まあ、たまにはいいよね?
ではでは、最後になりますがどうぞお付き合いお願いします!
…今回はタグの「どシリアス」を目指します! (「ド」じゃねぇ、「ど」シリアスだ)
・・・・・・
・・・・
・・
― 深海群・集会地点(海溝~m) ―
「いょおぉーし! 皆集まったなあ"!」
『いるっすよー』
『イルゾ』
『ヴェア。』
『…全員、集マリマシタ。提督』
せんちゃんがそう言うと、オホンと咳払いを一つする黒い塊。
「お前たち! いよいよだ! いよいよ奴らに目にもの見せる時だぁ! この作戦があのお邪魔虫どもにいんどーを渡すのだぁ!! な'ぁーはっはhごほっ!? ぐほげほぉ!!?」
『提督。ハイ、ノド飴』
せんちゃんの肩に乗った塊は、差し出された飴を舐め始めた。
「あぁ〜、この歳になると喉の調子が悪くてなぁー?」
『それ普通に中の人の事情じゃね?』
「ゔるさぁ"ーい! え、ホントに何の話?」
『縁起デモナイコト言ウナ』
『す、すまねっす…』
『全ク…ソレヨリモ、作戦ハドウナッテイルンダ?』
シュウちゃんが言うと、深海提督は踏ん反り返った。
『聞いて驚け!今回は奴らに「絶望」を与えるための戦いだぁ! そのための準備もしてある!』
『オォー』
『…でもさ? ウチらが占領してる海域にあいつらが来るんだから、ウチらが作戦立てるんじゃなくてむしろ向こうが…?』
『ヴェアァ…』
『ソレ以上ハヤヤコシクナルカラヤメトケ』
『そっすねー?』
「こらぁー!! 人の話は最後まで聞けぇー!!! (プンプン)」
『オ前タチ、作戦ノ説明グライ聞ケ』
はあーい、と揃って言った二人の怪人の姫。この会話だけ聞いていると、彼女たちが人類にとって邪悪な存在だとはとても信じられない。
『で、肝心の作戦名はなんすか?』
「よくぞ聞いてくれました! …ふふん、作戦名は」
―2017年 秋
最終作戦、始動・・・
作戦名
「捷号決戦! 邀撃、レイテ沖海戦(前篇)」
・・・・・・・・
・・・・
・・
「あはは!」
「にひひひ!」
…子供のころ、オレは「アイツ」と一緒に遊んでいた。
もう随分と思い出していなかったが…オレには兄妹のように遊んでいた妹分がいた。
浜辺で寂しそうにしていたのを声をかけたのが始まりだった…と、思う。今でも朧げだ。
覚えているのは、ソイツが引っ込み思案な性格で…
それでいて、綺麗な「歌声」だった。ということ
「おにーちゃん!」
「おお!」
そうだ、笑顔。アイツは笑顔も可愛かった。…本当に、懐かしい
…不意に、オレはソイツに別れを告げる。
「いや!」
「わがまま言いなや…もう帰らんと」
「やーだぁー!!」
「んー……よし! 明日またここに来て、遊ぼ! 約束!」
「…うん、約束だよ!」
明日も遊ぼう。そう約束すると、オレたちは家に帰っていった…
・・・・・
そう
そこから、何故か「覚えていない」
分かっているのは
彼女が寂しそうにオレの背中を見つめていることだった…
・・・・・
「ん…?」
がばっと起き上がり、寝惚け眼で時計を確認…ヒトロクマルマル、午前六時。
「もうそんな時間か…お?」
無意識に額を拭うと、汗が吹き出ていた…そういえば「夢」を見ていたような気がする。
「何やったっけ? …忘れてしもうた」
大事な事のような気がしたが、頭の中からすっぽり抜けてしまっていた。
…いつもこうだ。朝起きて、夢を見ていた気がして、そのくせ何の事であったか思い出せないでいる。
まあ、よくある浅い眠りに見た夢なのだろう、気にしても仕方ない。
「さってと、皆ぁ起こしに(コンコン)…お?」
「提督…起きてる?」
「おお起きたよぉ、入りや!」
ガチャっと扉か開くと、ドアの向こうにオレにとって見慣れた人影。
「どうした時雨? オマエが起こしに来るなんて珍しい」
「うん、吹雪に頼まれて…夫婦なんだからって」
少し気恥ずかしそうに彼女…「時雨」は言った。
「ほうか。ありがたいわぁ? オマエの顔見よったら、眠気も吹っ飛ぶわぁ〜」
