ころころ…出てきたのは…
「おお!お嬢ちゃんおめでとう!一等だ!」
虹色に光輝く玉だった。
「ほら、一等の杖だ。」
「あ、ありがとうございます…」
すごい。さすがは運MAXだ。
「私も!私も引きたい!」
「500Gだ。」
「はい!」
フェリスがお金を店の人に渡す。
「よーし!一等…は出ちゃったから…二等!当てるぞ!」
意気込んでいる。
そういえば、あのダ女神は転生者には人のステータスを見ることが出来ると言っていた。
フェリスのステータスを見ることが出来るのだろうか…
「ええと…」
フェリスをじーっと見てみる。
するとフェリスの頭の上にぼうっと何かが浮かんできた。
「これが…ステータス?」
もうすぐ…もうすぐ読めそうだ。
「何て書いてあるんだ…?」
見えたのは…
フェリス
力 40 魔力 70
体力 85 運 5
属性 水
「なるほど…」
さすがは異世界。魔力とかもあるのか。
属性?魔法の種類だろうか…
というか…
「運が5って…低っ!」
「何かいった?シンちゃん。」
もうフェリスは取っ手に手を掛けていた。
「待って!引いちゃ…」
「えい♪」
ガラガラ コロン…
「残念、外れだね。また来な。」
「ええ!?そんなぁ…も、もう一回引いたら今度はでるかも…」
出てきた玉の色は白色。
しかももう一度引こうとしている。
「は、早く行こ!狩り!狩りしてみたいな!」
「えぇ?もう一回だけ…」
「今すぐ!行きたいの!」
これ以上引かせても絶対に白しかでない。
だって運5だよ?無理に決まってる。
「そっか…仕方ない。行こうか。」
「うん!」
「よし、この辺かな。」
草原の中にある岩場で立ち止まる。
「まずはゴブリンを追い払う魔法を教えるね。」
「は、はい!」
魔法!ついに魔法を使えるのか!どんな魔法だろう。
「見ててね。ファイア!」
ボッ! 火の玉が浮かび上がる。
「あれ?フェリスって水属性じゃなかったっけ…」
もう一度確かめる。うん。確かに属性は水だと書いてある。
「え?言ってたっけ?確かに私は水属性だよ。」
「え…じゃあこれ…水なの?」
目の前で火の玉が燃えている。これは水だったのか…
「いやいや。そんなわけないよな。」
「こういった初級魔法は誰でも使えるんだよ。だからシンちゃんもきっと使える。」
「はぁ、なるほど。」
初級魔法は誰でも使える。他には何が…
「まぁその辺は帰ってから説明するよ。今はこのファイアだけ覚えれたら大丈夫だから。」
「ふぅん。どうすればいいの?」
「頭の中に火の玉を思い浮かべて…」
「ふむふむ」
ボッ!
「うわっ!」
出た。なんだ。思ったより簡単じゃないか。
「え…?もうでたの?私は数日かかったのに…」
ポカーンとしている。口が閉じないようだ。
「あ…えっと…よし!ゴブリンを追い出そう!頑張るぞー!おー!」
フェリスが無理やり気合いを入れる。
「おー」
のってみた。ちょっと楽しい。
「あそこにゴブリンはいるからね!」
と指差したのはとある洞窟。
うおお!ダンジョンみたいだ!気合い入るな!
「行くよ…静かにね。」
「うん。」
そーっと、そーっと…洞窟に入る。
「うーん…まだ気配は無いなぁ。お出かけ中かな?」
「えー?残念。」
俺の初魔法。使ってみたかったのだが…
「いないなら大丈夫かな。ファイア!」
ボッ!周りが明るくなる。
「へぇ…」
よくあるRPGみたいな洞窟だ。ん?なんだろうこれは。
「んー…ボタン?」
「どしたの?」
「あ…えっと…ボタンみたいなものが…」
「え?どれどれ…」
「あ、勝手に押すと危な…」
ポチッ!
「うおい!」
押しやがった!何が出てくる…?
ごごごごご…
「うーん…隠し通路みたいだね。さすが、シンちゃん!
行ってみよう!」
「おお!すげぇ!」
隠し通路をひたすら進むと…たくさんの黄金が…
「すごい!これだけあれば…しばらくは卵以外も食べられそう!」
フェリスの目が輝いている。
「えっ?いつも卵だけなの…?」
「うん。たくさん卵が取れたときだけ他のものと交換するんだけど…」
フェリスが黄金を持ち上げる。
「これは高値で売れそう!ありがと!シンちゃん!もって帰ろ!」
「とは言っても…」
俺は今や幼女。フェリスも華奢なのであまり持てそうにない。
「RPGならカバンにいくらでも入るのになぁ…」
「何してるの?ほら。たくさん持って!」
フェリスは胸元に黄金を入れている。
「は…?そんなところに入るの?」
「思ったより入るよ!便利!」
さすがはフェリスの豊満な胸。すごいな。
「よし。俺も…」
胸元に黄金を運ぶ。
「えいっ!」
ゴトッ!
