剣?魔法?いやいや時代は運でしょ!   作:高崎瑞希

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二話  俺は女の子

「ふわぁ…」

 

眠い…この体不便すぎる…

 

「あれ?」

 

もうフェリスがいない。

 

「あ!シンちゃん起きた!おはよ!」

「あ、うん。おはよう。」

 

ドアからフェリスが顔を出す。

 

「早く早く!そんな格好じゃ狩りに行けないよ!

まずは服を買いに行くから!朝ごはん早く食べなきゃ!」

 

急かされる。そういや服昨日のままだ…

体が縮むときに一緒に服も縮んでいてくれて助かった。

危うく全裸になるところだったぜ…

 

「はーやーくー!」

「はいはい…」

 

体を起こし、朝ごはんを食べにいく。

 

「うわぁ…すごい。」

 

テーブルにはたくさんの卵料理が並んでいた。

 

「全部私が取ってきたんだ!」

「へぇ。すごいね」

 

口に運ぶ。

 

「うっ…」

 

全然口に入らない…そういや体縮んでたんだった…

 

「はぁ…」

 

少し切って改めて口に運ぶ。

 

「おいしい…」

「でしょ!今日はシンちゃんもそれ取りに行くんだよ!」

「へぇ。ちなみに何の卵なの?」

「ゴブリン!」

「ぶっ!」

 

吹いてしまった。

 

「あぁ…もう、もったいない。ちゃんと吹かずに食べてよね。」

「食えるか!」

 

あのゴブリンの卵だって?食えるわけないだろ!

 

「ええ?何で?こんなにおいしいのに…」

 

おいしいのは認める。認めるけど…

 

「食欲が失せたよ…」

「そう?食べないと狩りなんてできないと思うよ?」

「うっ…」

 

た、確かに…この世界はまだ何が起こるかわからない。

何が起こってもいいように準備はしておくべきだ。

 

「うぅ…目をつぶれば…なんとか…」

 

勇気が出ない。口に運ばずに皿の上でいじっていると…

 

「はい。あーん!」

「え?」

 

顔を上げると目の前に卵がある。

その向こうでフェリスがフォークを構えていた。

 

「あーん!」

「ぇ…う、うん…」

 

女の子があーんをしてくれている。

すごく嬉しいシチュエーションだ。この卵じゃなければ…

卵がプルプルし始めた。あ、うでの限界かな?

し、仕方ない…男だろ!覚悟を決めろ!

 

「あ、あーん…」

「はい♪」

 

食べる。うん。おいしい。

 

「ゴブリンじゃないゴブリンじゃないゴブリンじゃ…」

 

ひたすら暗示をする。考えなければ大丈夫。大丈夫だ…

 

「あーん。」

 

もぐもぐ…

 

「はい♪」

 

もぐもぐ…

 

 

 

 

 

 

「完食!よく食べたね!」

「うん…美味しかったです。」

「よし!行こう!」

「気を付けろよ。」

「うわっ!」

 

お父さんがいた。すぐ横に。気づかなかった…

 

「いってきます!」

「きまーす。」

「よし!かわいい服を探そう!」

 

いや。狩りをするのだから動きやすい服だろう。

 

 

 

 

 

 

「到着!」

「お、おぉ…」

 

ザ!女の子!って感じのお店に着いた。

 

「いらっしゃいませー!」

 

耳が長い。エルフだろうか…

 

「この子に似合いそうな服ありますか!」

「はい!でしたら…」

 

エルフの店員さんがフリフリの服やスカートを持ってくる。

 

「はい。着てみて!」

「え…」

 

試着室に連れていかれる。着るしかないのか…

 

「はぁ…仕方ない」

 

着ている服を脱ぎ、渡されたかわいい服を着る。と…

 

「うわっ…」

 

渡されていたのはミニスカート。でもはいていたのはトランクス。思いっきり見えている…

 

「これ…いいのか?」

 

いや、ダメだろう。

 

「こうなったら…」

 

パンツに手をかける。

 

 

 

 

 

 

「お、お待たせ…」

 

試着室のカーテンを開ける。

 

「やっぱり!かわいい!」

「似合ってますよ!お客様!でも…」

 

うっ…やっぱりばれたか?

 

「スカートはもう少し上げたほうがいいかと…」

 

やっぱり…すーすーするから下げていたのだが…

 

「…えっ…」

 

スカートを上げようとした店員さんの動きが止まった。

 

「え…えっと…すぐに持ってきますね…」

「はい…すいません…」

 

すごく恥ずかしい…でも店員さんが察しのいい人でよかった。

 

「なになに?どうしたの?」

 

一人何もわかっていないフェリスがおろおろしている。

 

「お、お待たせしましたー…どうぞ…」

「ありがとうございます…」

「え?パンツはいてないの?なんで?」

 

フェリスが驚いていた。せっかく店員さんが黙っていてくれたのに。もう喋るな。

 

「よし。これで大丈夫…なのか?」

 

なにせこんな格好をしたことなどない。

 

「えっと…」

 

カーテンを開ける。

 

「…はい!似合ってますよ!」

 

店員さんがスカートを見ながら誉めてくれる。

…恥ずかしい…女の子はいつもこんな感じなのか…?

 

「うん!いいね!これください!」

 

フェリスがもう買おうとしていた。

 

「いや…これスカート…」

「次は上だね!お願いします!」

「はい。少々お待ちください。」

「あの…」

 

本当話聞かないな!どうなっても知らないぞ!

 

「どうぞ!」

 

 

こうして俺は女の子に着せかえられていった…

 

 

 

 

「以上で6800Gですね。」

「はい。」

「それと現在くじ引きを行っておりまして、最大半額になるチャンスがあります。」

「え?くじ引き?」

 

これは俺の運がどれくらいいいのか試すチャンスだ。

 

「引かせて!私引きたい!」

「うん。いいよ。」

 

フェリスにだっこされてカウンターの上のくじを引く。

ころころ…

 

「え?金だ…」

 

金の球が出てきた。

 

「お、おめでとうございます!半額です!」

「やった!やったね!シンちゃん!」

「おお…すげえ。」

 

どうやら本当に運はいいらしい。

これを使えば…

 

「ねぇ。フェリスお姉ちゃん。」

「~~~!!!なになに?お姉ちゃんになにか用かな?」

 

この反応…呼ばれたかったのかな?

 

「この辺にくじ引き屋みたいなのってない?」

「え?あるにはあるけど…」

「行きたい!」

「でも当たらないと思うよ?あれ大人向けだし…」

「お姉ちゃん!」

「よし行こう!」

 

ちょろい。将来が心配だよ…

 

「えっと…3400Gになります。」

「はい!」

 

お金を払ってお店を出る。

 

 

 

 

 

「ここが…」

 

大きなカジノみたいだ。いや、これカジノじゃない?

 

「行こっ!」

 

手を引かれ中に入る。

回りからの目線がすごい…

 

「何回引く?」

「一回だけ。」

 

机の上に『一回500G』と書かれている。

現在の持ち金は500G。フェリスに迷惑はかけられないから自費だ。

 

「一回お願いします。」

 

足を伸ばしカウンターの上に手だけだしてお金を支払う。

 

「はいよ。」

 

大きなあのガラガラ回すくじが出てきた。

ちなみに一等は世界に一本しかない昔あのマーリンが使っていた(と思われる)杖。

外すと…ドラドの実、と書かれている。

一等の杖はきっともってて損にはならないはずだ。

 

「いざ…勝負!」

 

ガラガラガラ…

 

「こい!」

 

ころころ…

出てきたのは…

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