦してみますか?」
「うん。楽しそうだしね。」
「はい。」
入り口と思われる場所に立っている上級生に話しかける。
「すいません。これ遊べますか?」
「はい。大丈夫ですよ。挑戦しますか?」
「はい!ぜひ!」
「わかりました。では軽く説明しますね。」
迷路に説明なんか必要なのだろうか…
「私たちの迷路はとても難しいのです!」
ふっ…転生人間をなめるなよ!俺は迷路の絶対に攻略できる方法を知っているのだ!
「なお、ずっと壁に手をついて歩いていけばゴールにたどり着けるなんて思ったら大間違いです。」
………前言撤回しよう。この迷路は難しいな………
「近くで大地属性の仲間が中をリニューアルしているので何度でも楽しめますよ!」
「あー…なるほど。」
「なので出れなくなる可能性もありますが…挑戦しますか?」
「えっと…リタイアは可能ですか?」
「はい。叫んでいただければ。」
「わかりました。ティアはどうする?」
「私は…一緒に行ってもいいですか?」
「はい。大丈夫ですよ。」
「じゃあ一緒にいこうか。」
「はい!」
「では、こちらへどうぞ。」
促され一歩を踏み出し…
「あーー!!シン見つけた!」
「くっ…」
見つかった…だと…!
「よし。行くか。」
「はい。」
一歩を踏み出した。
「なっ…待ちなさいよ!私も!私も入ります!入れて!」
「では説明を…」
「いらない!いらないから早く入れて!」
「え…わ、わかりました。ではこちらへどうぞ。」
後ろからルゥも入ってくる。
「急ごうか。どっちへ行く?」
「ええと…シンさんはどちらがいいと思いますか?」
「んー…右…かな。」
「ではこちらで。」
自分の運を信じて右へ曲がる。すると…
ごごごごごごご………
「「え!?」」
真後ろに壁が出現した。もう後戻りは出来ない。
「よし。進むか。」
「はい。」
ルゥよりも早くゴールしなければ…何を言われるかわかったもんじゃないな。
「右…右…左…」
「はい…はい…はい?」
壁。うーん…
「戻るか。」
「そうですね。」
「あーー!!また壁!?なんで!?」
向こうも楽しそうだな。負けるわけにはいかない。
「よっしゃ!まっすぐ!」
「はい!」
三又に分かれたみちの真ん中を突っ走る。と…
「あれ?」
「あ!出口ですね!」
「よっしゃ!ルゥは…」
見た感じはいない。
「おめでとうございます。お仲間よりも早いですよ。」
「やったね!」
「はい!」
ティアとハイタッチをかます。
「良かった…」
「では次はどうしますか?」
「うーん…」
ルゥを待つ?それとも先に…?
「ティア」
「はい。」
再び向かい合ってうなずく。
「あそこ行ってみよう。」
「はい。」
「また壁!?シンー!助けてー!!!」
がんばれ。ルゥ。