「……………」
「……………」
足元に黄金が転がる。
「あ、あはは…まだシンちゃんには早いかな…?」
「うぅ…」
自分の胸元を眺める。見事な水平線だ。
「…あれ?」
何かが見えてきた。
「なんだこれ…」
神
力 15 魔力 30
体力 10 運 99999
属性 変質
「は?」
転生者は見れないと言っていたはずだが…あれは他人の話だったのか…
「というか…運すごいな。」
おそらく上限は999だろう。他と恐ろしくかけ離れている。
「うん…?」
まだ下に続いているようだ。なんだろう。
「えっと…」
手をスライドしてみる。すると文字も一緒に移動した。
「おっ?」
属性 変質
パーティ フェリス
バックを具現化
バックを霊体化
中身を確認
「バック?これじゃないか?」
『バックを具現化』を押してみる。
しゅいーん!
「おお。鞄が出てきた!」
小さなポーチだ。これに入るのだろうか…
「試しに入れてみよう。」
そのポーチよりも少し大きめの金塊を手に取る。そして…
「えぃっ!」
ポーチに思いっきり刺した!
「おお!」
ぬるぬる入る!なんだこれ!楽しい!
「おぉ。じゃあ次はこれを…」
ぬるぬる…
「じゃあこれ…」
ぬるぬる…
「これだ!」
金でできた石像。これはいくらなんでも…
ぬるぬる…
「はいった!」
これは使える。すごい便利だ。
「あれ?黄金が無くなっちゃった…シンちゃん?どこ行ったの?」
「黄金は全部持ったよ。帰ろう。」
「えぇ?またまたぁ。持てるわけないじゃん。」
「これ見て。」
さっきのステータス画面からバックを選び、中の石像を出す。
ずしーん!
「きゃっ!な、何これ…」
「はい。しゅーりょー。」
ぬるぬる…
「あれ?消えちゃった…」
「もう持ってるから。帰ろうよ。」
「なに!?シンちゃんもう魔法使えたの!?先に言ってよ!?」
いやぁ…ついさっきまで俺も知らなかったし…
「じゃあ出ようか。ゴブリンが帰ってくる前に。」
「うん。」
現在換金屋。
「う、うそ!?こんなに!?」
「はい。これくらいはあるかと…」
フェリスが驚いている。
それはそうだ。目の前にはいままで見たことの無いような桁の数字が並んでいる。
「ほ、本当に…?」
「はい。どうされますか?換金します?」
「はい!ぜひお願いします!シンちゃんもいいよね?」
もちろう依存はない。助けてもらったわけだし。
「では少々お待ちください。」
「やったね!大金持ちだよ!」
「うん。やったね。」
フェリスが俺の手を握ってピョンピョン跳んでいる。
む、胸が…跳ねている…
「う…」
顔がうつむく。これ以上は見ていられない。
「どしたの?」
フェリスが覗きこんでくる。
「いや、夕食が楽しみだなぁって思って…」
「そうだね!何食べようかなぁ…」
今度はクルクル回りだした。感情豊かだなぁ…
「お待たせしました。1000万Gです。」
「ありがとーございます!さっ!買い物だぁ!」
ちなみにもらったお金は再びバックの中にいれる。
そして外に出ると…
「おい!お前ら!」
「え?」
数人の男に取り囲まれた。
「今お金受け取ってたよなぁ。ちょっと分けてくれよ」
「いいだろ?少しくらいさぁ。」
「はぁ?」
なんなんだこいつらは…ステータスを見て…あれ?
「見えない…」
「そう!俺たちも転生者さ!お前が何を願ったか知らねぇが…俺に勝てると思うな!」
そういって右手を上げこちらに向ける。
「スティール!」
「なっ!?」
相手の持ち物を盗む魔法!?くそっ!お金が…
「あれ?盗めない…」
「え?」
急いで確認する。お金は盗られてなかった。
「な、なんで…スティール!スティール!」
繰り返しているが全然盗めていない。
「あ…そうか。」
ここは全てが運で決まる世界。おそらく魔法の発動も運なのだ。そして俺の運は99999。勝てるはずがない。
「くそっ…こうなったら…」
男どもが殴りかかってくる。ふっ。幼女なめるなよ!
「誰か助けてー!」
「なっ…!」
「このおじさん達が『ぐへへ。いい体してるなぁお嬢ちゃん』って言ってくるの!」
「はぁ!?そんなこと一言も…」
周りにギャラリーが集まってくる。
「く…くそ…!覚えてろよ!」
男どもが逃げていった。ざまあみろ
「怖かった…すごいねシンちゃん。」
「うん。帰ろうか。」
そして家への道へ一歩を踏み出した。