「ふわぁ…」
眠い…この体不便すぎる…
「あれ?」
もうフェリスがいない。
「あ!シンちゃん起きた!おはよ!」
「あ、うん。おはよう。」
ドアからフェリスが顔を出す。
「早く早く!そんな格好じゃ狩りに行けないよ!
まずは服を買いに行くから!朝ごはん早く食べなきゃ!」
急かされる。そういや服昨日のままだ…
体が縮むときに一緒に服も縮んでいてくれて助かった。
危うく全裸になるところだったぜ…
「はーやーくー!」
「はいはい…」
体を起こし、朝ごはんを食べにいく。
「うわぁ…すごい。」
テーブルにはたくさんの卵料理が並んでいた。
「全部私が取ってきたんだ!」
「へぇ。すごいね」
口に運ぶ。
「うっ…」
全然口に入らない…そういや体縮んでたんだった…
「はぁ…」
少し切って改めて口に運ぶ。
「おいしい…」
「でしょ!今日はシンちゃんもそれ取りに行くんだよ!」
「へぇ。ちなみに何の卵なの?」
「ゴブリン!」
「ぶっ!」
吹いてしまった。
「あぁ…もう、もったいない。ちゃんと吹かずに食べてよね。」
「食えるか!」
あのゴブリンの卵だって?食えるわけないだろ!
「ええ?何で?こんなにおいしいのに…」
おいしいのは認める。認めるけど…
「食欲が失せたよ…」
「そう?食べないと狩りなんてできないと思うよ?」
「うっ…」
た、確かに…この世界はまだ何が起こるかわからない。
何が起こってもいいように準備はしておくべきだ。
「うぅ…目をつぶれば…なんとか…」
勇気が出ない。口に運ばずに皿の上でいじっていると…
「はい。あーん!」
「え?」
顔を上げると目の前に卵がある。
その向こうでフェリスがフォークを構えていた。
「あーん!」
「ぇ…う、うん…」
女の子があーんをしてくれている。
すごく嬉しいシチュエーションだ。この卵じゃなければ…
卵がプルプルし始めた。あ、うでの限界かな?
し、仕方ない…男だろ!覚悟を決めろ!
「あ、あーん…」
「はい♪」
食べる。うん。おいしい。
「ゴブリンじゃないゴブリンじゃないゴブリンじゃ…」
ひたすら暗示をする。考えなければ大丈夫。大丈夫だ…
「あーん。」
もぐもぐ…
「はい♪」
もぐもぐ…
「完食!よく食べたね!」
「うん…美味しかったです。」
「よし!行こう!」
「気を付けろよ。」
「うわっ!」
お父さんがいた。すぐ横に。気づかなかった…
「いってきます!」
「きまーす。」
「よし!かわいい服を探そう!」
いや。狩りをするのだから動きやすい服だろう。
「到着!」
「お、おぉ…」
ザ!女の子!って感じのお店に着いた。
「いらっしゃいませー!」
耳が長い。エルフだろうか…
「この子に似合いそうな服ありますか!」
「はい!でしたら…」
エルフの店員さんがフリフリの服やスカートを持ってくる。
「はい。着てみて!」
「え…」
試着室に連れていかれる。着るしかないのか…
「はぁ…仕方ない」
着ている服を脱ぎ、渡されたかわいい服を着る。と…
「うわっ…」
渡されていたのはミニスカート。でもはいていたのはトランクス。思いっきり見えている…
「これ…いいのか?」
いや、ダメだろう。
「こうなったら…」
パンツに手をかける。
「お、お待たせ…」
試着室のカーテンを開ける。
「やっぱり!かわいい!」
「似合ってますよ!お客様!でも…」
うっ…やっぱりばれたか?
「スカートはもう少し上げたほうがいいかと…」
やっぱり…すーすーするから下げていたのだが…
「…えっ…」
スカートを上げようとした店員さんの動きが止まった。
「え…えっと…すぐに持ってきますね…」
「はい…すいません…」
すごく恥ずかしい…でも店員さんが察しのいい人でよかった。
「なになに?どうしたの?」
一人何もわかっていないフェリスがおろおろしている。
「お、お待たせしましたー…どうぞ…」
「ありがとうございます…」
「え?パンツはいてないの?なんで?」
フェリスが驚いていた。せっかく店員さんが黙っていてくれたのに。もう喋るな。
「よし。これで大丈夫…なのか?」
なにせこんな格好をしたことなどない。
「えっと…」
カーテンを開ける。
「…はい!似合ってますよ!」
店員さんがスカートを見ながら誉めてくれる。
…恥ずかしい…女の子はいつもこんな感じなのか…?
「うん!いいね!これください!」
フェリスがもう買おうとしていた。
「いや…これスカート…」
「次は上だね!お願いします!」
「はい。少々お待ちください。」
「あの…」
本当話聞かないな!どうなっても知らないぞ!
「どうぞ!」
こうして俺は女の子に着せかえられていった…
「以上で6800Gですね。」
「はい。」
「それと現在くじ引きを行っておりまして、最大半額になるチャンスがあります。」
「え?くじ引き?」
これは俺の運がどれくらいいいのか試すチャンスだ。
「引かせて!私引きたい!」
「うん。いいよ。」
フェリスにだっこされてカウンターの上のくじを引く。
ころころ…
「え?金だ…」
金の球が出てきた。
「お、おめでとうございます!半額です!」
「やった!やったね!シンちゃん!」
「おお…すげえ。」
どうやら本当に運はいいらしい。
これを使えば…
「ねぇ。フェリスお姉ちゃん。」
「~~~!!!なになに?お姉ちゃんになにか用かな?」
この反応…呼ばれたかったのかな?
「この辺にくじ引き屋みたいなのってない?」
「え?あるにはあるけど…」
「行きたい!」
「でも当たらないと思うよ?あれ大人向けだし…」
「お姉ちゃん!」
「よし行こう!」
ちょろい。将来が心配だよ…
「えっと…3400Gになります。」
「はい!」
お金を払ってお店を出る。
「ここが…」
大きなカジノみたいだ。いや、これカジノじゃない?
「行こっ!」
手を引かれ中に入る。
回りからの目線がすごい…
「何回引く?」
「一回だけ。」
机の上に『一回500G』と書かれている。
現在の持ち金は500G。フェリスに迷惑はかけられないから自費だ。
「一回お願いします。」
足を伸ばしカウンターの上に手だけだしてお金を支払う。
「はいよ。」
大きなあのガラガラ回すくじが出てきた。
ちなみに一等は世界に一本しかない昔あのマーリンが使っていた(と思われる)杖。
外すと…ドラドの実、と書かれている。
一等の杖はきっともってて損にはならないはずだ。
「いざ…勝負!」
ガラガラガラ…
「こい!」
ころころ…
出てきたのは…