「もう…」
呆れながら、笑う。彼女とは「この関係」になってから結構の長さが経った。
最初は自分が「可愛い!」と言い寄り、彼女がどこかぎこちない顔で応答する程度の仲だった。
だが、月日はお互いの印象をも変えた…改二改装、それによる主戦場への起用、必然的に顔を合わせる回数も増えていった。
自分は彼女の儚げな一面がどこか愛おしく見えていたが、新たに「女の子らしく意地らしい」部分を垣間見た。
彼女は…聞いた話だと「頼り甲斐がある人」に見えたらしい(自分でもどこが? とは思うが)
その時既に榛名とケッコンの契り(もちろんカッコカリ)を結んでいたが、榛名の同意もあり、戦力強化の意味合いもあり「ケッコンカッコカリ」の段取りに入った(余談だが長門は三番目)。
それからというもの、どこかそっけなかった彼女の態度は、シャッターを開けたように軽やかに変わっていった…具体的に言えば
「雨が降ってきたね? 提督…もう少しこのまま、隣にいていいかな? 雨が止むまで…ね?」
…と雨が降るごとに全力で「デレ」てくるようなった…悪い気はしないがやはり彼女には雨に特別な思い入れがあるようだ。
…と、時雨は自分の顔をジッと見つめる。
「提督? その汗どうしたの?」
「ん? おお、起きたらこうなりよった」
「すごい汗だよ? 駄目じゃないか、風邪でもひいたら…ちょっとじっとしてて」
時雨は懐からハンカチーフを取り出し、それをオレの額にあてがう…距離が近くなり彼女の匂いがする、優しい匂いだ。
「ありがとうなぁ時雨? 実はさっき夢を見よってにゃぁ?」
「夢?」
「おお、内容は忘れてしもうたけんど」
「そう…あんまり無茶しちゃ嫌だよ?」
「何もないわえ。でも心配させる気はないがよ? すまん」
「いいんだよ…提督が無事なら、それで」
…何かを言い含むように言葉を紡ぐ彼女に気づいたオレは、彼女にどうかしたのか? と聞いてみることにした。
「やっぱり分かるんだ?」
「当たり前よぉ。…どうした?」
彼女が話しやすいように、短く、手早く、優しく質問する…彼女はたどたどしく、それでいてはっきりとした口調で言い始めた。
「…今度の作戦、覚えてる?」
「おお…「レイテ」やったか?」
作戦…彼女たちの戦いは、かつて起こった海戦をモチーフに展開されることが多い。今回は14年の夏に起きた「AL・MI作戦」と並ぶ、最大にして過酷な戦い「レイテ沖海戦」。
多くの艦娘にとって因縁深いこの海戦は、彼女にとっても同じだった。
彼女の場合は「スリガオ海峡海戦」、あの西村艦隊の最初にして最後、最大の戦い。
「僕は、生前…でいいのかな? とにかく、昔はたくさんの戦場を渡り歩いたんだ…いっぱい戦って、傷ついて…本当に、数えきれないぐらい」
「…」
「でも、それでも…あの夜を忘れたことは、一度もない」
そういう時雨の顔はみるみる青ざめていった…オレは彼女の頭を優しく撫でてやる。
「…ありがとう」
それに応えるように彼女は、優しく微笑んだ。
「僕はね…僕だけが傷つくならいい、誰にも傷ついてほしくないんだ…それは、彼女たちもそうだった」
「うん…」
「扶桑、山城、最上、朝雲、山雲…それから、満潮。皆、僕が今まで出逢った艦の中で、最高の仲間だった」
「ほうか…」
「でも…でも………」
震え出す身体、湧き上がる恐怖の感情。
それでも、語る口は止まることを知らなかった。
「もう、失いたくない…本当は、戦いたくない……! あの夜を、大切なモノが零れ落ちていくあの「感覚」を、二度と味わいたくなかった……っ!」
「時雨」
「今でも夢に見るんだ…君と同じさ! 僕の瞼の裏には、いつも…いつもあの「燃え盛る光景」が!!」
「時雨!」
失う恐れに苛まれる心。彼女に今必要なものは、弱々しくなる自分を支えてくれる「心」。
「あ…」
抱き寄せる。小刻みに振動する少女を優しく撫でる。
「う……うう…」
