「なっ…!?」
お父さんが驚いている。それはそうだ。急に大金が入ってきたのだから。
「ど、どうしたんだ?こんなにたくさん…」
「シンちゃんがね!見つけたの!」
「へぇ…」
お父さんがこちらを見る。
「君は…すごいな。俺達に幸運を運んできた天使のようだ。」
「えへへ…ありがとうございます。」
「その…朝はああ言ったが…これからもここにいてもいいからね。」
「ありがとう!」
「やったね!シンちゃん!」
「うん。」
フェリスも喜んでくれている。
「使うお金だけ持って買い物行こ!」
「うん。それじゃあ…えっと…」
「お父さんと呼んでくれていいよ。」
「はい。いってきます。お父さん。」
「いってらっしゃい。」
「これいいな!」
「そう?使う?」
「なんかいいじゃん!」
手に持っているのは高級そうな包丁。
「でももう家にあったじゃん。」
「ええ?でも…」
悩んでいる。どうして必要のないものを買うのだろうか。
「でもさ。ちょっとくらい贅沢してもよくない?」
「じゃあ食べ物とか買おうよ。」
「わかってないなぁ」
顔を横にふる。
「ずっと使えるもの買った方がいいに決まってるじゃん!」
「そうかなぁ…」
「そうだよ!」
結局流されて買ってしまった。
「えへへ…楽しみだなぁ。」
フェリスはとても幸せそうだ。まぁ嬉しそうだからいいか。
「よし。他にも色々買って帰ろうか。」
「あとは食べ物だけね。それ以外は許さん。」
「えぇ…」
「えぇじゃありません。」
「はーい…」
その他色々と買って家に帰った。
「おお。お帰り。」
「ただいま!待っててね!すぐに夕食作っちゃうから!」
ふんふーん!と鼻歌を歌いながらキッチンへ向かうフェリス。
「な、何かあったのか?」
「新しい包丁を買ってさ…」
「え?前のは…」
「まだあるみたいだけど…」
「じゃあいらないじゃん。」
「ですよねぇ…」
はぁ…と二人でため息をこぼす。
「ははっ…君とは気が合いそうだ。」
「私もそう思う。」
…あれ?いつの間にか一人称が『私』になってる…この体にも馴染んできたのかな?
「おっまたせー!」
フェリスが料理を運んでくる。
「あの包丁すごいよ!めっちゃ切れる!」
「それはよかったね。いただきまーす。」
「雑ぅ!扱い雑じゃない!?」
「はいはい。食べようか。」
「うぅ…」
泣きそうになりながら料理を口に運ぶ。
「おいしい!」
フェリスが笑顔になる。本当に感情豊かだなぁ。
「私も…」パクッ
「うまっ!何これ!」
今朝の卵もおいしかったが…さらに上をいく美味しさだ!
「すごいな…」
お父さんもビックリしている。
「あ、そうだ。ねぇフェリス。」
「ふぇ?」
口いっぱいに食べ物を詰め込んでいる。頬がパンパン。
「魔法のこと教えてよ。」
「ゴクッ…それならお父さんに聞いて!」
「え?」
「お父さんは魔法学校の教師だったんだ!」
「そうなの?」
「ああ。昔の話だけどね。」
すごい。教師だったのか。なのになんでその子供はこんなに残念なんだ…
「教えて!」
「ああ。どのくらい魔法について知っているかな?」
「えっと…」
属性があること。初級魔法は誰でも使えること。くらいかな…?
「なるほど。最初から全部話した方が良さそうだ。」
「よろしくお願いします。」
頭を下げる。
こうしてお父さんの魔法講座が始まった。