剣?魔法?いやいや時代は運でしょ!   作:高崎瑞希

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七話  新しい友達

ガタッガタッ…

今、俺は馬車にひかれて学校に向かっている。

馬車とはいってもバスのような物を馬が引っ張っているだけだが。

周りには俺と同じ制服を着ている人もいる。

 

「はぁ…緊張するなぁ…」

「ですねぇ…」

「え?」

 

独り言のつもりだったのだが…返事が返ってきた。

 

「あ…ごめんなさい…私も緊張してまして…」

「あぁ。一緒だ。」

「あの…少し話しませんか?」

「はい。いいですよ。」

 

話しかけてきたのは同じ制服を着た小さな女の子。

髪の毛がさらさらで金髪。すごいオーラを放っている。

 

「どこから来られたんですか?」

 

女の子に尋ねられた。

 

「トサです。」

 

トサとはフェリスと過ごしたあの村だ。

 

「ちなみに…えっと…」

「あら。自己紹介がまだでしたわね。

私はアルティア・エストリア。ティアと呼んでください。」

「オレはシンです。」

 

互いに自己紹介をする。

 

「ティアさんはどこから?」

「私はインディゴからですわ。」

「インディゴって…」

 

聞いたことがある。確か王国の中心街だ。しかもあそこに住んでいるのは…

 

「ティアさんって…もしかしてお嬢様?」

「あら…ばれてしまいましたか。」

 

やっぱり。俺とはオーラが違う。 

 

「あれ?なんでお嬢様がこんな馬車なんかに…」

「一人でやっていく為の特訓の一貫です。

お父様達の期待に添えるようがんばります…!」

 

おお。すごく燃えている。

 

「なるほど。将来のための特訓ですか。」

「はい!」

 

きらきらの笑顔だ。眩しいなぁ。

 

 

 

などと話していると学校の前に着いた。

馬車から降りると…

 

「は…?」

 

目の前には大きなグラウンドが広がっていた。

 

「え?建物見えないんだけど…?」

「少し歩かなければいけないようですね」

 

少し?見えもしないほどの距離を?

 

「めんどくさい!」

 

こういうときに使えるのが魔法だ。いやぁ便利!

 

「ティアさん!」

「は、はいっ!」

「とばしますよ!ついてきてくださいね!」

「え?」

風の靴!(ウイング・ブーツ)

「も、もう魔法を…しかも中級魔法…」

 

ティアが何か言っている。

だが今の俺は軽くイラついている。

 

「行くぞぉ!」

 

ティアの手を握る。

 

「ふぇっ…」

 

ダッシュ!急激に加速する。

 

「ふぁぁぁぁぁ!?」

 

ティアが目を回している。だが知らん!

 

 

 

 

 

「はぁはぁ…着いたんですの…?」

「ですかねぇ…」

 

なにせ地図など持っていない。現在地すら不明だ。

 

「あら。新入生?」

 

回りを見渡していると声をかけられた。

 

「はい。そうです。」

 

ティアが受け答えしている。

面倒見の良さそうなおばちゃんだ。

 

「中に入りな。ここは学生寮だよ。」

「おお。」

 

どうやら無事着いていたようだ。

 

「行きましょう。」

「うん。」

 

 

 

中に入る。

 

「二人とも名前は?」

 

おばちゃんが聞いてくる。

 

「シンです。」

「アルティアですわ。」

「えっと…シンさんは203号室。アルティアさんは227号室だね。」

「あら。お別れですわね。」

「そうですね。まぁまた会えますよ。」

「ええ…」

「それじゃあ。オレこっちなんで。」

「あ、あの!」

「はい?」

「その…私はいままでずっと城にいて…同年代の方との関わりはあまりなくて…」

「はぁ…」

 

何が言いたいのだろうか。

 

「わ、私と!お友だちになっていただけませんか!」

「ああ。もちろん。こっちからお願いしたいくらいだよ!」

「ありがとうございます!それと…」

「うん?まだ何か?」

「後でお部屋を伺ってもよろしいですか?」

「うん。いいよ。」

「ありがとうございます!それでは!」

「おう。また後でね。」

 

そして203号室へ向かう。

 

「おお。なかなか広い。」

 

部屋はなかなかの大きさだ。

大きな窓。大きなクローゼット。大きな2つのベッド…2つ?

 

「あら。あなたが私のルームメイト?」

「え?」

 

部屋の入り口を見ると…赤髪の女の子が。

 

「あなたは手前ね。私窓側がいい。」

「は?」

「ベッド」

 

はぁ…なんでわからないの?と言いたそうな目で見てくる。

ちなみに今俺が座っているのは窓側のベッド。こいつどけって言ってるのか…?

 

「なんで?」

「はぁ?」

 

別にどちらでもいいのだがあえて反発してみる。

 

「へぇ?私に逆らうんだ?」

 

なんか偉そうだな。

 

「ファイア!」

 

急に火を出した。

 

「…で?」

「なっ…わ、私はもう魔法使えるの!だからどきなさい!」

「へぇ…オレも使えるけど?」

「は?あなたなんかが使えるわけないでしょ。」

「はぁ…火龍の剣!(ファイア・ソード)

「えっ…」

 

火属性のようだから火の中級魔法を使ってみた。

 

「も、もう中級魔法を…」

 

あ。泣きそう。そろそろやめてあげよう。

 

「別にベッドは譲ってもいいよ。ほら。」

 

荷物を持って隣のヘッドへ移動する。

 

「うん…ありがと…」

 

べそをかきながらベッドに座る。

 

「えっと…シンです。よろしく。」

「グスッ…ルゥ…です…」

「ルゥさんか。これからよろしく。」

「うん…」

 

その時…

コンコン

ドアが叩かれる。

 

「どうぞ」

「し、失礼します…」

「あ、ティア!もう来たの?早くない?」

 

まだ荷物すら開けていない。

 

「あっ…すみません…早いですよね…」

「いや!大丈夫!入って!」

 

ティアが隣に座る。

 

「それで…なんか用?」

「あ。はい。えっとですね…」

 

ワイワイ…

これが女子トークか。思ったより楽しいな。

 

「それもいいね…」

 

ふと後ろから視線を感じる。後ろを向くと…

 

「っ…」

 

ルゥが視線を背ける。

 

「ルゥさん?」

「な、なによ」

 

うーん…相変わらずだなぁ…

 

「一緒に話しません?」

「はぁ?なんで私が…」

「じゃあいいです。」

「なっ…ちょっと…」

 

あ。また泣きそう。

 

「うそうそ。おいで?」

「うん…」

 

歩いてくる。だいぶルゥのタイプはわかってきた。

結構寂しがりだな。そして軽くツンデレも入っていそう…

 

「ルゥさんですか。はじめまして。ティアですわ。」

「はぁ?何を勝手に…」

「ルゥ?」

「うっ…よろしく…」

「はい。よろしくお願いします。」

 

一日目。友達ができました。

二人とも個性が強いけど…知り合いがいない私にとってはとても心強いです。

明日は始業式。ついに学校生活が始まる…!

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