「大丈夫や。オマエは大丈夫やき」
「提督………僕は……僕は、無力だ」
「そんなことない」
「僕は…また、彼女たちを…また、僕、ひと、り、だけ……!」
「大丈夫やき、今は…いっぱい泣いたらえい」
「う……う、うあああ………!」
泣き止まない彼女を、ひたすらに優しく介抱する。
そう、これは彼女「たち」が自分を取り戻す
「…」
扉の向こう、一連のやり取りを静かに聞いていた、小さな影。
「…ホント、馬鹿みたい」
それだけ言うと、一人の戦士はその場を後にした…。
・・・・・
「さてと、着替えたし顔も洗うた! 間宮さんとこ…と言いたいけんど、先に吹雪のヤツを見に行くかよ?」
「うん…」
「時雨…うり!」
「(くしゃくしゃ)うわ!? て、提督! 分かったから! 頭をかき回さないで!?」
「にゃはは! 分かればえいがよ?」
「ふぅ…あ、着いたよ?」
「おう、執務室…ん? なんか話し声が?」
「? ……この声、もしかして」
-ガチャ
「だ、だから持ち場に戻ってってば!」
「何? 私がいちゃ不味いの?」
「そうじゃなくて…んん…あ! 司令官!」
「おう吹雪…と「満潮」?」
「満潮? どうしたの?」
「…別に。大したことないわ、私もヴェルや蒼龍さんみたいに、ここで待機したいって言っているの」
「ん、えいよ?」
「司令官! 駄目ですって!? 彼女たちは」
「皆ぁの出番は最終海域までやろ? 時雨もここに居らそう思いよったがよ?」
「で、でももしもの場合に備えておいてほしいから…」
「吹雪、レイテやからって気ぃ張りすぎや。皆ぁがおるき大丈夫よ?」
「で、でも…」
「…僕も、待機するなら満潮と一緒がいいな」
「時雨ちゃん!?」
「決まりね。まぁそういうわけだから、よろしく?」
「わ、分かったよぅ…でもそれはそれで良いかも、ですね?」
「ほうやろ? 皆ぁでイベントやるなら多い方が絶対楽しいちや!」
「うん、そう…だね?」
「……(時雨…)」
「あ! そうや! それはそうと満潮、改二おめでとう!」
「え? ああ…そ、そう? ありがとう」
「いやーぁ、このタイミングで改二とは、流石運営さんやにゃぁ!」
「司令官、露骨すぎますよ…」
「なーに言ゆうがよ! 待ちに待った改二、昔からの戦力やった満潮にぞ? これが喜ばんでどうするがよ!」
「…そうね? 私は、司令官や…皆のために、力を尽くすわ」
「え!? 満潮ちゃんが「素直」になった!?」
改二になってツンデレが「素直クール」になったんですかねぇ?
「わ、ナレーターさん!?」
はい、私です。今回出番があるか怪しいから、早めに出ておこうと思って?
「オマエは「日常」で出番あるきえいやないの?」
「まぁまぁ、この際ですから…では司令官、いつものように」
「おう! いっちょやるかよ! 時雨、満潮! 頑張ろうにゃぁ?」
「うん…」
「ええ、頑張りましょう?」
(…そう、力を尽くすわ。「今度こそ」……!)
さて、一大イベントとなってしまった今回…果たしてどうなるのでしょうか!
???「分かりませぇん!!」
「ちょっと! そういうの駄目ですって!?」
「えいやん? にゃぁ満潮?」
「まぁ、いいんじゃない? …面白いかどうかはともかく(しらっ)」
「ぉう…(´・ω・`)」
暗い事考えても仕方ありません。今回も楽しんでいきましょう! …では、また次回!
〇宿毛泊地メモver.4(過去に出演した艦娘、人物は割愛)
〇満潮
斜に構えた朝潮型駆逐艦。西村艦隊の一人であり時雨とはかけがえのない仲間の間柄。
改までは少しぶっきらぼうな態度を取っていたが、改二になりそれは身を潜め少し丸くなった模様。
内に熱い思いを秘めており、今回の作戦で彼女はある思いを果たそうとしている。
― next e1
「私が出なきゃ話にならないじゃない!」
「おはよ~ございまーす」
「私たちもいたっていいじゃない!」
「エッヤダッアタシ!?」
to be continued…